第八話
前回………旅立ったら、シャボン玉みたいなものがいっぱいの空間に出て、シャボン玉に吸い込まれてしまった。
[・・・・・・・か・か・・・・・・・]
…………………何だろう、何だか………声が聞こえる。
[・・・・・・・・・・起き・・さい・・で・・ます・・閣下・・・]
…………うるさいなぁ、………もう少し寝かせてくれ…………
[起きてくださいであります!!!!!!! 閣下!!!!!!!]
「!!!!!!!! !!!!」
俺は、脳内にきた大音声の念話で意識が覚醒した。
[おはようございますであります、閣下。起きて早々に申し訳ないのでありますがーーーーーーーーーーーーーー異常事態であります。]
直後のアリィの言葉に何だと思い、目を開けて、立ち上がって、辺りを確認しようと思ったらーーーーーーーー視界を布みたいなもので遮られ、縄か何かで足と腕を縛られていて、動けなかった。しかも、体の感覚が何やらおかしい。
「!!!!!?」
[閣下、落ち着いて下さいであります。それと今からは、念話で話して欲しいであります。]
[…? これでいいのか? それと何が起こっている?]
俺は寝起きで頭がぼんやりしてるせいかパニックに陥りかけたが、アリィの言葉で落ち着きを取り戻した。
[閣下………寝起きの調子が悪いとはいえ、今の醜態はどうかと思うでありますが…………]
[うっ、うるさい!ともかく、今どうなっているんだ?]
[閣下、我々は現在、謎の黒服の覆面集団に少女2人と一緒に捕まえられているところであります。それと…………非常に言いにくいことなのですが……………………………
「ばん!!!!!!!」
アリィが念話で何かを言いかけた所で、ドアを乱暴に開けた音がした。
「おい!バニングスの令嬢とこのビルで寝ていた不細工な餓鬼はどうだ?」
「へい、バニングスんとこの娘っ子は一回起きて、うるさかったんで気絶させときやした。それと不細工な餓鬼のほうは、まだ呑気に寝てますよ。」
「気絶させただと!?体に傷をつける様な真似はしてないだろうな? もし傷がついていたら値段が下がってしまうぞ。」
「大丈夫ですよ。薬品嗅がせただけだけですから。」
「なら良い。それとリーダーが招集をかけている。とっとと上に来い。」
「へい、わかりやした。」
ーーーーーーーーそして、くそったれな内容の会話が聞こえ、すぐにその会話は終わった。
会話の内容から察するにこの屑共は人身売買をしようといているらしい。
ーーーーーしかし、さっきアリィは少女2人と俺と言ったはずだ。ならば、この屑共が言っている不細工な餓鬼とはいったいなんだろうか?
俺が思考を巡らせていると、さっき何かを言いかけたアリィが言葉を発した。
[閣下………………閣下は現在、以前の姿の約10歳頃の姿をしております。]
[…………どうしてそんなことになっているのだ?]
アリィの言葉に現実逃避しかけたが、現状の把握のため、すぐにアリィに問い返した。
[原因は分からないでありますがあの時、あのシャボン玉の様な代物に吸い込まれた後、閣下がいつの間にか10歳頃の姿になった状態で廃ビルの中におられたので、閣下の容姿だと誰かが来た際に不埒な事をされてしまうのではないかと思い、この私が魔法を用いて、閣下の以前の姿に閣下の姿を変えたであります。]
[……………………………なるほど、気をきかせてくれてありがとう。
では、何故、少女2人と一緒に捕らえられているのだ?]
[閣下が寝ておられてる時に突然、そこにいる黒服覆面集団が閣下の隣にいる金髪の少女と他の場所に連れてかれた紫髪の少女を縄で縛った状態で連れて来た際に、廃ビルの中で寝ている閣下をついでに捕まえたであります。]
[そうか………………よし、少女2人を助けて脱出するか。]
俺は脱出するために、力づくで縄を千切り、目隠しをとった。そして、すぐ隣にいた金髪の少女の縄もほどいた。
「アリィ、もう1人の方は、気配から察するに上の階か?」
「はい。サーチャーで見たところこの廃ビルの3階の部屋に数人の黒服どもと一緒にいるもようであります。」
「よし、では行くぞ。」
「了解であります。」
○
どうしてこんなことになっちゃったんだろう。私はただ、アリサちゃんと一緒にお家に帰ってただけなのに。
「やぁ、初めまして当主の妹殿。私は貴女の遠い親戚の者です。」
私は今、下校途中に黒服覆面の男の人たちに口もとに布を押しつけられて、気づいたらこの廃ビルと思わしき場所で私の遠い親戚を名乗るおじさんの前に縄で縛られた状態でいました。
「アリサちゃんは!!!!!? アリサちゃんはどうしたの!!!!!?」
私はおじさんの言葉を無視してアリサちゃんのことを訪ねました。
「ああ、バニングスの御令嬢ですか。それなら下の階で寝ていますよ。」
「何で私とアリサちゃんを捕まえたの⁉」
「決まってるでしょーーーーーーー人質ですよ。貴女は当主から人形の技術を譲り受けるための。バニングスの御令嬢の方はご両親からお金をもらうためのーーーね。」
「………………おじさんも夜の一族なんですか? 」
私がそう聞くと、おじさんは顔を顰めました。
「私を貴女達化け物と一緒にしないで欲しいですね。私は吸血鬼等という化け物ではなく人間ですよ。ただ夜の一族に婿入りしただけのね。」
「………………私たちを化け物と思っているなら何で一族の人と結婚したんですか?」
私はおじさんの言葉に傷つきながらも、では何で婿入りしたのかと思い、聞いてみました。
「分かりませんか? 貴女達から技術を盗むためですよ。
しかし、ある程度の技術は盗むことは出来ましたが、貴女の姉、つまり、当主殿が一定以上の技術を制限しておりましてな。何を隠しているのかと探ってみればまぁ、宝の山ですよ。特にあの自動人形のことを私は欲しいと思い、当主殿にくれないかと何度も嘆願したのですが拒否されましてな。それでこうやって貴女のことを攫ったのですよ。ちなみにバニングスの御令嬢はついでですな。」
「ついで⁉ ついででアリサちゃんも攫ったの!!!!!?」
「えぇ、そうですよーーーーーーーにしてもあの人達、遅いですねー。もう招集をかけてから20分以上たってますよ。」
おじさんは私の詰問にてきとうに答えてから、すぐに意識を別のことに傾けました。
ーーーーーーーーーーーーーーあえて、聞かなかったけど多分、私もアリサちゃんも用が済んだら殺されてしまうでしょう。そう思うと今更ながら私は恐怖で震えてしまいます。そして、つい、来ないだろう助けをよんでしまいました。
「誰か助けてーーーー!!!!!」
「助けをよんでも無d「バタン!!」誰だ!!!!!?」
おじさんが私の言葉にたいして無駄だと言おうといせいる最中に突然、おじさんの背後のドアが勢いよく開きました。
そして、そこからとても美しい槍を持った男の子が出てきました。
「貴様。確かこの廃ビルで寝ていた餓鬼だな?どうやって抜け出してここまで来た。私が雇った者たちが警備をしていたはずだが?」
「大丈夫か?」
その男の子はおじさんの質問を無視して私のほうへ駆け寄り、私の安否を確認してくれました。
「うん、大丈夫だけど、あなたは誰?」
「俺は「私を無視するな!!!!!!!!」………うるさい、黙れ。このゲス野郎が。」
「ひぃっ」ブクブクブクブク バタン
おじさんが無視されたことに怒り、銃をつきつけてきましたが、男の子がおじさんのほうへ振り返り、おじさんに黙れと言うと、おじさんはなぜか、泡をふいて倒れてしまいました。
「今、縄を切るからじっとしててくれ。」
そう言うと男の子は手に持った槍を振り下ろそうとしました。しかしその時。
「すずかちゃん!大丈夫か!!!!!!??」
私のお姉ちゃんの恋人の恭介さんが小太刀を両手に持って入ってきました。
「そこの君ーーーーーーー何をしている。」
恭介さんは男の子が私にむかって槍を振り下ろそうとしているのを見て勘違いしたのか、男の子に対して警戒しているようです。