猫又少女も異世界から来るそうですよ?   作:グリアノス

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ふと見たとき、この作品のバーに色がついていて目が飛び出そうになりました。

これからも評価やお気に入りにしてくださる方々の期待にこたえられる様に精進していきます。

それでは第18話です。





第18話 年長者は怒りっぱなしだそうですよ?

「赤壁と炎と…………ガラスの街…………!?」

 

店を飛び出した三人を出迎えたのは自分達の全く知らない街並みだった。

 

北と東を区切る天を衝くように聳える巨大な赤壁に、そこから掘り出された鉱石で彫像されたモニュメント、境界壁を削りだすように建築されたゴシック調の尖塔群に遠目からでも分かる程に見る者を惹き付ける色彩豊かなカットガラスで飾りつけられた歩廊等、初めてその光景を見た三人は思わず目を奪われた。

 

特に飛鳥は瞳を輝かせて感嘆の声を上げていた。

 

「へえ? 980000kmも離れれば当然文化様式も違ってくるか。歩くキャンドルスタンドなんて奇抜で奇っ怪な物にお目にかかれるとは思わなかったぜ」

 

二足歩行で街中を闊歩するキャンドルスタンドを見下ろしながら十六夜は楽しそうに声を弾ませる。

 

飛鳥も胸の高まりを押さえきれないようで、絢爛な街並みを前にこの上無く気が逸っているようだった。

 

「今すぐ降りましょう! 私はあのガラスの歩廊に行ってみたいわ! 二人も一緒に行きましょう!」

 

「良いよ飛鳥。私も近くで見てみたいし」

 

「俺も構わねえよ。あんな物がここ以外でお目にかかれるとは思えねえからな」

 

飛鳥の提案に十六夜と耀は賛成の意を示すと街に降りようとする。

 

 

 

 

 

 

────が、三人は美しい街並みを前に失念していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「見ぃつけた───のですよおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 

 

 

 

 

 

 

自分達が焚き付け、追跡者に仕立て上げたウサギの存在に。そして、

 

 

 

 

 

 

 

「さて、私は常々悪い事をした子供には仕置きをしないといけないと思っているんだ。まあ、何が言いたいかと言うと────覚悟は良いか小僧共」

 

つい先程、自分達が仕出かした事の詳細を聞き及んだ猫又少女に。

 

 

 

 

 

 

 

 

ズドォン!! とドップラー効果を伴った絶叫と共に、戦車砲を鼻で笑えるような威力を持った着地を極めたのは我らノーネームが誇る箱庭の貴族である黒ウサギ。その声に問題児達は身を震わせた。

 

「ふ、ふふ、ふふふふ、ようやく、よおぅぅぅやく見つけたのですよ問題児様方…………!」

 

その髪を淡い緋色に染め上げた黒ウサギは長い髪を戦慄かせ、怒りのオーラを振り撒く。

 

「事情は聞いたぞ。なんともまあ随分と過ぎた悪ふざけだな?」

 

遅れて店から出てきた鈴香は口調を一変させ、全く目が笑っていない笑顔を三人に向ける。

 

ここままではヤバいと感じた問題児達の中で最も早く行動を起こしたのは十六夜だった。

 

「逃げるぞッ!」

 

「逃がすかッ!」

 

「え、ちょっ!?」

 

十六夜は隣に居た飛鳥を抱き抱えてすぐさま展望台から飛び降りる。耀は旋風を巻き上げて飛び上がろうとするが、

 

「ふふ、逃がさんよ?」

 

いつの間にかその肩を掴んだ鈴香によって飛ぶ事が出来なかった。ミシミシと肩が悲鳴を上げているが鈴香は加減する様子は無い。

 

「す、鈴香? 痛いよ?」

 

「それがどうした? これも説教の一環だから何の問題もあるまいよ」

 

耀の抗議も何のその、鈴香は抗議の声を一言で切り捨てた。事情を聞いた鈴香に容赦というものは存在しないようだった。

 

そこに黒ウサギが駆け寄って声をかけてきた。相手が鈴香だということもあってか雰囲気はいつものものに近いようである。

 

「鈴香さんも此方に居たのですね! そのまま耀さんを離さないでください!」

 

「いえ、貴女は残った二人を捕まえて来なさい。私はこの子に説教をしておくから」

 

「そうですか。なら私は他の問題児様を捕まえて参りますので! 耀さん────後デ私カラモ御説教ガアリマスノデ今ノウチニ覚悟シテオイテクダサイネ?」

 

「りょ、了解」

 

抵抗はおろか反論する気勢すら根こそぎ削がれるようなトチ狂った笑顔とそれを助長するカタコトの声を前に、耀は怯えながら頷く。数多くの動物と友達となった中で培われた野生の勘が逆らってはいけないと訴えたのと、背後の鈴香から発せられるプレッシャーが凄まじい事になっていたからだ。

 

「フフフ…………お二人共、絶対に逃がさないのですよおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 

そう叫びながら展望台から飛び降りる黒ウサギ。そして黒ウサギを見送った鈴香は耀に向かって声を掛ける。

 

「────さて、説教は中でしようか。逃げられると思うなよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

バッチィィィィィィィィィィィン!!

 

「~~~~~~~~~~~~ッ!?」

 

久々に炸裂した鈴香の妖気DE強化☆スーパーデコピンが唸りを上げる。当然耀は声にならない声を上げながら蹲る。

 

「貴方達、今日中に捕まえられなければ脱退とは悪戯というにはいくらなんでも質が悪いわ」

 

「うむ、そやつの言う事はもっともだ。故にその痛みは甘んじて受け入れるべきだぞ?」

 

「うぅ…………わ、私も質が悪いなとは思ったよ? でも黒ウサギがお金が無い事をきちんと説明してくれれば私達だってこんな強硬手段には出ないよ」

 

ところ変わって展望台から先程まで居たサウザンドアイズの旧支店の一室に戻った鈴香と耀は早速説教タイムに入っていた。先程のデコピンは話が手紙の内容に及んだ際に、鈴香から打ち込まれたものだ。

 

実は鈴香がジンから聞いたのはあくまで“黒ウサギにお仕置きをするために手紙一つ残して北側に向かった”という内容で、手紙の内容まではジンが知らなかったのもあって鈴香自身は知らなかったのだ。

 

そして肝心の内容を知った鈴香は耀にデコピンを打ち込んだ、というわけだ。

 

「馬鹿ね。それに貴方達に伝えなかったのは黒ウサギの気遣いだって何で分からないの?」

 

「え?」

 

耀も痛みに耐えながら鈴香と白夜叉に向かって反論するが、呆れた様子の鈴香に言われた事に言葉を失った。

 

「良い? 貴女は黒ウサギが何で火龍生誕祭の事を黙っていたのか分かってないみたいだけど、貴女は黒ウサギがただお金が無いから黙っていたと思ってるの?」

 

「…………違うの?」

 

「はぁ…………あの娘はそんな狭量じゃないわよ。あの娘が黙っていたのは、今のノーネームに貴方達を火龍生誕祭に連れていく財力が無いという事以上に、貴方達が火龍生誕祭について知っても連れて行けずに貴方達をがっかりさせないように敢えて知らせなかったとは思わなかったの?」

 

「ふむ、おんしは黒ウサギの事を良く見ておるようだの。確かにあやつに人が落胆する様を見て喜ぶ趣味は無いからな。そう考える方が自然であろうよ」

 

鈴香の弁に白夜叉が同意したのを見て耀の顔色がみるみるうちに悪くなっていく。

 

「じゃ、じゃあ私達がしたのは…………」

 

「はっきり言うなら、あの娘の想いを踏みにじったと言って良いわね」

 

「わ、私はそんなつもりじゃ……………………ねえ鈴香、どうやったら黒ウサギに許してもらえるかな」

 

耀は自分達のした事を悔いて黒ウサギに償いたいと言い鈴香に解決策を相談するが、そこに案を出したのは白夜叉だった。

 

「ふむ、それならばおんしに参加してもらいたいゲームがあるのだがやってみる気はあるか?」

 

「私に?」

 

「うむ、これだ」

 

白夜叉は着物の裾から一枚のチラシを取り出して耀に見せる。

 

 

『ギフトゲーム名“造物主達の決闘”

 

・参加資格、及び概要

 

 

・参加者は創作系のギフトを所持。

 

・サポートとして一名までの同伴を許可。

 

・決闘内容はその都度変化。

 

・ギフト保持者は創作系ギフト以外の使用を一部禁ず。

 

 

・授与される恩恵に関して

 

・“階層支配者”の火龍にプレイヤーが希望する恩恵を進言できる。

 

 

宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗の下、両コミュニティはギフトゲームを開催します。

 

“サウザンドアイズ”印

 

“サラマンドラ”印』

 

チラシを読み終えた耀は顔を上げると首を傾げて白夜叉に問う。

 

「…………創作系ギフトって?」

 

「うむ。人造・霊造・神造・星造を問わず、製作者が存在するギフトの事だ。北では過酷な環境を生き抜く為に恒久的に使える創作系のギフトが重宝されておってな、その技術や美術性等を競い合う為のゲームが時折行われるのだ。──でだ、おんしの“生命の目録”ならば芸術性はもとより、力試しのゲームなどはなかなかあつらえ向きだと思うのだが…………」

 

「そうかな?」

 

「そうだとも。幸いな事にサポーター役ならばジンや鈴香が居る。おんしさえ良ければ祭りを盛り上げる為に一役買ってほしいのだ。無論、勝者の恩恵も強力な物を用意する予定なのだが、どうだろうか?」

 

白夜叉が薦めるゲームに、後一歩のところで迷っている耀。このゲームにたとえ優勝しても黒ウサギが許してくれるか分からないというのが理由なのかもしれない。耀は迷いを振り払う為に白夜叉に問い掛ける。

 

「ねえ白夜叉」

 

「うん?」

 

「その恩恵で…………黒ウサギと仲直り出来るかな?」

 

年若い少女が必死になって聞いてくる様に白夜叉はとても暖かな笑みで答える。

 

「出来るとも。おんしにその気持ちが、その心があるのならばな」

 

「…………そっか、なら出場してみる。鈴香、サポートとして一緒に出てほしいんだけど出てくれない?」

 

「ふふっ♪ 良いわよ。若者の頑張りを支える、見守るのは年長者の務めなんだから、ね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの後、もう少しだけ続いた耀の説教タイムは昼前に何とか終わりの様相を見せ、耀と鈴香は白夜叉が薦めてきたゲームに参加していた。

 

本日のゲームも終盤に差し掛かり、熱狂渦巻く舞台上では最後の決勝枠を懸けて二つのコミュニティが鎬を削っていた。一つは自動人形と呼ばれる石造りの巨人を擁する“ロックイーター”というコミュニティ。もう一方は言わずもがな、春日部耀と東雲鈴香両名が所属するノーネームである。

 

舞台の枠外に控える三毛猫が端から聴けばにゃーにゃーと、しかし実際には己の出せる渾身の力で叫んでいた。

 

『お嬢うううううううう!! 姉御おおおおおおおおお!! そこや!! 一気にいてこましたれえええええええ!!』

 

「せいっ!!」

 

鈴香は妖気で強化した己の体を用いて石造りの巨人の膝裏を狙って強かに回し蹴りを打ち込む。たったそれだけで石造りの巨人の膝は破壊され、そのまま倒れ込みそうになる。

 

石造りの巨人は体勢を膝立ちのようにする事で何とか体幹を安定させて、背後に居るであろう鈴香に向かって右腕を振るうが、しかしそんな大雑把な攻撃が鈴香に対して当たる筈も無く、鈴香は真上に身を翻して軽やかにかわした。

 

そして耀は腕を振り抜いた事で致命的とも言える隙を晒した石造りの巨人の後頭部を旋風を纏わせた蹴りで打ち崩した。加えて耀は体重を象に変幻させて落下速度に象の体重を加えた蹴りを石造りの巨人の背中に打ち据え、鈴香はそれに合わせて石造りの巨人の肩に跳び乗って妖気で強化した拳を打ち込んだ。

 

二人の息の合った連携攻撃を受けて石造りの巨人が地に倒れ伏すと辺りから割れんばかりの歓声が湧き上がった。

 

『お嬢うううううううう!! 姉御おおおおおおおおお!! うおおおおおおおおおおお!!』

 

三毛猫は二人の雄姿に雄叫びを上げる。鈴香は三毛猫の喜び様に一つ苦笑を溢すとウインクと共に優しく微笑み、耀は片手を上げて三毛猫に応えていた。

 

宮殿のバルコニーより試合を観戦していた白夜叉は前に進み出ると観客の歓声を柏手一つで鎮め、徐に口を開く。

 

「最後の勝者はノーネームの春日部耀とそのサポートの東雲鈴香と相成った。これにて決勝枠が全て出揃った事になる。皆の者熱狂冷めやらぬと言った様子だが本日はこれまで、決勝戦は明日以降となっておる。明日以降のゲームルールは私ではなく、もう一人の主催者にして此度の祭典の主賓に説明願おう」

 

白夜叉はそう言うと、斜め後ろに下がってバルコニーの中央を件の少女に譲る。そして現れたのは艶やかな深紅の髪を頭上で結わえ、色彩鮮やかな服装に身を包んだ新たな階層支配者。

 

龍の純血種・星海龍王の龍角を継承した“火龍”・サンドラ=ドルトレイクである。

 

この場に集まった誰もが絢爛豪華な衣装に身を包んだ少女に注目するが、大群衆の視線を前に幼い階層支配者は緊張している様子だった。

 

そんな彼女の緊張を解す為に白夜叉はそっと耳元で囁く。

 

「ふふ、いよいよ華の御披露目だの。しかし緊張するのも分かるが皆の前では笑顔と共に泰然としておらねばならぬぞ。我々フロアマスターは下層で生きる者の心の拠り所なのだからな。ホレホレ、そのような顔では私の送った衣装も色褪せてしまうであろう? 此処は凜とした態度での」

 

「は、はい」

 

白夜叉の言葉もあってか多少落ち着きを取り戻したサンドラは大きく深呼吸をすると、ゆっくりと口を開く。

 

「ご紹介に預かりました、北のフロアマスター・サンドラ=ドルトレイクです。東と北の共同祭典・火龍生誕祭の日程も、今日で中日を迎える事が出来ました。然したる事故も無く、進行に協力してくださった東の、北のコミュニティの皆様にはこの場を借りて御礼申し上げます。以降のゲームにつきましては御手持ちの招待状をご覧ください」

 

サンドラの言葉を受けた観衆は一斉に招待状に目を落とす。すると招待状に記された文字は形を失い、新たな文字を紡ぎだしていく。

 

『ギフトゲーム名“造物主達の決闘”

 

・決勝戦参加コミュニティ

 

・ゲームマスター・“サラマンドラ”

 

・プレイヤー・“ウィル・オ・ウィスプ”

 

・プレイヤー・“ラッテンフェンガー”

 

・プレイヤー・“ノーネーム”

 

 

・決勝ゲームルール

 

・お互いのコミュニティが創造したギフトを比べ合う。

 

・ギフトを十全に扱う為に一人までの補佐が許される。

 

・ゲームのクリアは登録されたギフト保持者の手で行う事。

 

・総当たり戦を行い勝ち星が多いコミュニティが優勝となる。

 

・優勝者はゲームマスターと対峙する。

 

 

・授与される恩恵に関して。

 

・階層支配者の火龍にプレイヤーが希望する恩恵を進言できる。

 

 

宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗の下、両コミュニティはギフトゲームを開催します。

 

“サウザンドアイズ”印

 

“サラマンドラ”印』

 

 

「これにて本日は散会となります。明日も皆様にお楽しみいただけると幸いです」

 

その言葉と共に本日の大祭はお開きとなった。

 

日も傾き始め、巨大な境界壁の影が街並みを覆い尽くそうとするなか────

 

 

 

 

 

ゴガアァァァァァァァァァァン!!!!

 

 

 

 

 

 

巨大な時計塔が中程から砕かれる音が響き渡った。

 

ゲームを終えてサウザンドアイズの旧支店に戻ろうとする鈴香と耀は一瞬唖然とするが、こんなことをするのは十六夜(問題児)しか居ないとすぐに思い至った。

 

うわー、あれどうするんだろ。とぼんやり考えていた耀だったが、ふと隣からとてつもない怒気を感じた。

 

耀は恐る恐る隣に視線を向けるとそこには再び阿修羅が降臨していた。

 

「耀」

 

「っ!? な、何?」

 

「私はちょっと行くところが出来たから貴女は先に戻ってなさい」

 

「りょ、了解」

 

「良い返事だわ」

 

鈴香は耀の返事を聞くと音を置き去りにする勢いで跳び去った。耀はこれから地獄を見るであろう問題児に合掌していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あー、どうやら引き分けみたいですね。この場合はお互いに命令権を得たみたいです」

 

「そんな事はどうでも良い。腹の底からどうでも良い。俺が気に入らないのは引き分けっていう結果だけだ。どう見ても俺の方が速かっただろ」

 

「やや、そんな事は無いのですよ? 箱庭の判定は絶対なのです」

 

時計塔を倒壊させた十六夜とそれに関わったであろう黒ウサギの近くに降り立った鈴香が聞いたのは要らん問題を引き起こしてくれた二人の下らないやり取りだった。

 

「はあ? なんだそれ何処の神様が決めた判定だふざけんな────」

 

しかし鈴香に気づかぬまま、更に言い合いを続ける二人に鈴香の怒りは天元突破する。

 

鈴香はそのまま二人に近づくと、

 

「ふざけんなはこっちの台詞だこの馬鹿共がああああああああああああ!!」

 

二人の頭を掴んで渾身の力で衝き合わせた。

 

「おい十六夜何やってたかは知らないけどお前この時計塔どうするつもりだ答えろそれと黒ウサギ私はお前に残る二人を捕まえてこいって言ったのにこの惨状はどういうことか説明しろや」

 

不意打ちで額を衝き合わせた二人は凄まじい痛みに蹲るが、鈴香はそんな二人に立て続けに言葉を投げかける。

 

「そこまでだ貴様ら!」

 

頭を押さえて蹲る二人に、その二人を沈めた鈴香はいつの間にか騒ぎを聞き付けてきたサラマンドラの憲兵隊に囲まれていた。

 

「ああ、この二人を連れて行くの? 構わないわ。牢屋にでもぶちこんでおいて頂戴。ついでに私から謝罪がしたいから貴方達の党首の所に案内してくれる?」

 

サラマンドラの憲兵隊に容赦無く同士を突き出す鈴香。同士を庇わずあろうことか進んで突き出された事に却って戸惑う憲兵隊の一同だった。

 

そんな騒動を経て本日の祭りは今度こそ終わりを告げる。

 

気づけば辺りは夕暮れ時を過ぎて、きらびやかな街並みは夜の帷に包まれ、昼間とはうってかわって夜の街に姿を変えていたのだった。

 

「…………あー、今日は怒りっぱなしで凄い疲れたわ」

 

鈴香の呟きは誰にも聞かれる事なく夜の街並みに消えていった。

 

 

 

 

 




それでは読んでいただきありがとうございます。

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