魔法科高校の武闘派   作:紅茶パフェ

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前の話の余談:司波兄妹とリナに話しかけようと頑張ったほのか氏、人の群れに敗北


入学編3

一科生と二科生とで綺麗に分かれている窓口(そんな意図はしていない筈なのだろうが)を確認し、達也達の気配を確認しながらも一真は二科生が並んでいる窓口へ並びカードを受け取っていた。

 

「ねえねえ、夜津君は何組?」

 

「E組だけどどうかしたのか?」

 

それなりに親交を深め、同じ窓口でひと塊で移動して先に受け取ったエリカの言葉に対して即答する。

何か期待でもされたのだろうかと、足りない頭で一真は考えたが、すぐに答えが出ないと打ち消した。

 

「やった!同じクラスね」

 

「私も同じクラスです」

 

オーバー気味なエリカと控えめに喜ぶ美月。

まわりでも似たような反応が多かったので、こういうのが普通なのか?と一真は考えつつ他の二人の様子を見るが。

 

「私はG組だ」

 

「あたしはF組~」

 

どうやら、クラスが分かれるのが決まったようである。

が、彼女たちは別にガッカリしてる様子は無い。

一学年八クラスであり、一クラスの人数は25人なのでこの辺りは平等だ。

そして二人はまだ見ぬクラスメイトに思いを馳せているのかも知れない、と他人事なので当然なのだが他人事のように思っていた。

 

「じゃ、私たちはホームルーム行ってくるねー」

 

「別の機会での再会でもよろしくね!」

 

そういって別行動となった状況、一真はすぐさま集合場所に行こうと考え……残った二人の少女に見られてるのを確認して首をかしげていた。

 

「一真君はホームルーム行かないの?」

 

「幼馴染と約束がある」

 

そういえば自由参加ではあるがクラスメイトとの交流にほぼ不可欠な行事だったなあ、と一真は思いつつも明日以降にも機会があるのだからと幼馴染たちとの約束を優先する。

向こうもおそらく同じように約束優先だろうと判断しての事であり、実際に()()()()()()()には気が付いている。

 

「ふーん?それってあの近づいてきてる三人の事?」

 

「ああ、そうだけど?」

 

「複雑じゃない?」

 

三人のエンブレムが付いてる制服を見て、エリカがつい言わずにいられなかったという表情で一真を見ていた。

その事を気にしていない一真では何に対してなのかさっぱりわからなかった。

 

「何がどう複雑なんだ?」

 

「あー」

 

「大丈夫ですよ、その人は色々と無頓着なのですから。待たせてごめんなさいね、一真」

 

純粋に心配しての言葉だと判断したのか、近づいていた三人の一人の深雪がエリカの先ほどの発言を予測して割と辛辣な言葉を吐いた。

が、そこには遠慮が無いものの悪意は一切含まれていない。

深雪の名前呼びな上に呼び捨て発言に聞き耳を立てていたであろう生徒が一斉にギリギリ音を立てつつ一真をにらみつけていたが、一真は気に留めることなく達也達と向き合っていた。

 

「で、そちらの方々は?」

 

「クラスメイトの……柴田美月さんに千葉エリカさん」

 

それ以外に紹介のしようがないとばかりに簡潔に述べる一真。

ただ、手で指したりしていないので、誰が誰なのか、理解しろというのは非常に無理がある。

実際に美月もエリカも困っていたのだが――――。

 

「そちらの赤い髪の方が千葉さん、残るそちらが柴田さんですね?」

 

「え?あ、うん」

 

「もしかして知っていたのですか……?」

 

難なくリナがどちらが誰なのかを当てて、エリカと美月が若干驚いていた。

特に有名ではないはずだと、思っていたのだが――――

 

「一真の意識の向け方で理解しただけで、正真正銘の初対面だ」

 

「……幼馴染パワーおそるべし」

 

「仲がよろしいのですね」

 

付き合いが長くなければ判断できないであろうと推測してエリカはかなり幼い頃からの幼馴染であるとほぼ断定して言葉を紡ぎ、美月は仲の良さに微笑ましさを感じていた。

そして深雪は一真とエリカ、美月の様子を少し観察し、これから親しくなるかもしれないと一瞬で判断を付けた。

リナも同様の事(親しくなるかもしれない、という部分だが)を考えていたようであり、すぐさま自己紹介にうつっていた。

 

「工藤リナよ、リナでいいわ。よろしくね」

 

「柴田美月です、初めまして。私の事も美月で構いません」

 

「私は千葉エリカ、エリカでいいわ。深雪と達也って呼んでいい?」

 

「司波達也だ。まあ、妹とかぶるからな」

 

「司波深雪です。司波だとお兄様と同じですものね」

 

位置的に正面で相対している相手と自己紹介を交し合う。

やけにフレンドリーなエリカの態度に深雪は先ほどまで絡まれていた来賓の堅苦しさやその後の同級生達の賛辞よりも好感や安堵を抱いたようである。

達也は女子同士の交流に一種の疎外感を覚え、一真は深雪と美月、リナとエリカの方が名前的にも雰囲気的にも似通ってるなあ、とすごくどうでもいいことを考えていた。

そしてようやでくはあるが、一真も名前で呼ばれることとなった。

 

 

 

 

「それより、生徒会がいるがいいのか」

 

「七草会長」

 

新入生総代の深雪に対して何やら話があるのか、男子生徒を引き連れて達也達の方へと歩み寄っていた。

何気に達也達が意識を向けるまで律儀に待っていたようである。

 

「また会いましたね、司波君、工藤さん、夜津君」

 

七草会長は柔らかく笑みを浮かべ、男子生徒はけげんな表情をしていた。

一科生と二科生が親しくなるようなことが許しがたいのか、それとも新入生総代の深雪がそこにいるのがふさわしくないと言いたいのだろうか?そういうことは関係なく一真は首をかしげているだけだったが。

実際にはそれもあるが、気が付いてたなら早くこっちに意識を向けろというのが正解である。

 

「ミユキに何か、お話でも?」

 

「いやリナ、深雪に対する生徒会勧誘だろう。新入生総代は毎年、生徒会に入って運営の基礎を学ぶのが習わしのようだからな」

 

「いえ、本日は顔合わせだけですよ」

 

流石に初日からいきなりというのは無いようである。

その事を理解しているためなのか、睨んでいる男子生徒(おそらく生徒会の一員)も何も口を挟まないようだ。

自己紹介などは既に済ませているため行われてはいなかった。

 

「先約があるようですから、また後日、ゆっくりとお話しさせてくださいね」

 

「はい」

 

深雪の返事を聞いた後で丁寧に頭を下げて「では」といいつつ会長はその場を後にした。

生徒会の一員の男も自身の手帳を一瞬だけ確認して同様に踵を返す。

その様子に周囲の生徒の一部から驚きの声が上がっており、本来の行動とはかけ離れているのだろうか、と達也は考えた。

 

「お兄様?」

 

「いや、なんでもないよ……さて、言う機会を失していたがスピーチ、とてもよかったよ深雪」

 

そう言って、達也は優しく微笑みかけて深雪の頭を撫でる。

深雪もそれを恍惚とした表情で受け入れ、その様子はまるで恋人同士のような甘い雰囲気になる。

周囲から伺っていた生徒たちが唖然とした表情を浮かべていた。

 

「り、リナさん……い、いつもああなのですか?」

 

「そうよ、タツヤと交友を持った場合にミユキが居ると高確率でこの光景を見せ続けられるのよ」

 

「は、はあ……」

 

はた目から見れば危うい兄妹の光景に、幼馴染の……無頓着そうな一真をスルーしてリナに尋ねる美月。

エリカもエリカで何も言う事は出来ず、かといって初対面の遠慮でその事には今は触れないようにしようと考えたようである。

 

「仲が良いのは良い事じゃないか」

 

「あんたのその無頓着さがひどく羨ましいわ」

 

一真の言葉にリナは本気で羨ましそうな声色で呟いていた。





服部さん、名前が出てこなかった
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