魔法科高校の武闘派   作:紅茶パフェ

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サイヤ人+αの本気を見せてやろう(逸らし目)


入学編6

一部始終を見ていた達也はさっそく仲の良いクラスメイトが出来たのか、と思いつつも教室を見る片手間に端末にIDを差し込んでキーボードオンリーで受講登録を済ませていた。

 

「……キーボードだけって、珍しいなお前」

 

「そうか?慣れればこちらの方が早いんだが」

 

達也の様子が気になったのか、深雪達のやりとりから唯一目を逸らして横の席に座っていた男子生徒が声をかけていた。

視線に珍しいキーボードオンリーの打ち込みとその早さが入り込んで、そちらに目を向けたのだろう。

 

「そうなのか……あ、自己紹介が遅れたな。森崎駿だ、名字でも名前でもどちらでも構わないがモブ崎とは呼ばないでくれ」

 

「(モブ崎……?)だとしたら誤って呼ばないように駿と呼ぼう、俺は司波達也だ。妹と重複するからこちらは達也で構わない……クイックドロウで有名なあの森崎か?」

 

自己紹介を受けたので達也も軽く自己紹介をし、森崎の名字を聞いたのでその家系で有名な魔法を思い浮かべ、直接聞いていた。

気になった点が一つあったものの、明らかな誹謗中傷に当てはまるのでそもそもそう呼ぶ気など達也には一切ない。

隠していないとはいえ、すぐに言い当てられて驚いたのか森崎は目を若干見開いていた。

 

「確かに森崎本家に連なるものだが、よくすぐに出てきたな」

 

「模範実技の映像資料にあったからな」

 

達也のつづけた言葉に思い出したのか、手をたたいて「あれか」と呟いていた。

森崎家の実技の早さに関して参考にするようにと撮影されたものがあり、森崎の祖父や父親が実演を行っているのだ。

 

「まあ、その発動速度も……上が2人も居るんだよなあ」

 

「同じ会場で受けてたのか」

 

ああ、と同意しつつ自分自身が最も得意とする分野で圧倒するほどの速さかつ正確な動作で魔法発動を見たせいか、若干自信喪失しているようである。

とはいえ、嫉妬の感情はなくただ純粋に羨望の眼差し(下心が多分に含まれているだろうが)で見ているので害意じゃなければ構わないか、と判断した。

 

「身内びいきではないが比べていくのも疲れるだけだぞ、駿」

 

「実際に成績が証明してるんだよな……」

 

そう言いながら話しかけようとしつつも話すのも躊躇われるといった状態で遠巻きに見ている生徒を見つつ、中央で仲良く話し合いを始めた4人を見る駿。

達也は人の群れの中に昨日、かなり話しかけていた人物を見かけ、昨日よりも積極性がなくなっているな、と適当に考えていた。

 

「クラスの人間と話せるのはいつになるのやら」

 

「数日経てば落ち着くだろ、もしくは何か別のインパクトが必要だな。さっきのタイピングみたいに」

 

 

 

 

「駿、深雪に合わせようと考えているがどうする?」

 

「ぶっ!待て、心の準備が!!」

 

指導教官の話が終わり、学内見学を行う段階で達也はどうしようか考え、ひとまずは深雪との合流を考え、ついでに互いにクラスで出来た最低限知り合い以上の紹介も兼ねようと駿に声をかける。

駿は駿で難なく高嶺の花のような存在と同行出来る喜びとその覚悟を決めるのに心の折り合いをつけるのに時間がかかりそうな状態に陥り、若干錯乱していた。

 

「お兄様、先生に同行して見学を考えておりますがどうされますか?」

 

「一目散に人の群れの隙間を縫ってタツヤの元に移動って」

 

「怖い笑顔でどかせたリナもリナのような気もするのだけど」

 

そうこうしているうちに、深雪の方は達也のもとへ乱れる事の無い早い動きで到達し、リナは笑顔(眼力込)で群れをかき分けて雫とほのかを引き連れていた。

安全に通れたとはいえ、雫は微妙な面持ちをしていた……表情には出ていないが、微妙に違い無い筈である。

 

「深雪やリナに合わせるつもりだ。紹介しよう、こちらはさっき友人になった森崎駿だ」

 

「そうですか、司波深雪です。苗字ではお兄様と区別がつかなくなってしまいますので深雪で構いません」

 

「ど、どうもみ……し、司波さん」

 

舞い上がりすぎて声が小さくなったらしい駿。

尚、名前で呼ぼうとしたが……周囲の嫉妬の視線が怖くて名字呼びになってしまった。

まあ、さんを付けている時点で区別がつくので構わないのだろうが、リナは深雪のセリフを聞いた後で若干ジト目で見ていたので、名前呼びで構わないの部分に何らかの思惑があったのだろうと推測していた。

簡単に言ってしまえば「やっぱりミユキってドSよね」、と。

 

「工藤リナよ、えーっと……モリサキと呼ばせていただくわね。ミユキも暫くはそうしてなさい」

 

「……そっちの方がありがたい気がする」

 

ミユキも、の時から声を若干ひそめていた。

駿は駿で残念に思いつつも名字呼びに関しては感謝していた……名前呼びされたら嫉妬の視線で命を落としかねない。

 

「私も友人をご紹介しますね。光井ほのかさんと北山雫さんです」

 

「よ、よろしくお願いします!た、達也さん!ほのかと呼んでください!!」

 

「あ、ああ。ほのかに雫、だな」

 

何やら結んである髪の毛をピコピコさせつつほのかが達也に声をかける。

雫も静かな声で「よろしく、雫で構わない」と発言していたのだが、すっかりと聞こえなくなってしまった。

だが、達也には聞こえていたようで、ほのかの態度に若干困惑しつつ、両方の名前を呼ぶ。

周囲の視線が厳しくなるのだが、そちらの方では達也は堪える事は無い。

 

「こっちも名字呼びで通させてもらうね森崎君、ほのかにも言っておくから」

 

「ほぼ初対面の女子と双方名前呼びはちょっと厳しいからな……周囲の視線的な意味で。ところで工藤さんの周囲が熱いんだけど」

 

「……すぐに収まると思いますよ」

 

幼馴染のほのかの様子を見つつ、ダメダこりゃと考えつつ雫が駿に話しかける。

周囲の視線に耐えれるか耐えれないかで名前呼びの振り分けを行っていたが、駿としてはありがたさしかない(話をしている時点である程度の視線が集中しているのだが)ので承諾した。

ほのかに纏わりつかれているイメージが見える光景を見てリナが片足で静かな程度に叩きつつ無意識に漏れ出させていた。

そんな様子を見ている、深雪は猫を被っていない微笑を浮かべつつリナをじっと見ていた。

 

「……ごめんさいね、モリサキ君。ちょっと周りの視線が鬱陶しくてイライラしてたみたい」

 

「あ、いや。大丈夫です、はい」

 

深雪の視線に気が付き、駿の言葉を思い出しつつも何か言い訳じみた事を早口で捲し立てたリナの様子に、何か別の理由があるのだろうと推測した駿だが踏み込んだらこんがり焼けそうな気がしたので無理やり納得しておいた。

雫はほのかとリナを見比べ、ついでに不思議そうに深雪の様子も見ていて言葉を発していなかった。

 

「先生が待ちぼうけ状態だから移動しようか」

 

達也の言う事によりようやく移動を開始した。

なお、達也の言う通り教師は誰か来ないか廊下で待ってたままであり、達也達が来てからほっとした表情を浮かべていたそうな。

もちろん、深雪やリナ目当てに他のクラスメイト(主に男子だろう)がゾロゾロついてきたのは言うまでもない。

 

 

 

 

達也達が教師の講釈付き案内が一旦休憩となり、食堂へと足を踏み入れると、一ヶ所に視線が集中していた。

 

「……どうかしたのか?」

 

「全員驚いてるな」

 

達也・駿の組とリナ・深雪・ほのか・雫の組に少し(男子へのある種の牽制で男女別になった)分かれつつ進んでいたのだがやけに静かであり口を開いたまま呆けているものが居る。

 

「……お兄様、これは」

 

「……タツヤ、物凄く予想出来る事なんだけど」

 

別行動だったのだが、空いてしまっている注文口で合流してしまい、深雪とリナがひどく心当たりがあるのか達也に声をかけていた。

達也も食堂という場所と視線が集中しているという点で一人の人間が思い浮かんでいた。

 

「視線集中している席の隣接場所の6席が空いているようだ」

 

「……先に席を確保しに向かいましょうか」

 

「深雪は予想出来てるの?」

 

人の隙間を見つつ席が空いていることを確認し、別行動だったはずだがしなくても大丈夫な気がしたので提案し、深雪が若干ため息をつきつつ確保しに移動する。

駿と達也は持ち運び要因として残り、残り4人が向かう事になり雫が深雪に対して疑問をぶつけていた。

 

「見ればわかるわよ……原因は確実にアレよ」

 

「ポスター……ですか?」

 

リナがポスターに視線をやりつつ雫の疑問に答えていた。

雫と一緒にほのかもポスターを見ており、食堂のチャレンジメニューというものが目に入っていた。

 

『成人男性10人前の特大丼、見事に食べつくして見せよ』

 

「……え”」

 

ほのかが小さく驚きの声をあげ、人を自然にかき分けて席にたどり着くと……予想通りの人間が予想通りの事を引き起こしていた。

 

「一真、それは何杯目ですか」

 

「………………そこに積んである量で判断してくれ」

 

「3杯……いや、今持ってるの含めたら4杯目ね」

 

深雪が言葉を掛けると口に含んだものを飲み込んでから注目されている人物である一真が答えた。

リナが冷静にカウントしており、口にした途端、ようやく食堂に居た人間全員の硬直が解けたのかポスターと見比べながら何人前食べてるんだコイツという共通した思考を浮かべていた。

 

「……食べっぷりに驚いてたけど数にすると恐ろしいわね」

 

「お、男の子ってすごい食欲がありますよね」

 

「……俺、これ一杯の半分で脱落寸前なんだが……一真を基準にされたら地球上の男全員小食じゃねえのか?これ」

 

同席していたらしいエリカと美月、それに深雪には見覚えの無い男子生徒がそれぞれ言葉を絞り出す。

桁違いの量の丼物がサクサクと消費されているのを間近で見ていて精神ダメージが一番大きかったようで若干錯乱しているのは否めないが。

 

「毎年のように挑戦する人間が居てまだ数があったようだぞ」

 

「ちょっと待って!?まだ食べれるの!!?」

 

達也と森崎が分担しつつ器用に4杯が追加されていた。

食堂に激震が走る……だが違う、違うのだ。

本当に驚くべき現象はこれから、であるのだから。

 

「違うな、俺と深雪とリナとこっちの駿の分だ」

 

再び食堂の時が停止した……駿も自分が挑戦する事は頭にあったが予想外の言葉が聞こえた為に同じく動きが止まっていた。

 

「……イマナンテイッタノ?」

 

「俺と深雪とリナとこっちの駿の……」

 

「じょ、女子にはきつい量なんじゃ……?」

 

場を和ますための冗談か何か、だと心に言い聞かせ食堂に無理やり時間が戻ってきていた。

戻ってきていたのだが……現実逃避せざるを得ない展開が待っていた。

 

「雫とほのかの分はわからなかったんだが」

 

「…………大丈夫、森崎君の分から最初に取り分けてもらうから」

 

「え?雫?ちょっと待って、深雪とリナの分が―――」

 

そういう間に……達也・深雪・リナの前に特大丼が置かれていた。

特に嫌がる表情をする事無く……むしろ相席避けになるか、と深雪もリナも思い至ったのか箸を取ってきれいな動作で食事を開始していた。

 

「ちょっと待って、ネタを提供するために体を張ろうとしなくても――――!」

 

「ほのか、落ち着いて……深雪達は無理っていう表情をしていない」

 

全員が唖然とするまま数分間が経過し……目の前の現状が幻覚か何かに違いないと現実逃避を行い始めていた。

すなわち……達也・深雪・リナの3名が苦しい表情をする事無く丼の味の感想を言いつつ完食した姿を。

 

「おいしかったわね」

 

「ええ、垂が最後にしつこく残る事無く万遍なく行き渡ってるのが興味深かったわ」

 

「値段を見たが赤字覚悟、という訳ではなく少し黒字のような設定だったな」

 

実を言うと食堂であまりにも騒ぎが起きているのでこの場には風紀委員の大多数のほか、生徒会執行部の大半が駆けつけており、更には部活連会頭も来ていたのだが。

声をかける前に達也達の食べっぷりを目の当たりにして絶句していた。

 

「……きっと見た目より量が少ないに違いない」

 

「……現実逃避しても10人前なのは変わらない」

 

「すごい」

 

既にこの段階で駿は達也達のほうへと視線を向けず、若干目の焦点があっていないが責める人間が居ない。

雫もポーカーフェイスで表情が乏しい感じなのだが若干冷や汗をかいていた。

……この状況で尊敬の眼を向けれるほのかが若干浮いているのだが、それにも指摘する人間はいなかった。

 

「あ、レオ。食べれないなら俺が食べてやろうか?」

 

「お……おう(まだ食べれるのかよ!!?)」

 

なお、レオと呼ばれた人物は西城レオンハルトであり、一真のクラスメイトで友人となった人物である。




原作にあった食堂騒動が変更されたよ!
……一応達也達が大食になった理由はきちんと存在してます。

ちなみに森崎は(人間として数えて良いカテゴリーでは)活躍していく予定
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