アリスの国   作:坂田龍之介

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 投稿が遅くなってしまった。しかもいつもより文字数多くてすみません。

 飽きずに読んでくれたら嬉しいです。


第一章 木からなるものなんですか? 3

 

 草原の中にそびえ立つ、大きな樹。

すごく立派だ。雲まで伸びており、この樹がどれくらい大きいか予想がつかない。

 

 「アリス、着いたね。これが緑の世界の中心にそびえ立つ、最終樹ね。」

 

 「さいしゅうき?ここで終わりなの?」

 

 「残念だけど、やっと入り口に来た所ね。」

 

 まだ入り口なんだ。すぐにゴールがあるなんて甘い考えだよね。少しがっかりだな。

 

 「さぁ、アリス行こうね」

 

 「どこに?」

 

 「この最終樹に次の世界に続く扉があるね。私はその途中まで送るね!」

 

 「途中までしか来てくれないの?最後まで着いてきてくれないの?」

 

 腕を前で組み、顔というより、紙袋が下を向いた。悩んでいるのかな?ウサギさんは上着からあの懐中時計を取り出した。

 

 「うーん………、ごめんね。私には時間が限られているね。でも、一緒に行けるところまで行くね。それなら良いね?」

 

 「……わかったよ」

 

 うさぎさんがずっと居てくれたら、良かったのに……。心細いな。

 

 「アリスなら一人で行けるね。自分を信じてね」

 

 私が誰かなんか知らないのに信じようがないよ。 

 

 「着いたね。最終樹の根本ね!」

 

 間近で見て、やはり大きい。でも、居心地ががいい場所だ。前にもこんな場所に来たことがある気がする……。もう忘れたけどね。

 本当、私は忘れすぎてるな。

 

 「アリス、こっちね!」

 

 先に進んでいたウサギさんが手を振って呼び掛けてくれた。

 

 「ごめんなさいウサギさん。この場所少し懐かしい感じがしちゃってさ」

 

 「そうなんだね。こっちに入れ口があるから、樹の中に入っていくね」

 

 「木の中に入るの?入ってどうするの?」

 

 「まぁまぁ、落ち着くね。前にも言ったけど、焦りは禁物ね。一緒にくればわかるね」

 

 そう言われて、ウサギさんの後をついて行くと扉が樹に付いている……付いているより埋め込まれているが正しい表現かな。

 

 「ここから入るね」

 

 ウサギさんが扉に手を掛けて、ゆっくり開けた。その先はあの時と同じ真っ暗闇だった。

 

 「ウサギさん、ここに入るの?」

 

 「そうね!これから先に行くには、入らないと行けないね」

 

 「また落ちるんだよね?」

 

 「落ちていくね。いや、堕ちていくかね………」

 

 「それはどういう事?」

 

 「今は知らなくて良いね。でも、いつかはわかる事ね。それをしっかりと見て受け止めてね」

 

 ウサギさんの声がさっきまでとは雰囲気が少し変わった気がした。声が低くなり、冷たい感じした。

 

 「取り敢えず、ここで止まっていたら、時間が持ったないね。入るね!」

 

 ウサギさんが私の背後に回り、背中を押された。踏ん張ろうと思ったが、体が真っ暗闇に吸い込まれいき、そのまま真っ暗闇に落ちていった。いや、堕ちていった。

 

 「きゃあああああぁぁぁぁぁ!」

 

 落ちると予告されていたが、いきなり落とされるとは思わなかったよ。心の準備が欲しかったよウサギさんの馬鹿ー!!

 

 「アリス、大丈夫ね。アリスなら、この世界を……いや、まだ判断するには早いね。アリスはどっちに行くのかね?」

 

 紙袋を被ったウサギと名乗る者も真っ暗闇へ落ちていった。

 

 

 あの落ちる感覚が突然無くなり、恐る恐る目を開けたら、そこにウサギさんがいた。辺りを見渡すと、壁床天井がピンクに塗られていて、窓も煙突もなく、あるのは真っ黒の扉が一つ奥にあるだけ。

 

 「おはようね、アリス」

 

 「おはよう、ウサギさん。ここはどこなの?」

 

 「この部屋から出てみたら、分かるね」

 

 ウサギさんが手を出して、私が立つのを手伝ってくれた。扉まで歩き、ウサギさんが開けてくれた。

 

 その先はあの真っ暗闇ではなく、茶色の道があり、周りは緑に囲まれていた。よく見たら、緑が葉っぱ、道は木で出来ていいる。

 

 「ウサギさん、ここってもしかして……」

 

 「部屋から出てみたら、分かるね。一緒に行くね」

 

 ウサギさんに連れられて、ピンク一色の部屋から出て、葉っぱのトンネルを抜た先が、さっきまで見上げていた最終樹のどこかの枝に立っていた。下を覗くと尋常じゃない高さで足かすくんじゃうよ。

 

 「アリス、下を見るんじゃなくてあれを見てね」 

 

 ウサギさんの指さす方向には、樹に埋め込まれた黒い扉があった。

  

 「あの扉の向こうに別世界に行ける扉があるね。アリス一人で行くね」 

 

 「えっ!ここでウサギさんとお別れなの?」

 

 「この先からは私は行けないね。もうそろそろ時間が来てるから、ここでお別れね。」

 

 「ウサギさん………ここまでありがとう」

 

 「どう致しましてね。最後にアリスに聞きたいことがあるね」

 

 「何?」

 

 「木からなるものって何があるね?」

 

 唐突な質問で私は即座に答えられなかったけど、さっきウサギさんから渡されたリンゴを見て、

 

 「リンゴとか?」

 

 リンゴを前に突き出して答えた。

 

 「それも答えの一つね。私達の食べ物になるものが多いと思うね。でも、獲物を捕まえて捕食するものもあったりするね」

 

 何を言いたいのかがさっぱり理解できない。すると、上から何か大きな塊が落ちてきた。落ちた衝撃で枝が少し揺れて、私は、その場にうずくまった。

 

 「もう時間がないね。アリスこれを君にあげるね」

 

 ウサギさんが懐から懐中時計を出して、私に渡した。

 

 「さぁ、時間がもったいないから、急いであの扉まで行くね。たぶん、扉の先には階段があるから、上っていけば良いね」

 

 「ウサギさんはどうするの?」

 

 「私は、あいつの相手をしないといけないから、ここにいるね」

 

 さっき落ちてきた塊の方を向いたウサギさん。私もあの塊を見た。黒くて丸い物体だったが、亀裂が入り、隙間から緑色の触手がにゅるにゅるっと出てきた。亀裂が増えて、どんどん触手が出てきて、最後に真っ赤な蕾が出てきた。徐々に開いてきて、花が咲いてきたがきらりと光ものが花びらに付いていた。水滴……尖って見えるけどあれはもしかして、

 

 「アリス、あいつが動く前にあっちの扉まで走るね。私のことは気にしなくて良いからね」

 

 「でも、ウサギさんは………」

 

 「行くねアリス!」

 

 必死なウサギさんが言った。私は扉の所まで走り出した。怖いよ……でも、私の後ろにはウサギさんがいる。もう一人じゃない……。

 

 そして、私は扉の前まで来た。ドアノブに手を掛けて、扉を開けた。

  

 

 つづく

 




 まだ第一章続きます。次で終わりに出来るはずね。

 早めに投稿します。
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