だいぶ遅くなりました。
最終樹の中は空洞になっており、内壁に階段がぐるりと上まで続いている。私の居る場所は階段の踊り場で下に落ちることはなかった。確か、ウサギさんが言うには階段を上がっていけば、扉があるはず。どこまで上れば扉あるかな?
顔を上げて、果てしなく続く階段を見て、上る前に疲れてきた。でも、自分を知るには先に進ましかない。
諦めるにはまだ早いよね。私は上を見て頬を叩き気合いをいれて、階段を上った。
どれくらい上ったんだろう?ゴールがわからない………。あれからずっと上ってきたが、扉らしきものが見つからない。
本当に扉なんてあるのか疑ってしまう。ウサギさんが嘘を………だけど、あの時は私を先に行かせようと必死にしてだったけど……、もしかして、あれはすべて演技だったの?
また騙されたんだな私。またって私は前にも誰かに騙されたっけ?いや、前の事なんて覚えてないよ。本当に私って忘れる事が多いね。
「カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、カチ………」
時計の針が動く音が聞こえてきた。ウサギさんから貰った懐中時計から音が聞こえた。
さっきまで音がしなかったけど、突然どうしたんだろ?私は、懐中時計でじかんを見ようとしたが、蓋が付いてる。これどうやって開くのかな?
このボタンみたいのを押せばいいのかな?恐る恐るボタンを押してみた。
パカッと蓋が開き、中身を見ることが出来た。
だけど、これは時計と言っていいのかな?長針と短針と秒針あるが、数字が書かれてない。ただ、針が動いてるだけ。
見ずらい………。これでよく時間がわかるよね。ウサギさんは本当に何者なんだろ?
でも、今の状態なら、私でも大体予想がつくな。長針が12の所で短針がすぐそばまで来てるから、12時になるのかな。丁度重なったから、今12時になった。
「くちゃ、くちゃ、くちゃ、べたり……」
今まで聞いたことが無い音が後ろから聞こえる。私は後ろを振り返ったら、真っ赤大きな花。その花びらには鋭く尖ったものがついている。これはさっきウサギさんが相手してたあいつなの?
「ギギギギギギギギギギィィィィィィィィィィィィ!!!」
花から発せられた鳴き声。
命の危険を感じた。懐中時計をスカートのポケットに入れて、邪魔だけど一応右手にはリンゴ持ちダッシュで上っていく。
あの花は一段、また一段と確実に上ってくる。そこまで足というより触手は速くないから、追いつかれないだろ。
そういえば、ウサギさんは………、あいつにやられたの?そんな、嫌だよ。今のあいつは外にいる奴とは違う花だよ。でも、いつからいたんだ?
最初にいた踊り場には黒い塊はなかった。じゃあ、やっぱり………ウサギさん。
そんなことを考えてたら、新たな踊り場に着いた。そこで後ろを確認して、あの花との距離を見た。
結構、離したみたいだから、少し安心。
上を見て、まだどのくらいあるか見てみたら、後少し上ったら、階段の先が無い。あそこにもしかしたら、扉があるんだ!
希望が見えてきた。すぐに階段を上った。後少しで扉があるかもしれない。やっと、ここから出られる!
私はそのことだけを考えて進んでいく。階段の終わりに近づいていき、そこからあの黒い扉が見えた。ウサギさんが言ってたことは本当だったんだ!疑ってた私が馬鹿みたい。
早く、早く扉へこの世界から出よ!
やっとの思いで、扉に辿り着き、ドアノブに手を掛けた。
「カシャン………」
何の音?待って………私が左手に持ってるのは何?ドアノブ………ドアノブ!!!
取れちゃった………。いやいや、取れないでしょう。これは何かの夢なの!?
頬をつねってみた。痛かった。現実だ……。
私はその場に座り込んだ。………もう動きたくない…………、ここで終わってしまうんだ。
この樹で最後を迎えれるなら、良いかもね。
ウサギさんからもらったリンゴを私は見ていた。
「こんな真っ赤なリンゴ……まるであの人のあれみたいだわ………え?」
無意識に声がでた。あの人って誰?あれとは何?失っていた記憶が戻ったのと思っていたら、
頭に激しい痛みが、誰かに頭の中を捕まれてるみたい。
「あっ…いた……いぃ……。そんなにか……き乱さないで……うぅ……」
手に持っていたリンゴを落としてしまい、転がっていくリンゴを取ろうとした。
頭が痛く、視界も霞み、手足もうまく動かせない。それでも、地を這いつくばり、リンゴを取るために動く。あのリンゴにはもしかしたら、私の手掛かりがあるかもしれない。
そして、転がっていたリンゴを取ることが出来た。
激しい頭痛が消えた………。手足も少しずつ感覚が戻り始めている。
「ギギギギギギギギギィィィィィィィィィ!」
あいつの鳴き声がだんだん近づいてくる。私は起き上がる事が出来ない。あいつが来るまでここままかな。結局、私のことわからなかったな…。
すごく残念だな………。まだ生きたいな。
「ピキピキ……ピキ」
何の音だろう?割れる音か何かか……な!?
その音の正体が、今私が居る階段の踊り場が崩れていく音だった。まだ体の感覚が全部戻ってないので、私は何も出来ず、崩れていく床と一緒に下に落ちていく。
すると、あの感覚がした。そう、真っ暗闇に落ちていく感覚だった。
いや、堕ちていく感覚だ。
次回からは第二章になります。
早く投稿するよう頑張ります!