やっと出せました、
「アリス、真剣衰弱はやったことあるかい?」
「子供頃にやったことあるけど……」
「なら、説明はいらないね。ここに色違いのトランプを2つ用意しました!これで真剣衰弱するんだけど、ただやるだけじゃ、飽きちゃうから………、ルールを1つ加えるね。
一般的には、相手より揃えたカードが多ければ勝ち。二枚一組と数えること。
今回追加するルールは、ジョーカーを揃えてしまったら、負け。今まで集めたカードが相手より多くても、ジョーカーを揃えた時点で負けだからね。はい!ここまで質問はありますか?」
「えっ、うーん…、ジョーカーは何枚入ってるの?」
「えーとね、このトランプには二枚入ってるから、合わせて四枚だよ!他にはある?」
「た、たぶん大丈夫」
「早速やろう!アリスとゲームをするの楽しみだよ!」
ハットン君が、シルクハットに手をいれて、またなかを探し始めた。なかなか見つからないのか、奥に奥に手をいれて、肩まではいっていった。
「あったあった!よいしょっ!」
シルクハットから出てきたのは、一匹の灰色のネズミだった。そのネズミをテーブルの上に置いて、
「ほら、もう朝の時間ですよ。起きてちょうだい」
ネズミを揺らして、遊び始めた。むくっとネズミが起き上がり、ハットン君の事をじっと見つめていた。
すると、ネズミの周囲に白い煙が湧き始めて、部屋中に広がっていった。
「まったく、気持ちよく寝ていたのに邪魔するバカはどこのどいつかな?帽子の坊や!」
「痛い痛い痛い!!頬っぺたを引っ張らないで!ちゃんと訳を話すから、離してよ!」
さっきまで私とハットン君しか居なかったのに、新に一人の女性がそこにいた。
「うん?そこのお嬢ちゃんは誰?」
「あっ…わ、私はアリスです」
「アリス……ふーん、私は眠りネズミ、ムーミンって呼んでちょうだい」
ムーミン………。どうしよう、私の頭のなかでは、白い生き物の方が出てきてしまう。こんな記憶があるなら、私に関しての記憶を覚えていてほしかった。
「それで、帽子の坊や。これからなにするのか、私にも説明してちょうだい」
「今からね、真剣衰弱ジョーカーを合わせたら、だめゲームをするよ!あと、僕のことはハットンと呼んで」
「あのゲームね。分かりましたよハットン、使用するトランプはどれ?」
「はいはーい!この二つだよ」
「色違いのトランプが二つね。じゃあ、準備はよろしいかしら?」
「僕はバッチリだよ!早くやろうやろう!」
「私も大丈夫です」
ムーミンさんが二つの箱からトランプを取り出し、無造作にテーブルに並び始めた。
「それでは、真剣衰弱を始めさせていただきます。
進行、審判を務めますのは、わたくし、眠りネズミ・ムーミンでございます。よろしくお願い致します」