コードギアス反逆のルルーシュ 道化師は魔王の為に 作:悪逆皇帝
砂漠が地平線の彼方まで広がる、砂の大地。陸と空、自然にあるのはその二つだけの黄土と青の世界。
色彩に乏しいその土地で、くすんだ鉄の戦車――バミデスが何台も爆発しては燃えていた。
戦場に立っているのはブリタニア軍のグロースターのみで、遠くでは敵国の本陣が燃え上がっていた。
―――こうして、ブリタニアに18番目の植民地ができた。
◆ ◆ ◆ ◆
シンジュクゲットーに隠されているトレーラーの自室でリオンは今後のことについて考えていた。
その手元にはキューエルから貰った次の総督についての資料があった。
「次にやって来る総督はコーネリアか………」
コーネリア・リ・ブリタニア
第二皇女としても名高いが、彼女はそれ以上に反ブリタニア勢力にとって警戒すべき人物の一人である。
『ブリタニアの魔女』
それがコーネリアの戦場での名だ。
今までも数多くの戦場で多くの武勲を手にし、その実力はとても見過ごせるものではない。
先日もコーネリアの軍隊によってエリア18が誕生した。
正直、彼女がこのエリア11に来るとは思ってもいなかった。
ブリタニアはそれほどゼロが脅威となると思ったのか、それともただテロが多いこのエリアをコーネリアが適任だとおもったのだろうか?
「どちらにしろ。コーネリアが来ることには変わりはないか」
問題はこちらの戦力だ。
ナイトメアの数はそこそこ増えてきてはいるがまだ十分だとは言えない。
量産機も主に武頼でサザーランドの数は少なく、幹部全員の専用機もまだ完成していないのだ。
最近手にいれたランスロットとの戦闘データとゼロから貰ったデータのおかげでナイトメアの強化と新型の開発は出来るが、全て完成させるにはしばらく時間がかかると技術開発部から言われてしまった。
「拠点も変えた方がいいかもしれないな」
白銀の方舟のアジトがあるアオモリゲットーの周りには多くのレジスタンスの拠点がある。
隠れ蓑として使えると思って今まで使ってきたが、コーネリアが来るというのならあの場所に居続けるのは危険だ。
コーネリアならゼロを炙り出すためにレジスタンスのある本拠地をしらみ潰しに探すだろう。
「となると。キョウトに連絡をいれるしかないか」
まぁそれはビャッコとかに任せればいいか。
そう結論づけたリオンは眠気が襲ってきたので少し寝ようと決めて自室に置かれている簡易ベッドに横でなった。
◆ ◆ ◆ ◆
ここはトウキョウ祖界にある学園の一つ。アッシュフォード学園。
そのクラブハウスの一室に二人のひとがいた。
一人はこの部屋の主である学生服を着たルルーシュ。
これからのことを考えて色々なパターンをパソコンにまとめていた。
もう一人はベッドの上で寝そべりながらピザを貪っている拘束着を着たC.C.。
ルルーシュがゼロとしてクラウンと話したあと、妹のナナリーが待っているクラブハウスに戻ると何故かあのシンジュクの時に頭を撃たれ、ルルーシュに力を与えたC.C.がいた。
その上C.C.はナナリーに『ルルーシュとは将来を誓いあった仲だ』と言ったので、ナナリーは勘違いをしている。
それからはC.C.は軍に見つかっては不味いという理由で、ルルーシュの部屋に勝手に居候をしている。
「それで?何かブリタニアと戦うのにいい案でも浮かんだか?ルルーシュ」
C.C.の言葉に反応したルルーシュはパソコンを打つのやめ、C.C.の方に体を向けた。その顔はとても苛ついているのがよくわかる。
「人の質問に答えないくせに人に質問するんだな」
「答えたくないなら答えなければいい。私はそうしてる」
チッ、とルルーシュは舌打ちした。
この数日間、ルルーシュはC.C.に色々と質問をした。
ギアスのこと、C.C.自身のこと、そして契約についてのことなど色々とだ。
しかしC.C.はそれらの質問に対して一度も答えたことはない。
そのことに対してルルーシュは苛ついている。
「当面の目標は俺だけの軍隊を造ることだ。ギアスだけでは限界がある」
――――ギアス
それはルルーシュがC.C.と契約したことによって得た、ルルーシュの力である。
ルルーシュのギアスは『絶対遵守のギアス』。
発動の際には左目に紋様が浮かび上がる。特殊な光情報により、相手はいかなる命令にも従わせることができる。
「これから先もブリタニア軍と戦うことは決まっている。その時、俺の指示通りに動く駒が必要だ」
例えば、ただのテロリストたちを使ったとしても、奴等は状況が不利になったら逃げるだろう。
そのようなものはルルーシュにとって役にたつものとは言えない。
「ギアスを使って無理矢理従わせるのか?」
C.C.は今食べ終わったピザの箱をゴミ箱に捨て、新しい箱に手を出しながらルルーシュに聞いた。
「そんなことはしない。この力を乱用すればいつか怪しまれてしまうからな。自分の手でなんとかするつもりだ」
ギアスは確かに便利な力だ。
だが、その力に頼ってばかりではいつか誰かが怪しんでしまう可能性もある。
だからこの力は切り札としてギリギリのところでのみ使うつもりだ。
「しかし出来るのかお前に?自分だけの軍隊を造ることが」
C.C.はピザを食べながら、ルルーシュに聞いた。
ルルーシュには裏の顔――ゼロがあるが、正体を隠す仮面の男など怪しさしかない。それで正体をばらしたとしたら、ブリタニア人であるルルーシュは殺される可能性が高いだろう。
「問題ない。既に考えは纏まってきている」
ルルーシュはパソコンを閉じるとそのまま座っていた椅子から立ち上がる。
「俺は少し出掛けてくる。いいか?勝手に部屋から出るなよ」
ルルーシュはC.C.にそう言ってから扉を開け、外に出ていった。
◆ ◆ ◆ ◆
クラブハウスから出たルルーシュは今祖界にある公園のベンチに座りながら考え事をしていた。
部屋で考えるのが一番なのだが、部屋にはC.C.がいるためあまり考え事に集中できないのでこうした静かな場所に来ているのだ。
「(今俺がやるべきことは人員集めだ。それはこの前のテロリストたちをまず仲間にすればいい。だが、それではただのテロリストになってしまうかもしれない。それだけは絶対に阻止しなければいけない)」
ルルーシュにとってテロという手段は悪である。
この間のシンジュクでもブリタニア軍によってレジスタンスとは関係ない多くの民間人が殺されてしまった。
ルルーシュはそのような関係ないものの犠牲を出すことは許せないのである。
やるとするならば民間人の支持を得られるようなものがいいだろう。例えば………
「正義の味方とかかな?」
「っ!?」
背後から聞こえた声に反応したルルーシュはベンチから離れ、背後にいる存在に目を向けた。
ベンチの後ろにいたのはルルーシュと同じくらいの歳の少年だった。
灰色のような銀髪の碧眼といった特に変わっているところはないブリタニア人である。だが、ルルーシュは警戒を解くことはない。
「お前は何者だ。何故俺の考えが分かった」
「……………」
ルルーシュの言葉に相手は何も答えない。
「黙りか。なら、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる。我が問に答えよ!!」
ルルーシュの右目に赤い鳥が飛び立つような奇妙な印が浮かび上がると、銀髪の少年の瞳へと赤い鳥が飛び込んだ。
これにより銀髪の少年はルルーシュの必ず答えることになった。
しかし……
「残念だけど僕にギアスは聞かないよ」
「なっ!?」
ルルーシュは銀髪の少年の少年にギアスが効かないとこだけではなく、ギアスの存在を知っていることに驚きを隠せなかった。
「何故ギアスのことを知っている」
「……………」
「答えろ!答えなければ『ごめん』ガハッ!?」
ルルーシュの言葉は最後まで続かず、銀髪の少年に腹を殴られ、鞄から取り出そうとした銃を落としてそのまま気絶した。
「ごめんねルルーシュ。まだ教えるわけにはいかないんだ。でも安心してほしい」
――――――僕はきみの味方だよ。
今回でたは少年は多分分かった方も多いでしょうが、その招待は次の話で明かします