IS The harlequinade/leading role 作:サヴァヴァヴァ
そしてマップ名が『
まあこんな名前だったら怒られそうだけどね!
前回:なんでシャルロットの相部屋の相手が一夏じゃないん?
side海堂優人
「……どういうことだ」
「ん?」
俺達は今屋上にいる。
雲一つない快晴、実にお弁当日和だな。
そして周りには俺達以外誰もいない。
みんなシャルロットが食堂にいると思って食堂に集まってるのだろう。
「天気がいいから屋上で食べるって話だっただろ?」
「そうではなくてだな……!」
箒は一夏と二人で食べたいんだろうなあ。
だが一夏は筋金入りの朴念仁だ。
「せっかくの昼飯だし、大勢で食った方がうまいだろ。それにシャルルは転校してきたばっかりだから右も左もわからないだろうし」
結構勘が鋭いときもあるが恋愛関係になったら急に鈍感になる。
「そ、それはそうだが……」
箒は何ともいえない顔をした後に弁当を手に取った。
一夏のために作った弁当だ。
まあ箒曰く「作りすぎたからついでに作ってやった」という絵に描いたようなツンデレ的理由を言ってたが…
「はい優人、一夏。アンタ達の分」
「うおっと」
鈴がタッパーを放ってきた。
「おお!酢豚だ!」
タッパーを開けた一夏は中身の酢豚を見ると喜んだ。
「そ。今朝作ったのよ。アンタ達前に食べたいって言ってたでしょ」
俺達は何日か前に鈴に鈴が作った酢豚が食べたと言ってたのだ。
中学校の時日本にいたとき鈴の家は中華料理屋だったのだ。
俺達はたまに鈴の家に昼食をごちそうになっていたのだが、その時たまに鈴が酢豚を作ってくれていたのだ。
それが美味しくてよく食べさせてもらっていたのだ。
でも鈴はある事情で中国に戻ることになった。
それからずっと鈴の酢豚を食べることはなかったが、この学校で鈴に再開してからしばらくして鈴の酢豚の話題が話題に上がった。
そして俺達は鈴にまた酢豚を作ってほしいとお願いして今に至るという訳だ。
「コホンコホン。――優人さん、一夏さん、私も今朝はたまたま、偶然、何の因果か早く目が覚めまして、こういうものを用意してみましたの。よろしければおひとつどうぞ」
「お、おう。後で貰うよ」
「あ、ああ。後でな」
ついに来たか…
俺は知っている…
このサンドイッチの凶悪さを。
「どうかしまして?」
「いや!どうもしていない!」
前に何が理由かは忘れたが一回セシリアの料理をみんなで食べることになったのだ。
そして出てきた料理を食べた、食べたら……物凄くまずかった。
簡単な料理のはずだった。
使う食材も調味料も十個ぐらいだったはずだ。
しかし彼女が使った食材と調味料を後で聞くと三十個を超えていたのだ。
なんとなく彼女にどう作ったのか聞いてみたら「本と同じなるように作った」と言ったのだ。
そう、彼女は本の
彼女は絵の具を混ぜて別の色を作るように、調味料や食材を混ぜて写真に乗っている料理と同じ見た目の物体Xを創造したのだ。
鈴と箒も食べたが、二人は二、三口食べてギブアップした。
残った分は俺達で何とか処理した。
あのことはあんまり思いだしたくないなあ…
俺達はアイコンタクトをかわした。
全員がもう彼女の料理を食べることを拒否している。
「ええと、本当に僕も同席してよかったのかな?」
何があったか知らないシャルロットが俺達に確認を取ってきた。
「大丈夫だよ、たった四人の男子だから仲良くしようぜ。いろいろ不便もあるだろうが、協力してやっていこう。わからないことがあったら何でも聞いてくれ…IS以外で……」
シャルロットの質問に一夏が答えるがそりゃまあISのことに関しては絶対シャルロットに軍配が上がるからな。
「あんたはもうちょっと勉強しなさいよ」
「してるけど多すぎるんだよ、覚えることが。みんなは入学前から予習しているからわかるだけだろ」
そりゃまあ小学生の間に女子が覚えることを俺達は必死になって勉強しているからな。
俺はISの知識が転生特典であるからいいが一夏はゼロから覚えているのだ。
わからないことは先生に聞いたり箒達に聞いたり楯無さんに聞いたりして何とか追いついているのだ。
「ありがとう。一夏って優しいね」
シャルロットが笑顔で一夏にお礼を言った。
一夏はシャルロットを見て少しだけ顔を赤くしたが、すぐ元の顔に戻した。
「い、いや、まあ、これから同じクラスで一緒に勉強するんだから…ついでだよ、ついで」
「素直じゃないなあ一夏は」
俺は茶化しながら一夏にそう言った。
「ところで早く食べないとお昼休みが終わってしまいますわ」
時計を見ると結構時間が経っていた。
「そうかそれじゃあさっそく食べるか」
一夏は箸を手に取って酢豚に手を付けた。
「うまい!この味だ。やっぱり鈴の酢豚は本当にうまいな」
「あったりまえよ!」
俺も鈴の酢豚を食べた。
「美味しい!懐かしいな…鈴、ありがとう。俺達に酢豚を作ってくれて」
俺は鈴に感謝を伝えた。
「べっ!別に!ただ作りすぎちゃったからあげただけよ!」
鈴は顔を赤くしながらそう言った。
「い、一夏!そろそろこの弁当を食べてみてくれないか?」
箒が一夏に弁当を渡した。
「ありがとうな箒。……おお!」
弁当の中身を見てみるとTHE・日本食という感じだが、どれも一つ一つ手が込んでいるように見える。
「これはすごいな!どれも手が込んでそうだ」
「つ…ついでだ……ついで。私が食べるために頑張っただけだ…」
「そうだとしても嬉しいぜ。箒、ありがとう」
「ふ、ふん……」
俺の目の前ではどこかほほえましいやり取りが繰り広げられている。
「優人さん、優人さん」
セシリアが俺に声をかけてきた。
「どうかした?」
セシリアは俺にサンドイッチが入ったバスケットを渡してきた。
「どっちか好きなのを選んでください」
ついに来たか…
俺はバスケットの中を見た。
そこにあったのはBLTサンドイッチが6個、どれも見た目は完ぺきだ。
「うーん…」
俺は悩んだ。
正直に言えばどれを選んでもやばいのはわかる。
6個の内1個だけが安全というロシアンルーレットサンドイッチなわけがない。
俺にできるのはどのサンドイッチが一番まずくないかを運で選ぶだけなのだ。
「それじゃあ…」
俺は一つを適当に選んだ。
見た感じは本当に完ぺきだ。
口まで運んで臭いを嗅いでみた。
……臭いも普通だ。
「どうかしましたの?」
「何でもないよ」
覚悟を決めるか……
俺はサンドイッチを一口食べてみた。
……
………
………………!?
な、なんだこれ!?
からっ!物凄く辛い!
それなのに次は甘さと苦さが同時に襲ってくる!
そして口の中の水分を全部持っていく!
今までこんなものは食べたことがない…
まずいかまずくないかで言えばよくわからない。
あまりの味覚の暴力に舌が馬鹿になってしまっているんじゃないだろうか?
「どうです?」
「お……おいしいよ…」
「そうですか!それならよかったです!」
セシリアは笑顔でそういうとみんなにとんでもないことを言った。
「よかったら皆さんも食べてください!」
シャルロット以外の全員の動きが止まった。
よく見るとみんな汗が一筋顔を垂れている。
俺の反応を見て前食べた料理のことを思い出していたんだろう。
それが突然自分達も食べることになってどう反応していいかわからないんだろう」
「ありがとうオルコットさん。それじゃあ一ついただくよ」
「あっ!」
シャルロットが手を伸ばしてサンドイッチを掴み、食べてしまった。
一口食べてシャルロットは動きが止まった。
シャルロットの顔が突然真っ赤になったと思うと今度は真っ青になった。
そして口に入れた分を飲み込んだ後買っていた飲み物を一気に飲んだ。
はあはあと肩で息をしている。
そして口を開いた。
「オルコットさん………これ、味見した?」
「いえ、してませんが…どうかしましたか?」
シャルロットが俺達を見ている。
「どういうことなの?」と目で聞いてくる。
俺はみんなを見た。
みんな頷いた。
そろそろセシリアに本当のことを伝えなきゃ駄目だな…
「セシリア……そのサンドイッチを食べてみてくれないか?」
「?…わかりました?」
セシリアは疑問に思いながらもサンドイッチを食べた。
「!?…!?、!?~~~~~~~~!?」
どうやらとんでもないものを引いたらしく顔を真っ赤にして苦しんでいる。
そして自分の胸の辺りを叩いている。
「やばっ!」
セシリア喉にサンドイッチが詰まらせた!
俺はセシリアの背中を何回か強めに叩いた。
「鈴!お茶渡してくれ」
「わ、わかったわ!」
鈴は自分用に買っていた烏龍茶をセシリアに渡した。
セシリアは烏龍茶を飲んで喉に詰まっていたサンドイッチを何とか飲み込んだ。
「はあ…はあ…はあ…」
「大丈夫か?セシリア」
「な…なんなんですのこれは!?」
「何と聞かれても…」
「サンドイッチ、としか言いようがないような…」
「そ、そうだな…」
「サンドイッチね…」
みんなセシリアにどう伝えたらいいか困っている。
「もしかして…」
セシリアは俺達の反応で悟ったようだ。
セシリアは立ち上がり俺達に頭を下げた。
「ごめんなさい!皆さんにとんでもないものを食べさせてしまいました!」
「「「「「………」」」」」
俺達は何も言わない。
いや、言えないのだ。
彼女は善意でこれ作ってきてくれたのだ。
それを否定したりするのはいい気分がしない。
「………」
俺は持ったままのサンドイッチをもう一口食べた。
「優人さん!?」
一夏は俺をはっとした表情で見ていたが俺のしたいことを理解してくれたらしく、サンドイッチを手に取って食べ始めた。
「一夏さん!?それを食べるのをやめてください!
箒も、鈴も、シャルロットも俺達がしたいことを理解して、サンドイッチを食べ始めた。
「みなさんそんなものは食べなくていいですから!」
一口食べるたびに味覚の暴力が舌を襲う。
でも俺達は食べるのをやめない。
セシリアが何度も食べるのをやめるように言ってきたがそれでもやめない。
そして五分間の格闘の後バスケットの中のサンドイッチはすべてなくなった。
「…ごちそうさま」
俺はセシリアにそう言った。
「セシリア…俺は…俺達は君が頑張ってコのサンドイッチを作ってくれたことを知っている…」
彼女の手にはいくつか絆創膏が貼られていた。
食材を切るときに指を切ってしまったのだろう。
「だから…だから自分が頑張って作ったものをそんなもの呼ばわりするなんてしちゃ駄目だ」
「優人さん…」
「これから頑張って練習していこう。な?」
「で、でも…こんな『それ言っちゃ駄目』…私が練習してもおいしくなるとは思えません…」
「そんなことはないと思うぜ」
「一夏さん…?」
「俺だって最初はすげえ料理が下手だったよ。でも頑張っておいしいものが作れるようになった。セシリアだって頑張ればおいしいものが作れるさ」
「……はい!」
セシリアは覚悟を決めた顔で俺達を見た。
「みなさんお願いします!私に料理を教えてください!」
そう言ってセシリアはまた俺達に頭を下げた。
「ああ。俺なんかでよければ力になるさ」
「俺も頑張ってセシリアに教えるぜ」
「あたしも教えてあげるわ。中華料理だけど」
「私も教えよう…和食だが…」
「僕は今日みんなと会ったばかりだけど何か力になれるなら喜んで手を貸すよ」
「みなさん…ありがとうございます!」
セシリアはまた頭を下げた。
「それじゃあ鈴、この酢豚セシリアに少し分けてもいいかな?」
サンドイッチの個数から考えてセシリアは自分用のサンドイッチも作っていたようだが俺達が全部食べてしまった。
「うーん…いいわ。また作ればいいし」
俺は酢豚をタッパーの蓋にいくつか乗せた。
「セシリア、今日のお昼は鈴の酢豚を食べよう」
「わかりました…っ!美味しい!これはどうやって作ったのですか!」
「ふふん!よくぞ聞いてくれたわ!これはね…」
鈴は得意げに酢豚の作り方をセシリアに教え始めた。
「これからどうなることやら…」
でも何とかなるだろう。
俺達が付いているんだから。
「だー!これで全部運び終わった!」
昼休みと鈴の酢豚講座が終わった後、俺達は普通に一日を過ごした。
本格的にセシリアに料理を教えるの今度の休みからということになった。
そして俺達は1025号室に荷物を運んでいた。
部屋割りは箒がこの部屋から出て行って俺がこの部屋に今度から住むことになったのだ。
何で疲れ気味なのかというと箒の手伝いをしたからだ。
一夏の箒だけにやらせるわけにはいかないという考えから、箒の荷物を段ボールの中にいれることと運ぶことを手伝ったのだ。
その後俺達は俺の荷物を運ぶことになったのだ。
そしてようやく終わったという訳だ。
「とりあえず必要なものだけ引っ張り出して荷解きは明日やろう…」
今日はいろいろあって疲れた…
「そうだな…それじゃあ優人!これからよろしくな!」
一夏が拳を前に出した。
「ああ」
俺も拳を前に出し一夏の拳に合わせた。
結局楯無さんに相部屋のことを聞くことができなかったな…
まあ明日だ、明日聞きに行こう。
とりあえず今日は…
「それじゃあ久しぶりに二人でゲームをして遊ぶか!」
「そうだな」
久しぶりに一夏と思いっきり遊ぶか。
俺はそう決めて荷物の中からゲームを取りだすことにした。
実際とんでもなくまずい料理を全部食べる覚悟なんてそうそうできませんよ
でも目の前の女の子を泣かせないために全部食べるなんて優人君はそれなりに男気とかがあふれてる可能性が微レ存…?
次回 勇気編 第十一話 戦場で笑う悪魔に魅入られた男