IS The harlequinade/leading role 作:サヴァヴァヴァ
あの骸骨かっけえなあ…
前回:お前達も大変だなあ…
side北加部慎
「はあ……」
「あら?どうかしたのかしら?あまりため息をつくと生え際が後退するわよ」
「そのため息の元凶が何を言っているんだ…」
私は約束通り彼女に食事を奢った。
店は彼女に選ばせた。
私が選んだところでたかが知れている上に、彼女の嫌いなものを選んでしまうかもしれない。
そんな考えで彼女に任せたのだが…
「まさか星を取っているレストランを選ぶとはな…」
彼女が選んだのは高級レストラン、しかも頭に超が付くようなやつだ。
「でもおいしかったでしょう?」
「美味かったには美味かったが…」
私の給料の半分が吹き飛ぶとは…
「とりあえず機体の整備をしてくれないかしら?」
「わかっているさ…」
しかし財布が痛いな…
私達は何もしていないわけではない。
色々活動はしている。
でもIS学園にだけは直接手が出せない。
間接的な方法でしか関われない。
何故ならIS学園、あそこは篠ノ之束の御膝元と言っても過言ではない場所だからだ。
篠ノ之箒、織斑千冬、織斑一夏、海堂優人。
奴が唯一まともなコミュニケーションを取る人間がいる場所だ。
そこに奴が何もしていない確証はゼロだ。
もし奴に私達の存在が知られればどうなる?
それこそ神のみぞ知るだ。
そしてISにはコア・ネットワークとかいうよくわからん情報網があり、これでIS同士は情報をやり取りしている。
そんな情報をやり取りしているISが大量にある学園に行ってもし存在が知られようものなら世界中に私達の存在が知られてしまう。
そうなればすべてが終わり。
私達の今までやってきたこと、目的、そのすべてが水泡に帰す。
なんとか学園に直接行ってあの二人の話を聞ければいいのだが…
そしてそれから一週間近く経った後待ちに待った第一報が私達に届けられた。
「男性IS操縦者三人とイギリス代表候補生がクラス代表の座をかけて決闘をした」、「その結果織斑一夏がクラス代表になった」というものだ。
あとは織斑一夏、海堂優人の容姿について、二階堂勇気についての悪評などぐらいだった。
まあそこまで事細かに聞くことができるとは思ってはいなかったが…
「おい慎。何考えてるんだ?」
自分の部屋で考え事をしていたら突然、茶髪の女性が私の顔を覗き込んできた。
「…オータム、ドアのノックはしたか?」
「したさ。でも反応がなかったから寝てるかと思ってけど中を見たら何か考えていたから部屋に入ったのさ」
彼女はオータム・ミラー。
スコールと同じように私が作った『あれ』の操縦者だ。
「もしかしてIS学園にいる男性IS操縦者達のことか?」
「ああそうだ」
「あれまどろっこしくないか?欲しい情報は手に入らないわいつ次の情報が来るかわからないわ…」
彼女の言いたいことはわかる。
女子高生の気まぐれな連絡に任せた情報網など使えるのかということだ。
「それができれば苦労はないがな…」
「教員とか用務員とかに潜り込ませられないのか?私達の組織の人間をさ」
「それは無理よ」
突然、ドアの方から声が聞こえてきた。
「スコール…何回ノックをしろと…」
「じゃあ今ノックをするわ」
スコールはドアを三回ノックした。
「そう言う問題じゃない…はあ…」
このやり取りを何回繰り返しただろうか…
「スコール、無理ってどういうことだ?」
「あの学園には更識の当主がいるわ。それにもう日本に組織の人間を送るのは不可能と考えた方がいいわ」
「更識…日本の暗部だったか?そいつらのボスがいるなら守りは固いだろうが不可能ってのはどういうことだ?前送れただろ?」
「一週間前日本に組織の人間を送ったんだけど這う這うの体で逃げ帰ってきたわ。体に風穴十個近く開けられてね」
「……更識の仕業か?」
「わからないわ。ただその送った人間を発見すると問答無用で殺しに来たから違うとは思うけど…」
私はスコールとオータムの会話を聞きながらその問答無用で殺しに来た奴らのことを考えた。
スパイやら暗部のやり方など知らないが、殺す前に相手から情報を搾り取るために捕まえたりするものではないのだろうか?
そいつがどこの所属か、何を調べに来たかを知るために。
それを問答無用で殺しに来るとは…
「じゃあやることねえかー…」
オータムは私のベッドに座って天井を見た。
「やることはあるわよ」
「なんだ?」
「報告書、あなた書くの忘れてるわよ」
「げっ…」
オータムは顔をしかめた。
「ちゃんと書かないと給料でないわよ?」
「あー…それじゃあ書いてくる…」
オータムは渋々部屋から出て行った。
自分の部屋でこの前の仕事の報告書を書いてくるのだろう。
「私も行ってくるわ」
「わかった」
スコールはオータムの後を追って
こういってはあれだがオータムの字は汚い。
それに書き方もどこか稚拙さが感じられる箇所も多い。
そのためオータムは報告書を書くときはスコールに手伝ってもらうことがしばしばあるのだ。
「さて、私も次の設計図を描くか…」
私は途中まで描いていた設計図を描き始めた。
「だあ~!何にも起きねえ~!」
私の目の前でオータムが吠えている。
あれからしばらく経ったが悲しいくらいに何も起きない。
「それはなあ…そこまで波乱万丈の学園生活の方がおかしいからな」
「わかってるけどよぉ…」
私は『インフィニット・ストラトス』という物語のことを知らない。
だからこれから先に何が起きるかわからない。
私達はいつまで受け身であり続ければいいのだろうか?
「情報が来たわよ」
「待ってたぜスコール!何が来た?」
「クラス対抗戦で何か起きて中止、以上」
「…それだけか?」
「これだけよ?」
「…その何かってなんだよ…?」
「わからないわ。箝口令が敷かれているらしいのよ」
「箝口令が敷かれるってことはなんかあったな…」
「スコール、どこかの国がIS学園にちょっかいをかけたとかの情報はあるか?」
「それは今調査中だけど…」
「ふむ…」
箝口令が敷かれるくらいだから国際問題に発展するものだと思ってそう言ったが…
今までどこかの国が表立ってIS学園にこういった行動をしたことはなかったはずだ。
じゃあ何があったか?
「とにかく調査待ちか…」
そしてまたしばらく経った。
私は部屋で休んでいる。
本日も世界は平和なり…と。
本でも読もうかとしたらドアがノックされた。
「どうぞ」
ドアが開いた、客人はスコールだ。
「ちょっといいかしら?」
「いいが…何かわかったのか?」
「いい情報と悪い情報があるわ」
「…いい情報から聞かせてくれ」
「いい情報はクラス対抗戦の時に何があったかわかったわ」
「わかったって…箝口令が敷かれたはずじゃないのか?」
「人の口に戸は立てられぬ…だったかしら?いくら情報が漏れないようにしてもどこかからは漏れるものよ」
「IS学園にいる誰かが女子生徒に何があったか言ってしまったという訳か…」
「その通り。織斑一夏と対戦相手が試合しているときに正体不明のISが襲撃してきたらしいわ」
「正体不明のISか…どこの所属かわかるか?」
「そこまではわからないらしいわ。漏らされた情報は襲撃したISは二機ということとそのISを織斑一夏達一年生の専用機持ちが対処したことだけよ」
「専用機持ちが?」
「だけど二階堂勇気だけはいなかったらしいわ」
「うーむ…」
これも『インフィニット・ストラトス』で起きることだったのだろうか?
「悪い情報とは何だ?」
「悪い情報はね…あなたに三度目のサプライズをあげる」
「四人目の男性IS操縦者らしき人間がIS学園に来たわ」
はあ!?
「どういうことだ!?」
そんなほいほい見つかるものなのか!?
「やってきたのはフランスの代表候補生でデュノア社社長の子供のシャルル・デュノアという人間よ」
「新聞に書いてあったのか?」
「それがね…書いてないのよ」
「書いてない?」
それはおかしい。
他の三人は大々的に新聞やニュースに流れていた。
だがこのシャルル・デュノアだけ流れないとはどういうことだ?
「とにかく今フランスに何人か送って調べさせているからいつも通り待ちましょう」
それじゃあねとスコールは部屋から出て行った。
しかしわからなくなってきた…
一人目の男性IS操縦者織斑一夏
二人目の男性IS操縦者海堂優人
三人目の男性IS操縦者二階堂勇気
四人目の男性IS操縦者らしきシャルルデュノア
確か神の話では世界でただ一人だけしか男性IS操縦者はいないはずだ。
なのに何故か今四人も男性IS操縦者がいる。
一体誰が
慎編はどうしても文字が少なくなってしまう問題が…
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