IS The harlequinade/leading role 作:サヴァヴァヴァ
side二階堂勇気
「セイセイセイセイ。お前自分で何言ってるかわかってるのか?」
なんでばれてる?
俺が知る限りばれる様なことは一切なかったはずだが…
…ありえるとしたら着替えの時か…
俺は毎回着替えはとにかく早く終わらせて一人でさっさと移動することが殆どだ。
もしあり得るとしたらその時にシャルロットが何かやらかしたか…それとも…
「お前ちゃんと寝てるか?寝ないと人はちゃんとした判断やら何やらができなくなってやばいぞ?」
とにかくここは有耶無耶にして誤魔化す方向で行くか…?
「しっかり寝ているし俺は冗談で言ってるんじゃないんだ勇気。はぐらかさないでちゃんと聞いてくれ」
…あー…駄目だこりゃ…すっげー真っ直ぐな目で俺のことを見てきやがる。
付き合いは短いがこいつがこんな目をしてくる時は絶対譲らないだろうということぐらいは分かっている。
この段階で何とかするのは不可能…かな…
はあ…面倒くさくなりそうだ…
「…………話を聞こうか」
俺はベッドに座り、覚悟を決めた。
「で、お前ら二人はなんでそんな結論に至ったんだい?言ってみな」
わざわざ俺がいるタイミングで来るということはよほどの自信があると見える。
俺も気合を入れなきゃいけないかもな…
「俺が話す。なんでそうなったかというとな…」
…そこまで入れなくても大丈夫かもしれんな。
「なんで気づいたかの理由は今日特訓の後に更衣室で着替えているときにあることがあってな」
案の定かい!
「まあ何があったかをわかりやすく話せば一夏がラッキースケベ的なことを起こしたんだ」
「おい優人!」
……は?
「男が男相手のラッキースケベとはこれいかに…で、それで?」
「その時のシャルルの反応がえらい女性的でな。そこからもしやと思ったらいくつか思い当たることがあってな」
……んん?
なんかおかしくないかそれ?
「女性的だ=こいつは女性だ!」の式は成り立つのか?
いろいろ可能性はあるはずなのになんでこいつは女性だと断定しているんだ?
「質問だ。シャルルが発見されたーとかそんな感じのニュースを見たことはあるか?」
「ないな」
「俺達が発見されたときはそれはもう大々的にニュースとか新聞とかインターネットで俺達のことが書いてあったろ?なのにシャルルの時はそれが一切なかった。おかしいだろ?つまりシャルルは表沙汰にできない存在、もしくはあまり人に知られるとやばい存在じゃないのかって思ってな」
「なるほどな」
これならまあ疑うのはわかるが…女性だと疑うことには繋がらないぞ…?
「次にシャルルの今までの行動だ」
行動…ねえ…
「今までシャルルが着替えをする時は毎回何かの理由で俺達とタイミングをずらすか、見えない場所で着替えているだろう?」
「そういえばそうだな」
「それで着替えている時にシャルルの方に行ったらそれはもう顔をゆでだこのように赤くしているだろう?」
「俺は見てないから知らん」
「それ以外にも細かな理由はあるが大きな理由はこの三つだな」
なるほどねえ…
「馬鹿じゃねえの?」
こいつらマジかよ。
「お前らそれだけの理由でそうだと思ったわけ?ここに来たわけ?だとしたらいくら何でも判断が早すぎるし理由はどれも決定打に欠けるなあ。それこそシャルルのすっぽんぽんを見たってんなら話は別だが」
ほんとなんで女性だって疑えたの?馬鹿なの?妄想癖でもあるの?
「すっ!?すっぽ!?」
あとそこの男装ガール、顔を赤くしない!
「という訳で帰れ。なんなら俺の持っている煎餅にお茶をかけてぶぶ漬け的物体Xでも出してやるから」
取り合うだけ無駄だな。
「ねえ…勇気…ちょっと…」
どうやって帰すか考えていたら突然シャルロットが俺を風呂場の方に連れて行った。
「どうした?」
「勇気…あの二人には本当のことを話した方がいいと思うんだ」
「言わなくていいだろ。そもそも話したところで何のメリットもないぞ」
「でもここで言わなかったら最悪織斑先生の方に話が行くかも…」
「……ここで言うかわりに周りに言わないように頼む気か」
織斑千冬にばれた場合あの女は何をやらかすかまるで分らん。
それを回避するためにばらすかわりに口止めをする…わからんでもないが…うーむ…
「言いたいなら言ったらいいさ。ただし俺は責任は負えないぞ」
「うん」
織斑ならばらすということは殆どなさそうだが海堂は…わからんな。
しかし…シャルロットは何というか…
まあ…
いや、やめておくか…
風呂場から出た俺はため息を吐いた。
最近俺ため息ばっか出してるな…
「二人とも…僕の話を聞いてくれるかい…?」
シャルロットは二人にそう切り出した。
「わかった」
「俺もシャルルの話を聞くぜ」
シャルロットは何回か深呼吸をしている。
「一夏、優人。僕は確かに二人が言ったように女性だよ」
「……そうか…」
「…シャルル。よかったらなんでここに来たのか話してくれないか?」
海堂はそのことを重く受け止めているように見え、織斑はシャルロットに優しい感じに話しかけている。
「………いいよ…」
そしてシャルロットは何があったかを話し始めた。
話している間に織斑から何回か質問はあったがあまり時間はかからずに話は終わった。
「……ひどい話だな」
シャルロットの話を聞いて織斑は憤りを覚えているようだ、が…
海堂はその話を聞いてもまるで反応がなかった。
いや、表に出さないようにしているのか?
だがそれにしては…何か………反応なさすぎないか?
いや、女だと疑ってたから妥当か?
だがそれだと最初のカミングアウトの時に何の反応がなくてもおかしくはないかもしれないが、次のシャルロットの身の上話を聞いて何の反応もしないのはおかしいよな?
…………………まさか…いや、まさかな……
「…それで…」
俺がある考えにたどり着いたときにシャルロットは言いずらそうに呟いた。
「それで…二人は僕のことをどうするの…?学園に言うの……?」
…早く頼めよ。
「………シャルル、お前はどうするんだ?」
織斑がシャルロットに問いかける。
「どうするって…どうしようもないよ。お母さんはたぶん僕への人質だろうし、それにいつかはこのことを君達以外の誰かが知って僕は犯罪者として牢屋に行くのがオチだと思うよ」
そうなるとは限らんけどな。
「本当に…本当にそれでいいのかよ…?」
織斑はシャルロットに問いかける。
それでいいのかと言わんばかりの声で。
「いいんだよ、一夏」
シャルロットは何とか笑って見せた。
しかしシャルロット、それは悪手だ。
今お前の目の前にいる人間は相当なレベルの
そんな態度をしようものなら…
「…………特記事項…」
お前を助けようとするに決まっているだろう。
「特記事項第二十二、本学園における生徒は在学中においてありとあらゆる国家・組織・団体に帰属しない。本人の同意がない場合、それらの外的介入は原則として許可されないものとする…だったよな…?」
そんなのあるのか?
俺は生徒手帳を出して調べてみた。
……ありましたわ。
ここらへん知らなかったけどやべえなIS学園。
その気になれば独立国家化しそうだ。
「まずこれであっちからの接触とかを可能な限り防いで…次にシャルルの母さんがどこにいるかだな………駄目だ…これは後回しにして…そうなるとシャルルの母さんの件より前にデュノア社の方を何とかするのが先か…?」
織斑は頑張って何かを考えている。
口出しせずに見守ってやるか…
織斑がため息を吐いた。
考えていた時間は大体五分くらいだろうか?
「…………めだ」
織斑がぼそりと話す。
「……駄目だ。俺達にできることはほとんどない…」
……まあな。
こいつら二人は何か権力を持っているわけでもない。
超能力か何かを使って事件を解決できるわけでもない。
ただ身内と知り合いにヤバい人物がいて、ISが操縦できるだけのただの男子高校生でしかない。
…あれ?それでもなかなか常識から外れてないか?
「一夏…どういうことだ?特記事項で三年間は無事なんだろ?この三年間で何とか対策を考えれば「おい鳥頭。さっきシャルルが話したことを忘れたのか?」……話したこと?」
海堂がいろいろ忘れてること言ったので俺は奴の言葉を遮ってやった。
「お前シャルルの母さんのこと絶対忘れてるだろ。仮に三年間シャルルは無事だったしても母親はその三年間の間に…どうなるかは想像に難くないだろう?」
こいつはさっき聞いたばっかりのシャルロットの母親のことを完璧に忘れている。
シャルロットの人質云々の話をお前も聞いてただろう?
「それにだ…さっき言ったけど『仮に』なんだぞ?三年間絶対無事ってわけじゃないんだぞ?」
相手はどんな手を使ったかは知らんが娘を息子としてIS学園に送り込めるだけの「何か」を持っているんだ。
どんな手を使ってシャルロットとコンタクトを取ろうとするか予想がつかない。
「いや、特記事項はどの国のどの企業でも守ってるんだろ?ならあっちだって手出しをすることはできないはずだ」
…こいつはそんなことも分からないのか。
なら何かわかりやすく説明してやらなきゃ駄目か。
何がいいか…わかりやすいもの…
…そういやあれがあったな。
「………お前、これ見ろよ」
俺はスマホでW○ki先生のページを検索し、画面を海堂に見せてやった。
「………ISのオーバーホール?」
この学園に来るまでにISについていろいろ調べてそれなりに知ってたつもりではあったが、オーバーホールに関しちゃ全然知らなかった。
世間一般的にISは操縦者こそ花形であり整備関係は認知度が微妙に低い。
それこそ予測検索でもあまり出てこないレベルだ。
「整備課以外の奴は忘れがちかもしれんがISは兵器であると同時に精密機械でもあるんだぞ?ほらこれ見ろよ」
俺は自分の机からあるプリントを取ってきて海堂に渡した。
何日か前にアリーナに行った時にアリーナの入り口横に置いてあったプリントだ。
「……夏休み間の訓練機の使用の制限について?」
まあ置いてあったのは目立たない位置だったしこいつらが知らなくても無理はないか。
俺は海堂が読み終わるのをじっくりと待ってやった。
「ちなみにオーバーホールはそれぞれの制作した会社まで運んで行われる。あとこれは二年生の整備課から聞いた話なんだがな…専用機持ちもオーバーホールしなきゃいけないんだと。それぞれの国まで戻ってな」
読み終わったのを見てから俺はプリントに書いてないことをいろいろ教えた。
「そもそもオーバーホールなんてしていいのか?ほら、経験のやつとか」
海堂からの質問だ。
「ISの経験値やらなにやらは基本コアにぶち込まれるから装甲やらなにやらは外してOKだ」
これは整備課の二年生から聞いた話だから間違いはないだろう。
「じゃあ機体だけ送ってシャルルは学園に残ればいいんじゃないか?」
「それは無理だと思った方がいい。操縦者も基本戻ってるって話だ」
これは山田先生から聞いた話だ。
「逆にあっち側がここに来るのはどうだ?」
「社運をかけた機体を多くの国の思惑が渦巻くIS学園でオーバーホールなんてするわけないだろ。泥棒の集団がいる前で金庫を開ける馬鹿がどこにいる?」
そんなことをしようものならどんな事件が巻き起こってしまうのだろうか…
「……つまり最低でも一年で二回は絶対シャルルはフランスのデュノア社まで行かなきゃいけないってわけか」
一年で二回のチャンス、それだけだと宝くじみたいだが来るのは破滅だけだ。
「そうだ。あとシャルルがオーバーホールを拒否し続けるのはたぶん無理だ。下手に拒否し続けたらIS学園側に勘ぐってくる奴は絶対出てくる。そして何かの拍子に芋蔓式に…なんてことが起こりかねん」
シャルロットがばれる→世間が騒ぐ→フランスの方に伝わる→母親アウトーとかになりかねん。
「じゃあ調べはしてるけどガードが固くて無理でしたって感じで行ってみるか?」
「一回だけなら行ける可能性はゼロではないが二回目は通用しないと思うぞ」
「なら警察に言おう」
「言って解決するまでに母親がアウト。もっと早く解決する手段が必要だ」
もしかしてこれ何回もやるのか?
「……最終手段だけど…シャルルがちゃんと仕事をするというのはどうかな?」
もっと後で来ると思ったが早々に織斑がそう言いだした。
「それも駄目だろ。普通に考えて」
ちょっと考えたら仕事するのはまずいことくらい簡単にわかるだろ。
「確かにデータとかそこらへんは駄目かもしれないけどシャルルは変なことされないだろ?」
海堂…お前もなあ…
「そういうことじゃなくてさあ…普通に考えて仕事が終わればさあ…殺すだろ?常識的に考えて」
なんでこんなこと簡単なことを考えられないんだ?
「自分達の弱みを握る人間なんてわざわざ生かしておく必要なんて無し!俺なら殺す。絶対殺す。必ず殺す。たとえ地球上のどこに逃げたって探し出して必ず殺す。証拠なんて残さないし残させない」
織斑も海堂も色々甘いとしか言いようがない。
意図してかそれとも無意識にか最悪の場合とかそういうのをぜんっぜん考えていない。
「証拠を残さないように殺すならどうするか…交通事故に見せかけて殺すか…でも殺し方によっちゃ殺人だとばれるか…?なら飛行機の整備不良に見せかけて墜落させる…これも難しいか…自殺に見せかけるのは……遺書を本人に書かせて…いや、厳しいかな?そういえばこの前のテレビ番組で海外で心臓発作にしか見えないように毒殺した事件が何年か前にあったとかいうのがあったな…」
シャルロットも言いたくはないがもう助かってる感出してるしさあ…
まだ全然助かってねえよ!まだ何もやってないの!これからどうなるかわかんないのにのほほんとしすぎなんだよ!
「じゃあ整形でもさせて別人にするか…いや、金がかかるか…戸籍も面倒だしな…誰かを殺してなり替わる…んー…やっぱり殺す方向で考えるか…?」
何で誰もこれぐらい考えられないんだろうか。
三人とも甘すぎるとしか言いようがない。
「それとも薬漬けにしてからどこぞの変態の金持ちに売り飛ばす…駄目だな、ゆすられるかもしれん。拉致って殺してミンチにしてから海にばらまくのもいいかな?いや、わざわざ海にばらまかんでもどこかの山に埋めればいいか。とりあえずどこかに消えたということで騒がれるかもしれんが殺人だとばれずに殺す方法ならそれなりにあるぞ!だから」
「ふざけるなよお前!」
いろいろ考えながら最悪どうなるかのパターンをいろいろ話してたら突然海堂が俺の胸倉を掴んできやがった。
「お前なあ…想像するのはお前の勝手だし考えるのもお前の自由だ!だけどそれをシャルルの前で話すな!そんなことも分からないのか!」
こいつ急に何言ってんの?
てかなに人の胸倉掴んでるの?
シャルルの前で話すな…ねえ…ああそうか、そういうことか。
「……ああ、そうかそうか。気づかなかった。悪いことをした。すまんなシャルル。本人がいる前で言うべきことじゃあなかったな」
つまりこういうことだろ?
本人の前で本人がどうなるかを話すなってことだろ?
「あと…」
こいつを早く何とかするか。
「さっさとこの腕をどかせよ、おい」
俺は海堂に優しく頼んでやった。
「す、すまない…」
すると海堂は素直に放してくれた。
こいつなんでこう毎回俺に突っかかってくるかねえ。
俺お前になんか変なことしたか?
特に恨みを買うようなことはした覚えはないがなあ。
「二人とも落ち着いてくれ」
俺達の間に織斑が入った。
喧嘩すると思ったのか?
大丈夫だ安心しろ。
こいつにぼこぼこにされるだけの自信は俺にはある。
「勇気…お前はシャルルをどうやって助けるか考えついたか?」
ふむ…俺に意見を聞いてくるか。
「いんや。なーんも思いつかない、現時点じゃな」
なんの情報もなしじゃ助けようにも助けられない。
「現時点…つまり何か思いついてはいるのか」
「実は学園の外にいる知り合いに頼んで調べてもらってるんだ。まあ調べ方は褒められたものじゃないかもしれないけど…」
あの人の情報さえ来れば何か思いつくかもしれないが…
「二階堂。その知り合いはどんな人なんだ」
海堂なんでお前はこう…
「教えたらお前絶対…いや、やめておこう。絶対教えない。とにかく!なんか進展があったら教えるから今日はもう帰れ。な?」
こいつにあの人のことを教えたら絶対警察とかに通報するのが簡単に予想できる。
だから絶対海堂には教えない。
「…わかった。優人、今日はもう帰ろうぜ」
よくやった織斑、早いとこそいつを連れて帰ってくれ。
「そういえば…」
二人が帰ろうとすると織斑が立ち止まりシャルロットの方を向いた。
「シャルルは偽名なんだよな。今更だけどシャルルの本当の名前を教えてくれないか?」
…そういえばシャルロット自分語りの時に名前を教えるの忘れてたな。
「いいよ。僕の名前はシャルロット、シャルロットだよ」
「シャルロットか…わかったぜ。それじゃあシャルロット、勇気、お休み。また明日な!」
「お休み一夏」
「お休み」
織斑は部屋から出て行った。
「それじゃあ二人ともお休み」
「お休み優人」
「お休み」
海堂も織斑の後を追って部屋から出た。
「……シャルロット。あいつらを口止めしなくてよかったのか?」
「…二人とも良い人だから言わないって僕は信じてるんだ」
「ふーん……まあいいか」
本当にお人よしだな…
「それじゃあ俺は寝るよ。お休み」
「お休み勇気」
明日は打鉄二式の調整かあ…
そして日曜日、天気は快晴なり。
整備室で皆黙って画面とキーボードの前で作業をしている。
俺もしていたが俺の分は終わって今は手持ち無沙汰だ。
さてどうしたものか…
すると俺の胸ポケットに入れていたスマホにメールが来た。
誰が送ってきたか見ようとしたら送り主の名前は「捨てアド」だった。
捨てアドは「あの人」が連絡を取るときに送る名前だ。
「ちょっとトイレ行ってきます」
さて、部屋まで戻らなければ。
部屋に戻った俺はさっそく電話をかけた。
『やあ。早かったね』
「それはこっちの台詞ですよ。何かわかったんですか?」
『大体調べ終わったよ』
早いなおい!
「いやいやいや、いくら何でも早すぎません?」
『どうやらこの段階で調べられるとは思わなかったのかだいぶセキュリティとか甘めだったよ』
「えぇ…」
そんなのありかよ…
「それじゃあ何があったか教えてくれますか?」
『いいよ』
『まず今回の事件の主犯格にあたるのがデュノア社社長夫人アデリーヌ・デュノア。それとアデリーヌのボーイフレンド複数人が実行犯として動いていたみたいだね』
あの社長夫人か!
前にテレビで見た時かなりの美人だなーと思ったのは覚えているがあの社長夫人がやらかしたのか。
「社長夫人…アルベリック・デュノアは何もしてないんですか?」
『たぶんね。それどころか被害者である可能性が高い』
「…何が起きていたんですか?」
『それじゃあ説明をしよう』
「あの人」は何が起きたかを話し始めた。
『まず事の起こりは十五年近く前に起きた脅迫事件から始まる』
「脅迫事件?」
『アデリーヌからアルベリックへの脅迫だよ』
「…それどこの情報です?」
『当時アドリーヌと交際していたボーイフレンドの内の一人が酔ってバーのマスターに言ってたのさ』
「そんなの酔っぱらいの戯言じゃないですか…」
『だけど酔っているにしてはえらく筋も通っているし妙に説得力があったとは言ってたよ」
「はあ…それで…その脅迫の内容は?」
『当時アルベリックと交際していたミシェル・ブレイヤの1カ月間の行動を事細かに書いた紙と、それと病院の診断書だよ』
「診断書?」
何か病気だったのだろうか?
『簡単に言えばミシェルが妊娠していることが書かれている診断書さ…」
………まさか…
『その沈黙は理解したね。そう、そのミシェルの腹にいた子供が君がご執心の女の子さ』
「……はあ、つまりこういうことですか?アルベリック・デュノアは恋人とこれから生まれる子供を人質にとられたと?」
方法はいつでも殺すことが可能だということを見せつけてやること。
職場でも、買い物に行った店でも、カフェでも、家でも、どこでもお前の恋人と子供は殺せると。
『そういうこと。理解が早くて助かるね』
「で、要求したことは何ですか?」
『ミシェルと別れて自分と結婚することだってさ』
「聞いた感じだとアデリーヌは相当な数の男と付き合ってたんでしょう?なんでそんな方法を使って結婚しようとしたんですか?」
『それはアルベリックがデュノア社の社長で金を持ってたからさ』
「金…ですか。金だけなら他にもいたんじゃないんですか?なんでわざわざアルベリックを選んだんでしょうか?」
『当時のデュノア社は組立てとかで使うロボットとかを売って相当儲かってたからね。それに今後も成長し続けるだろうとか当時フランスで言われてたからそれで狙ったらしいよ?』
「…そして脅迫の結果アルベリックはミシェルと別れてアデリーヌと結婚。ミシェルはその後シャルロットを出産し育てた…か」
よく今までこんな悪行がばれなかったことだ。
どこかでぼろが出てもおかしくはないレベルに感じてしまう。
『それで、数年後にデュノア社はISの製造をすることになったがアデリーヌや世間の予想と反してデュノア社の成長に陰りが見え始めた』
「ラファールを作ってそれなりに儲けたのはいいが世界じゃ第三世代のISの開発がとっくのとうに開始されててスタートダッシュを決めるどころか周回遅れになってしまったと」
『そう。そしてアデリーヌはシャルロットとミシェルを連れてきてミシェルはパリの某所で監禁、シャルロットはデュノア社で働かせ始めた』
「そこがわからないんですよ。今まで散々自由にさせておきながら何で今になってそういう手段に出たのかが謎だったんですよ」
『そこらへんに関しちゃ本人から聞きださなきゃ無理だね。シャルロットに関したはただで働かせてたから人件費の削減でも狙ってたんだろうけど』
「ふーむ……で、その後男性IS操縦者が現れて何をトチ狂ったかシャルロットをどんな手段を用いたか知らないが男性操縦者としてIS学園に送り込んで今に至ると」
『そんなところだね』
「どうやって送り込んだかわかってますか?」
『アデリーヌが悪事を働くときはボーイフレンドを使って何かしたか、それともハニートラップを仕掛けたかのどちらかだよ』
「つまりフランス政府のIS関係のお偉いさんの弱みを握ったか、あるいは寝たか。どっちかはわからないがそんな感じで自分の意のままに操ったという訳ですか」
『多分そうだろうね。ここまでがボーイフレンドが漏らした情報と別口で調べた情報を併せたものさ』
ずいぶんと無茶な綱渡りをしていたものだ。
「アデリーヌはどんな奴なんですか?今のところ男好きで金好きぐらいしかわからないんですけど…」
『アデリーヌ・デュノア。旧姓アデリーヌ・バロワン。学生時代から男性関係で女性とのトラブルが後を絶たず、男好き、派手好き、金好きで「強欲のアデリーヌ」と裏で言われていたらしいよ』
「そして今じゃデュノア社を影で牛耳るまでに成長したと」
『人間どうなるかわからないもんだね。アデリーヌも。君も』
「…俺のことはいいじゃないですか」
『ははは。そう気分を悪くしないでくれよ』
「で、アデリーヌの所業はわかりました。それでどうするんですか?」
『どうするって?』
「どうこの一連の事件に決着をつけるか、ということです」
『どうとでもできるよ。フランスの週刊誌にネタとして売りつけるのもよし。テレビ局に送りつけてスクープとして世間を賑わせるもよし。なんなら僕名義でインターネットで発表しようか?』
「なるほど。なら…」
『君は優しいねえ。その気になればこれで強請ることだってできるのに』
「いいんですよ。これで」
『それじゃあ僕はこれから準備をするから切るよ。また今度ね』
「っと、その前に一つ頼みたいことが」
『なんだい?』
「海堂優人について調べてほしいんです」
『海堂優人って…君と同じ学園にいる海堂優人かい?』
「はい」
『何で調べてほしいんだい?』
「考えすぎならいいんですがね…そいつもしかしたら最初からシャルロットが女だって知ってた可能性があるんですよ。いや、まだ可能性ですけどね?」
あいつのあの断定ぶりから見てマジで知ってたんじゃないか?
単純にポーカーフェイスがうまかったとかいろいろ可能性はあるが、あの得体の知れない奴は最初から何もかも知っていたんじゃないかと俺は考えてしまう。
……あいつのことを悪く言えんかもしれんね。
『それで、何を調べるんだい?』
「あいつの全てを。出身地から交友関係、周りに知られていないあいつだけの秘密とかとにかく洗いざらい調べてください。特に情報屋とかとつながってたりする可能性があったら徹底的に」
『普通の情報なら何とかなるかもだけど裏の情報とかそんなのは無理だと思って欲しい』
「……なんかまずい奴が裏にいるんですか?」
『君今スマホ持ってる?』
「持ってますけど?」
『それで一年前の五月十六日にイタリアで起きた事件を調べてごらん』
俺はスマホを取りだして調べてみた。
そのイタリアの事件とやらと海堂がどうつながるんだか…
「……なんじゃこりゃ」
調べた先で一番上にあったサイトを開いたらそこには逆さで街頭に吊るされた男達の画像があった。
男達はパンツ一丁で鼻血と涙を流し、逆さに吊るされ悶えているのが発見されたらしいようだ。
降ろされた男達に話を聞こうとしても男達は全員錯乱しておりなにも聞くことはできなかった。
現在も男達は病院で入院しているらしい。
今も錯乱し続けていると書かれてあるが…
警察の調べだと男達はイタリアでそれなりの勢力の犯罪組織のボスと幹部達だった。
その後その犯罪組織は壊滅、犯人は今だ容疑者すら上がっていないようだ。
「これがどう海堂とつながるんですか。まさか海堂が犯人とか言うんじゃないでしょうね?」
『その組織織斑一夏を誘拐して織斑千冬から身代金をふんだくろうと画策していたって噂が流れてたんだよ』
「……」
『それで警察が警戒していた矢先にこの事件が起きた』
「…なんでしょうね…どう言ったらいいんでしょうかね…」
『他にも世界各地で似たような事件が起きているよ。覚えてないかい?ほら、世直しとか言われてた…』
「世直し…世直し…………ああ!そういえばあったなそんな事件!」
世直しとこの事件の画像でようやく思いだした。
三年くらい前から世界各地で犯罪組織のボスと幹部がパンツ一丁で吊るされる事件が多発した。
被害者は全員錯乱しており犯人は今も不明のまま。
狙われたのが犯罪者のみだからか気が付けばこの一連の事件は世直しと世間で呼ばれるようになっていた。
最近じゃ起きていないから忘れていたが…
『世直しで狙われた奴らは全員ある人物の身内を狙った犯罪を起こそうとした奴らだった』
「……ある人物…」
『篠ノ之束だよ』
「…っ!」
『だから裏社会じゃ狙われた奴らは篠ノ之束の逆鱗に触れて粛清されたって言われてるんだ。だから今じゃ誰も篠ノ之束の身内を狙った犯罪を起こさない、だから世直しも起きない』
「……自分もその世直しの対象になるかもしれないからやばい情報は探らないってことですか?」
『そういうこと、いけて普通の情報くらいじゃないかな?まあ篠ノ之束以外にやばいつながりはなさそうだから、その海堂君が何か妙なことを聞いたりしてきたら篠ノ之束から何か聞いた可能性があると思った方がいいよ』
「……」
だがそれじゃあ理解できないことが一つだけある。
入学した辺りの時期に俺に向けてきた視線だ。
あのありえないものを見る視線。
もし篠ノ之束から聞いたのならあんな視線向けるもんかね…
余計に分けわからんくなってきたぞ…
『それじゃあ今度こそ切るよ』
「はい。それではまた今度」
電話を切って俺は息を吐いた。
これでシャルロット問題はある程度は片付いた…かな?
あとは出たとこ勝負ということになるが…
「今考えてもしょうがないうえに俺じゃ何もすることがないしなー…」
そしてより深まる海堂の謎…
篠ノ之束とつながってるのかそれとも…
「これもどうしようもねえか…」
とりあえず整備室に戻っか。
整備室に戻ったら誰もいなかった。
どうしたもんかと思って当たりを探したら柱にセロテープでメモが貼られているのを発見した。
メモには「調整完了。第三アリーナで動きのチェックに行くからこの紙を見たら来るように」と書かれていた。
俺どんぐらい話してたっけ…
確か十分もかかってないような気がしたんだけどな…
とりあえず行ってみるか。
第三アリーナの観客席に着くとそこには縦横無尽に空を飛ぶ更識がいた。
「おーい!こっちこっち!」
観客席で座って観戦してるよ…
先輩方に近づいて俺は席に座った。
「ピットに行かなくていいんですか?」
「そりゃあしっかり終わらせたからね」
えらい自信だ。
確かに今のところ問題はなさそうだが…
「この後のチェックは何を?」
「大体のチェックはもう済ませたからこれが終わったら終了!この後は彼女が申請やら何やらする必要があるからその間に私達はパーティーの準備をしましょ!準備!」
「パーティー?またやるんですか?」
「いいじゃない!私達はやりきったんだパーティーということで」
なんでもいいからどんちゃん騒ぎをしたいだけなんじゃ…
そんな話をしていたら更識が俺達の傍まで近づいてきた。
「終わりました」
「お疲れ様!それじゃあ次は申請ね。終わったら整備室まで戻ってきてね」
「?…わかりました?」
更識はピットの方へと飛んでいった。
「それじゃあ準備するわよ!お菓子!ジュース!準備!準備!」
先輩方は観客席からぞろぞろと移動を開始した。
俺も行くか…
その後前回と同じようなパーティーが開かれたが今回はあまり騒がないように気を付けたおかげで怒られるようなことはなかった。
俺は今回の貴重な経験をさせてくれた功績としてあるものがプレゼントされた。
だいぶ禍々しく殺意の高いプレゼントが…
そしてパーティーが終わった後で更識の実力を見たいという話が出て、時間的に今日は無理なので月曜日に模擬戦をやることになった。
対戦相手はここにいる整備課の二年生のリーダー格の女子だ。
俺はやらないのかだって?。
俺の戦い方云々で先輩方から一つアイデアが出たがどう考えても無理なので模擬戦は辞退した。
という訳で月曜は観戦、模擬戦をする場所は第三アリーナだ。
そして月曜日になった。
朝に女子達が騒いでいたがあの異様な騒ぎよう、織斑達がこの騒ぎの原因と見た。
実際織斑が何があったか聞いたらすげえ焦りまくってたからな。
その後事件的なことは何も起きず何と今日は平和に放課後まで時間が過ぎた。
毎日こうだったらいいのに!
俺は模擬戦の観戦をするために第三アリーナへ向かった。
「着いたのはいいが…誰もいないな」
観客席には誰もおらず、俺一人しかいない。
ピットの方にいるのかな?
ピットの方に行く前になんとなくアリーナを見たらそこには三人の人物が立っていた。
オルコットと凰とボーデヴィッヒだ。
珍しい組み合わせだ、こいつらなんか接点とかあったか?
しかしこんな場所でボーデヴィッヒに発見されようもの絶対面倒なことが起こると断言できる。
ばれないようにアリーナを出るまでしゃがみながら移動するか…
どっちのピットに行くか迷ったがなんとなくAピットを選んでみた。
「いたいた」
更識と先輩方がいた。
今日はなかなかに運がいい。
「なんだかアリーナヤバそうな感じがするけど…どうしよっか?」
先輩がそう言った途端にアリーナから馬鹿でかい音が響いてきた。
「……まさか」
俺がアリーナを覗いてみたら案の定ボーデヴィッヒは二人に喧嘩を売っていた。
「あの馬鹿何がしたいんだ…」
「どうする…?」
更識が俺に聞いてきた。
「今行ったら巻き込まれるかもしれないから行くわけにはいかんさ。日を改めよう」
これで明日もここでボーデヴィッヒがやらかしました!てなったら笑えるな、苦笑いだが。
「しっかし…」
俺はあいつらの戦いを見ていてあることを思っていた。
「あの二人素人目で見てもタッグには向いてないなー」
戦いのペースはずっとボーデヴィッヒが握っていた。
前衛が凰、後衛がオルコットといった感じでやっているがどうも噛みあっていない。
凰がボーデヴィッヒに張り付いている間オルコットは凰が邪魔でライフルが撃てないからビットしか使えない。
逆にオルコットがライフルを撃っている間は凰は何もできない。
いや、何かはしていたのかもしれんが…
前にあった山田先生とのやつは見ていなかったが多分その時もこんな感じだったのだろう。
そしてボーデヴィッヒのISの装備のこともある。
奴のISは始めて見るがなかなかに面倒な装備をしている。
ISから出ているワイヤー?か何かが凰の腕を掴んで凰をオルコットのビットからの攻撃の盾にしていたり、瞬時加速でオルコットに近づいて手の辺りにある何らかの武器を叩きこんだり、肩の辺りにはでかい砲台がどーんとあったりとなかなかに多彩な装備を持っている。
それにあいつの第三世代武装のこともある。
あいつはそれらしきものを一切使ってないように見える。
そんな状態で二人を圧倒しているのだ。
もし使っていたら…いや、使っているのか?
そういえばあいつの情報調べてなかったな…
ドイツの政府か軍関連のサイトに載ってるよな…?
「そもそもオルコットさんと一緒に戦うのなら相当練習積まないと難しいと思う…」
更識がそう言っているがそれには俺も同意する。
多分オルコットの機体は一対一ならビットを使って将棋よろしく相手の逃げ場を潰しながら戦って、一対多数ならビットを使って一対一に持ちこむ、的な感じなんだと思う。
だから二対一はあんまり向いてないんじゃないか?
仮にやるとしても阿吽の呼吸レベルの連携が求められると思う。
それを即席のコンビでやるのは不可能だ。
しかも肝心の相方が凰の時点でなあ…
「ねぇ…ちょっとまずくない?」
誰かがそんな声を上げ始める。
何故ならボーデヴィッヒが二人をワイヤーで捕まえてぼこぼこにし始めたからだ。
二人の攻撃はほぼボーデヴィッヒには通用せず、二人はどんどん追いつめられていた。
するとボーデヴィッヒは出してるワイヤーすべてで凰の両腕を拘束し地面に叩きつけた。
叩きつけた後ボーデヴィッヒはマウントを取って凰を殴り始めた。
オルコットは何とか凰を開放するためにビットでボーデヴィッヒを撃っているが、ボーデヴィッヒはまるで気にしちゃいない。
十秒ほど経つとオルコットはライフルを仕舞ってナイフを出し、ボーデヴィッヒへと襲いかかった。
多分ライフルで撃ってもまた凰を盾にされてお終いだと思ったのだろう。
その判断は間違っちゃいないと思うがボーデヴィッヒ相手には悪手としか言いようがない。
ボーデヴィッヒまであと少しまで迫った時のことだった。
オルコットが突然動きを止めたのだ。
最初は何を考えてるんだと思ったがどうにも様子がおかしい。
それでちょっとISを起動してハイパーセンサーでオルコットを見てみたらオルコットは苦しげな表情を浮かべていた。
他にもオルコットを観察してみるとオルコットは全身を少しだけ動かしていた。
いや、無理やり動かそうとしている?
ボーデヴィッヒを見たら凰を殴るのをやめてオルコットを見ていた。
この謎現象を起こしているのはあいつか?
これがあいつの第三世代武装…?
ボーデヴィッヒは凰を踏みながら立ち上がり、凰を拘束していたワイヤーの半分をオルコットの胴体に巻き付けた。
ボーデヴィッヒはオルコットを自分の元へと無理やり引き寄せるとオルコットに肩の砲台の砲弾をお見舞いした。
再びアリーナに響く爆音、吹き飛ぶオルコット、それを無表情に見るボーデヴィッヒ。
しかしオルコットは吹き飛んでいる途中でぴたりと動きを止めた。
まさかまたあの謎現象を使ったのか…?
再びワイヤーでオルコットを引き寄せるボーデヴィッヒ。
凰の顔面辺りに蹴りを食らわせてから今度はオルコットを殴り始めた。
凰は何とか立ち上がってオルコットを救おうとするものの今度は凰に砲弾が飛ぶ。
あの砲台なんなんだ?
やけに威力が高いが…
すると打鉄のセンサーがあの砲台がレールガンだと教えてくれた。
…えげつないな…
ボーデヴィッヒはある程度二人を嬲った後に二人を開放した。
「とりあえず誰か近くにいる先生を呼んできてくれ。できるなら織斑千冬がベストだ」
「先生を呼んでどうするの?」
「あの馬鹿を止めさせる」
あの馬鹿がこのまま終わらせるとは思えない。
それこそISをコア以外完全破壊!なんてことをしかねない。
いや、やってドイツ送りになるならそれはそれでいいか…?
「とりあえず先生が来るまで俺達は待つと…」
そんなことを言いながら俺は凰を見てしまった。
凰は
まるで
あの日の明奈のような倒れ方をしていた
その瞬間、俺の堪忍袋の緒が切れた。
「何やってんだこの大馬鹿がぁ!!!!」
気が付けば俺は走ってボーデヴィッヒをぶん殴っていた。
あいつらを甘いと思っていたが俺も十分すぎるほどにくそ甘いや…
最悪次の更新来年とかになりかねないや…
次回 優人編 第十四話 激闘!三対一!