IS The harlequinade/leading role   作:サヴァヴァヴァ

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みなさんは病気の予防をしてますか?
下手したらいろいろ面倒な時期にインフルにかかってとても作業してられなくなりますよ!

前回:俺の堪忍袋が急激に沸騰して爆発した



勇気編 第十四話 「ばーか」

side 二階堂勇気

 

 

 

 

ちっ…こいつをぶん殴ったのはいいとしてこの後どうする?

4つの選択肢がパッと思いついたが…

 

1.戦う

2.さらにぶん殴る

3.逃げる

4.許しを請う

 

1は論外だな…こいつの実力から考えて戦うのは無理だ。

2は…今回はたまたま殴れたが次がうまくいくとは限らんな…

3は微妙だな…背中からレールガン撃たれる未来しか見えん。

4は絶対駄目!土下座したら頭をすり潰そうとしてくるのがありありと目に浮かぶ。

……とてもできるとは思えないが時間稼ぎをやってみるか?

あそこに転がってる二人を放っておいたらボーデヴィッヒは何をしでかすかわからん。

時間稼ぎをしている間に誰か来てくれたらいいが…

 

 

「おらどうした!かかってこいこのあんぽんたん!」

とにかく何でもいいからボーデヴィッヒの意識をあいつらから逸らす。

大声で、でかい動きで、あいつを俺に釘付けにする。

という訳でシャドウボクシング的な動きをしてみるがボーデヴィッヒはまるで動かない。

親父にもぶたれたことがなくてショックでも受けたのかな?

「貴様は…」

お、なんか反応したな。

「貴様は今関係ないだろうが!!!」

その怒声とともに俺の顔面を異常なまでの衝撃が襲った。

「ぎゅぼおおおおおおおおおお!」

俺の意識とは関係なく体が吹っ飛ぶ。

PICで止まればいいとか思うかもしれないが、こんな顔面になにか喰らってぶっ飛びながらそんなこととっさに思いつけるかい?

そして俺は何回か転がったのちに倒れた。

…あいつ人の顔面にいきなり攻撃してきやがった!

下手すりゃ「前が見えねェ」状態になるとこだぞ!

 

「貴様がなぜここで出てくるんだ!こいつら二人は貴様と何ら関係ないだろうが!」

ああ、確かに関係ないさ。

でもな…

「く……ふはははは!その通り!俺とそいつらは仲がいいわけでもないしこのまま放置しようとしたんだけどな!なんでか急激に!猛烈に!激烈に!てめえに腹が立ったから鉄拳制裁をしたんだよばっきゃろおおおおおう!」

あの日の苦痛を、絶望を思い出させたお前に腹を立てたから俺はここに来たんだ。

立ち上がってテンションを無理やり上げながら叫び、俺はあいつに攻撃を開始した。

 

 

まずはアサルトライフルの弾丸をご馳走してやろう。

俺はアサルトライフルを出して撃ったが、奴は予想してたのか簡単に回避しやがった。

しかも間髪入れずに飛んでこっちに来やがる。

こりゃ逃げるしかない…が素直に逃げるんじゃ背中からやられそうだから牽制しながら逃げよう!

俺はボーデヴィッヒを見ながら後ろに走り始めた。

「おーにさんこっちら!手ーの鳴る方へ!」

正直弾が惜しいが今ケチろうもんなら追いつかれてフルボッコだ。

ハイパーセンサーのおかげで今のところ壁にぶつかってしまうという事態にはなってない。

後ろを気にしすぎるあまりアサルトライフルの命中率ガタ下がりだが…

それにあの謎サイコキネシス的第三世代武装の正体が今だに分からない。

対策として映画とかで見る「銃弾を避けるときにジグザグに走る」をやってみてはいるが効果は謎だ。

 

走り始めてから二十秒ちょっと、もう限界な気がします。

あいつは律義に追いかけてくれてはいるが、このまま素直に追いかけ続けるとは到底思えない。

いつ凰達をいたぶりに戻るかわからない。

ほんの少しだけ二人を見るが、二人は倒れた場所からまるで動いていない。

何とか早いとこあいつらアリーナから出さなきゃ…ん?

織斑?あいついつの間にアリーナに来たんだ?

……あ。

アリーナのバリアーに穴空いてるじゃん…

…あの馬鹿!零落白夜でバリアーぶった切ってきやがったな!

良いタイミングだ!それに穴の奥にはシャルロット達がいるじゃないか!

これならなんとかなるぞ!

俺は個人間秘匿通信(個人間とか付いてるのに何で複数人と会話できるんだ?)で織斑、海堂、シャルロットに通信を送る。

「アリーナにバリアー破って入ってきた馬鹿と観客席にいる専用機持ち二人!そこに転がってる二人をピットまで引っ張っていけ!邪魔だから!」

篠ノ之がいるのも気づいているがあいつ専用機持ってないし、訓練機取ってこさせる時間もないから外しておいた。

 

あいつらがアリーナに入ってきたのを確認したのと同時にアサルトライフルの弾が切れやがった。

投げたら当たんないかなー、と一瞬思ったがやっても無駄だしそのまま仕舞っておいた。

さて、今手持ちは近接用ブレードと破城槌と例のアレ一丁…

例のアレはできるなら使いたくない…

あと新しい戦術があるがあれギャンブル性が恐ろしく高いし負けそうだし使えない…

………とにかく逃げるしかない!

そんなことを考えながら逃げてるとボーデヴィッヒは突然俺を追いかけるのをやめた。

その視線は俺以外に向いている。

そっちの方向にいるのは凰達だ。

えらい舐めちゃってくれてるね~俺がいるのにね~。

まあ何もできないんだがな!

そしてボーデヴィッヒが視線をこっちに戻しまた俺を追いかけることを再開した。

悟空ー!…はいないから先生ー!はやくきてくれー!

 

 

 

 

どれだけ逃げ続けただろうか。

一分しか逃げてないような気もするし三分も逃げることができたような気がする。

…あれ?どっちにしろ全然時間経ってないじゃねえか!

織斑達は凰とオルコットをちゃんと運べたかどうかは見てないからよくわからないが、まあ何とかなってるだろう。

あとはどうやってこの場から撤退するかだよな…

普通にピットに逃げ込みたいけどこいつもそれぐらいは予想してるだろう。

もう一つの手として織斑が開けたバリアーの穴があるが、あれ開いたままなの?それとも自動で修復されるの?

行こうとした瞬間穴がふさがって真っ二つとかなったらシャレにならん。

じゃあどうしたらいいんだ……

 

ここで問題だ!俺はこの後どうやってこいつから逃げるんだ?

 

答え1 ハンサムな俺は突然現状を打破するアイデアがひらめく

答え2 誰か先生がきてたす『ヒュンヒュン!』ああもう考える時間もくれないのかよ!

ボーデヴィッヒはワイヤーを飛ばしてきた。

しかも俺の逃走経路を潰してやがる。

本格的に仕掛けてきやがったな…!

俺はバック走を続けるが、逃げる方向はボーデヴィッヒに決められて結局は…

「こうなるよなそりゃあ…!」

壁まで追いつめられる結果となった。

ワイヤーとか無視してがむしゃらに逃げようかと足をちょっとだけ動かしたらボーデヴィッヒはその動かした足の15cmくらい先にレールガンを撃ってきやがった。

怖ぇー…こんなの当たったらタンスの角につま先を当てるどころのレベルじゃすまないな…

 

「何か策を準備しているかと思ったが…貴様、何も策はないな?」

ボーデヴィッヒが俺にレールガンの照準を合わせながらそんなことを話しかけてきた。

こいつ…俺がオルコットや織斑と戦った時の録画でも見たのか?

…ああ、だからこいつ何もしてこなかったんだな。

下手に手を出したら何が飛んでくるかわからないから。

さっきのワイヤーは俺が何かしてくるかどうかを確かめるための手段で、そして何もしてこないからあんなことを言ったのか。

「お前日本のことわざで能ある鷹は爪を隠すとか窮鼠猫を噛むとか聞いたことない?」

「だからどうした?」

「俺が何も準備せずに飛び出したとか思ってるのか?」

俺は精一杯強がる。

これで何もせずに膠着状態になってくれたら御の字だが…

「はっ。ただのハッタリだな」

デスヨネー!バレテマスヨネー!

 

『勇気!二人はピットに連れてきた!お前も早くこっちに来い!』

織斑から個人間秘匿通信が来た。

行けるもんなら行きたいけどなぁ…

「いや、どう考えても行けないだろ」

『はぁ!?来れない!?なんでだ!?』

「いや、織斑。仮にお前らがいるピットに逃げることができたとしてもこのままピットに来たらボーデヴィッヒも連れてくるから無理だ」

このままじゃピットでISバトルが繰り広げられかねん。

『…確かにそうかもしれないけどこのままじゃお前が…』

「何とかしてみせるさ。あとお前は来るなよ。来てもボーデヴィッヒがすげぇ怒るだけだから」

このままじゃ埒が明かないと思ったから通信を切った。

 

さて…やっぱり例のアレを使ってみるしかないか…

そんなことを考えたその時だった。

「勇気から離れっ…!」

織斑がAピットからバカみたいなスピードで飛んできたと気づいた瞬間、ボーデヴィッヒは振り返って織斑を謎サイコキネシスで捕まえた。

「馬鹿お前!何しに来てんだよ!くんなって言っただろ!それにこいつにサイコキネシス的ななんかがあるのはオルコット達との戦いで見ただろう!なに襲いかかって二秒で即捕縛されてんの!?」

とっさに開放回線でそう織斑に対して言ったが俺は言い終わった瞬間に俺はとんだ勘違いをしていることに気が付いた。

こいつは凰達があんなボコられてるのをおとなしく見ているとは思えない。

それこそボコっている途中にやめさせるためにボーデヴィッヒに何かアクションを起こすはずだ。

それなのに俺が先にいたということは…

「あいつボーデヴィッヒの戦い方を見てないな…」

織斑は大体ボコり終わった後に来たに違いない。

それにあんな来るなよとは言ったがそんな言葉はあいつにとっちゃフリ以外の何ものでもない。

どうするどうするどうする…!

このままじゃ俺達二人ともフルボッコの未来しかない…!

 

その時どこからか何かが高速でボーデヴィッヒめがけて飛んできた。

だがそれすらもボーデヴィッヒはかわしてみせた。

しかし飛んできた何かは曲がり、再びボーデヴィッヒに襲いかかる。

ボーデヴィッヒはかわすが、かわすたびに何かは曲がってという繰り返しだ。

「まさか…」

俺は周りを探した。

「やっぱあいつか…」

Aピットの入り口に海堂がいた。

海堂の手には銃が握られている。

例の弾丸が曲がる銃だ。

…もしかして援軍にでも来たのか?

これってもしかして俺、織斑、海堂の三人であいつとやりあわなければいけない流れ?

 

 

 

 

 

……はあ…

 

やるしかないか…

 

 

 

 

 

「いいか馬鹿どもよく聞け!今回俺達の勝利条件は二つ!一つ目はシンプルにこいつを叩きのめす!二つ目は誰か先生が来るまで時間を稼ぐこと!ピットにいた先輩方に先生を探すように言っておいた!織斑千冬ならベストだって付け加えてな!だからこいつを倒すか時間を稼ぐかどっちを選ぶかは好きにしろ!あと俺を戦力には付け加えんなよ!」

二つと言ったがこのまま誰も来なければ条件は一つ。

 

ボーデヴィッヒをここで潰す…!

 

『ごめん。僕達は二人を保健室に運ぶから手助けは出来ない。…三人とも頑張って!』

シャルロットも来てくれたらと思ったが…

「ふん。怖気づいたか」

「シャラップ!三本の矢というものを見せてやろう!」

三人でもやってやる!

「前衛は織斑!後衛は海堂!こいつの第三世代武装はたぶん相手を捕まえるサイコキネシス的なものだ!原理がわからんからとにかく一直線に突っ込むことだけはするなよ!もし織斑が捕まったら海堂か俺のどっちかがボーデヴィッヒの邪魔をして織斑を逃がすこと!正直言ってこの戦いの要は織斑の零落白夜だ!使い時を見極めろよ!」

だがやることは織斑任せ…

 

「じゃあ行くぜ!」

「援護する!」

ちゃんと俺が言った通りに二人は動いた。

しかし相手はあの織斑千冬の教え子。

錬度不足の即席トリオの策なんざ楽々潰してきやがる。

 

こんなこともあろうかと俺は最初から可能な限り迅速かつ大胆で、なおかつ静かにアリーナ上空へと移動をしておいた。

太陽の中にでもいようかと思ったけど影でばれそうだから却下だ。

「ジョッキィィィィィィ!」

一人L4D2だ!

ボーデヴィッヒはワイヤーを飛ばしてくるがそれも予想済みだ。

PICを切って落下すればいい。

それならエネルギーの節約もできるし自由落下でとてもスピードが出る。

そしてボーデヴィッヒの大体3mぐらい上についた瞬間PICをまた入れてスピードを緩め、ボーデヴィッヒに乗ってやった。

PICも切って重くしてやる!

それとここでワンポイント。

ボーデヴィッヒの視界を遮るのを忘れてはいけない。

何故なら『今のところ』あいつはあの謎サイコキネシスを使うときは絶対に相手を自分の目で見ているからだ。

まあこれはブラフの可能性が大だが。

だってISにはハイパーセンサーがあるんだぜ?

だから追いつめられたら「私は貴様を視界に捉えずとも貴様を拘束できる(キリッ)」とか言いそうな気がしてならない。

これじゃなくても奥の手ありそうだけど…

あとついでだからぶん殴っとくか…

 

「放せ!放さんか貴様!」

ボーデヴィッヒは俺の首にワイヤーを巻き付けて来やがった。

「誰が放すかよ…!」

ここで放したら碌な目に遭わん!

「なら!」

おお?

「離れろ!」

バックドロップだとう…!

畜生…!

頭の中身がグワングワンと揺れている…!

あ゛っ!

放しちまった!

「貴様はそこに沈んでろ!」

その言葉とともに何発もあの馬鹿はレールガンを叩きこんできた。

 

 

 

 

 

いっ……………てぇ…

エネルギーあとどんぐらい残ってるんだ…?

ああ…三分の一ちょっとは残ってんだな…

防御力が高いのに感謝だな…

俺は立ち上がろうとするが呻き声が出るばかりで立てない。

もうこのまま寝てようかな…

…いや、寝てたらまたレールガン撃たれそうだから立ち上がるか…

 

 

立ち上がるまでに一分くらいかかったが何とか立ち上がった。

そして周りを確認するとなぜか焦っている織斑と海堂が視界に映った。

「おい海堂、何かあったのか?」

『二階堂、一夏が零落白夜を使えるだけのエネルギーをもう持ってないんだ』

おいおい…

「……お前は何か一撃必殺的なもの持ってるか?」

『ない』

なんか持っとけよ!

「………………しょうがないか」

例のアレとあの戦術使うしかないか…

俺は例のアレの準備を開始した。

 

 

「おいボーデヴィッヒ!これからお前の相手をするのは俺だ!」

『……貴様はもう戦うことはできんだろう?』

「ところがどっこいまだ戦えるんだなこれが。そしておまえを倒す手段もある」

俺は破城槌を出した。

『それをどうやって私に当てる気だ?貴様は私のいる場所に来ることすらできない。私はここから貴様を撃つだけだ』

「じゃあ良い物見せてやるよ」

俺はそれっぽい構えを取った。

「名前は…そうだな…流星廻槌にでもするか。いくぜ…流星廻槌!」

俺は瞬時加速で飛ぶ。

もちろんボーデヴィッヒめがけて。

「馬鹿が…」

ボーデヴィッヒには俺が何の策もなしに飛び込んできたように見えてるようだ。

 

ところがぎっちょん!

 

俺はまた瞬時加速で横に飛んだ。

そして追い鰹ならぬ追い瞬時加速でボーデヴィッヒの背後に回ることに成功、あいつに破城槌を叩きこんでやった。

「くっ…!」

ボーデヴィッヒは体をひねって反撃しようとしてきたが、遅い遅い。

俺は瞬時加速でボーデヴィッヒの頭上に移動、また破城槌をぶち込む。

ボーデヴィッヒは腕でガードするが、こんなの腕でガードしようもんならどうやってもダメージ必死だ。

頼むから早いとこ倒れろ!

このままじゃエネルギー尽きるし体もきっつい…!

何より例のアレを使うのはギャンブル性が高すぎる…!

 

 

「はぁ…これを使うしかないのか…」

 

 

眼帯付けてる方を瞬時加速で飛んだ時、そんなボーデヴィッヒの呟き声が聞こえた気がした。

ボーデヴィッヒが眼帯をずらすと突然俺の動きが止まった。

動こうとしても動けない。

まさかこれは…あの謎サイコキネシス!

いくら動体視力が良くったってこんな早く動いているのをがっちり視界に捉えられるのか!?

俺はボーデヴィッヒを見た。

んな…!

 

邪気眼!邪気眼じゃないか!

 

ボーデヴィッヒの眼帯の下、そこには綺麗な金色の瞳があった。

ボーデヴィッヒはオッドアイだった。

まさに邪気眼、どう見ても邪気眼。

つまりあの目を出させたことで真の力を引きだしてしまったということか…!

「はぁ…はぁ…これを使う羽目になるとはな…」

ボーデヴィッヒは力を封じるため()に眼帯を戻す。

「おいおい…そんな隠し玉があるなんて聞いてないぞ…」

俺もあいつにのっておく。

「ずいぶん苦労させてくれたな…だが…」

あ…止めの一撃を出すつもりだな。

……例のアレを使おうにも取りだしてもボーデヴィッヒの一撃の方が早い。

…隙を作るしかない、か…

動けない、武器は届かない、ないない尽くしな状態で一番隙を作る方法は…

 

 

あるな…一番効果的かつ危ない方法が…

 

えーい!

悩んでいる暇なんてない!

南無三!

 

俺は打鉄をひっこめた。

ひっこめたが謎サイコキネシスのおかげで落っこちない。

「ちっ!」

ボーデヴィッヒは舌打ちをし、無理やり攻撃を逸らした。

頭上を必殺の一撃が通りすぎる。

そこにあるのは決定的な隙。

ボーデヴィッヒは俺の狙いに気づいたようで目を見開いた。

だがもう遅い。

 

 

「ばーか」

 

 

俺が打鉄を纏って例のアレの引き金を引くのとボーデヴィッヒのカウンターのレールガンが発射されるのは同時だった。

 

 

レールガンでぶっ飛びながら俺は思いだす。

あの時のことを…

 

 

 

 

二回目の更識の専用機完成パーティーの時だ。

先輩方からもらったプレゼント、それがこの銃だ。

この銃に名前はない。

しかし整備課の中である名前が付けられてた。

「ガチャレーザーライフル」と。

二年前にある整備課の生徒が一撃必殺を目指して作った銃なのだが、この銃には二つの欠点があった。

一つ目は威力に凄まじいムラがあるということ。

その生徒が目指した一撃必殺をやってのけることもあればほとんどダメージを与えられない時もある。

それがまるでガチャの様だからそんな名前で呼ばれているのだ。

二つ目は撃つまでのチャージ時間と撃ってからの冷却時間だ。

一回撃つまでに必要なチャージの時間が一分、撃ってから銃を冷やすまでの時間が三分。

三分経たないとチャージすることもできない。

放熱のためにごちゃごちゃしたパーツを付けたが特に意味はなかったらしい。

これをもらった時はどう考えても失敗作の処分のために押し付けられたと思ったが、なんでも今回の体験の礼として何とか欠点を直してくれるということで一応受け取った。

 

それと新しい戦い方、流星廻槌。

提案したのは先輩方だが名前を付けたのは俺だ。

何で流星廻槌と名付けたかだって?

かっこいいからだ!

先輩方に何をもとに考えたか聞いたら案の定織斑の戦い方だった。

何故気づいたかというと、求められているものが同じだからだ。

高速のヒット&アウェイと高火力で敵をねじ伏せるという戦い方。

ただ織斑が使うのは零落白夜で、俺が使うのは破城槌なだけの違いだ。

しかし難易度はこっちの方が上だ。

まず当てなければいけない回数が違う。

速度はこっちの方がかなり下という点もある。

要は劣化織斑戦法をかっこよく名前を付けただけだった。

 

 

 

 

回想おしまい!

地面に墜落した俺はすぐに立ち上がった。

「勇気!大丈夫か!?」

織斑が俺のそばに来た。

「……離れてろ」

くそ…体が動かない!

「貴様…」

やっぱり倒れてねえか…

あの装甲とかのダメージを見る限りSRくらいのダメージは与えたと思うがまだ足りないか…

「貴様は今ここで潰す!」

ボーデヴィッヒは飛ぶ、その瞳に怒りをたたえながら。

「させるか!」

俺の前に織斑が立つ。

ボーデヴィッヒを迎え撃つつもりか。

 

「そこまでだ」

「千冬姉…」

「教官…」

おっ…………そい!

遅すぎる!

俺がアリーナに来る前に駆け付けろ!

こんなタイミングでの重役出勤はやめろ!

あとなんだそのブレードの持ち方!

ガキ大将スタイルか!

力尽くでお前達を止める(キリリッ)じゃないよ!

結局ボーデヴィッヒは特に何のお咎めもなしに帰るしよー!

 

ボーデヴィッヒが帰った後は説教だ。

織斑は反省文、俺は謹慎+反省文だ。

『平日にほかの生徒が授業中に遊び放題だ!やったぜ。』と思っておこう。

あと織斑から凰達のことを見に行かないかと誘われたから一応行くことにした。

 

 

 

 

保健室に着いて二人を見たが存外元気そうだ。

しかし二人とは反対にISはボロボロ、学年別トーナメントは出場不可能とのこと。

織斑達の話が終わったタイミングで話をしようとしたが突然異変が起こった。

「……地震か?」

地面が揺れている、ドドドドドド…という音が聞こえる。

振動と音は徐々にでかくなってきている。

これは…地震じゃない?

そのことに気づいた俺は保健室のドアを見た。

バン!とという音とともに女子生徒が保健室に流れ込んできた。

「織斑君!」

「海堂君!」

「デュノア君!」

「「「「「「「「「「私と学年別トーナメントで組んでください!!!」」」」」」」」」」

場所は選んでくれよ…

「え。ええっと。俺はシャルルと組むから諦めてくれ!」

織斑がそう言うと保健室は水を打ったようになる。

「海堂君は…?」

誰かが最後の希望と言わんばかりの声でそう呟いた。

「お、俺は箒と組むから!ごめん!」

それが止めとなって女子達は保健室から出ていった。

見事に出鼻をくじかれちまったな…

「……学年別トーナメントのことでお前達と話したいことがある」

「話したいこと?」

 

 

 

こいつらを使って…

 

 

「ボーデヴィッヒのことについてだ」

 

 

ボーデヴィッヒを落とす!

 

 

 

 

 

 

 

恋愛的な意味で!

 

 

 

 

 

 




次回は何とか今月中に更新したいなあ…



次回は優人か勇気のどちらかを書きます。
タイトルは…未定ですね。


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