IS The harlequinade/leading role   作:サヴァヴァヴァ

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前回:イッツショータイム!


勇気編 第十七話 諦めを越えて

side二階堂勇気

 

さあさあやってまいりましたよ!

俺の今後の生活がどうなるかを決める天王山が!

 

アリーナ中央に立つ四人の男女、言わずと知れたことだが主役は織斑とボーデヴィッヒだ。

俺とシャルロットは脇役、良くて弾除けかなんかして場を盛り上げるのが精一杯だろう。

 

織斑達はもはや俺達のことなんて眼中にない。

その姿はどこか西部劇の早撃ち対決を彷彿させる。

 

「それじゃあ、俺達は俺達で適当に時間を潰すかい?」

今のうちにガチャレーザーのチャージ開始しとこ…

「そういうわけにはいかないんじゃないかなぁ?」

まあシャルロットからしたら織斑の援護に行きたいんだろうけど、そうは問屋が卸さないんだよなあ。

 

『ではこれより二階堂・ボーデヴィッヒペア対織斑・デュノアペアの試合が始まりますが…あの…絶対流血沙汰とかそんな事件は起こさないで下さいよね…?』

「おいおい、そりゃ振りってもんですぜ」

えらく弱気なアナウンスが流れたもんだ。

こんな時は観客が熱狂するような前口上とか用意しておくもんだぜ?

 

 

 

『それでは…試合開始!』

俺は開始の合図と共に走り始める。

いきなり瞬時加速をして切りかかるなんて案もあったけど、流石にそんなド直球で切りかかっても避けられるのが関の山。

だったらクレバーに時間稼ぎに徹するのが吉だ。

 

正直ボーデヴィッヒに援護射撃しようにも、ちらりと見たらあちらさんはあちらさんで切り結んでるよ。

おいおいボーデヴィッヒどうしたよ。

お前AICがあるじゃねえかよ、それ使えよおい。

まああの仏頂面がなーに考えてるか俺なんかじゃわからないから適当に銃弾ばらまいて、ガチャレーザーを発射するタイミングを見極めるだけだ。

 

「おらおらおら!いくぜ!」

俺はアサルトライフルをシャルロットに撃ちまくる。

しかしどうにも読まれてるらしく、シャルロットの専用機のラファールの腕にくっついてるシールドでほぼ防がれる。

こんな時に爆発物取り扱えればいろんなやり方あるんだろうけど、そんなの無理無理。

だったら…

 

「たたっ切るまでよ!」

俺は残弾が三分の二くらいあるアサルトライフルを残弾惜しさに仕舞って、近接ブレードを呼び出す。

「そのシールド置いてけぇ!」

近接ブレードを両手持ちし、駆ける、駆ける、脱兎のごとく…とは言い難いが駆ける。

気分はまさに妖怪首おいてけだ!

 

「その攻撃は届かないよ」

でも敵もさるもの、俺の行動は読まれているときたもんだ。

シャルロットは後ろに飛びながらアサルトライフルをこちらに向ける。

だーけーどー…

 

「それもお見通しってね」

シャルロットは俺が戦ってるところは見てるし、他にも情報収集はしっかりしてるだろうってのは簡単に予想ができる。

だからこそ俺は近接ブレードを上にぶん投げて、もう一度アサルトライフルを呼び出す。

「こっちこそそれぐらい!」

シャルロットは上に一切視線を向けず冷静に照準を合わせ続ける。

…これはこれでやりづらいことこの上ない!

実力的にはあっちが上だけどそれにこっちの手を読まれたらそれこそお手上げだぁ!

 

「…なーんちゃって、ね?」

ところがどっこい、それも読んでたのが俺様よ!

俺はアサルトライフルをシャルロットにぶん投げ、上に瞬時加速で飛ぶ。

シャルロットはアサルトライフルに手榴弾でも括り付けてるのあるのかと思ったのか、アサルトライフルを撃ち落としてから、俺を撃った。

 

でも当たらないんだよなあ。

 

「ライダーキィック!」

俺は近接ブレードをキャッチしシャルロットに向けてライダーキックを繰り出す。

「くっ!」

シャルロットはライダーキックを食らいアサルトライフルを取り落とす。

だが落としたはずの手には新しい銃が…

 

ズガンッ!!

「ぶぇっふぇえ!!!」

俺は上半身、というかまた顔面がどでかい衝撃に襲われた。

もうやだよぉ…なんでボーデヴィッヒといいシャルロットといい俺の顔面狙うんだよぉ…

転入生は俺の顔面に一発ぶち込むしきたりでもあるのかよぉ…

だったら鳳の奴にもこの後ぶち込まれることになるじゃねえかよぉ…

痛む顔面を押さえながら俺は下がりつつアサルトライフルを回収した。

 

何とか走って距離を取って、シャルロットがどこにいるか確認したら既に織斑の援護に向かっていた。

抜け目ねえな…このまんまじゃボーデヴィッヒから文句飛んできそうだな…一人で戦うつもりだろうけどな…

だったら…

 

「ててててっててー♪ガチャレーザーライフルゥ♪」

あの青狸が秘密道具出す時の効果音を口ずさみながら、俺はガチャレーザーライフルを呼び出す。

織斑達はアリーナの上空で戦っている。

織斑はとにかくボーデヴィッヒの攻撃を回避することに専念している。

こりゃいい具合だ。

ボーデヴィッヒの顔をハイパーセンサーで見たら、少しだけ眉間にしわが寄っているのがわかる。

こりゃ自分が思っているように戦えていないな。

おそらく、攻撃のヒット数、有効打が与えられていない、AICを使うタイミングがあんまりない等々…

そうだ…いいぞ…そのまま…織斑がこっちに背を向けて…織斑をセンターに入れて…引き金を引く!

 

「消し炭になれやオラアアアァァァァ!!!」

俺の叫びと共に放たれる極太の光線、こいつぁSSR確定だ!

 

「なっ!?」

しかし織斑の奥にボーデヴィッヒがいた、ちょうど織斑と重なる感じで。

だからボーデヴィッヒが急いで回避するもんだから、織斑もボーデヴィッヒに攻撃喰らわそうとついていくわけだから…

 

 

ズドオオォォォォン!!!!!!

 

 

「あっちゃー…」

そりゃ当たらないよねえ…

アリーナの天井、というか吹き抜けのある位置に着弾。

バリアにほんのりひびが入っ…ているように見えるのは俺の気のせいだな!

 

『おい貴様ぁ…』

個人間秘匿通信から俺に熱い思いを感じさせる声が聞こえてきた。

こんな時には…

「きゃー☆いっけなーい☆勇気ちゃんったらお茶目なんだからー☆」

『………………』

無表情で茶目っ気たっぷりに返してやったら俺のお茶目っぷりに感動したようで、黙って通信を切ってきた。

わかりゃいいんだよわかりゃ。

 

 

「すごかったね、今の」

「うぉっ!」

気がついたら俺の後ろにシャルロットがいた。

恐ろしく速い移動…俺じゃなきゃ見逃しちゃうね(精一杯の強がり)

 

「やっぱり今のが君の奥の手の一つなのかな」

その言葉には流星廻槌も奥の手なんでしょ?というのを言外にほのめかしてるように俺は思えた。

「さーてどうかな?俺の技はあといくつあるのか俺にもわからないんでね」

このタイミングで織斑の援護をやめて俺の方に来たってことは…

 

「悪いけど、今の攻撃を見てやっぱり勇気を先に倒した方がいいって再確認したよ」

案の定というか、やっぱり織斑達の作戦は俺を倒してボーデヴィッヒを二対一で倒すという作戦で、ガチャレーザー見て「やっぱりこいつやべぇ!」とか思ってこっちに来たんだろうなあ。

 

「だから、ごめんね」

彼女の両腕に握られているのは、二丁の銃。

その銃から、弾丸は無慈悲に放たれた。

 

 

 

 

 

「ぬうううぅぅぅおおおおおお!」

シャルロットの銃撃が始まってから既に三十秒が経とうとしている。

状況は悪化の一途を辿り続けている。

まずこちらの被害状況、全身に程よく弾丸などによる損傷、SEはガリガリ削れている、アサルトライフルの弾切れ、現在は背を向けて逃走中。

対してシャルロットの被害状況、ちょいちょい当たった弾丸によるちょびっとの損傷(おそらくSEも大して削れてないだろう)、弾丸はあと何発あるか不明、現在は飛び回りながら俺を撃ち続けている。

つまり…

 

「いつも通りの大ピンチぃぃぃぃ!」

そして俺の取れるコマンドは「とうそう」のみときたもんだ!

ぶっ飛んで反撃しようにも飛んだら撃ち落とされるしかなさそうだもんね!

 

 

 

そしてついにこの時が訪れた。

彼女の弾丸が俺の腕に当たった時だ。

打鉄がガクンと膝を地面に付き、動かなくなった。

SE切れ…かぁ…

 

あーーもう!最悪だ!

特に何にもできてねぇ!

織斑達はどうなってんだ!?

ちゃんとよろしくやってんのか!?

 

 

 

 

 

 

「一夏!そのままラウラに近づいて!」

「ああ!」

なんだ、中々イケてんじゃん。

織斑はボーデヴィッヒのワイヤー攻撃をかわし、切り払いシャルロットが織斑が対応できない攻撃をアサルトライフルの銃撃で織斑からそらす。

ボーデヴィッヒは織斑を睨みながらワイヤー攻撃をし続けている。

ここでAICでも使えば織斑とっ捕まえてずたずたにできるんだろうけどボーデヴィッヒはAICを使わない。

まさか、前に織斑達にアドバイスした時に適当に言ったあれが当たっていたのか?

まあどうでもいいし、織斑達が勝つにはいい欠点だ。

これがISが二人乗りでもできて一人がAICに専念するとかになったら操作めちゃくちゃ大変だろうけど猛威を振るいそうだな。

 

SE切れた状態じゃくっそ動きづらいんだけど…

「よっこいしょういちっと…あーやだやだオッサン臭くて嫌になるね」

下手に真ん中らへんにいると流れ弾来そうで嫌だからね、サボりたい云々じゃなくてマジで壁際に行かなきゃ…

 

戦いに背を向け歩き出したが、どうにも織斑が心配だな…

あいつ俺と戦った時に自爆しやがったからな…どうにも詰めが甘い所が否めない。

落とされてねえだろうなと思い、後ろを見たら織斑がもう落っこちてた。

 

「……はぁ」

溜め息が出ちまうなちくしょう。

ここはイケる流れだろうが、そのままぶっ倒して今日の夜あたりに会話でもして惚れさせてメイク・ラブでもしろよ。

あークソが…このままボーデヴィッヒに絡まれまくる日々を送れというのか…

マジで捏造でも何でもして田中先生にドイツ送りしてもらうべきか?

 

ドンッ!

 

「…んあ?」

俺が今後の生活やどうボーデヴィッヒを送り返すか考えていたら織斑がいた方から突然音が聞こえてきた。

見ると、織斑がシャルロットの持っていたショットガンを構えていた。

 

「くっ…はははは!なるほど!そういうことか!」

こいつは意外だ!これは一本取られちまったな!

まさか近接一辺倒だった織斑に銃を撃たせるとは!

しかもちゃんと当たるかどうかわからんからショットガンを持たせるとは!

こりゃ盛り返すかもしれんな!

「あーよかったよかった…」

さーて、今度こそ行くとしますかね…

そんなことを考えながら俺は歩き出した。

 

 

 

 

 

 

その少し後だった。

 

 

 

「うあああああああああーーーーーー!!!!」

後ろから聞こえた悲鳴、それはボーデヴィッヒのものだった。

まさか顔面フルボッコにでもしてんじゃないだろうな?

そんなことを考えながら後ろを振り向くと。

 

 

ボーデヴィッヒから雷がバチバチ放たれていた。

…いやいやいや!

なんだよそれ!お前そんな技使ってなかったじゃん!

もしかしてISぶっ壊れたのか?

だとしたらどうすんだよアレ…ゴム手袋どころかISぶっ壊して回収するしかなくね?

ああもう装甲も溶けて…溶…け…て…

 

「あれ…は…!」

 

そこにいたのはもはやラウラ・ボーデヴィッヒという少女ではなかった。

 

この場にいる全員、いや世界中の人間が知っている女。

 

世界最強、戦女神の名を戴く者。

 

クソったれの救世主様。

 

「織斑…千冬だと…!?」

 

馬鹿な、なんだあれは。

そんなことあるはずがない。

あの女がなぜここで出てくる。

いくらあの女がボーデヴィッヒの師であったとはいえ、こんなことが起こるとは思えない。

 

ボーデヴィッヒだった織斑千冬はその体が、髪が、機体が、何もかもどす黒くその手にはかつてあの女が愛用した刃、雪片が握られていた。

まるで酔っぱらいのようにふらついているが刃を持ってふらつく様は気狂いのようにしか見えなかった。

そして、俺の方向を見ると…

 

ズオアッ!

 

俺に向かって瞬時加速を繰り出した。

「早っ!?」

その速度は織斑と同等どころか織斑を凌駕していた。

「勇気っ!逃げろ!」

誰かの叫びが聞こえる。

その声が織斑だったのか、海堂だったのかはわからなかった。

 

「落ち着け…っ!落ち着け!あの動きは見たことがある…!確かあれは…えーと、えーと…そうだ!第一回モンドグロッソでアメリカの女と戦った時に繰り出した」

 

そうだ、俺は奴の試合を何度も見た。

それこそ奴の試合の流れを完璧に覚えるまで。

 

そして奴が構え、その技を繰り出した。

「でたらめに早い突き!…ぐぅっ!」

奴の攻撃を見切り、何とかかわそうとしたがこの学園に来て初めて織斑と戦った時のようにかわし切れなかった。

だがあの時と違うことが一つあった。

俺の左腕、それが深く切り裂かれていた。

切り離されるほどではないが、それでも切り傷から流れ出る血は多かった。

 

「まだだっ!」

その声に俺は傷に気を取られていた意識を周りに向けた。

「がふっ!?」

腹にでたらめなレベルで響く衝撃、吹き飛ばされる体。

それが奴の繰り出した回し蹴りだったと気づいたのは俺が壁にめり込んだ瞬間だった。

そして…

 

 

奴の刺突が今度こそ俺の体をとらえた。

 

 

 

「が…ぁ…!!」

奴の刃が俺の腹を貫く。

そしてギチギチとねじり傷口を広げる。

俺を殺すために。

「あ……づ…!」

声が出ない、息ができない、痛いこと以外まるで分らない。

痛みの波が俺の全身を駆け巡る。

 

痛みの波が小さい時に少しだけ周りを見た。

俺の腹には未だに奴の刃が残っていた。

開かれた傷口からだらだらと血が流れだす。

血が…血が…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……ぁ……何が……

 

 

体がひどく冷たい

 

 

傷口から下の感覚がない

 

 

神経が切られたか

 

 

体に力が入らない

 

 

体が動かない

 

 

現実感がない

 

 

―――見て。

 

 

声が   聞こえる

 

 

―――前を見て。

 

 

前…?体が動かないのにどうやって見たらいいんだ

 

 

顔が動く 前を向く

 

 

そこにいたのは黒い女

 

 

刃を振り回して他の女達を叩き落していた

 

 

それ以外には白い男と黒い男とオレンジの女がいた

 

 

―――このままでいいのですか?

 

 

いいもなにも  なにがいいのか

 

 

だってもう駄目だろう

 

 

この傷じゃもう死ぬ

 

 

―――諦めるのですか?

 

 

黒い女が黒い男を蹴り飛ばす

 

 

白い男が黒い男を受け止める

 

 

そして黒い女がオレンジの女に刃を向けた

 

 

ああ、駄目だ

 

 

―――このままではあなたは何もできずに死にます。

 

 

黒い女はオレンジの女に向けて飛ぶ

 

 

―――欲しますか?

 

 

他の女が止めようとしたが止められない

 

 

ああ、駄目だ

 

 

―――谿コ縺ための力を欲しますか?

 

 

オレンジの女の前に黒い女がたどり着いた

 

 

―――蠕ゥ隶するための力を欲しますか?

 

 

ああ、駄目だ

 

 

黒い女はまるで白い男と黒い男に見せつけるように刃を煌めかせた。

 

 

―――何もかもを遐エ螢するための力を欲しますか?

 

 

駄目だ 駄目だ 駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ!

 

 

―――欲するのなら答えを、回答を、命令を。

 

 

黒い女がオレンジの女にその刃を振り下ろした

 

 

何だっていい!力をよこせ!

あの子を螳医kための力を!

 

 

奴を…谿コ縺ための力をっ!!!!!

 

 

―――わかりました、マスター。

 

 

 

 

 

 

「……おい」

俺は奴の前に立ちはだかり、振り下ろされた刃を腹に突き刺さっていた刃で防ぐ

 

 

織斑千冬、いや、インフィニット・ストラトス

 

これ以上、俺の大切な人を奪わせてたまるか

でも、それでも奪おうというのなら

 

お前を

 

 

 

 

 

 

 

「……殺す」

 

 

 

そして俺の視界は、思考は、世界は真っ赤に染まった

 

 

 

 

 

 




ランス10がっつりやってて遅れたなりぃ…
ランス10くっそ面白くて下手に中断して書くと駄目だと思いがっつりやってました
んでケーちゃんをFGOにぶち込んだ話を妄想していたという

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