IS The harlequinade/leading role 作:サヴァヴァヴァ
(主に心臓と背中が)超エキサイティンッ!
というわけで第1章です。
話の投稿は優人編、勇気編と慎編、たまに入る閑話になります。
しょうがないね。
主人公によって反応に違いがあるし…。
それとsideで視点を変えたりします
一夏も出さないと…。
優人編 第一話 クラスメイトはほぼ女
side織斑一夏
「全員揃ってますねー。それじゃあSHRはじめますよー」
今黒板の前でこのクラスの副担任の山田真耶先生が、俺を含む生徒に対してSHRを始めることを話した。
山田先生は背が低く、見た目も生徒とほとんど変わらない。
服もサイズが合っていないし、黒縁の眼鏡も少しずれていて「子どもが親の服を悪戯で着ました」という印象を俺は受けた。
「それでは皆さん、一年間よろしくお願いしますね」
「…………」
(だよなぁ…)
教室は妙な緊張感に包まれており、誰も返事をしなかった。
「じゃ、じゃあ自己紹介をお願いします。えっと、出席番号で」
俺は反応するべきと思ったがそんな余裕はない。
なぜならこのクラスは俺を含む3人以外全員女子だからだ。
今日は記念すべき高校の入学式。本当なら俺は藍越学園にいるはずだったが…。
(これは…想像以上にきつい…)
しかもどこの誰が決めたかわからないが、俺の席は真ん中で最前列という嫌でも目立つポジションの席だ。
俺は窓側に目を向けた。
「……」
(そ…そらされた…)
薄情にも6年ぶりに再会した幼馴染の篠ノ之箒は俺の救いを求める視線を窓の外を向いて無視した。
そして俺は壁側の前から二つ目の席に視線を向けた。
そこにはもう一人の幼馴染である、海堂優人が深呼吸をしていた。
(やっぱり緊張するよな…)
俺は自分の感じている緊張感は正しいものだと思った。
何故緊張感を感じているのが正しいのかって?
なぜなら…
(寝ている…思いっきり寝ている…!)
俺が窓側の一番後ろの席に目を向けると、そこにはアニメなら鼻提灯が出そうな勢いで居眠りをしている男性の生徒がいたからだ。
(よくこんな状況で居眠りできるな…)
おそらくあいつが二階堂勇気だろう。
こんな状況で居眠りをするなんてある意味凄まじい精神力を持っているな…。
「…くん。織斑一夏君」
「は、はい!?」
いきなり名前を呼ばれて返事の声が裏返ってしまった。
何人かのくすくす笑う声が聞こえて俺はますます緊張してしまった。
「あっ、あの、大声出しちゃってごめんなさい。お、怒ってる?怒っているよね?ゴメンね!でもね、自己紹介「あ」から始まって今「お」の織斑君なんだよね。だからご、ゴメンね、自己紹介してくれるかな?」
気が付くと山田先生が頭を下げていた。
どうやら俺の番になっていたようだ。
(まずっ…!)
「いや、山田先生、謝らなくても自己紹介しますから!」
「ほ、本当ですか!」
俺がそういうと山田先生は花が咲いたような笑顔になった。
(この人はどこかの妖精の国から人の世界に迷い込んだ妖精か何かじゃないか?)
成人した女性が浮かべるような笑顔ではなかったし…。
そして俺は自己紹介のため、席を立って後ろを振り向いた。
(うっ…)
そこには約1名を除く全員の視線があった。
「えー…と、織斑一夏です、よろしくお願いします」
俺は頭を下げ、上げたがほとんどのの人間はもっと喋ってよと言わんばかりの視線だった。
(ど、どうしたらいい!?他に何を言えばいいんだ!?)
俺は少しの間、混乱したが深く呼吸をしてこう言った。
「以上です」
すると何人かの女子はコントのようにずっこけていた。
(俺に期待しすぎだろ…)
あまり無茶を言わないで欲しい。
すると
パアンッ!
と何かが破裂するような音で俺は頭を叩かれていた。
(い―――った!?今、今絶対脳細胞のいくつかが死んだ!)
俺は俺の頭を叩いた人物を確認した。
「げえっ、関羽!?」
パアンッ!
(ぬあああ!二回目~!)
「誰が三国志の英雄だ、馬鹿者」
そこには俺のたった一人の家族である、織斑千冬がスーツにタイトスカートという格好で立っていた。
…なんで?
side海堂優人
(ああ、やっぱり一夏は「以上です」って言っちゃったか。それに千冬さんも容赦がないな…)
俺はいま目の前で起きたことに対してそういう感想を抱いた。
今日はIS学園の入学日であり、記念すべき原作のスタートでもある。
わかっていたが、クラスメイトがほぼ全員女子なのはかなりきつく、俺は深呼吸をして落ち着こうとした。
だが…
(あいつは何でこんな状況で寝ていられるんだ?)
俺はこのクラスにいるもう一人の男のことを考えていた。
二階堂勇気
俺たちと同じ男性IS操縦者であり世界最低のDランクを記録した男で、
テレビでも名前や容姿は出たけれども細かい情報は出ていなかった。
正直に言うとまるで得体がしれない存在でもある。
教室に漂っている妙な緊張感の原因の一つが得体のしれないクラスメイト――しかも男である奴がいることである。
(うーん…どうしたものかな…)
俺は彼に対してどう接するか考えていた。
「あ、織斑先生。もう会議は終わられたんですか?」
「ああ、山田先生。クラスへのあいさつを押し付けてすまなかったな」
(っと。あまり考え事をしているわけにもいかないな)
あんまり考え事をしていると伝家の宝刀の出席簿が来るからな。
「い、いえっ。副担任ですから、これくらいはしないと…」
(…山田先生は百合なのか?)
山田先生が千冬さんに向けてどこか熱のこもった声と視線を向けていた。
そして千冬さんは山田先生から俺たちの方を向いてこう言い放った。
「諸君、私が織斑千冬だ。君たち新人を一年で使い物になる操縦者に育てるのが仕事だ。私の言うことはよく聴き、理解しろ。出来ない者には出来るまで指導してやる。そして君たち弱冠十五歳を十六歳まで育ててやる。逆らってもいいが私の言うことにはYESかはいで答えろいいな」
(なんとまあ軍隊式で…)
いくらドイツでしばらくラウラに指導したとしてもああなるんだろうか?
(…まずっ!耳をふさがないと!)
俺はすぐに耳をふさぐと
「キャーーーーーーー!千冬様、本物の千冬様よ!」
「ずっとファンでした!」
「私千冬様にあこがれてこの学園に来たんです!」
「あの千冬様にご指導いただけるなんて嬉しいです!」
「私千冬様のためなら死ねます!」
大きな声で騒ぐ女子たちに千冬さんはうっとうしそうに「…毎年よくもこれだけの馬鹿者が集まるものだ。ある意味感心させられる。それともあれか?私のクラスに馬鹿者を集中させているのか?」と言った。
「きゃああああ!お姉さま!もっと叱って!罵って!」
「でも時には優しくして!」
「そしてつけあがらないように躾をして!調教して~!」
(ほんとに元気いっぱいだな…ていうか一人あっち系の人がいたような…)
俺がそう感心していると千冬さんは一夏に「で、挨拶も満足にできないのか、お前は」と声をかけた。
一夏は千冬さんに声をかけられるまで何が起きているのか理解しようとしていたらしく、はっとして「いや、千冬姉、俺は――」と言ってしまい
パアンッ!
と三発目を食らっていた。
頭を押さえる一夏に千冬さんが「織斑先生と呼べ」と言った。
「はい…織斑先生…」
このやり取りに女子たちは一夏と千冬さんが姉弟だと知りざわつき始めた。
「静かに」
千冬さんがそう言うと女子たちは一瞬で静かになった…訓練されすぎだろ…。
「それと…」
千冬さんは二階堂の前まで行くと…
パアンッ!
「むぐぅ!?」
「よく初日で居眠りできるな」
「何だ何だ!?襲撃か!?」
「いったい何の夢を見ているんだお前は…」
頭を叩かれたたき起こされた二階堂が寝ぼけていたのか、大きな声でそう言い、千冬さんが呆れていた。
「…ああ。これはすいませんでした、織斑先生。以後気を付けます」
二階堂はたたき起こされたせいか、少し機嫌が悪そうに言った。
「ふん…では自己紹介を続けよう」
千冬さんは二階堂の態度が少し気に障ったらしく、同じように機嫌が悪そうに言った。
それにつられるように何人かの女子が二階堂を睨んでいた。
(勇気があるというか、命知らずというか…)
俺は二階堂の行動にそういう感想を抱いた。
「は、はい!では海堂君!」
山田先生が少し冷や汗をかきながら俺にそう言った。
「はい」
俺は立ち、クラスメイトの方を向いて自己紹介をした。
「海堂優人です。中学校は一夏と同じで一夏と一緒に剣道部でした。突然この学園に来たので不慣れなこともあり、皆さんに迷惑をかけるかもしれませんが一年間よろしくお願いします」
クラスメイトは俺の自己紹介に満足したのか、拍手をしてくれた。
その後も自己紹介は進み、ついに問題の奴の順番になった。
「えー…と。では、二階堂勇気君」
「はい」
二階堂は返事をし、立ち上がった。
二階堂は立つと俺や一夏より背が高く、足が長い、いわゆる外人体型というやつだった。
二階堂はクラスを見回すと、とんでもない自己紹介をした。
「二階堂勇気だ。趣味は漫画、ゲーム、アニメなどのサブカルチャー。嫌いなものは女子だ。よろしくしないでくれると有難い」
二階堂は言いたいことは言い終わったと言わんばかりに堂々と席に座った。
…はい?
俺は今の自己紹介にあっけにとられた。
他のクラスメイトもポカーンとした顔をしていた。
千冬さんは眉間に寄ったしわを指で伸ばそうとしていた。
一部の女子は二階堂を睨み付けていたが当の二階堂はどこ吹く風と言わんばかりで前の方を向いている。
「え……あっつっ次の人自己紹介してもらってもいいかな」
山田先生次の人に自己紹介を進めることで今の空気を何とかしようとした。
その後は自己紹介が進んだが微妙な空気になってしまった。
「…あー…」
俺の視線の先で一夏が死んでいた。
一時間目のIS基礎理論授業の内容がさっぱりわからないようだ。
まあISのことを男子は基本的に学校では習わないし、一夏はIS学園に入学する少し前から始めているが時間が圧倒的に足りない。
もし特典が無かったら俺もああなっていただろう。
「一夏ー。大丈夫かー」
「もうダメ…ノックアウトした…」
一夏は机にうつぶせになっている状態から顔だけを向けていった。
「ちょっといいか二人とも」
「え、箒?」
一夏と俺は箒に話しかけられ、箒の方を向いた。
「廊下でいいか?」
「あ、ああ」
「いいぞ」
俺と一夏は箒に連れられて廊下に出た。
すると…
「優人、一夏、久しぶり!って…」
鈴がいた。
…なんで鈴がいるんだ?
Qなんで鈴がいるの?
A次の優人編でわかります。
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