迷い込んだ先には・・・   作:東月

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夏休み前の出来事 2

「ここどこだよ?」

 

意識が朦朧としている中、周りを見るとそこは牢屋のような場所だった。

 

手足はフリーで自由に動けるが、外には自由に出られない。

そんな感じだ。

 

「え?てか、俺帰れなくね?」

 

少し考えるように目を瞑り、寝っ転がりながら瞑想のようなものを始めると、妙な視線を感じた。

 

「お兄ちゃん誰?」

 

ふと起き上がると、宝石をぶらさげた羽根をようなものをもった女性が立っていた。外見は幼女だが可愛らしい容姿をしていたのでロリコンに目覚めてしまいそうだ。

 

「なんで人間の男の人がここにいるの?」

 

「俺が聞きたいくらいだ。ここはどこだよ?」

 

「ここはね、私の居場所。」

 

「随分と寂しいとこに住んでんだな。お前」

 

この言葉で少しだけ空気が落ちるが、そんな家庭の事情は知った事ではない。

 

とりあえず、俺は帰りたい。

寝たい。

そして腹が減った。

 

そんな中途半端に考えをまとめていると、牢屋の外から女性の話し声が聞こえてきた。聞きいたことのあるような声だったが、ただ似ているような声だろう。

 

 

という、甘い考えは全てぶち壊された・・・

 

「起きたわね、人間。」

 

そこに現れたのは意識を失う寸前に見た黒みがかったコウモリの翼をもった少女だった。

 

「あれ、お前は・・・」

 

「そうよ、私は・・・」

 

「誰?」

 

「え?!えぇぇぇー!!私は貴方を助けた命の恩人なのよ?覚えてないの?!」

 

「うん」

 

「な・・・すって・・・」

 

「?」

 

「なんですってぇ!!」

 

「うぉ!?ちょ、ちょっとまて!」

 

少女の叫びとともに地面が揺れた。大地が揺れた。これはやばい、死ぬ。

 

「あ!そういえば少し覚えてるよ・・・。ほ、ほらあの綺麗な翼とか」

 

「翼だけでしょ!?顔は覚えてないの!?」

 

「そ、それは・・・。ねぇ?」

 

「ンアアアアアアア!!」

 

だめだ、終わった。お父さんお母さん今まで育ててきてくれてありがとう。そしてさようなら。そう思った次の瞬間

 

「待ってください、お嬢様!」

 

少女を止めに入った白髪の綺麗な女性はクラスの隣の席のやつに似ている。その綺麗な女性は俺にご飯を持ってきてくれていたようだ。

 

「あれ、お前咲夜か?」

 

「そうですがなにか・・・って永遠君!?こんなとこでなにしてるの?」

 

「さぁな、気づいたらここにいた。そんなことよりもお前のお嬢様ならなんとかしろよ」

 

「そ、そうね」

 

ドードーと暴れ馬をなだめるようにお嬢様を落ち着かせているとき、最初に会った幼女はずっと俺の顔をうかがっている。俺に見惚れてるのだろうか。

 

「どうした、そこの幼女。俺の顔になにか付いてるのか?」

 

「別に何も!あと幼女じゃなくてフラン!フランドール・スカーレット!私のお姉ちゃんをよくも怒らせたなー!」

 

プンスカと頬を膨らませながら俺の体をぽかぽか叩いてくる。可愛い、何だこの小さい生き物。今すぐ家に持ち帰りたい。

そんなやりとりをしているうちに咲夜がお嬢様をなだめ終わったようだ。

 

「フラン、そいつの体を叩くのはその辺にしておきなさい。自己紹介が遅れたわね、私の名前はレミリア・スカーレット。この子の姉よ。さっきは怒ったりしてごめんなさいね」

 

「俺は川島永遠。普通の高校生だ。よろしく」

 

「一応私も、十六夜咲夜です。ここのメイドをやらせてもらっています。」

 

「お前は別に自己紹介しなくていいだろ」

 

「い、一応よ!一応!」

 

「てか、いいからここからだしてくれないか?」

 

「返したいのは山々なんですけど、お嬢様が・・・」

 

「気になることがあってね、どうやって永遠はここに来たの?人間がここにいるのは普通ありえないことなの。」

 

最初っから呼び捨てだ、礼儀ってもんを知らんのかこいつは。ていうかそんなこと言ったら咲夜も人間だろ。まぁ細かいことは後にしておこう。

 

「学校で山にオバケが出る場所があるっていう噂があってな。気になってひとりでそこに行ったんだよ」

 

「一人でって・・・あんた友達いないの?」

 

「馬鹿にしてんのか?・・・いるに決まってんだろ!」

 

「ふぅん」

 

嘲笑うかのような顔をして俺を見てくる。異常に腹立たしい。あとで見ておけこの野郎

 

「それで、山に階段があったから登ってったんだよ、そしたら神社があってとりあえずお参りして帰ろうと思って振り返ったら空間に割れ目があったんだ。それに吸い込まれるように入ってった。そこからあの森に迷い込んでレミリアに助けてもらったってわけだ。」

 

「なるほどねぇ、どうやって来たかはわかったわ。今からパチェと話あってくるわ。咲夜、永遠を元の世界に返してやって。」

 

「かしこまりました。」

 

レミリアは理解したようだが俺は全く理解できていない。だが家に返してくれるそうなので今はそんなことどうでもよかった。

 

「あ、そうそう。元の世界に戻る前にこれ飲んで。」

 

レミリアに渡されたのは赤く透き通った綺麗な色をした飲み物だった。

 

「なんだこれ?」

 

「元の世界に戻れる薬ってところかしら」

(ここにいた記憶はなくなっちゃうけど…)

 

「そうか、サンキューな」

 

「それじゃあ行きましょうか」

 

牢屋を出てフランにばいばいと手を振りレミリアたちをあとにして、一番最初に来た森へ向かう。

 

 

 

 

  

 

 

 

     ・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

「ここの場所でいいのか?」

 

「はい、それではその薬を飲んでください」

 

「言われなくても飲むっつーの」

 

薬飲むと意識が朦朧とする。咲夜が二人に見えてきた、いや・・・三人か?

 

「また明日、学校でね・・・」

 

咲夜の言葉と共に俺は気を失った。

 

 

 

 

 

 

 

      ・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

気が付くとそこは神社だった。元の世界に戻ってきたようだ。

 

「よし、ひとまず帰るか。母さんに怒られるかもな…」

 

神社を気にしながらも、俺は来た道を通り家に帰った。

 




see you next time!!
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