やはり俺は間違っている(凍結)   作:毛利 綾斗

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東京、京都と二つの京に行ってきました。
何というか京都と東京って正反対な感じで......。
それはそうとお土産一杯買ったんですけど、むしろお土産以外にお金を使っていなくて家族にもっと自分の物を買ってもいいんだぞって言われちゃいました。


第10話

楽しい時間は過ぎ去り、忘れ去られたかの様に俺は自電車を漕いでいる。

理由は簡単だ、寝坊した。起きた時間は9時。

起きたばかりは病み上がりで遅れたって事にしようと考えゆっくりと支度していると思い出してしまったのだ。今日の1限目は国語だという事に。

完全にサボれば殺される、俺は自転車に飛び乗り疾走する。時刻は9時30分。

そして今、階段を駆け上り扉に手をかけた。

よし間に合........

 

 

キーンコーンカーンコーン

 

 

わなかった。

俺が扉に手をかけて固まっていると扉が勝手に開く。

目の前には白衣を羽織ったスーツの女性、平塚先生が。何所か心配そうな表情で急ぎ早だったので道を開けるが一向に横を通る気配がない。

 

 

「ひ〜き〜が〜や〜、どうして遅れたんだ。サボりか?私の授業でサボりなのか?」

 

 

俺は上げたくない首をゆっくりとあげる。

 

 

「い、いえ。あれですよ先生。国語のテストで校内2位の俺は国語に関しては重役のはずです。だから俺は重役に相応しい重役出勤というのをですね.......」

 

 

「問答無用」

 

 

俺の口上を途中で遮ったかと思うと、いつの間にか腹に激痛がはしる。だから俺の周りの奴は最後まで話しを聞かないんだ。

そんな事を思いながら痛みを耐えられなかった俺はそのまま平塚先生の方に崩れ落ちる。

そんな俺を平塚先生は優しく抱きしめる....事なく無情にも避ける。

俺は仰向けになって上を空を見上げる。

あ〜、今日も良い天井だ......って黒のレース??

 

 

「君も重役出勤かね、川崎」

 

 

「そんな奴と一緒にしないでください。バカバカしい」

 

 

という声がする。

平塚先生は、はぁと息を吐くと

 

 

「まあいい。次からは気を付けたまえ。君もだぞ、比企谷」

 

 

と言って出て行く。

俺はもう1人の遅刻者の顔を見ると睨まれる。

黒レースの青髪、眼つきわっる....。

俺は立ち上がり黙って席に着くと本を読み始めた。

 

授業を終え、俺は奉仕部の部室へと向かう。

教室棟を抜け、部活棟の一階、二階と生徒らの声が遠くなっていき3階の部室に着く頃には何の音もしなかった。

手を掛けスーッと扉を開くといつもと変わらない景色があると思っていた時期も俺にはありました。

 

雪ノ下は立って俺を睨んでいる。

理由はわからないがどうやら怒らせてしまったらしい。

他人に迷惑をかけないように振舞ってきた筈なんだが。

 

「あー、雪ノ下さん。どうして怒ってらっしゃるんでしょうか?」

 

「別に怒ってなんかないわ。ただ何処かの寝坊谷君の不真面目さに呆れているだけよ」

 

そう言いながら額を押さえて息を吐く雪ノ下。

寝坊谷.........どうやら雪ノ下の不機嫌は今朝の遅刻が理由らしい。

なんか約束してたか?.......うん、思い出せん。

 

「朝、なにか約束してたか?」

 

「いいえ。朝に私と比企谷君は何も約束してないわよ。何一つ」

 

段々と熱くなっていく雪ノ下。

つかこれで怒ってないとか怒った時はどうなるんだよ。

.........本当にどう収拾つけようかな。土下座すればいいのか?

ふむ、論点をずらしてみるか。

 

「......これから一緒に行くか?」

 

雪ノ下の睨みつける。

八幡はかける言葉を間違えたようだ。

いや、強ち間違ってないのか?嫌がってるならこっちで上書き可能の筈だ。

 

「雪ノ下、これから一緒に通ってくれませんか?」

 

俺の訂正は正しかったのだろうか。雪ノ下は表情を少し和らげると、

 

「仕方ないわね。貴方がそこまで一緒に登校したいっていうなら一緒に行くことを許してあげるわ」

 

一呼吸開け

 

「そうすれば比企谷君の事を一番に知れるし」

 

と呟いたのを俺は聞き逃さなかった。

雪ノ下は俺の遅刻を知らないはず。

でも今の感じだと......由比ヶ浜がメールで知らせたか、白塚先生か。

それより俺と一緒に通うのを許可した?普通はここで『貴方と通う?寝言は寝てからにして欲しいわ、ストーカー谷君』と言うところじゃないのか?

もしかして.....

 

「迷惑かけた......のか?」

 

俺は心の中で思っただけのはずだった。

 

「い、いいえ。迷惑なんて思ってないわ。ただ私が勝手に心配して怒っただ......」

 

雪ノ下は顔を真っ赤にして俯く。

 

「貴方って卑怯だわ。あんな声で言われたら嘘をつけないじゃない」

 

どうやら俺は声に出していたらしい。俺のいつもとは違った真剣なトーンに雪ノ下はタジタジになっている。

こんな時にかける言葉.....。

 

「心配かけて悪かった。次からは先ずお前に連絡を入れるようにする」

 

そう言いながら頭を撫でると雪ノ下は更に顔を下げる。サラサラな黒髪の間に見える白い耳は赤みを帯びていた。

 

「別に連絡なんて入れなくていいわ。比企谷君が遅刻しようが学校を休もうが私には関係ないもの」

 

「これから一緒に通うんだろ?待たせるのも悪いし、お前の家に着きそうになったら連絡入れる。単なる業務連絡ならいいだろ?」

 

コクっと頷く雪ノ下。

頭から手を離そうとする。

 

「お願い。もう少し、もう少しで良いから.....」

 

仕方ない。誰も見てる奴は居ないし少しなら、と俺は頭を再び撫でる。

 

ガラッ

 

「やっはろー」

 

急に開いたドアと気が抜けるようなバカっぽい挨拶に驚いた俺は動きが止まる。

気づいた時には遅く由比ヶ浜に見られていた。

事情を知らない奴が見たら俺が泣かしている、最悪襲っていると思われて通報されるだろう。

だって俺自身、今の状況を目撃したら通報しちゃうもん。

そんな予想を裏切り由比ヶ浜は

 

「(ぇ.....どうして?)ゆきのんだけ卑怯だよー。私も、ヒッキー私も撫でて」

 

最初の方は聞こえなかったがこんな事を言っていた。

つかあれだろ、由比ヶ浜のは触った瞬間に罵詈雑言吐かれて挙げ句の果てに慰謝料請求してくるんでしょ。八幡絶対騙されない。

 

 

 

「んな事より部活だ、部活するぞ」

 

 

と言って雪ノ下を見る。

 

 

「じゃあ、今日は自習でもしましょうか。あと少しでテスト期間に入ることだし」

 

 

それから俺達は勉強するべくサイゼに向かったのだがそこで依頼を受け、解決すべく奮闘していた。結局落ち着くところに落ち着いたのだがそれはテスト期間の前日で.....。

ちゃんと勉強していた俺と雪ノ下は1、2位をとり、雪ノ下大先生との勉強会を逃した由比ヶ浜は悲惨な結果だった。

 




サキサキ回だと思った?
何というかサキサキの話が上手く纏まらなかった為にこんな感じになりました。
でもサキサキもヒロインの候補?本命?の1人なのでサキサキメイン回も作ろうと計画しています。
最後まで読んで頂きありがとうございます

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