よろしければ読んでいってください
注)連載は不定期です
やはり人生はなるようにしかならない
始まりは唐突だった・・・
いつものように早朝のバイトに行って、大学に通って、近所の本屋に寄って帰る
友達は数える程しか居(お)らず
普通の見方をすれば寂しいことだろう
だが、この青年・・・十六夜 零司(いざよい れいじ)はそんなことを考える人間ではなかった。
なぜなら、彼にとって友達とは一人を除き心を許せる仲間ではなく、ビジネスのような関係でしかなかったからだ。これには幼少時に両親を失い、遺産相続の際観た親族の醜さ、中学時代に友達を家に呼んだ際、その信じていた友人から家の金、自身の物を盗まれた経験があるからだ。
以来彼は学校でも自宅でも心を開くことはなかった。
だからだろうか・・・こんな親族や嫌な思いでばかりの場所を出たいと考えて努力をしていたのは・・・そして、両親が死ぬ前から唯一の友人に勧められたものは全て観て現実逃避をしていたのは
現実とは本当に非常なものだ・・・・
その友人も昨年死んだ・・・死因は肺炎による高熱だった。心臓が弱いため体が丈夫ではなく、昔からよく入院をしていて、小学校に上がる前から病院暮らしになってしまった。
そんな友人・・錦戸 貴久(にしきど たかひさ)はよく病室でゲームをしていた。格闘ゲームよりギャルゲーのようなシュミレーションゲームが多かったのは外に出られない欲求不満が溜まったのが原因だったのだろう
その貴久は中学の頃になると零司によくソレを勧めてきたいた
最初の方は零時も周囲の反応と同じく乗り気ではなかったが、貴久がこんなにも勧めてくるものはどんなものなんだろう・・・という風に考え始め勧められて数日で貴久のギャルゲーを始めたのだった。その後は察しの通り「あのゲームどうだった?」など家が病院からかなり離れているためチャットで話したりしていた。そして「病状も年々回復の傾向があるらしい」と貴久は俺によく言っていた。「退院したら一緒に学校に通ってバカ話でもしよう」とかいって笑う日々を過ごしていた。
が、大学に合格して数日高校3年の冬に貴久の病状が急変する。
高校の最後の期末試験を受けていた時にそれは起こった。
貴久は俺に嘘をついていた・・・・後から知った話だが、貴久の体は本当は年々体は悪くなっていて俺が高校二年の頃には自身で立って歩けないほどになっていたそうだ。
それでも俺に悟らせないようにしていて最後にパソコンのチャット越しではなく直接会った元旦や冬休みの数日も無理をしていたそうだ。
そして、その一週間後、風邪を引いて咳が出はじめたのが原因で肺炎を発症してしまい。その高熱により帰らぬ人となった・・・そして親友貴久の死ぬ間際駆けつけた俺に対して
貴久は
「零司・・・約束・・・まもれなくて・・・ごめん」
と泣きながら言った
それに対し俺は
「諦めるなよ!一緒に学校に通うんだろ!!まだ、お前と話したいことがたくさんあるんだよ!!だから死ぬな貴久!!!」
そう言って俺は貴久の右手を両手で包み込むように握った
貴久はそれを見て少し笑みを浮かべ
「零司・・・ありがとう・・」
そう言い残して貴久は息を引き取り、病室には『Piーーーー』という機械の音だけだけが木霊した。そして数秒の時間呆然として
「う、うわぁぁぁぁ~~~~~~~~~~~~~~~」
俺は泣きながらまだ温かさの残る貴久の体を泣きながら抱きしめたのだった。
・・・・それから半年
「今日も課題は問題なしだな」
そう言って俺は鞄に課題を入れて机の上に置き早朝のバイトに出かけ朝4:00~7:00まで少し離れた大型スーパー働いた。
そして、20分かけて自宅に帰り講義は8:50からだが近くのコンビニに寄って貴久が勧めてくれた漫画を読んでいくため8時丁度に家を出た。
普段を変わらない日常が流れていた。
大学に通う途中の通学路を小学生が笑いながら隣を通り過ぎていく。
学生やサラリーマンが欠伸を噛み殺しながら学校や会社に向かっていた。
何時も通りだ。
だが、工事中のビルの横に差し掛かった時にそれも急変することとなった。
鉄骨が落ちてきたのだ・・・しかも落下点にはさっきまで楽しそうに笑っていた2人の小学生の男女が自身等に降ってくる鉄骨により恐怖に染まっていた。俺は普通ほかの人間に対し基本無関心だが、何も外道などではない・・・どちらかというと優しい性格だ
そんな俺が選んだ答えは
「間に合えぇーーーーーーーーーーーーー!!!」
と考えるより先に飛び出していた
そして二人を飛び込む勢いでそのまま突き飛ばし
背中に鉄骨が降ってきた
全身の骨がボキボキと一瞬にして砕ける感覚に意識が飛びそうになり、喉を一気にせり上がってきた血を吐いた。
周囲からは悲鳴が聴こえている
呼吸が苦しいのは恐らく鉄骨の重さだけではなく肺や他の臓器に砕けた骨が刺さっているのだろう・・・
今まだ生きているのは奇跡だと思う・・・・
そして、残った力で顔を上げると
「「ヒグッヒグっ」」
と助けた少年と少女が泣いていたが、どうやら二人共無事なようだ・・・
それをみて俺は心から安堵し
「よか・・・った・・・」
と最後に言い残し
同時に心の中で
「貴久、悪い・・・お前の分まで生きようと思ってたのに・・・今そっちに逝くよ」
と貴久に謝罪して
親友の後を追うようにこの世を去った。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
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