待っていてくださった方にそうでなかった方も含めて楽しんでいただけたらと思います
注)今回の話は第三者視点になっています
「そうかい、君にもう少し可愛げがあれば霧崎や轟木と同じく仲間に引き入れてあげようかと思ったけど、君がやるつもりなら僕も王の力で君とついでそこにいる女も諸共跡形もなく消してあげるよワルキューレ!!」
「「魔術兵装《ゲート・オープン》!!」」
二人が自身の『戦略破壊魔術兵器《マホウ》』を展開したその瞬間
ポチョン♪という水滴の落ちる音と共に世界は蒼に包まれた
「!?これは・・・『悠久の幻影《アイ・スペース》』!!」
「何を驚いているんだい?ワルキューレ、この世界にとって僕たちは本来存在しない存在・・・つまり異分子だっていうことはわかってるんだろう?」
「そうね。どういうわけかこの世界には月読島は存在しない。それに死んだはずの私たちがこうして生きているイレギュラーを考えるとまた何らかの儀式のために呼ばれたと見るべきかしら?」
「やはり君は頭がいい。是非とも霧崎達の代わりに僕の配下に欲しいくらいだ」
「貴方にそんなことを言われても全然嬉しくないわね・・・それに、私を従えることが出来るのは零二くんだけよ!!」
「君と戦うのはこれで3度目だ」
「3度目?2度目の間違いじゃないかしら?」
「何を言って・・・あぁ、なるほど・・霧崎たちの話を聞いてもしかしたらと思ったけど君は僕ときた世界が違うのか・・」
「何を言って・・」
「今から死ぬ君には関係ないことだよ・・・『炎よ、業火と成りて空を切り裂け!』」
ゴォォ!!
そこで有塚が『魔術《ルーン》』を纏いし言霊を発し、虚空から炎を生み出し雨宮に奇襲を仕掛ける
「無駄よ!!」
雨宮はそれを右腕を振るだけで何事もなかったかのように無力化する
「やっぱり君の守りは堅実だね・・・」
そう言って有塚は先ほどの炎を連続で放つ
「学習しないのね貴方は・・ハァ!!」
雨宮は両腕を振り上げたするとそのいくつもの炎はロウソクの火を消すかのように容易くかき消し
ヒュヒュヒュ
何かが有塚の身体と携帯に巻き付く
それは・・・
「本当に君の『戦略破壊魔術兵器《マホウ》』は厄介だね・・・」
ピアノ線(ストリングロード)で携帯諸共拘束をされ、雨宮がその気になれば一瞬で解体せれるという絶体絶命の状態だというのに有塚は笑っていた
「何がおかしいのかしら?」
「実に愉快だよ、ワルキューレ・・・この程度で僕を拘束した気になっているなんてね♪」
「見苦しいわよ有塚陣・・」
「ワルキューレ・・・君は僕に絶対に勝てない。断言してもいい」
「何を言って・・『無に還った少女《ブリージンガメン》』が破られた!?」
そう、雨宮の戦略破壊魔術兵器『無に還った少女《ブリージンガメン》』が黒い炎に焼かれていた
「ありえないわ!!私のストリングロードの前では『いかなる運動エネルギーも”零”にする』ことができるのよ!?私が認識している炎がストリングロードに絡め取られてなお存在できるはずないわ!!」
「あぁ、確かにね。君の『戦略破壊魔術兵器《マホウ》』はあらゆる事象すらも無力化できるだろうね・・・それでも、僕の王の力の前ではそんなものは無力だということだよ」
「クッ!!・・・」
「消えてもらうよワルキューレ・・『天山に聳えし空の王《ヒミンビョルグ》』」
そう言って有塚は炎の翼を身に纏い空を飛んだ
そして、自身の右手を雨宮に突き出して獄炎の炎を収束し
「ハハハ、さようなら・・・ワルキューレ・・・『聖剣ならざる焔の翼《フォーヴズ・ブルドガング》』!!」
高笑いをあげながら有塚はかつて”最凶のマホウツカイ"が扱ったとされる最凶の神話魔術を放った
ゴォオオオオオオオオオ!!
地獄の業火・・・獄炎ともいえる膨大な熱量
「『裏切りの女神《ダヴィンスレイヴ》』!!『無に還った少女』!!」
ジャキン!!ヒュン!! ファンファンファン!!
雨宮は自身の前方からくる脅威にストリングロードで運動エネルギーを無限に生み出すことであらゆる硬度のものを破壊切断するストリングロードを何本も展開し、同時に触れるものの力を全て無力化する、防御と発動の妨害を試みるが・・・
妨害に放ったストリングロードは有塚に届く前に焔の壁に阻まれてブチブチと焼き消え
防御に使っているものも現在獄炎の進行を僅かに抑えてはいるが、ブチブチ焼き切りながら近づいてきており
ついにその壁も破られ、雨宮は死を覚悟した
そして
「零二くん・・・ごめんなさい。もう一度あなたに会うことは出来そうにないわ・・・」
と遺言のようなことを言い残す
そこで雨宮は背後で静かに自分たちの戦いを見ていた梶浦が自分の前で戦っていた雨宮の前に立ち・・
「面白い能力ね・・・気に入ったわ!!その能力《ちから》!!」
自分たちを襲う脅威を前にして梶浦は不敵に嗤い
「魔術兵装《ゲート・オープン》!!」
キーワードを唱えたところで防ぎきれなくなった獄炎に雨宮とともに飲み込まれた
~~~~~
燃え盛る獄炎の業火を前にして有塚は佇んでいた
「もう少し粘ってくれるかと思っていたけど・・・僕の期待はずれだったみたいだね、ワルキューレ・・・あの炎が直撃した今、彼らが生き残る術はない・・・あの一緒にいた女が何をしようとも意味はないし・・・あと数秒も経てば僕の獄炎が喰らい尽くして消この空間も解除されるだろうね」
そう言って地に足を着き、その場をさろうと背を向けた
その時
「アハハハハハ♪」
獄炎の中から笑い声がした
「思った通りね♪アハハハハ♪なんて使い勝手のいい武器なのかしら♪これなら先輩たちを探して夜桜を創ったり、あのムカつく里村先輩に近づいて『グリモワール』を手に入れる必要もないわ!!この力があれば・・・っとそれはさておき、この炎いい加減邪魔ね・・・『聖剣ならざる焔の翼《フォーヴズ・ブルドガング》』」
次の瞬間、獄炎の焔は一瞬の膨らみを見せて、辺りに弾けるように飛び散り、無傷の梶浦海美と息を荒くしているだけで同じく外傷が見受けられない雨宮の姿があった
「な!?」
これには流石の有塚も驚きを隠せない
何故なら・・・あのワルキューレ(雨宮)と一緒にいた女(梶浦海美)の能力は知っていたが、獄炎を出すことができるとはまさか思わず、自身の切り札を防がれるとも思っていなかったからだ
故に有塚はこう口にする
「梶浦海美!!なぜ君がそれを使える!!」
だが、梶浦はそれすらも面白いのか高笑いを続け、饒舌に語りだす
「アハハハ♪可笑しいと思ってたのよ、最初の話を聞いてるとアンタは先輩に負けて消えたはず・・・こんな力を持っているのに何故負ける要因があったのか?・・・それに何故すべての戦略破壊魔術兵器を複製できる私の能力でこの獄炎を出すことができないのか?
・・・そう考えたら一つの答えが出たわ・・・
『そんなものは関係ない!!アンタの戦略破壊魔術兵器《マホウ(携帯)》』の能力を利用すればその力を簡単に得ることができる』ってね!!
だからアンタの使った炎を私は過去から今の現実に引き寄せてやればアンタの引き寄せてきた元の場所なんか知る必要がない!!
最高よ!!
こんな能力が態々私のところに歩いてきてくれるなんてね!!」
「グッ!!」
有塚は自身の状況のまずさを感じて距離を取るために再び天へと舞い上がる
この現状で梶浦を相手にするのは非常に不味い・・・雨宮たちは知らないが、ロキに『始まりの大地《イザヴェル》』を消滅させられている有塚陣に実は逃げ場は用意されていない
そのため有塚は空に逃げて制空権を得ることでしか数的有利が向こうにある以上現状を有利にするすべはない
だが、梶浦はそれに構うことなく
「今度はアンタの番よ!!おしゃべりは強者の特権だってことを教えてあげるわ!!『過去の獄炎に焼かれて消えなさい!!』『聖剣ならざる焔の翼《フォーヴズ・ブルドガング》』!!」
獄炎の炎を連続で放った
それを有塚は全力で焔の翼をはためかせて避け、避けられそうにない攻撃のみ自身の獄炎で相殺する
だが、劣勢に回らずにはいられなかった
「あははははははっ!! さっきまでの勢いはどうしたのよ?遠慮しないで、どんどん来なさいよぉっ!!」
なぜなら・・・
自身の魔力で直接獄炎を出している有塚と複製した『曇りなき真実の嘘(アルケイディアジンクス)』を使って魔力消費のほとんどない方法で獄炎を放っている梶浦とでは手数が違うため避けざるおえないのだ
それに今、同じ方法を取ろうとするなら今の方法で獄炎を使えなくなる
そのため有塚は一瞬でも隙の出来るこの方法を取れないでいた
が、その判断の遅さから形勢は更に悪化することになる
「ガァ!!?あぁぁぁあああ!!」
デタラメに放たれた梶浦の獄炎が右目に直撃したのだ
それにより有塚は天より墜とされかける
が、耐えた有塚は最後の賭けに出る
「巫山戯るな!!僕は認めない!!こんな結末、認めない!!」
そう叫び、今残っている魔力をすべて注ぎ込み、梶浦が放っている獄炎よりもはるかに強大な威力の獄炎を収束する
そして
「『聖剣ならざる焔の翼《フォーヴズ・ブルドガング》』ッ!!」
極大の獄炎を放った
それに対して梶浦も応戦しようと獄炎を収束させ
「『聖剣ならざる「させない!!『摂理たる終焉《エンドレスバニッシュ》』!!」!!?曇りなき真実の嘘が!?」
『摂理たる終焉《エンドレスバニッシュ》』・・・元々は相楽苺の能力で「見たもの全てを無に返すことが出来る能力」生物だけでなく戦略破壊魔術兵器(マホウ)や神話魔術に対しても有効。ただし手加減や調整することが出来ない。概念魔術や真の力に対して通用しない。瞳を発光させ能力を発動させるまで1秒の時間がかかる。そのため連写に向かない
それにより有塚に複写した『曇りなき真実の嘘』を消滅させられた梶浦は獄炎を失い無防備となる
が、
ファンファンファン!!
「『無に還った少女』!!」
「なぁ!?」
いつの間にか呼吸を安定させた雨宮がそれを防ぐ
ブチブチブチ
が、徐々に押し切られ始める
「早く決めなさい!!長くは持たないわ!!」
「アンタに命令されなくてもやってやるわよ!!『わたしのしもべたち《ギャラクシーエンジェル》』!!」
梶浦は再び『曇りなき真実の嘘』を瞬時に複製し
「『過去の獄炎に焼かれて消えろ!!』」
有塚は獄炎を瞬時に発生させ、有塚の獄炎を迎撃に掛かる
が、有塚がそれを許すはずもなく
「そんなものまた消してやる!!『摂理たる「やらせないわよ!!」!?」
それを無に返そうとするが、雨宮がストリングロードを何本も伸ばし攻撃する
それを有塚は自動防衛の獄炎で防ぐ
が
「それでこっちは見えないでしょう?」
そう、雨宮の狙いは最初からあの獄炎でカーテンのように遮ることによってこちらを視認させないことにあった
彼女は先ほどの『摂理たる終焉《エンドレスバニッシュ》』の発動の瞬間に有塚の目が赤く輝いたのを見ていたのだ
そこからあの能力は目で視認することによって発動するのではないか?と考えていたのだ
結果
収束を終えた梶浦が有塚の獄炎と同等の威力の獄炎を同時に七つ発生させていた
『聖剣ならざる焔の翼《フォーヴズ・ブルドガング》』ッ!!」
ゴォォォォォォォォ!!
「クソぉ!!こんなはずじゃ!!僕は王なんだ!!僕こそが真の王なんだぁ!!」
有塚の獄炎が押され始めたが、有塚は諦めず獄炎に僅か残っている魔力を流し込んだ
それにより一瞬拮抗するが
「これでいい加減消えなさいよーーーーーーーーーーーーーー!!」
これまで『曇りなき真実の嘘』で魔力消費を抑えていた梶浦が全ての魔力を注ぎ込んだ
それにより有塚は獄炎とともに飲み込まれた
そして、獄炎が過ぎ去ったあとには
体が粒子となって消えていっている有塚がいた
「僕は・・神に・・・なるんだ・・」
そう言い残して有塚は消えていった
「アンタみたいなのが神なら私は巫女なんてやってないわよ」
「そうね」
「で、このままやるの?」
「流石に魔力の消費が激しいから連戦は避けたいわね」
「同感・・アンタとは出来たら戦いたくないわ・・・今の状態(『曇りなき真実の嘘』は先ほどの攻撃で魔力切れした際に消えてしまっている)じゃあ勝てる気がしないもの」
そう言って梶浦海美と雨宮彩音は自身の戦略破壊魔術兵器を仕舞った
それと同時に『悠久の幻影《アイ・スペース》』も消えてしまい元の世界へと戻り
それを確認した二人はそのまま倒れこむように眠るのだった
だが、二人は知らなかったこの戦いを見ていた存在を
「ほぉ、まさかこれほどの駒が手に入るとは・・・こいつらがいれば管理局の力なんぞ使わずともあの鬼など容易に片付けられる」
この人物が後にこの新たに始まった戦争とあと僅かに残るジュエルシード探しにおいて大きな波紋を起こすことになる人物になるとは・・・
まだ
誰も知らなかった
第一部 完
今回の登場キャラの世界
黒羽 紗雪ルート
雨宮 彩音
共通ルート(誰かのルートに入る前に死んでいるため)
梶浦 海美
里村 紅葉ルート
有塚 陣
という風にこの世界に存在する前の世界が若干違います
以上でお送りしました
ストリングロード・・・雨宮彩音の戦略破壊魔術兵器で魔力のピアノ線を生成できるウェディンググローブ
能力は
『無に還った少女《ブリージンガメン》』・・・「ピアノ線に触れた“現象”の運動エネルギーを変化させる」(この能力により雨宮は魔法による攻撃、物理攻撃の全てを無力化している)
『曇りなき真実の嘘(アルケイディアジンクス)』・・・有塚陣の携帯型の戦略破壊魔術兵器で「自らの言葉へ現実を引き寄せる」能力がある
「きらきらメモリーズ」・・・メガネの形をした梶浦海美の戦略破壊魔術兵器
能力は『わたしのしもべたち(ギャラクシー・エンジェル)・・・「視覚内に映る『戦略破壊魔術兵器』を再現する(若干のチューニングが可能)」(同じ戦略破壊魔術兵器を複数作ることはできないが、異なる戦略破壊魔術兵器を同時に複製する事は可能。しかも複製したマホウをいくら使用しても自身の魔力は消費されず、破壊されても死ぬ事はなく、魔力が続く限り何度でも複製できる。故に、一度に多数の敵と戦う事に適している。)
参考にどうぞ
http://senki.kusakage.com/setume/fab.htm
P.S
『聖剣ならざる焔の翼《フォーヴズ・ブルドガング》』を『曇りなき真実の嘘』で発動する件ですが、この作品のオリジナルです
あと、その場合使われる言霊は『過去の獄炎~』としております