魔法少女リリカルなのは~記憶を探すもの~   作:杉坂 響夜

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今回は零司が規格外の階段を3段飛ばしで駆け上がります♪


第五話(食べ物の恨みは恐ろしい)

零司Side~~~~~~

この世界に来て3ヶ月が過ぎた頃、未だに3勢力の戦火が広がるたびに線引をしていた俺は連中に恨まれていた

 

ちなみに最初の棲家は既に後にしており現在は前回の住処よりも南西に位置する森へと居を移していたため現在の棲家の損害はゼロだ

 

 

元々住んでいた最初の森は現在は(ダミー)として有効活用している

 

流石に2度も3度も焼き払われても再生を繰り返す奇妙な森を普通だと思わなかった3種族は現在も破壊される度に俺によって再生される森が俺の住処だと思ってくれているのかこちら側まで被害がくることはない

 

毎回戦闘を行うのも基本あの辺だからね

 

今住んでる森は森自体を見えなくするように結界で覆い隠している

 

そんな状態なんだが俺は今・・・非常にキレている

 

何故なら

 

最初の森だが二ヶ月俺が何度も修復を繰り返した甲斐あってか『食料の減らない不思議な森』という認識を持ったおかげか多くの魔獣が戻ってきた

 

おかげで俺もそこに集まる魔獣を狩猟することで食料の確保を行なっていた

 

中には強力な魔獣も何体か集まってくれたおかげで3種族の撃退までやってくれているのだから至りつくせりだった

 

しかし、俺のこの理想的状況を崩す奴が現れたんだ。俺がこの世界にやってきて三ヶ月が過ぎた頃に・・・

 

 

 

 

そいつは3種族の撃退の際に開放した俺の魔力の方向に飛んできて樹海のように広がる森を探すのが面倒になって周囲を吹き飛ばして俺の家の周辺の緑を三種族に続き、吹き飛ばした・・・・

 

 

それにより流石にキレた俺は無意識のうちにスキルスロットを全部『空き』の状態から戦闘特化のものへと変えていた

 

この前の3種族との戦いのときのスロットの組み合わせが集団迎撃用ならば

 

今回のはまさしく

 

『スロット変更

1.『空き』→『神採りアルケミーマイスター ウィルフレド・ディオン』

 

2.『空き』→『デモニオン 魔王の地下要塞 魔王 アスタロト』・・・『神をも恐れぬ魔王』(戦闘能力を2倍),『陣地開拓』(今回は関係ないので説明省略),『強者の強欲』(倒した相手の財宝を全て奪い尽くすスキル)

 

3.『空き』→『fortissimo exs 芳乃 零二』

 

4.『空き』→『姫狩りダンジョンマイスター 魔王エミリオ』

 

5.『空き』→『カミカゼ☆エクスプローラー! 速瀬 慶司』』

 

抹殺特化(・・・・)ともいえる組み合わせだ

 

「テメェ、ドライグ!!この森を復元してから魔獣が戻ってくるまでにどんだけかかったと思ってんだコラァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

 

という怒号と共に魔王化して弾丸のように飛翔し、聖剣を片手にメティスの『ペネトレーター』を貫く点でなく刃に線的に展開することで硬度と概念的切断能力を付与して斬りかかった

 

それにドライグは

 

「おぉ、十六夜零司。そこにいたのか」

 

と俺の怒声など意に介すことなく話しかけてくる

 

なので俺はそのまま

 

「ふんっ!!」

 

怒りのままに聖剣を振り下ろす

 

「ヌォ!?」

 

それによって若干驚いたような声を出したドライグは首を引くことで緊急回避する

 

そして体勢を立て直すと

 

「いきなり何をする!!」

 

「喧しい!!お前のせいで・・・お前のせいで・・・っ!!俺の、俺の・・・・晩飯返せェーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

 

俺の晩飯『魔獣の肉』が!!森が!!一片残らず(・・・・・)全て(・ ・)消し飛んだのだ

 

大地に『復元する世界』をかければ森は(・・)再生できる

 

けれど、俺の肉は(・・)戻らない←ここ重要

 

前回も言ったけれどメシの恨みは恐ろしいのだ

 

「一体何の話だ!?」

 

「テメェの胸に聴けぇーーーーーーーーーーーッ!!神討つ拳狼の蒼槍(フェンリス・ヴォルフ)!!」

 

 

俺は聖剣を左手に持ち直して右手から全力の蒼い砲撃をドライグの土手っ腹に放つ

 

しかしそれをドライグは片方の翼を羽ばたかせることで回転するように避ける

 

そして俺の砲撃を見てドライグは

 

 

「この砲撃の魔力はっ!!これほどまでに魔力を高めているとはっ!!面白い、面白いぞ!!白いのとの決着がつかず消化不良気味だったが、これほどまで力を高めたお前なら少しは(・・・)楽しめそうだ!!」

 

「何喜んでんだこの・・・・蜥蜴モドキがァーーーーーーーー!!」

 

「誰が蜥蜴モドキだぁーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

 

俺たちの怒声と共に俺の蒼い砲撃とドライグの赤い砲撃のブレスが激突し、ドライグが力を倍化させることで俺の砲撃を消し飛ばし、俺は神速の移動にてこれを避ける

 

そして追撃をかけるようにドライグは連続でブレスを放って俺を打ち落とそうとする

 

「そんな攻撃で俺を捉えられると思ってるのか?ドライグ、本気で来い!!赤龍帝の名が泣くぞ!!」

 

俺は水の中の魚のように縦横無尽に空中を翔けることでその砲撃を右手に魔力を込めながらことごとく避ける

 

「・・・そこまで言われては本気を出さないわけにはいかんな」

 

『Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!』

 

ただでさえドライグは強大な魔力を何倍にも増大し

 

その場からドライグの巨体が掻き消えた

 

「・・・・三ヶ月前の俺なら・・・反応すら出来なかっただろうな。」

 

俺は背後から振り下ろされた右前脚の爪を躱すとその振り下ろす力を後押しするように蹴りを放つことで体制を崩し右手に込めた魔力を開放し

 

「今の俺なら簡単に目で追えるんだよ!!この程度!!」

 

神討つ拳狼の蒼槍(フェンリス・ヴォルフ)を叩き込もうとする

 

その際尻尾の先端がピクリと動いたのが見え、

 

 

『また尻尾か!!けど俺を捕らえる前にコイツを叩き込めばっ!!』

 

 

「その様だな。だが・・・

 

 

 

 

油断しすぎだ」

 

「っ!?しまっ・・・ガハ!!」(尻尾ばかりに警戒がいってて完全に裏をかかれた!!)

 

俺の発射前にドライグがその巨体を活かしたタックルを仕掛けてきたことにより虚をつかれた俺はその攻撃をもろに受け吹き飛ばされる

 

「グッ・・っ!!」(早く体勢を立て直さないと・・・っ!!)

 

しかし俺の思考とは裏腹に俺の体は弾き飛ばされた力が大きすぎるのもあって飛ばされる距離を抑えるのが精一杯で体制なんて立て直せるような余裕なんてなかった

 

『こうなったら飛ばされる方向に右手の魔力を解放して勢いを殺すしか・・・っ』

 

「そんな隙を与えると思っているのか?」

 

俺の腕に込められた魔力がさらに高まるのを感じたドライグは尻尾を先ほどのタックルの勢いを活かして振るい俺に追撃を仕掛けてくる

 

それを視認した俺は絶体絶命の状況でのみ起こるという走馬灯のようなものを見ながらも生き残るための手段を模索する

 

『神速は?・・・無理だ!!砲撃による相殺・・・タックルで散らされた魔力が大きすぎて気休めにしかならない!!剣を盾に・・・そのあとの衝撃を殺しきれない!!一体どうすれば・・・っ!!』

 

手段を模索しているうちに尻尾はいよいよ回避不能な位置にまで迫り

 

神討つ拳狼の蒼槍(フェンリス・ヴォルフ)!!」

 

一か八かで尻尾に向かって砲撃を放って相殺を試み

 

それにより強力な魔力の爆発が起こる・・・かなり魔力を散らされたとは言え並大抵の奴ならばこの一撃で間違いなく地に沈むと確信を持てる一撃だったと自信を持って言える

 

 

 

 

爆煙の中から無傷(・・)で現れた尻尾がそのまま俺を目掛けて振り下ろされる

 

その動きを俺はスローモーションにように捉えていた。けれど俺の体はまるで関節が錆びてたロボットのような重鈍さでしか動かない。『避けきれない!!』本能的にそう思った

 

復元する世界(ダ・カーポ)!!」

 

俺は咄嗟に自身の体の状態を固定する

 

そして殺人的な威力の尻尾が俺の左の脇腹を強かに打ち据え、俺の体を遥か下方の大地に向かって弾き飛ばす

 

『なんっつぅ威力だよ!!『復元する世界』無しで受けてたら今ので粉みじんだぞ!!それにこのあとの衝撃まで加わったら流石に意識が飛ぶ!!そうなったら『復元する世界』も解ける・・・ってマジかよ!!アレは・・・っ!!』

 

俺の思考を中断させたものそれは・・・

 

 

高濃度の魔力を収束したブレスの発射態勢に入っているドライグの姿だった

 

そしてドライグは

 

「生き残って見せろ十六夜零司」

 

俺を試すような言葉と共に死の概念を濃縮したかのような絶望的な威力を込めた赤い砲撃を未だ落下中である俺に向かって放った

 

 

『俺は・・・・こんなところであっさりまた負けるのか?』

 

不意にそんな言葉が頭をよぎった

 

だがそこで俺の目があるものの存在を捉えた

 

『っ!!これだ!!』

 

そこで俺の体は赤い砲撃に飲み込まれ掻き消えた

 

 

そしてそのまま赤い砲撃は下方の大地を大きく抉り、隕石が落ちたかのようなクレーターを残す

 

 

 

 

 

その中で隆起している一部分を除いて(・・・・・・・)

 

 

それを見てドライグは「ほぉ~」っと興味深そうな声を漏らす

 

そしてその一部分にあったのは

 

赤い繭のようなものに包まれている零司の姿だった

 

『スキルスロット変更

 

1.『空き』→『神採りアルケミーマイスター ウィルフレド・ディオン』→『創刻のアテリアル 仙崎 秀哉』(『魔王』・・・『操血』による血液の上限をなくし、血に触れている対象の魔力を僅か(3%ほど)に奪い自分の魔力とする(粘膜接触などの場合は20%ほど10秒毎に奪う)』

 

そして零司は赤い繭のようなものを自身の体に吸収するとガクリと地面に膝を着いた

 

けれど目だけはドライグを捉えたまま視線を逸らさなかった

 

「ぜぇぜぇ・・・危なかった」

 

魔力の大半を削ら息を荒くしながらも拳を握る

 

『ついさっき・・

 

吹き飛ばされてる時に偶然袖についてた吐血の跡を見てなかったら確実に防げなかった。咄嗟にスキルを変更して血を纏って刃を作る要領で硬化させて殻を作り中を液体にして衝撃を殺し、砲撃を殻の外殻の状態だけを『復元する世界』で固定するなんて離れ業を思いつかなかったら間違いなく死んでたな・・・全部この世界に来る前の半年の訓練が生きてた証拠だ。今こうして生きているのもこの三ヶ月、魔力を強化するのと反射神経、身体能力をこれまでの限界以上に鍛えていたからだ』

 

 

けど、届かない。まだドライグには届かない・・・それがたまらなく悔しい。

 

今回俺は魔力をあまり鍛えていなかった分だけ伸びしろがあったからこれほど急激に魔力を上げることができただけで今度戦うときにはこれほどの伸びは期待できない

 

 

しかしドライグはまたしばらくすると白いのと戦って今以上に遥かに強くなるんだろう。

 

 

俺はベースが人間でスキルを使ってもせいぜいRPGでいうところの魔王の限界値がせいぜい・・・裏ボス級の位置にあるドラゴンであるドライグには限界値の段階で届かない

 

 

なら、どうするんだ?諦めるのか?アルケミーと約束した全世界で最強になるっていう目標を叶えずに・・・この最高の相棒にふさわしい(「あるじ)にという約束を護ることすら諦めるのか?

 

「そんなの・・・絶対に嫌だ。」

 

俺は空から俺を見下ろす赤い竜の姿を目だけでなく顔を上げて睨む

 

『俺の中に残された魔力は砲撃が2回分、一回でも『復元する世界』を使えば放てる砲撃は1発になる・・・俺に残された武装はアルケミーの中にある武装が複数・・・けれど俺が扱える武器であの聖剣を超える武装はない

 

・・・たった一本の可能性を除いて』

 

『スロット変更

1.『創刻のアテリアル 仙崎 秀哉』

 

2.『デモニオン 魔王の地下要塞 魔王 アスタロト』・・・『神をも恐れぬ魔王』(戦闘能力を2倍),『陣地開拓』(今回は関係ないので説明省略),『強者の強欲』(倒した相手の財宝を全て奪い尽くすスキル)

 

3.『fortissimo exs 芳乃 零二』

 

4.『姫狩りダンジョンマイスター 魔王エミリオ』

 

5.『カミカゼ☆エクスプローラー! 速瀬 慶司』→『Justy×Nasty ~魔王はじめました~ 神威清春』』

 

「今のままの俺じゃお前を超えられない・・・・なら、俺はなるしかないよな?ドライグ、お前を倒せる俺に・・・っ!!」

 

俺は展開した日本刀『妖刀 アマオト』を抜き放ち右手を弓を引くような形で構える

 

「まだ心が折れんか・・・・貴様の精神力はやはり賞賛に値する。だがわかっているだろう?貴様の実力では俺に傷一つ浴びせることはできんと「誰が傷一つ浴びせることすら出来ないって?」・・何?」

 

そう言って俺はドライグの尻尾を空いている左手で指差す

 

「なっ!?」

 

そこには俺が先程まで手に持っていた聖剣エクスカリバーが突き刺さっていた

 

「いつの間に・・・・・・ッ!!そうか!!俺に弾き飛ばされる瞬間に突き刺したのか!!・・・しかしどうやって俺のウロコを・・」

 

「その剣には俺の能力で切断の概念がかかっていた。そしてお前は攻撃が完全に決まると油断していて俺を警戒していなかった。だから俺は生き残ることは勿論のこととして一矢報いるために一石を投じたってわけだ」

 

「・・・油断・・・油断。」

俺の言葉にドライグは反芻するように繰り返すと次の瞬間には

 

「ククッ・・フハハハハハ!!そうか!!そうか!!面白いぞ十六夜零司!!流石は俺が初めて認めた人間だ!!」

 

とても愉快そうに笑い始めた

 

「俺はお前にその愉快そうな声を出させるのですら命懸けだけどな」

 

「なら命懸けついでに今度は俺の全力を超えてみせろ」

 

「また無茶苦茶を言うな~。でも、嫌いじゃないぜ?そういうの」

 

「そう言うと思っていたぞ!!」

 

『Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost ・・・・・・・・・Boost!!』

 

長い倍加が終わり・・・そこにはまさしく力の権化というに相応しいエネルギーの塊がそこにはいた。

 

「この魔力は・・・っ!!」

 

肌をビリビリと刺すような強力な力の波動とそれにより地響きがその力の大きさを物語る、それこそ普通に考えたら立っていることすら放棄してしまいたくなるだろうと言える強烈なプレッシャー

 

この魔力に比べると俺の今の魔力なんて1%程度・・・いや、大海と米粒というべきか?どちらにせよ比べるのすらおこがましいと言える程の圧倒的違いだ

 

もし仮に俺が同じ能力を持っていたとしてもアレの半分程度にも満たない段階で体が弾け飛ぶだろう

 

「はは・・・安請け合いはするもんじゃないな」

 

もはや自嘲めいた乾いた笑い声しか出てこない

 

けれど、ここでこの攻撃に耐えること・・・いや、そんな後ろ向きな姿勢じゃダメだ!!ここで超えることを放棄したら俺は絶対にドライグにこの先追いつくことが出来なくなる!!

 

などと考えているとドライグが話しかけてきた

「どうだ?この力を前にしてまだ続けるか?」

 

と聴いてきた

 

それを聴いて心が決まった

 

だから

 

「俺は・・・お前から逃げない!!俺はお前の全力を超えて自分の限界を超えてやる!!来い!!ドライグ!!」

 

自身を鼓舞するようにドライグの問いに応えた

 

「いいだろう。ならば貴様の力を俺に示して見せろ!!十六夜零司!!」

 

・・・勝率の悪い賭けだけどここは間違いなく正念場だ。今俺に必要なのは力ではなく概念・・・そしてそれを支える強靭な意志だ。現状で俺の魔力がドライグを超えることはまず・・・無い

 

けれど俺があの攻撃を突破できる可能性がゼロというわけでもない

 

しかしそれを行うには概念を纏った一撃を放つ必要がある。先程まで使っていた『ペネトレーター』はまだ使えない

 

戦闘が始まってからまだ13分・・・俺がまたあの能力を使えるようになるまで約2分

 

サクラとのユニゾンが出来ればこんなことを考えずに済んだかもしれない・・・戦略破壊魔術兵器の中には概念主体の武器さえあるのだから・・・それ以前に『スウァフルラーメ』や『スイートホーム』、『ストリングロード』なんかを使えたら概念で容易に越えること、または防ぐことができるだろう

 

残念ながら今手元にサクラは居ないし居たとしてもユニゾンできないから無理だけど

 

なら俺に残された方法

 

「面ではなく点・・・密度で貫ききるしかない。一切防御に使える力はない」

 

しかし俺の考えを実行するならば強靭な剣が必要だ

 

少なくとも一般的な業物よりも少し頑丈ということにしか基本違いのない『アマオト』ではその期待には応えられないだろう

 

普通に考えたら1000円の値札の貼ってあったような安物の伝説の妖刀なんて信頼しない。けれど俺は一度だけ見たんだ。この刀身が折れた時に光の刀身が現れたのを・・・そしてその刀身には言いようのない安心感を与えてくれたんだ。お前の望みを叶えてやる(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ )と言っているような気さえした・・・馬鹿らしい。そうやって切り捨てていたら楽だったろう。実際一度発現してから今まで一度も発現出来ていないのだから

 

けど、何でだろうな・・・今この瞬間コイツが使えるような気がしたんだ

 

「アルケミー、行くぞ」

 

『はいマスター♪』

 

そう言って俺は『アマオト』にかなり削られたとはいえ膨大な魔力を流し込む

 

ドライグは先ほどと同じように・・・いや、先ほど以上に膨大な魔力を収束してブレスの発射態勢をとっていた・・・レーヴァテインでもアレは無理だな

 

けれど、俺の覚悟はもう決まっている。俺の心は・・・体は・・・

 

「ドライグを超える・・・ただそれ以外のことはもう今はどうでもいい」

 

それほどまでに今この瞬間にドライグに勝つことを求めているのだから・・・

 

「ならば超えてみせろ・・・・十六夜零司ィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

その咆哮とともにドライグは本日最強の威力を秘めた赤き砲撃を吐き出した

 

それを俺は

 

「はは・・・スゲェ・・スゲェよ!!ドライグ!!」

 

これだけの強大な力を俺という存在に向けてくれていることに対する歓喜と絶対的な強者と戦えることに対する闘争本能が極限にまで刺激され

 

小細工なしに紫の両翼を広げ赤き奔流に向かって弾丸のように飛翔した

 

それには流石のドライグも目だけでだが驚きを露わにしていたけれど

 

そんなことはどうでもいい・・・今の俺には目の前の力の放流をこの刀と自身の力で越える以外のことなんか考える余裕すら(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)ないんだから(・ ・ ・ ・ ・ ・)

 

最高の気分だ・・・かつてないほどの高揚・・・それこそ俺が今までで一番歓喜に満ちた家族が出来た瞬間ですら及ばない程の高揚・・・魂と心が高揚したあの時以上・・・血液が激しく流動する感覚

 

俺はこの感覚を知っている・・・アドレナリンがどんどん出ているこの万能感を・・

 

『一瞬で消滅するほどの強大な魔力?上等じゃないか!!

 

それを越えられない程度では俺の理想には届かない

 

ドライグは俺の憎しみの対象(かみ)じゃない・・・だからこそ純粋に向かい合える。これまで俺はどこかで誰かの為だけに戦ってきた

 

いつでも頭の片隅には親友との約束、前世で俺の大切な人をことごとく不幸に追いやった神への憎しみ、家族との約束といった理由があった

 

けれど今は・・・大切な家族を護りたいという俺の願いを叶えるために戦う』

 

こうして目の前に赤い砲撃が目前に迫ったこの瞬間ですら不思議と恐怖を欠片も感じない

 

今の俺は何でも出来ると思える程に絶好調なのだから

 

俺の全魔力が収束されて蒼く輝く刀を真っ直ぐ一直線にドライグに向かって突き抜く

 

「我流奥義 蒼龍(そうりゅう)一陣絶破(いちじんぜっぱ)!!」 

 

俺の体が一本の蒼き矢のように砲撃の先にあるドライグに向かって加速する

 

数瞬後俺と赤き砲撃が激突し

 

ズガガガガガガガガガガガッ・・・・・・・・・・

 

「オオオオオォォォォォォォォォ!!!!」

 

俺の刀は俺の魔力を凝縮したことにより復元の加護を受けている。その力はドライグの砲撃を発生前に戻すことができる

 

だから圧倒的な魔力差にも関わらず少しずつだが俺の刀の切先は砲撃の中を切り裂き突き進む

 

しかし

 

これほどにまで強力な魔力によって歪められた現象を無力化し切ることはできない

 

だがらそれを可能にするために俺の魔力は水を海に流し込むかのような急激さで俺の魔力はどんどん消耗されている

 

けれど、少しの間だけでいい

 

初めからこの攻撃を受け続けられるなんて都合のいい話なんか考えていないし、俺の復元で完全に消滅させられるなんてことも微塵も考えていない

 

しかし残り40m程に差し掛かった時、俺の魔力が尽きる前に

 

《ピシリッ》

 

俺の魔力に耐えられずアマオトが軋み刃が欠け始めた

 

「っ!!持ってくれ!!アマオトォ!!」

 

 

俺の願いは通じず

 

バリィィン

 

アマオトの刀身は半ば程から粉々に砕け散った

 

『ここまでなのか?・・・俺は・・・やっぱりドライグには敵わないのか?』

 

そう思うと同時に俺の体は赤き奔流に飲み込まれ

 

 

 

 

 

『あぁ・・・俺は死ぬのか・・』

 

そう思ったとき薄れいく意識の中である光景がフラッシュバックした

 

『零司・・』

 

フェルグラントに負けて気を失う寸前に見たフェイトの泣き顔を・・・

 

それを思い出した瞬間薄れていた意識は急激に覚醒し

 

「俺は・・・・っ!!まだ死ねない!!」

 

そう叫んだ瞬間俺の体の全身から血が噴き出した

 

~~~~~~~ドライグSide

 

 

 

 

『消えた・・・か』

 

ドライグは零司が飲み込まれて零司の魔力が消えたのを感じて心の中で落胆していた

 

 

次の瞬間

 

「っ!?」(何だっ!?)

 

突如として膨大な魔力を感じて目を見開く

 

そしてその発生源である自身の砲撃の中心には

 

「あああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」

 

死んだと思っていた零司が先ほどの血の繭を体内に吸収したときのように体の中に血(砲撃の魔力を取り込んだ)を吸収している姿があった

 

『ば、馬鹿な!!この膨大な魔力をドラゴンでもないアイツが吸収するだと!?ありえん!!』

 

ここにきて初めて動揺したドライグは吐き出すブレスの魔力を絞り出すように強めると

 

力の奔流の中にあるはずの零司の眼光がドライグの双眼を捉えた

 

《ギラッ!!》

 

『これは・・・この感覚はっ!!・・・そうか!!やはり俺の目に狂いはなかったというわけか!!それでこそ俺が認めるにふさわしい!!』

 

そして零司はドライグの興奮をよそにボロボロになった翼で砲撃の中を突き進み、全身から夥しい量の血液を放出して自身の糧とし、魔法を行使する。そして零司の意志に応えるかのように折れたはずの刀からは光の刀身を形成され、砲撃をかき分けるように零司の眼前を切り裂く

 

25m・・・・15mと進み10mに差し掛かった時

 

『Boost!!』

 

ドライグは自身の体の限界を超えて力を倍化させ押し返す力を強める

 

それに対し俺は

 

『フェンリス・ブースタァーーーーーーーーーーーーーーー!!』

 

神討つ拳狼の蒼槍(フェンリス・ヴォルフ)を背中から噴射することで推進力を増強して対処し、紫の翼が蒼き翼へと色を変え光の翼となって突き進み

 

ついに二人の距離が5mを切ったところで

 

「ドライグゥーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

右手の刀を一度引き鋭く突き出す零司と

 

 

「レイジィーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

ブレスに注ぎ込む魔力を全身から捻り出すドライグの

 

 

二人の雄叫びと共に最後の力を振り絞った二人の影が重なり

 

盛大な爆発が起こる

 

 

そして爆煙が晴れたとき二人の目に映っていたのは

 

 

 

ドライグの首まで僅か10cm届かずに効力の失われ刀身の消失した日本刀の姿だった

 

 

それを見て理解した零司は

 

「届かなかったのか・・・」

 

と呟く

 

 

しかし、ドライグの返答は

 

「いや、届いていたさ」

 

そう呟いた瞬間

 

ピシピシ・・・バキィン!!

 

ドライグの首の鱗の一部が粉々に砕け散った

 

それを見ると零司は限界だったのか意識を失い重力に引かれて落下を始め

 

 

落下が終了する前にドライグが背中で受け止める

 

そして零司のやりきったという安心感の現れた寝顔を見てドライグは

 

「大したものだ・・・」

 

と呟くのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

零司Side~~~~~~~~~~~~~~~

それから数時間後に目を覚ました俺は

 

「くっそ~・・・もうダメ、動けない・・・というか腹減った」

 

大地に寝そべっているドライグの背中から転がり落ち大の字で寝そべった

 

「まぁ良いだろう?どうせ貴様は不死身なのだから」

 

そう言って俺に合わせてくれているのか人化の術を使って俺の目の前まで歩いてくるドライグ

 

・・・初めて見たけど憎たらしいほどのイケメンだな

 

ワイルドさを感じるような真紅の髪の短髪で無駄な脂肪の一切ないと思われる隆起した筋肉

 

ラフに着崩され上半身のはだけた赤い羽織の着流し(銀魂の銀時の白い部分を赤に染めたような感じ)・・・靴まで赤なのはドライグなりのポリシーなんだろうと思う

 

顔立ちは髭のないシャープな輪郭で猛獣を連想させるようなギラついた三白眼の目つき、そして唯一異彩を放つエメラルドグリーンの瞳をした20代前後の美青年だった

 

「不死身じゃねぇよ!!何勝手なこと言ってんだよ!!仮に不死身でもあの質量のエネルギーなんか受けたら蒸発するだろうよ!!」

 

「自身の状態を過去の状態に戻せるのだからどちらでも変わらんだろ・・・減るものでもないし」

 

「減るに決まってんだろ!!馬鹿ドラゴン!!主に俺の寿命と魔力が!!第一気絶した状態であんなん食らって大丈夫でいられるほど人間やめてねぇから!!今の俺の状況見てみろ!!『復元する世界』を発動する魔力すら残ってないから服も身体もボロボロだろうが!!」

 

「知るか!!だいたい貴様は戦闘中に大ダメージを受ければ元に戻って出てくるのだから最早アンデットと変わらん」

 

「誰が腐敗した肉に霊魂を叩き込んだすえにできる醜悪で醜くくて不摂生な害虫だコラァ!!」

 

「そこまでは言っとらんだろう!?」

 

と言った風にそこから戦闘ではなく口論に発展し『あれ?そういや俺ってなんでコイツと戦ってたんだっけ?』と本来の戦いの目的すら忘れて不毛な言い争いをしていた

 

 

『マスター、そろそろ夕食にしませんか?』

 

アルケミーのこの一言により思い出した俺は

 

ゆらりと幽鬼のごとく立ち上がり

 

ドライグの前に立つと

 

「な、何だ?」

 

若干俺の様子が変であることに気付いて動揺するが俺は一切無視をして

 

魔力の篭っていない拳を握り

 

「俺の晩飯テメェが代わりに獲って来ーーーーーーーーいっ!!」

 

ドライグの顎に向かって全力のアッパーを振り抜きドライグ(人化版)を天高く殴り飛ばすのだった

 

 

 

 

後日ドライグは語ったそうだ

 

『これまでアルビオンに受けたどの一撃よりもこの時の一撃は強烈だった』と・・・




零司が使った血の繭の元ネタはコナンのベイカーストリートであった最後のシーンの生存法です

元ネタは赤ワインの樽でしたが、本作では血を使いました♪



今回は自分に思いつく限りの熱い内容を書いてみたんですが楽しんでいただけたら幸いです

感想・指摘の方もよろしければお願いします

ではではまた次回♪
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