一方、零司がドライグ相手に死闘を繰り広げている間の海鳴市でのなのはたちはというと
「なのは、6番テーブルにこのショートケーキと紅茶を持って行ってくれ」
「ふぇぇぇ!?まだ注文聴き終わってないから無理だよ~~~!!」
翠屋にて店の手伝いをしていた
「あ、フェイトちゃん!!このアップルパイを2番のテーブルに・・・」
「あ、はい。分かりました」
そう言ってぎこちない笑顔を浮かべるフェイト
「あぁ、フェイトいいわぁ~」
と呟きながらその仕事の様子を高画質カメラで余すことなく撮影をしながら危ない雰囲気をまとって変態の顔になっているプレシアと
「ふぇいと~がんばれ~♪」
零司とプレシアにより蘇生されたが、長い間の脳死状態により肉体も思考も幼いままのアリシアがフリードリンクをストローで啜りながら無邪気に応援していた
これに似た光景を過去に見た零司が精神年齢、肉体の成長具合でもアリシアをフェイトは追い越しているため「もうフェイトが姉でいいんじゃないか?」とアリシアが幼児退行していることを踏まえて呟いたのはある意味で当たり前のリアクションだと思う
まぁ、そんな話はさておき
現在なのはとフェイトがこんなに忙しなく翠屋で働いているのは訳があった
一つは闇の書に関しての進展情報がない(そのため連絡があるまで日常生活を送るように言われた)
二つ目は・・・
「さて、そろそろいい時間だね。恭也、ここはもういいからなのはとフェイトちゃんを裏の道場に」
そう、闇の書の騎士だと名乗った彼女たちと戦うには近接戦闘を鍛えなくてはいけないからだ
けれどなのはと訓練をある程度受けただけのフェイトでは歴戦の戦士である彼女たちには及ばない
かといってもアースラにも・・・いや、管理局にも彼女たちとまともに正面から戦える人間はほとんど居ないと言ってもいい
そこでリンディは半年前の事件の際に魔導師ではないにもかかわらず、ただ
話をした当初は難色を示した彼らだがなのはが何度も誠心誠意頼み込んだことにより彼らが折れる形で一緒になのはと共に管理局に協力することを決めたフェイトの二人が恭也から指導を受けることになったのだ
ちなみに今回プレシアはその付き添いでアリシアは面白そうという理由で本部でいつもなら子供たちと一緒になって遊んでいるところを気まぐれでついて来ただけだ
~~~~~~~~~~道場
「さて、今回は前回の復習で素振りをやってもらう」
「「はい」」
二人は薙刀の稽古に扱われる木の棒を振るい始める
この道場の流派は小太刀二刀流だが実践を想定した打ち込みに使われるものをなのはたちに使わせているのだ
今日のメニューは
素振りを始めに100回
上中下段の各種打ち込みを20回の3セット
試合形式の練習を3試合
そして
「行くよフェイトちゃん!!」
「うん、なのは!!」
「どこからでも打ってこい」
師範である恭也に対しての2対1の乱取り
「「ハァ!!」」
フェイトとなのはが前後からのタイミングを合わせて斬りかかる
なのはが足首をフェイトが首に向かって薙刀を振るう
それを恭也は首を狙うフェイトに一歩踏み出し攻撃を受け流すことで勢いが空回りさせ
「太刀筋が二人とも正直すぎる。そして・・」
力を少し加えてやることで更にバランスを崩す
そしてその先には
「なのは!!避けて!!」
「え?フェイトちゃ・・っ!?きゃ!!」
勢いを流す際に力を加えられたせいで完全にバランスを崩されているフェイトを元々運動音痴のなのはが咄嗟に受け止められるわけもなく
絡み合うようにしてゴロゴロと盛大に地面を転がる
そしてようやく止まると
「ごめん、なのは」
「う、うん。フェイトちゃん気にしないで、私の方こそ避けられなくてごめんね」
と謝り合う二人を
「二人とも、そんな単純な手では俺からは一本取れないぞ?」
恭也は発破を掛けるようにしてかかってくるように手招きをする
そして二人はその後止まることなく何度も倒れては立ち上がり、薙刀を振るい
体重を乗せすぎたり載せなさすぎたりすると
「フェイトは空戦の癖で体重が上半身に乗りすぎだ!なのはは逆に体重が乗らなすぎていてキレが足りない!!」
という叱咤が飛び
追いかけるように剣の動きに集中して何度も薙刀を振り回していると
「今度は俺の剣にばっかり集中しすぎて足元ががら空きだ!!」
という声と共に足払いがなのはの足の踵を絡め取り、必要最低限のチカラで転倒させる
それに対して私は特訓を行う前提として初日にみっちり練習させられた受身を取って怪我を予防する
そして立ち上がると再び何度も薙刀を振るい
重心の位置、斬り返しの足捌き、力の伝達など悪い箇所を指摘して修正していくうちに乱取り開始から1時間が過ぎ
「止め!!」
恭也の合図とともに崩れ落ちるようにしてなのはとフェイトは座り込み荒く息をし座り込むが
その二人からの連撃を反撃することなく受け続けていた恭也は全く息が乱れていない
それを見て
「うぅぅ~お兄ちゃんはやっぱり強いの・・・」
「なのはのお兄さん、本当に凄いね・・・」
なのはとフェイトは尊敬の眼差しを恭也に送るが
「いや、なのはもフェイトもいい筋をしてたよ。このままずっと続けていれば父さんや俺が御神流の初歩くらいは教えてあげることがあるかもね」
門外不出の古流剣術『御神流』は頭首のみに受け継がれる。恭也が月村家の婿養子となっているため現在の暫定候補は恭也の妹でなのはの姉である『美由希』だ
そのため恭也は勝手にそれを教えることはできないし、しようとも考えないだろう
決定権は士郎にあるのだから士郎の意思次第でそれ以上を教えることもありえるが恭也と同じくこちらも教えてはくれないだろう
けれど武道の初歩くらいなら教えても文句は言われまいと思い二人に移動術や足運びなどを教えつつ世話を焼いている恭也はやはり妹に甘いのだろう(フェイトに関しては零司を弟のように思っているのでその妹なら自分の妹も同然という風になのは同様に可愛く思っている)
「さて、反省会を始めようか」
「「はい!!」」
「まずなのはは全体的にまだ脇が甘い、けれど初日よりも良くなっているからこの調子で・・・・」
とその後いくつかの指摘をされなのははその間真剣に反省点を頭の中に刻み込み最後の確認で
「ハイ!」
と元気よく応え
「次にフェイトだけど、いつも持っている武器のせいか体重をかけすぎているのとおお振りになりすぎている。そのせいか最初の時みたいに少し受け流される際に力を加えられただけでバランスを崩しやすい。だから今後は重心の位置やフェイントなんかを視野に入れればもっと良くなると思うよ」
「ありがとうございます!!」
といった感じで恭也が本日の反省点をまとめてその日の特訓は終了
そしてなのはたちが特訓を受けている間のリンディが何をしているかというと
ユーノとアルフは無限書庫にてメインでの闇の書の過去の資料集めで
リンディは要件が終わったらしくフェイト達のもと(アースラ)に戻ってきたレグナーに零司たちと協力をして調査を進められないか交渉をしているが残念ながらレグナー個人との協力以外は取り付けられていない
しかし、残念なことに実際管理局についての情報の全てを握っているのは本部にいる連中でもレグナーでもなく
まぁ、だからと言ってレグナーが何の情報も握っていないのかというとそうでもない
彼の握っているもの・・・すなわち管理局のデータベースにすら容易に侵入可能なハッキング能力を有した零司のPCに自由に触れられること
そしてそれをある程度自在に使用できる『万能型の天才』と零司とプレシアから言われる程のスキル
それがプレシアにより発覚したレグナーの利点
証拠に犯人の特定はできていないがデータベース上の闇の書の関連記述に改竄の跡があることが数日のうちに数十件発覚し、数十年前の事件の断片的な記述を見つけるまでに至っている(データがあまりにも古いため短い文のうちでさえ欠落している部分があるのと断片的すぎる影響で大した役に立ちそうになかったため復元は諦めたが)
それでも本来なら本職であるエイミーをそちらに送って作業させたほうが早いのだが問題のPCが生体認証、遺伝子認証、網膜認証、指紋認証etc・・・と言った風に多岐にわたる認証プログラムが取り付けられているのと使用者が途中で変わるとPCが感知して再認証を求めてくる仕様になっている
そしてその認証プログラムを解除するパスワードを知っているのが零司のみであり、強引に突破しようとしたらそのアカウントを凍結されるという理由により断念するしかなかった
それ以前に結界内に零司の許可を受けていないエイミーは入れないのでどちらにしても無理だが
とまぁ諸々の理由もありエイミーは他のアースラの局員たちとレグナーとユーノ、アルフから回ってきた情報の整理を行っている(双方とも少しでも関係があるかもしれないと考えたら関係のある内容が一行でも情報が送られてくるため情報が少ないにもかかわらず膨大な量になっているが・・・)
そしてクロノは自身の師匠であるリーゼロッテとリーゼアリアに鍛え直してもらいに行っているため現在のアースラは無防備といっても過言ではない状態だ
しかし、艦外にいる全員との連絡はリアルタイムでデバイスを通じて行っているのでこれといった問題はないが
それでも思うように進まない調査状況にリンディは「どうしたものかしらね~」とため息をつくがその後も情報不足と情報封鎖に悪戦苦闘する間にリンディたちの土日が終わるのだった
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ところ変わってフェルグラント(以降フェル)はというと女の子と一緒に図書館に来ていた
「はやて、この本でいい?」
栗色の髪をしたショートカットで車椅子に座った少女、八神はやてに尋ねる
「あ、ちゃうちゃう!そこの斜め上の緑色のやつや」
「了解っと・・・結構高いな」
フェルははやての指定する本を手に取るために爪先立ちで取ろうとするがいかんせん背が足りなかった
大人用に作られている本棚故に零司と同じく同年代の子よりも背が高い(146cm)といっても所詮は子供にしてはというやつで僅かに・・・いや、あと10cm程届かない
そこでフェルは
「・・・他に誰もいないね」
周囲を確認し
「ハッ!!」
子供とは思えないほどの高さで跳躍して本を抜き取る
「いつもありがとうな~フェル君♪」
「気にしなくていいよ、僕も本が好きだから」
「って言ってもフェル君読んでるのいつもラノベやないか~たまには普通の本読んだほうが良いで?」
「ならそこにある近松門左衛門の『曽根崎心中』を「古文の宿題か!!」なら鎌倉幕府の誕生とその後の軌跡「歴史の勉強か!!あとそれ多分年号間違っとるで、今の教科書では昔の
「大マジや・・・というかもはや常識やでソレ」
「え~、はやてが学校に行き始めたら僕が最初にやるべきことは年号の覚えなおしになるのか~やだな~」
「あははっ♪フェル君勉強嫌いやもんな~、けどそうなったら私が勉強教えてあげるから安心して良いで♪」
「ほんとっ!?はやてと学校か~学校自体は嫌だけどはやてと行くのなら楽しくないそうだな~」
「そうやな~。けどフェル君は何で学校に行かないんや?」
「そんなの
「え?何でや?」
「僕はね、有意義な時間っていうのは誰かと過ごすことで決まるんじゃなくて
だからはやての居ない学校は僕にとって行きたい場所じゃない・・・って、はやて聴いてる?」
フェルは何故か反応がないはやてに尋ねる
「はっ!!ごめん、ちょっとビックリして思考がフリーズしとったわ」
「大丈夫?なんか顔も赤くなってるし」
そう言って熱でもあるんじゃないかと思いはやてに顔を近づけるフェル
「なんでもない!!」(あかん、あかんてフェル君!!それは反則や!!あないな嬉しいこと言った後に顔覗き込まれるとか恥ずかしすぎて顔見れんよ!!)
捲し立てるようにそう言って顔を背けるはやて
「そ、そう?ならいいけど」
それに少し驚いた様子でフェルは納得すると時計を見て
「そういえばはやて、シャマルたちが夕飯にカレーが食べたいって言ってたよ」
「そうなんか?・・・それならもう四時やし食材を買いに行くならそろそろ出らんとな」
「なら僕はこの本とはやての膝に乗せてある4冊の貸し出し許可もらって家に置いてくるから少し待ってて」
「ほんなら私も一緒に行こうか?」
「いいって、僕の足なら5分もかからずに戻ってくるから今度借りたい本でも選んでおきなよ」
「そっか、いつもごめんな」
「気にしないで、僕が好きでしてることだから」
そう言ってフェルは司書さんに許可を貰いに行くと出口から出るとともに姿を消した
・・・おそらく異常な身体能力で移動したことによって消えたように見えたのだろう
それを見届けるとはやてはあることを思い出していた
約半年前、交通事故に遭いかけて闇の書が起動し、シグナムたちと出逢ったその二日後のことを
その日起きた時、私は驚いた
私はその日、これまでにはなかった人と温もりとともに目が覚めた
おそらく先日増えた家族のうちの誰かだろうと思って
温もりの元に視線を送り布団を捲ると
そこには・・・
「なんやコレぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
それに思わず私は近所迷惑な声量で悲鳴を上げてしまい
その声はリビングで眠っていたシグナムたちを起こし、真っ先に踏み込んできたシグナムと私の悲鳴で起きた謎の少年が対陣し、デバイスを起動させレヴァンティンを構えたシグナムが
「主から離れろ!!」
そう言っていきなり斬りかかり
「うわっ!!」
それを驚きながらも真剣白刃取りする謎の全裸少年という構図が私の目の前で出来上がり、数秒後シャマルたちも集まってきて私はパニック状態のまま周りの騒動が大きくなったところで
件の少年が突然バタリと倒れ
《ぐぅ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!》
というおよそ人間の腹の音とは思えない大きさで腹を鳴らし
「はら・・・・へった・・・」
そう呟いたまま動かなくなり、部屋の中心で倒れる全裸の少年とそれに剣を突きつけるシグナムと起き抜けに想定外の事態に見舞われた私、後から駆け付けたものの不審者と思われる少年が剣も当っていないのに倒れたことにより倒れたことにより状況がうまく呑み込めていないシャマル、ザフィーラ、ヴィータの3人という奇妙な状態が私の寝室を支配した
それが私と彼のファーストコンタクトやった
ちなみに零司の現在の身長は150ジャストです
にしても後半甘い恋人同士の時間を連想しながら書いたんですが意見とかがあればお願いします