あのあと、リンディ提督は俺が予想していた反応とは違い、あっさりとフェルグラントの投降を認めた。
まぁ、向こうからしてみればフェルグラントと戦わないで済むというのはありがたいだろうしな・・・俺が戦わないなら向こうに化け物と正面から戦える奴はいない
それ以前にはっきり言って俺も現状のわかっていない今の現状はどうにかしたい
そんな状況で現れた情報源となると素直に協力を受け入れたほうがマシって考えなんだろうな・・・幸いさっき俺たちの作戦をフェルグラント側に流したと思われる奴とは会話した
そこから察せられたのは彼らは最大の障害になりかねない俺とフェルグラントの相打ちを狙っていたってことだろう
そして、ついさっき協力を結んでからあの戦いの後何があったかを教えてもらったけれど、どうやら今代の闇の書の主は僕らと同い年の少女『八神 はやて』が攫われてしまったらしい
いつもなら四六時中フェルグラントが護衛をしているらしいんだけど、昨日の夕方ごろに買い物に行った帰り道で仮面をつけた二人組みが現れ、その際に俺たちの作戦の概容を聞いたらしいがどうやってそれを知ったかは知らないらしい・・・駄目じゃん・・・なんて考えが俺の頭によぎったかと思えば「あ、でもあいつらの気の質は間違いなく女性と獣の両方の性質を持ってたよ」なんていって犯人を特定する手がかりを提示してきたりしたから俺は結局フェルグラントが性格的に抜けているのかどうかの判断に困る印象を受けた
その話を聞いた際にはリンディ提督もいたので幸いと思ってクロノと話していた内容がおそらく正解だという確信までは行かないが限りなくそうではないか?というところまで自信が持てたのでアイコンタクトでクロノにリンディ提督の説得を試みて貰うように頼むと俺はフェルグラントから守護騎士治療と闇の書の所在を調べるためのレーダーの精度を上げるために彼女たちを自宅に移して魔力の質などを調べたいということを伝え、彼が同伴するということ条件に許可を貰うとユーノに無限書庫にもう一度行って可能な限り闇の書について調べて貰いたいと言ったら、既にクロノから頼まれていたようで逆に「こっちの話は許可を貰ったから君は君だけに出来ることをしてくれ」というクロノからの伝言を伝えられることとなり、「仕事早いな・・」とか思いつつ、俺の調べたデータのディスクをユーノに手渡すと彼はいやそうな表情を隠す気も無い不快感の滲み出た表情で一応受け取ってくれた・・・一応話しかけても無視されるゴキブリ以下の好感度から嫌いな人程度までの好感度には改善したようだが彼との仲を修復するのはやはりすぐには無理そうだ。
と内心辟易しながらフェルグランと共に自宅の工房に向けて転移した
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転移後、流石に体の負担が相当たまっているのを自覚して、シグナムたちのリンカーコアの蒐集によりダメージを受けたリンカーコアを『復元する世界』でリンカーコアの状態を復元すると工房にある自宅の治療カプセルに放り込んだあと、怪我人ではないがシャマルにもカプセルに入ってもらった。俺はフェルグラントの監視の下、魔力回復措置と闇の書により召還されたらしい彼女たちの肉体構成、魔力の質、その他諸々の情報を調べるために
フェルグラントと高町さんたちはこのまま彼女たちを見ているようだ
「アルケミー、彼女たちの解析が終わるか目覚めるかしたら起こしてくれ・・・それと高町さんたちもそこにあるベッドは好きに使っていいからそのへんにあるもの勝手に触らないでね?触ったら危ないものとかも混じってるから」
俺は注意すべきことを告げるとそのまま一旦眠るためにもう一機治療用カプセルを稼動してそこに向かう
敵の前で寝るのはどうなんだ?と言いたい人もいるかもしれないが言わせてくれ
『俺、この4日間まともに寝てない。さっきの睡眠も悪夢にうなされてたせいで睡眠が足りてないんだよ・・・これからまた動くかもしれないのにこの状況で面倒ごとが起こるかもしれないとか考えるのとか嫌だ。っというわけで俺は寝る!!以上』
・・・俺、誰に言い訳してるんだろう
あ、レグナーたちにユーノを手伝ってもらうように言うの忘れてた・・・まぁいいか。クロノが上手くやるだろう
という他力本願をしながら俺は眠りについた
~~~~~~翌日
俺が毎朝修行のため起床する小鳥の囀りの聞こえる時間より少し早い時間
「マスター、解析が完了しました。それでは私は一旦スリープモードで休みます」
「ありがとう、アルケミー」
アルケミーの声により目を覚ますと礼を言って周囲の状態確認のために周りを見渡す
・・・・どうやら高町さんたちは彼女たちが起きるのを待っている間に寝てしまったらしいカプセルに寄りかかるように二人の少女が寝息を立てていた
この家の気候は年中春と変わらない過ごしやすい気候を保ってはいるが12月の半ばに差し掛かっているこの時期に風邪を引いた場合この家に住んでいるわけでもない高町さんの治りは遅くなるだろう、それに親バカと化したレグナーたちから文句を言われることを考えるとこのままタオルケットをかけるだけというのは如何なものだろうか?とか考えながら俺は高町さんとフェイトを先ほどまで俺が眠っていたカプセル付近にある簡易式ベッドに寝かせると俺が使っていたものよりも上等な羽毛布団をかけておく
・・・とりあえずこれでいいだろう。
「ふぅ・・・・あれ?」
と、一息をついたところであと一人足りないことに気がついて周囲を再度見渡す
「・・・・・・」
すると先ほどまでは気づかなかったが不自然に崩れた武器の山がいくつか見えた
近づいてみるとどうやら俺が過去に造ったものの失敗作だった。
「・・・人に見せれる出来じゃないから失敗作用の武器庫に突っ込んでたはずなんだけどな」
と不思議に思いながら山になっている武器群を元の棚に収納していく
ここに訪れたのが初めてじゃない高町さんとフェイトが勝手に触るとは思えない
守護騎士の面々は解析は終わったが目覚めさせていないのでカプセルの中から出ていない
となると・・・というか最初から予想してたけれど
「フェルグラントの仕業か・・」
大方の理由は俺との戦闘での反省を活かして自分に合う武器を探そうとしたんだろう・・・せめて家主の俺の許可を取れよ・・・このまま勝手に探されて物を壊されでもすることがあったら面倒だ。フェルグラントの気配を探して見つけ出して話を付けた方が面倒ごとが少ないだろう
「もしもここに高町さんたちがいなければ間違いなく俺は声を荒らげて探してたな・・」
だって睡眠中に家を荒らされていい気のする人間なんていないだろうから間違った反応ではないんだろうけど・・・・
「ハァ~~~~~~~~~」
俺は思わず深い深いため息をついた
「とりあえず、見つけて文句を言おう。何かを考えるのはそれからだ」
・・・・その後、自宅に作っていた訓練場でフェルグラントが俺の造った失敗作からいくつか拝借したと思われる武器の山が近くに置いてあり、周囲には剣やハンマー、大剣、ランスなどの破片が周囲に散らばっていた・・・その中でもっとも多くの破片が散らばっているトンファーを重点的に使って訓練していた。
その動きはとても荒削りだが野生的な柔軟さと荒々しさの共存した鋭いキレを感じさせる力強い動きだった。昔、俺の動きを見たときレグナーは思わず自分以上の格闘技の才能に興奮したと言っていた
そのときの感情はきっと今の俺が感じているものと同じなんだろうと思う。
が、その素振りが4合分程のシャドーの組み手を終えた頃、思索の武器がフェルグラントの膂力に耐え切れなくなり、崩れ落ちた
「これもやっぱり駄目だった・・」
そう呟くとまた積み上げられた武器の方に歩いていくフェルグラント
「って、待て待て待て!!!」
俺は慌ててフェルグラントを止めに入る
「ん?十六夜、起きたのかい?悪いけど訓練所を借りてるよ」
「いや、それは良いんだけど、何でお前勝手に俺の造った武器を使って壊してんだよ」
「あれ?この武器は君のデバイスのアルケミーが使って良いって言ってたんだけど?」
「アルケミーが?」
「何でも昔造った失敗作で近いうちに新しく造る武具の素材にするか廃棄するから好きに使っていいって聞いてたんだけど?」
「・・・後でアルケミーに聞いとく。それとお前が武器を使おうと思ったのはやっぱり昨日の戦いが原因か?」
「そうだね。僕はこれまで素手を気を使って強化することで戦ってきた。それだけでこれまでは確かに十分だった・・・けれど、君には・・・勝てなかった」
「???」
何を言ってるんだ?誰がどう見てもあの戦いはコイツの勝ちだろう・・・赤いオーラを出すまでなら確かにあのままいけば俺が勝つ戦いだった・・・武器を盾にすることで急所を避けていた俺は確かにあの槍が砕け散る瞬間までは若干ながらも有利に進めていた。赤いオーラを出されてからは俺の攻撃はまったく当たらず、相手の動きはギリギリ影と気配でやっと捕らえられる程度で防ぐたびに複雑骨折を繰り返し、
「いや、言い方が悪かったね。僕は確かに君を奥の手を使って圧倒した・・・・けれど、君のデバイスから聞いたよ。君は
・・・なるほどな。確かにそういう考え方をすればあの戦いは俺の勝ちなんだろう・・・フェルグラント・・けど
「俺はそんな勝ちは認めない。確かに俺はユニゾンをすればお前に勝てたかもしれない。けど、それは俺だけの力じゃない。仲間の力だ。・・・俺の全力はお前に届かなかった・・・その時点で俺はお前に負けたんだよ。どうしてもそれが認められないなら、単純に痛みわけってことでいいんじゃないか?実際俺もお前もあの時はもうまともに戦えない状態だったんだから」
「・・・そうだね。でも十六夜、今度戦うときは全力で戦える状態の君と僕は戦いたい。」
「それは命がけの死闘か?」
「いいや、雌雄を決するための
「最高の状態の俺と赤いオーラ・・・界王拳を纏った状態のフェルグラントの戦いとかどこの最終戦争だよ・・・」
『穢れなき桜光の聖剣《レーヴァテイン》』と気円斬とかかめはめ波の撃ち合いとか物騒すぎる。どこの
片や一撃で前方広範囲を灰燼と化すマホウ
片や山河を切り裂く破壊の一撃が飛び交う戦いがただの喧嘩とか何の冗談だ
・・・・結局、俺はコイツと雌雄を決する喧嘩をいずれすることが完全に決まり、こいつ専用の武器を工匠としてのプライドから造ることとなった
その理由は
「君の武器って物凄く脆いね。全部数打ちの粗悪品ばかりだったよ」
なんて挑発を受けて一応ながらも職人を名乗っている俺が黙ってられるわけが無くコイツの度肝を抜く武器を造ることとなったのだ
・・・・そんな代償を払った俺だが代わりに素材代、壊した作品代の請求書を贈りつけることで手綱は握ったことを追記しておく
そしてこの3時間後、俺は守護騎士たちのデータから守護騎士と闇の書のリンクを辿って闇の所の位置を調べるレーダーを完成させた
そのことについて俺は現在フェルグラント(・・・いい加減長いのでフェルと呼ぶことになった)に説明している
「残るは闇の書の現在ある世界がわかって、その世界に行きさえすれば例えそれが結界に捕らわれていようともその方向を指し示してくれる・・・ようするに同一世界でなら確実に見つけられるってことだ・・・って、聴いてるのか?フェル・・・あぁ、お前機械関連はてんで駄目だって言ってたか。要するにお前の探してる『八神はやて』の行方はまだわからないけど一緒にあるだろう『闇の書』改め『夜天の書』のありかは数日のうちに見つかるってことだよ・・名前についてはさっきメールで進展情報を知らせてくれたユーノに感謝だな
とりあえず見つかり次第俺が『八神はやて』と接触するかお前が救出すればお前の探してる『八神はやて』の救出って目的は達成されるし、闇の書はさっき言ったレーダーで確実に所在がわかるからその後も継続的に探せるから問題ない
問題は「犯人が夜天の書を置き去ってはやてだけを連れて行った場合だね?」・・・そうだ。」
ほんと、こういう思考が鈍いわけでもないのに何でこいつは機械関係にここまで疎いんだろうか・・・具体的にはパソコンの電源を入れる際、叩いて起動させようとしたり・・・10秒目を話せばパソコンの状態を完全
その後、このレーダーとシステムに関するデータをアースラの面々に引き渡すと俺と高町さんたちは一旦明日からまた始まる学校のため学校に帰ることになった
その間はレグナーやプレシアさん、アースラの人たちに任せることとなるけれど仕方ないか・・・俺たちの本分は学業なんだから・・・俺たちが長期間休むことは友人に不安を与える恐れがある・・・俺からしたら一年前のことになるが、半年前のジュエルシード事件で俺は行動期間の大半が謹慎中だったからあまり心配はされなかったが隣のクラスの高町さんは連日友人たちから詰問を受けていた・・・ある意味で謹慎の原因を作った天童に感謝しないといけないかもな・・・墓を作ってやる気も感謝の気持ちを伝えてやろうという気にもなれないけれど
・・・・ハァ。困ったな・・・俺が護りたい日常のためには学校を休むことは出来ない。事件が原因で休むことは俺の日常が破綻したこととなる・・・・それは俺が大切だと思っているものを諦めることとなる
そうなるとやはり俺は何のために戦うのかがわからなくなる
俺の戦う理由は『やっと手にした大切な日常を護ること』
他にも戦う理由はあるが今回はこれが侵されそうになったから戦ってるんだからそれを諦めることになる行動は出来ない
・・・という理由で俺とフェイト、高町さんが一旦学業に戻って3日の日数が経った。
この三日間のうち闇の書の場所がわかった回数は2回、
一回目は地球から転移一回の異世界で古民家のような一軒家でレーダーが出来た翌日で突入にフェルとシャマル、唯一意識が戻ったシグナムが参加した
二回目は昨日の夜、俺、高町さん、フェイトに加え、フェル、シャマル、シグナムとその日の朝に意識を取り戻したヴィータとザフィーラも救出作戦に参加した
作戦自体は至ってシンプルでシャマルが結界を張って俺たちが突入するというスタンダードな作戦で救出を試みた
・・・結果は一度目の救出作戦以上に散々な結果だった
結果以内に閉じ込められ、包囲されたとわかるや否や件の二人組みは俺たちの姿を確認することもなく闇の書のページを使って『破壊の雷』という魔法を使ってシャマルの張った結界を破壊すると俺たちが潜伏場所に到達する前に空間転移と次元間転移によって何度も移動を連続で繰り返すことによって俺たちは完全に撒かれてしまった
そして転移されてもぬけの殻になった廃墟のというべきコンクリート造りの建造物・・・俺の記憶が正しければ2年ほど前に俺が設備を破壊した研究所で中はあの後ほとんど人の通りがなかったのか僅かな足跡のある以外はむき出しになって断線した配線や廊下に大量の埃が溜まっており、今回の一件以外では使用されていなかったと思われるほどに人の痕跡がなかった・・・それもそうだろう。この施設の電源は違法研究のデータを盗み出した後に防火シャッターを総ての下ろした後に爆破することで予備電源まで使用不能にした
そのため現在この施設には電源が通っておらず、例え通っていたとしてもむき出しの配線がいくつも断線しているため、仮に電源だけ復旧したとしても断線した配線を回復しない限りこの使用不能なんだから好き好んで使うような奴はいないだろう。
今回使われたのも隠れるのにちょうどいい建物が他になかったからだろう・・・この世界はこの建物の周りは砂漠に覆われている無人世界なんだから当たり前といえば当たり前か・・・
そして遅れてたどり着いた件の二人組みが潜伏していたと思われる場所は何の因果か俺が過去に救出した子供たちがいた部屋と同じだった
そして、埃の溜まったベッドの上には一通の手紙が置いてあった
内容は以下の通りだった
『八神はやてと闇の書をこれ以上追うのをやめろ
もしもそれが飲めないならば問答無用で闇の書のページを使用する』
と書かれていた手紙に眠っている茶髪の少女(フェル達いわく八神はやてらしい)が写った写真が同封されていた
・・・・何がいけなかったのだろうか。結界を二段構えにしておくべきだった?いや、ページを余分に使われるだけで解決にならない・・・隠密行動に長けた俺だけで救出に向かうべきだった?・・・確かにこれでも成功する可能性はあっただろう。けれど、クロノから聴くにはその二人組みの正体と思われるリーゼロッテとリーゼアリアという二人は近接のスペシャリストと遠中距離のスペシャリストらしいから魔力ゼロ化状態で気配を消した俺では時間稼ぎされている間に逃げられただろう・・・俺と気を限りなくゼロにしたフェルのコンビ?・・・確かにそれならこんな結果にならなかったかもしれない・・・けれど他の守護騎士を抑えられなかっただろう・・・どうするのが正解だったんだろう?
「ハァ~・・・」
「どうかしたんですか?さっきから暗い表情でため息ばかりついてるみたいですけど・・」
「何か悩み事でもあるのか?室長」
俺の前の席である彩と後ろの席の和志が授業中のためか小声で話しかけてきた
・・・ちなみに隣の席の優希は完全に爆睡中である
「ちょっと今考えてる作品で行き詰っただけだよ」
「それって前に言ってたお薬の話ですか?」
「いや、それは先月の奴で今は携帯式エアーコントローラーとかいうのじゃなかったか?なんでも手首に付けるだけで周囲の温度を春の気候くらいに常時調整してくれるってやつ・・・要するに半年前からうちのクラスに置いてあるあの10cm四方の黒い立方体の箱と同じ効果のあるリストバンドバージョンだっけか?」
「あ、それもあったな・・・まぁ、それはみんなのクリスマスプレゼントにする予定でもう全員分作ったからいいや。ちなみに今考えてるのは室内の重力を調整して反重力空間にしたり、逆にドラゴン●ールみたいな100倍の超重力の空間にしたりして遊びにもトレーニングにも使える玩具を作れないか考えてる・・・前造ったのは30分しか効果が継続しない上に1m四方の箱をコンパネで操作するなんて持ち運び不能でいきなり反重力から20倍の重力になったりして床に叩きつけられたからな~」
「あの箱がリストバンドになるというのはありがたいですね」
・・・・そういえば彩が少し前に妹がほしいって言ってたから超強力性欲増強剤『アバズレンX』はどうなったんだろうか?前にプレシアさんが間違って飲んだ時は飲んだ瞬間レグナーを無言で引っ張ってそのまま2日くらい寝室から出てこなかったもんな~フェイトとアリシアが少し拗ねてたのが印象的だった。
「また面白そうなの造ってるな・・・それにしても20倍とかよく生きてたな。悟空ですら界王様のとこに行ったばっかりの時になれるのに時間かかったのにその時の倍の重力とか想像もできねぇよ」
鍛え方が違います♪あとありがとな、お前から借りたその漫画のおかげでフェルグラントの能力の理解が深まったとだけ内心で礼を言っとく
ってのは冗談として実際あの時は死にかけた。地面に叩きつけられた影響で空気吐き出してるのにそのまま床に押し付けられて肺が圧迫されてるから呼吸は出来ないし、素の俺じゃ立ってるのですらギリで歩くなんて論外だったからな
結局アルケミーが遠隔操作で止めてくれたから良かったものの試作段階で危険性のあるものはしっかり動作確認をしてデータを取らないといけないって立派な教訓になった。・・・と言ってもこの研究は勿論サブでメインは例の武器なんだけど流石に学校で武器造ってるとか言ったら心配されるし、下手したら将来の黒歴史として認識されかねないから基本的に教えてるのは生活に使える作品か遊びの作品くらいである・・・正直友達からそういった扱いは嫌だ。
幸いにも俺が発明家もとい工匠だって周囲には言ってるし度々装飾品やら服やら例の箱みたいな作品とかを持ち寄ってるから一応そういうことが出来るってことは認識されてるためクラスの便利屋とか万屋みたいな感じで思われている
あの例の箱も夏が近くなって「暑くなってきた」ってクラスメイトの声に応じて造ったものだし・・・・以後隣のクラスから恨めしい視線を受けてフェイトたちがいるので隣のクラスの分までは造った。他の学年?見ず知らずの人間のためにそこまでしてやる気になれないので無視した。もともと前世の俺は周囲に排他的性格だったため記憶が戻ってからはその傾向がちらちらと垣間見えている。嘘を見抜く才と嘘を見破られなくする才能もその影響で余計に磨きがかかったとか靴を左から履くようになったとか友達以外の人間に対する警戒心が増したとか細かい変化が現れたことで他の学年の人間で礼儀を知らない人間なんてものに対しては扱いが圧倒的に悪くなった(例外はクラスメイトの兄弟とかくらい)
例えば2ヶ月前にきた5年生
「おい、十六夜って奴はいるか?居るんなら俺達のクラスにも噂の便利なエアコン造れ。造れないならお前らのクラスのやつを寄越せ」
なんて横暴な発言をかました年上(身に覚えはないだろうか?年下に対して横暴な態度をとる人間や取り巻きに囲まれて気を大きくした御山の大将的な人間を)・・・顔は見覚えは・・・たぶん無いな(天童の取り巻きの一人だったような気もするけど忘れた)
ちなみにこの時の俺の対応はそいつの目の前に行くと笑顔で
「帰れ♪」
そう言って扉を閉め、鍵を掛けるという対応をとった・・・あの手合いの人間は経験上頬って置くとさらに五月蠅くなることが予想がついているのでこっそりと結界を生成して完全防音にて音をシャットアウトしてその後完全無視
以降その生徒は3年生の階に入ることが出来なくなった(噂では3年の階に入るたびに気づいたら自分の教室で寝ているといった珍現象が起こっているようだ)
まぁ、こんな風に会うことすら徹底的に拒絶したわけで相手は流石に気味悪がって近づかなくなった
逆に礼儀を知っている人間には
「もし良ければ内のクラスにも君の発明を貸してくれないかい?」
「なら貴方は俺に対して何をくれるんですか?」
といった交渉に移る。
その行程の中で俺が気に入れば発明してやることもあるけれど、この半年間で発明してやる気になったのは6年生のある一生徒だけだ
他は俺にそう思わせる人間はいなかった
無償で何かを得ようとかやっぱり得ようって人間が多すぎる・・・正直面倒くさい
「とりあえず完成したら反重力装置を使ったゲームでもしないか?」《キーンコンカーンコーン》
・・あ、授業終わった。先生は欠伸を漏らしながら教材を抱えてそそくさと出て行く。長く伸びたやぼったい髪と無精髭に加えパンダのような隈をした先生は年中睡眠不足のようで度々授業中でも欠伸をしているし、終わればすぐに出て行くこの光景にも慣れたものだ・・・・しかし残念なことにあの先生はこの次は隣のクラスで授業があるため眠ることは出来ない・・・こともないか。あの先生は何回かに一回のペースで最初に公式と解き方を教えてプリントを配って30分ほど自習をさせ、残ったら宿題にするといった方法をとって睡眠時間を確保してたから
・・・もう少しギャルゲーやる時間を削ればいいのにっと内心思いはするが一応先生から口止めされているため口には出さない
口止め料は俺が授業中に寝ていても授業に関係ないことをしていても咎められないという俺にとって都合のいいものだから基本的に忘れることにしてるけど、移動教室で階段を上がっている途中で頭上からエロゲとギャルゲーのパッケージの山が降ってきた光景は4ヶ月たった今でも忘れることは出来ない・・って今は和志たちと話してる途中だったな。余計なことは忘れよう・・・あの先生がロリコンで触手物が大好きだという生粋の変態である事実は俺の胸に仕舞っておこう
「で、どうする?」
とりあえず、授業が終わったので小声から普通の音量に戻して話を再開する
「やるに決まってんだろ?」
「私も反重力空間って宇宙飛行士にでもなったみたいで興味あります」
「そっか。なら出来たら教えるよ」
「・・・3人だけで面白い話をしてるみたいね?」
「新しく始めた作品が完成したらそれでゲームをしないか?って誘いだけどな。乗るか?飛鳥」
「勿論私も乗るけれど、それよりも私は貴方がクラス全員分造るって言ってた例のリストバンドのほうが欲しいわ」
「それはもう造り終わってクリスマスプレゼントにする予定」
「クリスマス・・・後半月も先じゃない・・・もう出来てるなら前借りして欲しいわね」
「それ俺も思った」
「私も最近マフラーと手袋だけじゃ寒くなってきました」
「僕も寒くなってきたな~って思った」
「いつ起きたんだ優希?それとお前は真冬に半袖本ズボンなんてふざけた格好でいるせいだろ」
「だって教室に着いたら温かいじゃん♪」
「毎朝学校まで猛ダッシュで駆け込んでくる光景を見てる俺らとしては素直に服を着てくれたほうがありがたいけどな・・・正直見てて寒い」
「なんで優希はこのクソ寒いなかで半袖でいられるのかわからねぇ」
「私なんてマフラーと手袋にカイロまで持っててまだ寒いのに」
「飛鳥さんは寒がりですからね~」
「そういう彩も私と同じくらいに寒がりじゃない」
「っというわけで、例のリストバンドを一足先にください!!割とマジで!!」
「・・・仕方ない。ちょっと待ってろ」
そう言って俺は教卓にまで行くとそのまま例のリストバンドをクラスメイトに配るのだった・・・やっぱり俺は押しに弱い(友人限定で)なと思わないでもの無いけれど、今はとりあえず良しとしておこう・・・こういう日常も前世の俺の人間不信で人を寄せ付けず、貴久とお姉さん以外を人間としてまともに認識していなかった。ただただ汚らわしい観察対象か交渉対象・・・ようするに前世の俺は一部の例外を除いた人間が大嫌いだったんだ
前世で死んだ原因である小さい子供2人の年齢が小学生低学年程度ではなく中学生以上であったならば俺は間違いなく気にも止めなかっただろう・・・・例え目の前で柘榴と化して返り血がかかったとしても気持ち悪さで「シャワーでも早く浴びたい」程度にしか思わなかったんじゃないか?というほどに俺という人間は線引きの外にいる他人に対してどこまでも冷酷であったのではないかと思うほどに『前世の十六夜零司』の記憶は線引きの内側の人物が関わらない限り完全に色のない
それに比べて今の日常はなんて色鮮やかな世界なんだろう・・・貴久が病院で何度も俺に友達を作れといった意味はこれだったんだと思う。世界は一人では色褪せる・・・だからこの日常を手放せない。今はまだ会えない親友との再会の日に言葉で伝えてやるために・・まだ話す言葉が足りないんだ。前世での14年を上書きするにはまだまだ足りない・・・俺は多くの約束を果たさないといけない
この日常を続けることも俺の果たすべき約束なんだから・・・・そう思っていた日常の数日後に危機が迫っていることに俺はこの時気が付いていなかった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~零司SideOut
異世界のとある廃屋
そこには変身魔法も既に意味がないと察してか仮面の男の姿から本来の姿に戻った2人の姉妹。髪の長い姉リーゼアリア、短い髪の妹リーゼロッテが廃屋にあった椅子に座って揃って頭を抱えていた。その脇にあるベッドには彼女達が攫った少女『八神はやて』が彼女達の魔法によって眠りについていた。
攫った当時守護騎士たちの心配に心を痛めている姿を不憫に思い、少しでもその辛さを緩和するためという意味でも彼女に眠らせる魔法をかけたという事実があったことを踏まえると彼女達の本来のやさしさが伺える
「ロッテ、本当に上手くいくのかな?」
「・・・そうね。あの子達の動きは私達の予想以上に早すぎた。これまで通りに隠れてるだけじゃきっとすぐに見つかる。それにクロノがお父様に私達の所在を尋ねたようだから、近いうちに逃げ切れなくなると思う。私達はお父様の使い魔だからお父様をこのまま抑えられたら近いうちには・・・」
「詰むってことね。・・確かにこの状況はまずいわね。向こうは私達が闇の書の主を攫った犯人だってもうわかってるみたいだし、前回の逃亡でページの蒐集の必要も出来た。守護騎士から蒐集したときに残り1頁まで迫ってたのにあの子の邪魔が入る恐れがあったから早々に離脱したけれど、それで蒐集した分以上にページを消費しちゃってるっていうのはかなりキツイわね~。」
「正直戦力が足りない。闇の書なんてロストロギアを起動させたら間違いなくあの子達は私達の場所を即座に特定する。・・・それにこの子の呪いの進行度がここ数日飛躍的に上がってるせいか本当に余裕がない。いくら私達がこの子を魔法で眠らせてるからって言ってもこうやって移動を何度もされてる内にじわじわと体力を削ってる現状から考えて持ってあと数日。それまでに計画を遂行しなくちゃお父様の苦労が水の泡になってしまう」
「・・・それだけは避けないとね。でも向こうが追ってるのはおそらく闇の書の魔力だから正直もう数日も逃げ切れないわね。あの子達の中で零司とかいう子とフェルグラントって子の戦闘能力の規格外さは予想外だったわ・・・アタシとロッテの二人がかりでもどちらか一方にすら勝てる気がしない。監視してた感じからしてフェルって子がこの子を犠牲にする私達の作戦に協力してくれるわけがないし・・・あの零司って子がせめてこちら側についてくれれば良かったんだけど、あの感じじゃ最初から私達を時と認識してるみたいだし」
「
「・・・気持ちはわかるけれど、ため息なんてつかないでよ。私まで気分が暗くなるじゃない」
「ごめん。ちょっと悲観的になってたみたい・・・けど、これからどうする?」
『悩んでいるようだな』
「「誰ッ!!」」
私達は気配を悟られずにこの廃屋の扉の前にまで接近していた気配の主に向かって警戒し、即座に臨戦態勢を整える
これでも私達は長年管理局でお父様とともにいくつもの戦線を潜り抜けてきた強者だという自覚がある
そんな私達に悟られることなくこれほどまでに接近されることを許すなんてそうそうありえることじゃない!!
そのため私は焦っていた
『(落ち着け私!もしもあの子達なら私達にわざわざ自分達の存在を知らせずに奇襲をかけるはずよ!!わざわざ念話で自分の存在を知らせた意味を考えないと!!自身の実力からの余裕?もしくは対話とかの他の理由?・・・頭が痛い。ただでさえあの子達を今後どうするべきかってことだけでも大変なのにここに着てこんな未知の面倒ごとなんて!!)』
自分では落ち着こうとするが、そういう私の重いとは裏腹に思考を重ねるごとに私の焦りは大きくなっていく
そこでついに件の人物が扉を開いた
扉から現れたのは灰の様なくすんだ色合いの獣の耳に3本の狐の尾、銀髪で金と紅のオッドアイ、顔の右頬には『呪』の一文字、服装は死者を連想させる白装束の少年だった
しかし感じる気配はおおよそ普通とは思えない。獣の耳と尻尾を生やしている事から私達と同じ使い魔ということも考えたが、先ほどから感じるこの馬鹿げた魔力を持ったこの子が使い魔だとしたらおそらくその主は間違いなく人間ではない・・・正真正銘の怪物だ。仮に私がこの子の主ならば僅かな期間で魔力を吸い尽くされてしまうと思う・・・何よりもこんな邪悪な気配を持つ少年を御しきれると思えない。少なくとも私にもロッテにも無理だ。少し目線を下に下げれば構えている手も足も震えてるのが見えた。長年コンビを組んでいるゆえに把握できるが相方の呼吸も私と同じく足が踊っている。私達はこの感覚を本能的に知っている・・・・
この感覚は・・・
「恐いか?貴様達の恐怖など
「「―――――っ」」
ぞわりと背中をなぞられるような不快感が襲った。なんなんだこの少年は!!こわいこわいこわいこわいこわいこわい!!・・・・身体が鉛になったようだ。のどの奥が乾いてカラカラする。今すぐこの場所から離れたいのに私の身体は私の意思通りに動いてくれない。離脱のための転移魔方陣を展開することもそれを行うための時間稼ぎのための攻勢術式もいつもなら寝起きのボーっとした頭でも容易に展開できるそれも今は展開できる気がしない
なんで!!もう少しでお父様の悲願が叶うのに!!なんで今になってこんな邪魔ばかりが起こるのよっ!!
「(・・・・・まだよ。まだ諦めない!!)」
私は決心して構えた拳に篭める力を強めて逸らしかけていた目線をロッテに向けるとほどなくしてロッテの顔がこちらに向き、目が合う。私達が意思を伝えるのに言葉は要らない。これだけでロッテには私の意思は伝わる
「(行くわよ!!ロッテ)」
「(そうね!!)」
そう相方と意思を通わせた瞬間、私達は恐怖を押し殺すように我武者羅に駆け出した
「「わぁああああああああああああああああああああああああああああああああああ」」
「来るか・・・おもしろい。だが――――――――――――――――――」
彼が何か呟いた瞬間に私達の足腰はぐらりとふらつき視界は陽炎のように揺らめいたかと思うと耐えられなくなってたまらず膝を着き
「な、なにが・・」「起こったの・・」
そのまま倒れ伏すと意識を失った
意識が消える間際に私の頭に残ったのは少年の異色の双眸と
「雑種は雑種らしく俺様の手足として働け」
私達のプライドを打ち砕くようなぞんざいな態度と言葉だった
少し長くなりましたがフェルグラント武器取得フラグです
あの先生の名前は出しません・・・阿野先生の名誉のためにっ!!(笑)