インフィニット・ストラトス~最恐の傀儡師~(凍結) 作:鈴木颯手
「・・・ここは?」
暗い部屋に寝かされていたラウラ・ボーデヴィッヒは身体中に走る痛みをこらえながら体を起こす。
「(確かタッグマッチトーナメントに出ていたら謎のISが乱入して来てそのまま気絶して・・・)」
そこまで考えてラウラは周りを見渡す。ラウラがそれほど広くない部屋で窓はなく入り口は扉だけ。家具は必要最低限のものしか置いていなかった。
「(IS学園ではなさそうだな。と言う事は・・・攫われたのか?)」
ラウラは考えるが確信に至るものはなかった。
「(今は大人しくしているのが得策か)」
そこまで考えた時この部屋の唯一の出入り口である扉が開いて人が入って来た。
その人物はIS学園を襲撃して来たものであった。
「っ!?」
「おお!?気が付いたんだね~。どこか痛むところとかある?」
その男は襲撃して来た時と変わらない砕けた口調で話して来る。ラウラはそんな男を睨みつける。
「・・・全く、そんな怖い顔していたらせっかくの可愛い顔が台無しだよ~?」
そう言って男はラウラに近づいて来る。
「もう一度聞くよ?痛いところある?」
「・・・」
男の問いにラウラは答えずに睨み付ける。
そんなラウラに男はやれやれと肩をすくめて、
思いっ切り顔を殴りつけた。
「がっ!?」
「・・・痛い所はないのかな?それならそうと言ってくれれば痛い思いをしなくすんだのにね」
予想以上に力が強かったのかラウラはいまだに悶絶している。
「・・・っと、忘れるところだった」
そう言って男はポケットからチョーカーを取り出した。
そのチョーカーは何処か首輪を思わせる形をしていた。
「ラウラって言ったっけ?君へのプレゼントだよ」
そう言って男はようやく痛みから立ち直ったラウラの首へチョーカーをはめようと近づく。ラウラはそれを見て手で払い近づけさせない。
男はそれを見てラウラの腹を思いっ切り蹴りつけた。
「~~~!!!!!」
「プレゼント・・・、受け取ってくれるよね?」
腹を蹴られた衝撃で胃液を吐きだすラウラに構わずにラウラの首にチョーカーを取り付けた。ラウラの首についたチョーカーは一瞬赤く光るもすぐに元に戻った。
「このチョーカーはね、この家から発信している特殊な電波を受けて作動しているの。チョーカーに電波が入らなくなると時間をかけて指輪サイズにまで縮小するの。因みに電波の有効範囲は家のまわりまでだから」
彼からのプレゼントはラウラをここに縛り付けるものだった。
いまだに痛みでやられているラウラに彼は耳打ちする。
「電波は僕の意思一つで止めることが出来るから。言う事を聞いている間はそんな事はしないよ。ただ逆らったりしたら
殺すよ?」
ラウラは心臓を掴まれている気分だった。
数分前に彼によってもたらされたプレゼントによりラウラはここから脱出することが出来なくなってしまった。
彼に逆らえば殴られ蹴られ、そして殺されるかもしれなかった。
それがラウラに恐怖を植え付けていた。
兵士として死ぬことに躊躇しないラウラに恐怖を植え付けた。
苦しんで死ぬという恐怖を。
「ラウラちゃ~ん、はいあ~ん」
彼は皿に盛られた料理をラウラに食べさせていた。
プレゼントを渡した彼は一度部屋を出て昼食を作った。基本的に家事は彼が行っているためその腕は一流料理人並みであった。
その彼は作り終えた後ラウラは部屋から出して無駄に広い食堂に連れてきて食事を始めた。
しかしラウラは部屋から出る時に後ろに手を回され縛られているため食べられなかった。結果彼が食事を食べさせていたのだ。
「・・・」
ラウラは若干震えつつそれを口に運ぶ。
ラウラは食事のおいしさに顔がゆるみそうになるが彼が見ていると思うだけですぐに恐怖で顔が歪む。
「うんうん、Mちゃんとは違ってちゃぁんと言う事聞いてくれるね。僕はそう言う子が大好きだよ」
そう言ってラウラの頭を撫でる。ラウラは縛られた上に反抗すると首が閉まるためされるがままになる。
「それじゃあ次行ってみよう!」
そして彼は料理をラウラに食べさせた。
「ごめんね~。データはたくさん録ったけどISは奪えなかったよ~」
『・・・構わないわ。元々そう言う条件だったから』
僕は今依頼人に報告を行っていま~す。報告は大事だからね。
それとラウラちゃんは大人しくてかわいいよね~。Mちゃんも可愛いけどラウラは違った可愛さがあるからね。
「それじゃあ、報酬はいつも通りでお願いします~」
『・・・ええ、手配しておくわ』
今迄色々な依頼を受けてきたけどこの人ほど羽振りがいい人はいなかったよ~。同じ依頼でも他の人よりこの人は二倍以上の額を出してくれるからね~。おかげで僕の通帳には0がいっぱい並んでま~す。
『また何かあったらお願いするわ』
「その時は宜しくお願いしま~す」
そう言って通信を切った。
さてさてそれじゃあMちゃんとラウラちゃんを面会させますか。その方が楽しそうだしね。
「・・・ホント、いい仕事をしてくれるわ」
暗い部屋の中で女性は先程まで喋っていた傭兵について考える。
「実験素体NO.879・・・。見せてもらおうか、今後の活躍を」
女性は顔を狂気に歪めて今後の事を想像した。