やはり俺がダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 作:しろねまる。
▽前話でのヘスティアの八幡の呼び方がハチ君に変わっています。
▽これは設定自体を変更しているのですが、ベルがファミリアに加入した後、しばらくして八幡達が加入した。
という設定に変更してあります。
前話に引き続きこのページを開いていただきありがとうございます。
前回この物語を書き、感想を頂いてから、読者さんがやはり中途半端はいけないと気づかせてくれたので出来る限り内容を詰められるように努力しました!
それではどうぞ!
西側のメインストリート付近にあるホームから
ここ、ギルドまで来るのにも一苦労だってのにこれから初めて会う人とお喋りしなきゃいけないなんて、初日からレベルが高すぎるな・・・。
ギルドに入ったのはいいけど、誰に声かければいいのか全然わかんね。ベルからはハーフエルフの女性だって聞いてたんだけど・・・あ、それらしき人発見
「あ、あの、エイナ・チュールさんに用があるんですけど」
「あ、君が八幡君かな??私がエイナ・チュールです。今日から君の担当をすることになっているから、よろしくね!」
案外気さくな人で安心した。もしも、クールでいかにも仕事出来ますよ感が溢れ出てるような人が担当だったらどうしようなんて考えてた俺が馬鹿みたい・・・。
とりあえず、丁寧に挨拶しておかないと後々気まずくなっちゃうパターンだよ。ソースは俺。
「あ、えっと比企谷八幡です」
あれ?丁寧に挨拶しとこうぜって言ったばかりじゃん何してるの俺。そんなんだから小町に「お兄ちゃんって本当、コミュ障だよね〜」なんて真顔で言われるんだよ。
お兄ちゃんまたやらかした。
俺の挨拶が以上だという事を悟ったエイナは苦笑いを浮かべたと思ったら今度は何かを思い出したかのようにあ、そうだ!なんて元気な声で言ってるし。この人も忙しい人だなおい。
「そういえば、冒険者になって初めてダンジョンに潜るんだよね??えっと、八幡君??」
何故疑問系なのかは聞かずとも分かります八幡君ってのが呼びづらいのでしょう。
「呼びづらいならハチで構いません。ええ。一応今日が初めてです」
いま、気づいたことがあるんだけど、ベルってもうダンジョンに潜ってるわけ?俺が起きた時にはもう居なかったんだから、そうとしか考えられない。
だとしたらどんだけやる気に満ち溢れてるんだよ。
少し分けてくんねぇかな。
いやほんと。
そんなことを考えていると彼女が何か言いたげな表情で俺を見ている。決して可哀想な人を見る目ではない。多分。
「・・・何すか?」
「いや、変わった雰囲気の持ち主だなぁって」
まずい、完全に気まずい雰囲気だわ。朝の出来事といい本当にマインドダウンしちゃうんじゃねぇの?
んで、起きたら膝枕してくれてる金髪美少女とか居ねぇかな。切に願うわ
そんなことは置いといて、こういう時は適当に話題転換でもしとくか
「あー、取り敢えず今日は1階層の入口付近でモンスターを討伐してこようかと」
「あ、うん。まずは腕試しというか、自分の実力がどの位なのかを見極めてくるのも良いかもね」
話題転換は成功したようで彼女はお仕事に切り替わっていて、ダンジョンに潜るにあたって注意すべき点を淡々と述べていく。
「分かったかな?」
「ええ。要は死ぬなってことですね」
簡単なことだ。ダンジョンで力尽き、モンスターの餌になる事だけは避けて欲しいということだ。
彼女なりに思うところがあるのだろう
「まぁ端的に言えばそうだよ。私はダンジョンに潜ったっきり帰ってこなかった冒険者を何人も見てるから・・・だから、ハチ君にはそうなって欲しくないなって。ハチ君のファミリアの為にもさ」
帰ってこなかった冒険者・・・そん中に両親も居るのだろう。そんなことをふと考えてしまった
「・・・大丈夫です。今の俺には帰らなきゃいけない理由がありますから」
そう言うと彼女は納得したかのように笑みを浮かべる。
「大丈夫そうだね!さぁ!ダンジョンにいってらっしゃい!帰ってきたら声をかけてね!」
俺は彼女の有難いお言葉を思い出しながらダンジョンに向かうべく歩みをすすめる。
「あ、ハチ君〜!?魔石はちゃんと拾ってくるんだよ〜!?」
そう彼女は大声で忠告して下さった。いや、それくらいはあのロリ神から聞いてますから。
返事をするのも癪だったから手をあげて返す。
あ、伝わったみたい。
「・・・はぁ」
とりあえず行こう。そう呟き再び歩き始める。
すこし歩くと何処かで見たことがある様な美少女とすれ違った。
あれ?マジで見たことあるな、夢の中の・・・
「ヒキガエル君はミノタウロ(ry」の女だ・・・!
いや、でも夢の中ではハーフエルフだっただろう。
今の美少女はキャットピープルだ。人違いだろう
夢の中の事が現実になるのではと考えると悪寒が止まらなかったので考えるのをやめてダンジョンへと急いだ。
「ひぎゃー!?」
なんてダサい声をあげながらモンスターは灰と化し胸の中にあったであろう魔石だけがそこに転がった。魔石ってこうやってこうやって手に入れる物なのかと少しばかり気おくれしながら、次のモンスターの襲撃に備える
次に現れたのは、2体のゴブリン、どちらも変な斧みてぇなのもってやがる
だが、ゴブリン2体の動きは単調というか、もう斧に振られてる感じしかしない。
「・・・よっと」
ゴブリンの攻撃は当たらなかった・・・!
ハチマンの攻撃・・・効果はばつぐんだ!
そんなこんなで向かってきた2体を片付け魔石を拾う。大分慣れてきたかなーなんて考えてたらエイナさんに怒られた気がしたのでごめんなさい。
そう言えばゴブリンとの戦闘で不思議に思うところがいくつかある
まず、俺自身の身体能力が全体的に上がっていることだ。これは恐らく神様の『恩恵』のお陰なのだろう。エイナさんも言ってたっけかな
「神様とファミリアの契りを交わすと冒険者はステータスが発生するの、それは日頃の鍛錬やダンジョンでの戦闘で経験値として蓄えられ、神様がステータスを更新してくれることで、初めて自分の力になるの・・・」
この後も長々と話してくれたけど覚えてねぇ。
ということはスピードを上げたければ永遠とダッシュをしていりゃ上がるって訳だろ?
え、いや、やらんけどね。
要はダッシュをすればスピード、筋トレをすればパワー、ひたすらモンスターにやられてれば耐久値と、連動しているわけだ。
まぁ俺はナイフ装備だからそれに見合った立ち回りをしていれば自ずと鍛えられるだろう。
だがいくら経験値が溜まっているからと言って、神様のステータス更新無しにやっていける訳では無いからそこら辺は注意しておきたい。
次にモンスターの出現場所だ。神様とエイナさんに聞いた話によると壁から出てくるって言ってたっけな・・・何それウケる。いや、ウケないから。
・・・とはいってもダンジョンに潜って2時間位経つが一度もあいつらが産まれてくる所を見てない。
こうなると見てみたいという好奇心も無くはないのだが、まだ自分の実力では深くまでは行けないだろうから、それは断念した。
1階層の入口付近を探索していると上の方から石が落ちてくるのが分かったので瞬時にナイフを構え上を向く
「噂をすればなんとやらだな」
向いた先でなんとモンスターが生まれてきているではないですか。てかまたゴブリンかよ。落ちてきた拍子に死なねぇかな。
そう言いながら落ちてきたゴブリンとご対面する
ゴブリンはこちらを見た瞬間、敵だと認識したみたいで奇声を発しながら突進してくる。
持っている斧を上段に構えジャンプしながら大振りするそれをナイフで捌き相手の懐に潜り込む形で脇腹を切り裂く。
また、ひぎゃー!?ってさ。なに?その台詞流行ってんのかね。
地面に転がっているゴブリンを見て手を合わせる。
悪気はないんだよ?
「今日はこの辺にしておくか」
魔石も結構溜まったことだし、今日はこのタイミングで引くべきだろう。
今日の感覚を忘れないようにとしっかりと体に覚えこませるため帰り道では相手の武器をナイフで捌き、それによって生まれた隙をつく。それを繰り返しながらダンジョンを脱出した。
その後、換金やらエイナへの報告やらでヘトヘトな俺はホームへやっとの思いで辿りついた。初日にしては稼いだ方だと言われ、中途半端な喜び方をしてしまったせいでエイナさんに軽く引かれた・・・死にたい
「今日はじゃが丸が大量だぜベル君!」
「すごいじゃないですか神様!!」
なんて2人で嬉しそうに話している声が聞こえてくる。帰って早々このイチャコラを見なきゃならんとは。誰か俺に休まる場所をくれ
「・・・ただいまっす」
「あ、おかえりお兄ちゃん!怪我はない??今日1日心配で家事が手につかなかったんだからね!あ、今の小町的にポイント高い!!」
「はいはい、高いな〜」
俺の返答が冷たかったからか小町は頬を膨らませながらぶーぶーなんて言ってる。あざといな・・・。
そんな兄妹の何気ない会話をしていると、お二人も俺の帰宅に、気づいたようで。もっと早くに気づいて欲しかったけどね。
「あ、おかえりハチ君!」「おかえり八幡!」
という挨拶に、うす。とだけ返し装備品を下ろす
「あれ、ベル。今日は帰ってくるのが早いんだな」
と、素朴な疑問をぶつけてみる。
「今日は改めて2人のファミリア加入を祝おうと思ってね!だから神様と今朝相談して今日は早く帰って来ようって」
今日の早朝にでも話し合ったのだろうか。道理で今日は神様が起きるのが早かったわけだ。
「そうだよ!今日は、ハチ君と小町ちゃんの加入を祝してじゃが丸パーティーを開催したいと思うんだ!」
「そう言う事ならそう言ってくれれば良かったのに、俺だってわずかながら稼ぎはあるんですよ?今から何か買ってきましょうか?小町が」
そう言うと、「なんで小町なの!?馬鹿なの!?死ぬの!?八幡なの!?」ってさ。
おい八幡は俺の名前であって暴言にはならないんだぜ!
冗談だと言いながら頭をなでてやるとあっさりと許してくれた。小町ちょろい。
「ハチ君が稼いだお金は装備を整えるのに使うといいよ!流石にその装備だと今後大変になるからね!」
そういう時は優しい神様だった。いや元々優しいのか??
そんな会話を交わしつつ、夕飯の支度を終えた俺たちはテーブルを囲み食事をする
いつ以来だろうか、皆で談笑しながら食べる食事は。あ、昨日食べたわ(笑)
でも、複数人で食べる食事が楽しく感じたのは本当に久しぶりだった。
ほんの少し前は親戚の家出肩身の狭い思いしかしてこなかったから・・・なんてシュール展開は置いておくか。
そんなことを考えているとベルが俺に話しかけてくる
「そうだ、八幡!明日は一緒にダンジョンにもぐらない?2人で潜った方が効率がいいからさ!2人で一緒に成長していきたいってのもあるけどね!」
意外な提案だった。俺とベルには確実に差があるわけで俺に関しては初心者同然だ。2人で潜って効率がいいわけが無い。一緒に成長していきたいと言う言葉は正直嬉しかったのだが、ここはベルのためにも断っておいた方が良いだろう。
「いや、ベルの足を引っ張るわけにはいかないだろ。・・・パーティーを組むのは俺がもう少し慣れたらで良くないか?」
やんわりと断ってみる。これは引かざるを得ないだろ。ふふん。
「僕の到達階層が6階層位だから半分にしても3階層、そのくらいまでなら八幡でも行くことが出来ると思うよ!八幡には早く強くなってほしいからね!」
とベルが提案する。確かにメリットがないわけではない。初心者の俺が一気に到達階層を増やせるわけだし何より経験値の増大が見込める。・・・ここはベルの提案を受け入れてみるか。
「・・・まずは2階層で様子を見てからでもいいか?順に行かないと不安だからな。」
そう言うとベルの表情がパァァっと明るくなる。こいつも今までソロだったから2人で潜るのは楽しみで仕方が無いのだろう。俺もそういった感情が無いわけではない。
「そうと決まればあすに備えて早く寝ようぜ!勿論ベル君は僕と一緒に寝るんだよね!?」
相変わらずの強引さに流石のベルもタジタジだった。もちろんっていつも一緒に寝てるみたいな言い方するなよ、一緒にいる俺らが申し訳なくなるでしょ。
毎度おなじみのイチャコラを見ながら、小町の不安を取り除くためにはどうしたら良いかと思考を巡らせる。
「小町。という訳で明日はベルと一緒にダンジョンへ潜れるから心配するな。恐らく明日で基礎は会得出来るはずだ。今日、潜って気づいたんだが、俺以外とセンスあんだぜ?だから心配せずにホームで待っていてくれ」
そう言うと小町は納得してくれたのかいつも通りのテンションに戻ったみたいだ。
「ベルさんが一緒ならセンスの無さそうなお兄ちゃんでも安心だねっ☆それじゃあ小町は明日に備えて寝ようかな!」
お前は何に備えて寝るんだ。そしてさっきセンス無さそうって言っただろ。俺の心配を返せ。
とにかく、いつも通りの小町に戻ってくれて一安心だな。
「小町、明日の朝の俺の事見送りしてくれてもいいんだよ?」
「えー、小町朝苦手だから無理かなー、でも夢の中ではお見送りするから頑張ってね☆」
断られたー。もういい、ふて寝してやる。
「はぁ・・・。とりあえず俺も寝ますね。神様、おやすみなさい」
「あぁ!おやすみハチ君!ほら!ベル君も寝なきゃだぜ!」
神様はもうベルの親になりたいのか恋人になりたいのかわかんねぇな。まぁそれくらいベルにぞっこんなんだろう。
布団に潜り、少しばかり考え事をする。・・・明日は2階層に留まらず3階層にも進出する訳だが、実力的に大丈夫なのだろうか・・・正直不安しかない。いくらベルと潜るからといって100%大丈夫だとは言いきれない。信用していない訳ではない、ダンジョンでは何があるか分からないから確率が少ないことでも無視は出来ないのだ。たが、いつまでもくすぶっているわけにも行かない。明日で、必ず基礎を会得してやる。
目を閉じて考えていたせいか、眠気が襲ってくるのがいつもより早い。おれはその眠気に抗うことなく冒険者1日目を終えた。
第2話、読んでいただいてありがとうございます!
後半、ダンジョンに潜った辺りから文字数がえげつないほど増えました(笑)
八幡にも何かベルと同じ系統のスキルを付与したいと思うのですが、どういったものが良いのでしょうか??
感想などお待ちしております!
ありがとうございました!