やはり俺がダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 作:しろねまる。
こんばちは!
と複数の挨拶を混ぜてみました。
いよいよ救出作戦開始!
となりますが、さてさて八幡は一体どういう行動をとるのか……そして警察に捕まってしまうのか……!
って全く関係の無い方向に……だれが不審者だ!
ごめんなさい。
それではどうぞ!!
-翌日-
ホームを出た先でベルと別れた後、俺はギルドへ向かった。例の新人ちゃんと取り留めのないことを話した後川崎、雪ノ下と合流する。
「……あとは打ち合わせ通り、私達は五階層での待機、比企谷はそのまま気づかれないように二人を尾行、事が起き次第対処してくれて構わない。」
そう真剣に話すのは川崎だ。この二人外見はハーフエルフにも劣らない美しさなのだが、何処かが残念な事で、その美しさが半減しているのだ。まぁ俺目線だけど。そして俺も同様に目が残念。目が。
「尾行については問題ない。俺はコソコソやるのが得意分野だからな。ダンジョンにだって紛れてやんよ」
昨日のスキル発現については伏せておくのが妥当だと判断した。しかも公衆の面前でそんなこといったら殺されそう。けっこうレアスキルだと思うから。
【ハイディング】
まぁ安直だが捻った名前よりいいよね?
隠蔽スキルだな。大抵の人にはバレないらしい。これ撫子情報。
【エンボディメント】
これまた安直。具現化と意味するらしい
これは撫子云々だろうな。人の姿から本来の姿に戻す。言い換えれば俺が具現化させちゃうってことだよね。まぁ使わないのが一番だけどね
そして、異常なまでのステータスアップの原因は、これまた撫子であった。
……ていっ!
「むぎゅっ」
「……比企谷、訳のわからない方を向いて何も無い所にチョップとは……そろそろ厨二病末期なんじゃないか?」
と心無い言葉が心に突き刺さった衝撃で現実に引き戻される。あぁ痛い。どちらの意味でも。
「すまん、少し考え事をしてたんでな。ベルの奴、恐らく五階層に到達するまでに引き止めるつもりだ。お前らを警戒しているんだと思うが、どの道手を出して欲しくないとキッパリ言われていてな。本当にまずい状況以外では手を出さないでもらいたい。」
納得してくれるとは思ってないがダメ元でお願いする。
「……はぁ。どうしてこう、こいつと言い白髪の少年といい。バカが多いのかね。お前らのファミリアは……仕方が無いね。今回ばかりは大人しく飲んでやるよ」
と川崎が言ってくれる。ここまで一向に口を開かなかった雪ノ下も「ええ。わかったわ。」とだけ告げ、また黙り込む。
……さては緊張か……!
「失礼ね。緊張なんてするはずがないじゃない。焼き殺すわよ?」
なんでここの人らは心読むのが好きなんですかね。読心術ってどこで教えて貰えんのさ。
え、まぁ俺は身につけたくないですよ?明日が嫌になっちゃうから。
「まぁ暴言を吐けるくらい余裕があって何よりだ。そろそろ時間だ、俺は行くぜ」
「比企谷」
川崎に呼び止められ、振り向くととてつもない勢いで投げつけられたものをなんとか受け取る。
なんだこれお守り……?
「私、これでも裁縫は得意分野でね。情報屋の伝を駆使して手に入れた強力な札が入ってる」
最後に何か言っていたような気がするが小さくて聞こえなかった
そして雪ノ下は驚きの表情で口をパクパクさせている。酸素不足かな
「あぁ。恩に着る」
昨日発現したばかりのスキルを使えるのかと少々不安ではあったが大丈夫みたい。
今日、やたら俺にぶつかってくる人多いんだよ。
気づかなかったみたいでした。これって意識すれば使えるタイプのやつなんだ、条件それだけなんだ。
っと今回のターゲット発見。
早速行動に移しますかね
と見失わないように適度な距離を図りながら
後ろをついていくいかにも不審者じみてる
八幡でした。
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目標は現在九階層、未だ不審な動きなし。目的地は恐らく雪ノ下が睨んだ通り十階層だろう。
スキルのお陰でバレずに来られている見たいだが、スキル強すぎね?
道中のモンスター俺のこと見えてなかったみたいだよ?これってモンスターにも適応されんだ。
へぇ……。普通の狩りなら大儲けできるレベルだなこりゃ。
「っと、立ち止まった……?」
恐らく十階層へ降りるための準備だろう。
……ん?あれは短剣か?ナイフよりは少し長いが
なぜそれをベルに……?性能的には遥かにヘスティアナイフが上回っているはず。それなのにあえて一回りも二回りも質の落ちる短剣を……
と考えている間に二人は足を進め、十階層へ向かう。さて、ここから俺はどうすべきか。
距離を詰めて先読みして行動するべきか。間を置いて十階層へ降り、気づかれないようにした上で後手に回るか。悩ましいところだね。
だが今回はスキルが味方してくれる……はず!
よし距離を詰めて行動しよう。霧が出るはずだから間を置いては見失ってしまう。
十階層へ降り立つとそこは辺り一面の霧。どこを見ても霧だ。
所々に木が生えているが、それが伺えるのもごく僅かな範囲のみである。生憎索敵スキルは身につけていないのでこの無駄に腐った目で見つけるしかないようだ。まぁ大体の位置は気配でつかみ取れるから良いものの、何せダンジョンだからなぁ。偶にモンスターの気配と混ざるんだよね……
もしかしたらとてつもなくベルに失礼かもしれない。いや、失礼だよね
距離を詰めた場合、リリルカ・アーデに気づかれてしまう可能性があるためギリギリ気づかれないであろう距離を保たなくてはならない。
他の冒険者の気配もちらほらと感じ取れる。うまく紛れられるといいが……。
ドゴォォン!
っとそんなことを考えている間に戦闘が始まってるじゃねぇか!
ベルとリリルカ・アーデの位置関係は……まだ離れちゃいねぇな。さて、何処で仕掛けてくるのか
「ファイアボルト!!」
ベルの魔法攻撃が炸裂する。致命傷とまでは行かないが、連射速度は中々良いみたいだ。まぁ魔法云々は全くわからないんだけどね。
「……!」
まて、この状況でモンスターが数体近づいてくる気配……標的は俺か……?
いや、その方向はベルだ……!
ベルの戦闘に気を取られて、リリルカ・アーデの動きを見ていなかった……そしてこの異臭、確か敵をおびき寄せる物だったか、名前は覚えていないが集まってきていることから考えるとそれしかない。
「リリ!? 」
「ごめんなさいベル様、もうここまでです。」
おいおいあの少女やってくれるな……!レベル一の冒険者一人に十階層のオーク数体置いて逃げるとかどんな趣味してんだ……!
「そしてそこの目の腐った人。あなたもここでおしまいです。」
そう言い放ってハンドボウガンらしき何かでこちらに攻撃を仕掛ける。幸い距離があったため対処は容易だったが、くっついてきた物がこれまた厄介だ。同じ匂袋。ふざけんなよ、さらっと暴言はいてプレゼントがこれかよ。笑えねぇな
「目は腐っているが生憎お前ほど性根は腐っちゃいないんでね。何か勘違いしているようだが、お前を追っている人間は俺だけじゃねぇ。」
そう言い終わる前に少女は姿を消した。
さてオークが集まりつつあるがベルの様子が気になる。隠蔽スキルを使えば切り抜けられないことは無い。匂袋をどうやって遠ざけるか……。いや、隠蔽スキルをフルに使ってベルの所へ向かえばいいのか?あいつの装備が無事なのかが気がかりだ。一旦ベルの所へ向かうか
一直線に轟音の鳴り響くところ目掛けて走り抜ける。すると直ぐにベルと数体のオークが視界に捉えられるが、多勢に無勢。これじゃ拉致が開かねぇ。
「ベル!!装備は無事か!?」
「残念だけど、信じたくなかったけど、犯人はリリだよ……!」
息を切らしながらそう答える。ほぼ決まっていたことなのにいざ確定となると、無性に腹立たしくなる。ベルの信頼をたったの二、三分で裏切るとはな。俺なら絶対許さないけどね。
それは後で対処するとして、問題はどうやってこの状況を切り抜けるかだ。ベルは少女に貰った短剣を使っての戦闘だが、俺の分も含めると五体は超える数……
「ベル!危ねぇ!」
短剣では防ぎきれなかったのか大きく体勢を崩したベルに対して追撃を食らわす。
ドゴォッ!
鈍い音とともに吹き飛ばされる。凄まじい勢いで木にぶつかる。
「おいベル、大丈夫か!?」
急いで駆け寄りポーションを取り出す。かろうじて意識はあるみたいなので、それを口にあてがいそのまま流し込む。効果が現れるまで暫くかかる。
それまで一対六。
どうする。絶体絶命だ。
ここで二人とも死んでしまうのか?
俺らのために泣いてくれた神様は?
毎日帰りを待ってくれている小町は?
ここまで協力してくれた二人にだって礼を言わなきゃならねぇ。
そんな奴らを置いて死んじまうのか……?
あいつらに悲しい思いを……また小町に失わせるのか……?
瞬間的に考えがぐるぐると、吐きそうなくらい巡ってしまう。
「……」
使うしかない。
……あなた次第です。マスター……
「……来い。撫子……!!」
凄まじい気配と共に一本の刀が姿を現す。いかにも妖刀って感じの、禍々しい雰囲気を醸し出している。
その気配はやがて暴風へと変わり辺り周辺を襲う。
「くっ……!!」
なんとかその場に留まれたが、立っているので精一杯だ。今も続く激しい暴風のお陰でオーク共は十M先まで後退している。
「ベル……!大丈夫か……!!」
「……うん! 体の自由は戻ってきたかな……!それよりも何それ……!?」
少し弱っているのか、声にハリがない。
「答えている暇はねぇ……!それよりも先にいけ……!」
ここでベルを戦闘に巻き込んでしまえば最後。一番最悪な結末を迎えてしまう。そんなことはさせない。あいつの影として……!
「行けるわけないだろ!?そんなことしたら八幡が「早く行け!!」……」
「たまにはパーティーの指示出したっていいだろ……!俺のこと信用してくれてるんだったよな……?」
少し間を置いて
「……八幡。直ぐに帰ってくる……。逃げ回ってでもいい!必ず、死なないで……!」
走り始めたのは言いもののここは十階層の丁度中央付近、位置関係的に北にオークの群れ、南にベル、西に出口という感じになっているわけだが、ここで何でもなく見送れる訳でもなく、案の定オークがベルを追い始める
「タダじゃ逃げさせねぇつもりか……!」
俺が手を伸ばした先に吸い込まれる様に刀が近づく。気を抜けば飲み込まれてしまうというコイツの言い分もわかる気がする。
チリン……チリン
鈴の音が鳴り響く。その音に耳を澄ませ、心を落ち着かせる。
後は掴んで引き抜くだけ。たったそれだけだ。
早くしねぇとベルが……
オークの群れがベルの所へ、すごい勢いで距離を詰める。
「覚悟を決めろ……!こんなんで死にはしねぇ……!お前らの相手は…………俺だ……!」
妖刀を掴みそのまま引き抜く。
「ベル……あいつを追え……!」
その言葉とともに妖刀を地面に突き刺す。
崩れ落ちそうな衝撃とともに一瞬にして赤黒い壁が四方に立ちふさがる。それは丁度オークと八幡だけを内側に残し、あとはすべてを遮った。
「カハッッ……!!」
吐血。今までで一番の出血量なんじゃねぇのか。
意識が朦朧とする。瞼を閉じればそのまま持っていかれそうなほど。
くそっ。引き抜いて数秒でこのザマだ。これでまともに戦えんのかよ……
再度吐血。笑えねぇなこりゃあ、そうこうしている間にもオークの意識はこちらに集中しているわけだ。俺もあいつらに集中しろ。ここで死ぬわけには行かねぇんだよ
マスター。よく意識を保てましたね。そこは褒めます。
頭に直接響く声。いつもと変わらない声なのにこの状況に置いては落ち着く声だ。
「おう。それよりも引き抜いたはいいが……勝ち目あんのかよ。」
それは保証します。ただ意識は失わないように。
鞘にしまってからにしてくださいね。死にますから
「さらっと恐ろしいこと口にするんじゃねぇよ。ちびっちゃうでしょうが」
……。
悪かった。俺が悪かったよ……。
幸にもこの訳の分からねぇ壁を発動したお陰で
木々は枯れ果てていて使い物にならなそうだ。
意識も大分回復した。ここからが勝負所だ。
「先に仕掛けねぇと、六体相手はきついだろっ……!」
距離を詰めるべく走り出した八幡に衝撃が走った。
百Mあった間合いが一瞬にして縮まる。身体には痛みはないため急激な負荷もかかっていない。
「妖刀って何でもありかよ……!」
身体能力の急激な上昇、それも人の域を越えている。
勢いに身を任せ一体、二体と切り伏せていく。
残り八体。
少し距離を起き残りモンスターの位置を把握する。
くらっ
「おっと……。こりゃ後々疲労がくる奴だな。そんなに長くは戦えねぇか」
元々残っていた体力を考えると……のこり一刀が限界。
それがリミットだ
「行くっきゃねぇ。八体斬りだ。」
頼むぞ撫子……。
承知しましたマスター。仰せのままに……
その瞬間、刀身から魔力が放出される。さながら大剣だな。
……マスター。私はあくまでも極東の刀です。
「すまんすまん。言い表すならばだ。気にしないでいい」
と不満そうな感じが伝わってくるが、今はそんなこと言いあってる状況じゃないことを残り八体のオークが知らせてくる。
オォォォォォォ!!!!!!
オークが八幡に向かって突進を始める。
一斉に突進とか何考えてんだよ。
一体一体の距離はさほどなく、個々を切り伏せられるだけの余裕はない。
ならば一気に切り捨てるまで……!
元の二倍はあるだろうその刀身を利用し、オークの群れを五体……六体となぎ倒していく。
七体目を切り裂いた直後。突然足が言うことを聞かなくなった。
勢い余って地面と何度もこんにちはする。
欧米式の挨拶かよ。
「……ついに体力が尽きたか。かろうじて鞘には戻せたが……まぁ八体目のオークさんにさようなら世界されちゃうんだろうな。」
そう呟いて息を引き取った……じゃなく意識を失った。
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……マスター。聞こえますか?……
ここは……どこだ……?
……ここはあなたの深層意識。残念ながらまだあなたは生きています。……
それは大層なことだ。んで、撫子さんは俺に何の用があってこの場を設けたんだ……?
……今回、あなたが私を使った……いえ使ってくれたことに対しての感謝と、代償についてです。まずは私を具現化し、使用してくれたことに礼を言います。正直、あのまま死んでしまうのが結末だとばかり思っていましたので……少し驚いています。次に、代償の件ですが……
言葉を遮る
代償……?そんなの初めて聞いたが。
……ええ、初めて話しましたもの。まぁそれについてはさほど重いものではありませんでしたので。……
……はぁ。まじでかよ……それで、代償ってのは?
……簡単に言えば不老不死。言わば神に近い存在になってしまった……ということですね。私が正式に契約しようと思ったのはあなたが初めてです。私の勝手なのは充分承知の上ですが、寿命という概念を撤廃させて頂きました。……
……もう何があっても驚けねぇなこりゃ。今ですら驚きすぎて一週回って落ち着いてるもの。
もう、なんかどうにでもなれ……
……おっと、そろそろ時間みたいです。マスター、悲観なさることはありません。ただこれからあなたが紡いでいく物語に私が加わった。それだけのことです。それではマスター。楽しみにしています……
「八幡!!!!」
ゆっくりと目を開けると、小町とベルが顔面をぐしゃぐしゃにして泣いていた。……心配かけちまったな
「……死んだんじゃねぇかって、思った。オークを最後に一体だけ切れなかった。……なんで生きてるんだ……?」
まだ意識が朦朧としているせいか上手く考えがまとまらない。
すると神様が口を開く
「アイズヴァレンシュタイン氏だ。今回はギルドの受付嬢の機転のおかげと言ってもいいだろう。」
その後続けられた話によると。俺らがダンジョンに潜って暫く、ギルドの受付周辺で例の怪しい集団をみたそうな。それを不審に思ったエイナさんがたまたま居合わせたアイズ氏に声をかけてくれたそうだ。
「完全に命拾いしましたね。とりあえずありがとう。そして心配かけたな。」
そう言うと、我慢出来なかったのか小町が飛びついて泣きじゃくる。たった一人の家族だ。これからも失わせてはいけない。可愛い妹のためだからな
「……そういえばベル。例の件はどうした?」
「……八幡のお陰で無事成功したよ。急いで僕が駆けつけた時には既にアイズさんが八幡を背負って歩いてきていたところだった」
成功したか。なら今回、生命張っただけあるかもな。今回は色々と迷惑かけちまったが、あの二人にも礼を言っておかなきゃな。
「さてさて!みんな無事だったことだし!ベル君はサポーター君を救えたみたいだし!今日はじゃが丸パーティーでも開催するとしますか!」
と神様。それに皆はノリノリらしい。
「そうしますかね。言い出しっぺ俺だし」
日が傾きつつあるオラトリアでは、ある少年と妖刀との長い物語が始まってしまったのでした
最後まで読んでくださってありがとうございます。
やはりバトルシーンでは語彙力の無さを痛感しました……
もっと励まなければ……!
ということで、今回、リリすけの件は一段落ということで幕を下ろせました。
これからどういう物語にしていこうか、ぶっちゃけまだ想像出来ていません。
でも、これからもっと面白くなっていくのではないかと考えると筆が進みそうです。
あれ、筆ではないのかな。
これからも読んでいただければ幸いです。
それではまた!!