「ライダー、こっちを頼む」
「ライダー、ここを切ってくれ」
現場に着くと秀人は息つく暇なく作業に追われた、タイプ01レスキュー装備は簡単に言えばレスキューが使う
色々な重機の改良版が搭載された装備だった、金属の切断も超振動ナイフを使えば火花は出ないので気化したガソ
リンを気にせず作業出来た、レスキューや災害対策装備は対ギルティーズの戦闘装備と違い連続使用時間も長く、
秀人と駆けつけたドクターヘリや救急隊が見事な連携を見せていた
「香澄ちゃんも将来はドクターヘリ希望?ウチにもあるけど…」
「いえ、別に」
モニターから目を離さず香澄は答えた
「あら意外…」
「仮面ライダーチームでも人助けは出来ますから」
「納得…というか助かるわ、香澄ちゃんじゃないと秀人君納得しないからね」
恵梨香はマグカップのコーヒーを飲んだ
「秀人君、そろそろバッテリー交換の為に戻って下さい」
『了解』
香澄の言葉に短く答えて数分後秀人が戻った
秀人が戻るとGIFTの技師が取り巻きさながらF1のピットインの様に背中のランドセルに付いている
バッテリーを交換しはじめた
「お疲れ、どう?不具合ないかしら」
恵梨香は秀人に冷えたドリンクを渡した
「問題ない・・・」
バイザーを開けストローで飲みながら秀人は答えた
「タンクローリーのガソリンはあと少しで抜きとれるわ、要救助者も大分少なくなってきたから
あと一頑張りよ」
技師の「交換完了」の声と共に恵梨香にドリンクを渡し秀人は現場に戻った
「良かったの?声かけなくて」
「別に・・・話したければいつでも話せますから」
恵梨香は「若いわね」と口角をあげた
「この子だけどちょっと厄介なんだ」
秀人が行った先には後部座席に挟まれた小学校低学年位の男の子が居た
「スクラップが太い血管傷つけていて、下手に動かせば大出血の可能性もある」
治療にあたっている若い医者が強く言った
「こちらでもバイタル取ります」
秀人は腰から腕時計の様な物を取り出すと子供の腕に巻いた
「どうだ香澄ちゃん」
『確かに心拍が弱まってるわね・・・迷ってる時間はないと思う』
「超振動ナイフで切って運ぶしかないか・・・」
『詳しい状態は分からないけど・・・それだと振動で血管が・・・』
「レスキュー隊の重機より早いだろ・・・どう思います?」
秀人はレスキュー隊員を見た
「多分・・・しかし危険だ・・・」
その時秀人の腕を掴む者が居た
「僕・・・頑張るから・・・お願い・・・」
鎮痛剤で朦朧とする子供だった
「5秒、5秒だけこのスクラップを押さえていてください・・・切ります」
他に選択肢が無かった
レスキューや医者が必死で振動を与えない様に押さえる中、超振動ナイフは宣言通りの
時間でスクラップを切断した
「ねぇ・・・仮面ライダーのお兄さん・・・大きくなったら僕も仮面ライダーに
なれるかな・・・」
「なれるさ、絶対に」
ヘリに運ばれる直前、少年と秀人は言葉を交わした