「時間もないからブリーフィングするわね」
恵梨香さんがサイレンを鳴らし疾走する車のキャビンで言った
「現地到着後私は消防士と合流段取りをするから秀人君は配置について変身後待機、香澄ちゃんは車の中でパソコンを起動、秀人君にアクセス、バイタル情報を繋いで、私が段取り終了と共に合図したら作戦開始…正直外部アーマーも追加装備もなく、使えるのは弾数に制限のあるインパルスガンだけ…でもこの作戦は絶対成功させなくてはならないの」
「なぁ…そんなに準備が整ってないな…」
「会社員なの、私」
秀人の言葉は会社員の都合でかきけされた
現場は野次馬の山だった、4階建のマンションは炎に包まれていた
「秀人君、香澄ちゃん聞こえる?」
消防士のリーダーと話した恵梨香は間の抜けた声で言った
『大丈夫です』
『問題ない』
同時に帰ってきた
「ターゲットは二人、24歳の消防士と8歳の女の子、建物は放棄されたから壊してもOK、人命最優先でいきましょう」
秀人は変身を済ませ、現場の向かいのビルの屋上で仮面の口の部分だけを開けて水を飲んでいた
「香澄ちゃん秀人君のバイタルはとれてる?」
「大丈夫です」
少し緊張した声が帰ってきた
「それじゃあ…」
恵梨香の声を聞いて秀人が助走距離をとると仮面の口の部分がモーター音と共に閉まった
「作戦…」
このタイミングで秀人は走り出していた
「開始」
そこに居た野次馬の一部は火災現場と向かいのビルの間の緋色の空に黒い弾丸が飛んだのに気づいただろう…
窓を突き破り秀人…タイプ01は建物に侵入した
「現場侵入、香澄さんターゲットの位置情報よろしく」
「えっと…そのまま真っ直ぐです」
「了解」
『香澄ちゃん、スーツの情報は?』
「全く問題ありません」
「秀人君、最短距離でよろしく」
「了解、香澄ちゃんナビよろしく」
「秀人君、そこ右…」
二人のやり取りを聞きながら恵梨香は微笑んだ
「ターゲット発見」
「わかってるっての」
秀人の報告で恵梨香の顔色が変わった
秀人は腰のパックから寝袋状の袋を取り出すと床に敷くと、腕から小さな円形の機械を出すと消防士のヘルメットに付けた
「もう大丈夫だ、俺はGIFTの人間だ、この子を袋に入れてくれ」
消防士は頷くと女の子を袋に入れた
「それじゃあ行くぞ」
秀人は女の子の入った袋のチャックを閉めて端にあるピンを抜いた、内側から空気の圧力で膨らんだ袋を消防士は担いだ
「退路の最低限の炎だけを処理する」
秀人は背中に背負ったタンクに繋がった銃を引き抜いた秀人は背中に背負ったタンクの横に繋がった銃を引き抜いた
「すごいな…それ」
「一時的に炎を消すだけだ、問題の解決にはならない」
インパルスガンで炎を処理する秀人を見て消防士は言った
「作戦完了」
秀人は最後のドアを蹴破り外に出た
「これが女の子のバイタルです、こちらのデータでは異常は見られませんでした」
恵梨香は救急隊にプリントアウトした紙を渡した、その間に秀人は女の子を袋から出して救急隊のストレッチャーに乗せ袋を回収した
「ありがとうございます」
頭を下げる両親や女の子の兄に対し恵梨香はこう答えるのであった
「我々は当然の事をしただけです、お礼ならそこに居る勇敢な消防士さんと今も必死に火災と戦っている消防士さんに言ってください、我々はそのお手伝いをしたに過ぎませんから」