「お帰りなさい恵梨香さん」
香澄は帰ってきた恵梨香から買い物袋を受け取った
「秀人君、どうそっちは?」
窓際に置いた望遠鏡を覗く秀人は首を横に振った
笹木低張り込み6日目、数日前から恵梨香達GIFTチームは
近くのアパートに拠点を構えていた
「香澄ちゃん警察から連絡は?」
台所でまな板を洗ってる香澄は「何も」と答えた
「まったくちゃんと働けよ警察」
恵梨香は脱いだスーツをハンガーにかけながら毒づいた
「あっ・・・私これからシャワー浴びるけど秀人君覗かないでね」
「覗きませんよ」
「即答とか酷くない?」
恵梨香は頬を膨らませながらユニットバスに入っていった
「ここ数日、秀人君あんまり寝てないんじゃない?今日夜番代わろうか?」
「いや良い、香澄ちゃんが大学行ってる間に恵梨香さんに代わってもらって
寝てるから」
「それなら良いんだけどさ」
香澄の奏でる包丁の音だけが響いていた
「ちょっと、そこは少しは覗く努力しようよ」
沈黙はタオルを首にかけた恵梨香の声で破られた
「年頃の男の子への「覗くな」は芸人さんへの「押すなよ」と同じでしょ
こんな綺麗でナイスバディの女性がシャワー浴びてるのにバイタル至って
安定って防水仕様のスマホ持ち込んだ私がバカみたいじゃない、もしかして
秀人君ってホモなの?ロリコンなの?二次元しか愛せないの?
そうよね、私と香澄ちゃんみたいな年頃のキレイ&カワイイ女性二人に囲まれて
て劣情を催さないなんてホモかロリコンか二次元しかありえないもんね」
仁王立ちで恵梨香は一気に言った
「あの・・・」
「何?今更見たいとか言っても見せないよ」
「そうじゃなくて・・・」
「それとも香澄ちゃんだったら覗いてたの?この獣が」
「いや・・・そうじゃなくて・・・」
「何?」
「俺・・・生殖器とか精巣とかないんですよ・・・ほら、崩落事故の時腰から下
全部潰れちゃったし、精巣とか生殖器なんて戦闘に関係ないし・・・
擬似ホルモン剤は投与されてるけど性欲ってのは別に・・・」
秀人の説明を香澄まで真剣に聞いてた
「研究チームに人工精巣と生殖器開発してもらおうか?せっかく香澄ちゃんと
会社の寮で一緒なのにつまらないでしょ?」
これを恵梨香は真顔で言うから怖い
「ねぇ香澄・・・」
「こっちにふらないでください」
香澄は話の遮ると調理に戻った
「そっか・・・ラブコメ展開は皆無か・・・私も引っ越そうかな・・・
香澄ちゃんの料理美味しいし、防犯ならセンサー内臓のひで・・・」
恵梨香は何かを思い出した様に秀人を指差した
「秀人君対人センサーついてるじゃん」
「まぁ・・・」
「なんで望遠鏡で見張ってるの?」
「命令ですから・・・」
秀人は当たり前の様に答えた