共鳴セカイの幻想曲
〜第1話〜
春、人はそれを出会いの季節をと呼ぶだろうか…。
俺は、䅣戯 夏輝。今日から高校生活が始まるピチピチの高校一年だ。
今日から始まる新しい生活に密かに胸を高鳴らしていた。……いたんだが、
桜並木が美しいこの街道を全速力で走る俺たちは、非常に深刻な問題を抱えている。
夏輝「ヤバッ!もう式始まってんじゃん。どんすんだよ!」
俺は隣を走っている奴に問いかける。
凛音「いやー、そう怒んなって。」
こいつは一条 凛音。小学生からの腐れ縁でまぁ親友だ。しかしどうやらこいつの辞書には緊張感てものが無いらしい……。
凛音「第一、夏輝も楽しんでいただろ?」
凛音は反省してるのかしてないのかよくわからないがまあ朝っぱらからいい笑顔で話しかけてくる。
夏輝「いや、まぁそうだけどさ。入学式前日の夜に人の家に来て徹夜でアニメを観るのもどうかと思うんだけどなー」
俺は反省しつつ反論してみるが、
凛音「そんな事よりさ。なつきー」
こいつは人の話より自分の世界らしい。
夏輝「ほら、もう人の話聞いてないし…。で何?」
呆れつつもさっきよりも少し深刻そうな顔をした凛音に問いかけてみるが、少しは反省したのかな?
凛音「マジでどうしよう・・・入学式。」
どうやら反省よりも先にどうやったら遅刻しないか思案中らしい。なので俺も一言、
夏輝「神様ー!どうかこのアホに天の罰をー!」
俺は両手を胸の前で合わせて快晴の青空に向かって叫んだ。
とまあ長かったが俺たちの現状を説明すると、
真新しい制服に身を包んだ俺たちは入学式前日から徹夜で某アニメシリーズをイッキ見するという荒技にでた為絶賛遅刻中なのである。完全に自業自得である。正直ちょっと泣きたい。
数分後、全速力で走る俺たちの前に目的地である私立星音学園が見えてきた。
凛音「お、なつきー。あそこじゃね?」
そうこうしてる内にどうやら目的地についたらしい。凛音が少し先にある大きな建物に指を指している。
夏輝「うん。みたいだなぁ。よかった間に合ったー」
よかった。入学初日から遅刻はキツイ。
凛音「だな。 ん? 門の前に誰かいるぞ?」
凛音が校門の前のに人影がある事に気付いたらしい。お、本当だ。だがまあ係員か学園の先生だろう。俺はそう思いそれを凛音に伝える。
夏輝「係員の人か学園の教師だろ?多分だけど」
俺がそう言うと凛音は考える素振りをして、
凛音「そうなのか?まぁ知らねーけど、あれ門閉めようとしてね?」
そんな事を言った。・・・ん、門を閉めようとしてる?、いやいやいや、それは無いって。
夏輝「まさか〜そんな事無いだろ」
あとどうでも良いけど何でこいつはさっきから疑問系ばかりなんだろ…
凛音「いや、してるって、門閉めようとしてるってー!」
どうやら言ってた事は本当らしい。隣で凛音が騒ぎ出した。てか、マジでやばい。
夏輝「マジか!どんすんだよ!入学初日から遅刻とか俺ヤダだぞ!」
俺も遅刻すると思い気が気じゃないが、横で凛音がふぅと息を吐くと一言、
凛音「大丈夫。俺もヤダだから!」
何も解決されなかった。
夏輝「何が大丈夫なんだよ!何も解決されてねーだろ!」
こいつはバカなのか?生粋のバカなのか?
すると凛音はいきなり名案発見みたいな顔で、
凛音「よし!とりあえず校門を飛び越えよう」
などと言い出した。
夏輝「何でとっさに出て来た考えが “校門を飛び越える” なんだよ!?」
俺が抗議すると、凛音は割と真面目な顔で、
凛音「でもやるしかねーぜ?」
と言う。なんで時々ちょっといい感じの雰囲気を出すのだろう。
夏輝「・・・まぁやるしかないか。」
しかし、こいつのこの思考回路に最近、疑問を覚えなくなったのは良いことなのだろうか。これが順応てやつか……。
凛音「そうと決まれば早速やるぞ!」
凛音が言う。
夏輝「了解、1・2・3でいくぞ」
俺は掛け声の指示をすると集中する。そして、
夏輝・凛音「1・2・3‼︎」ドッ‼︎ シュッパッ‼︎ ドスン!
………人の上に落ちた。
凛音「着地成功かな?」
夏輝「いや失敗だろ!」
中には入れたのである意味では成功かもしれないが。
凛音「いやー、間に合ったし、一件落着みたいな?」
夏輝「下に人いるから!」
俺と凛音が騒いでいると、
生徒指導「おい、お前ら遅刻した上に人に落下しておいて挨拶の一つもなしかー?」
どうやら学園の先生らしい。
凛音「ちょっ!遅刻はしてないしょ⁉︎」
凛音が抗議するが、
生徒指導「いや、閉まる直前の校門を2人して飛び越える時点で2人とも遅刻だろ………」
呆れ気味に先生は言う。すると凛音が、
凛音「仮に俺たちが遅刻してたとします。仮にですよ!そもそも遅刻が悪という認識が間違いなんですよ!警察は事件が起きて初めて動きます。ヒーローは遅れてやってくるのが定石です。それでも彼らの遅刻を責めるものがいますか!?これはもう逆説的に遅刻は正義なんですよ!」
凛音は本気で抗議をしてるらしい。ちなみに俺はそんな凛音にジト目を向けている。
生徒指導「・・・・・・・・何を言っているんだ。お前は?」
こいつは分かっているのだろうか?尤もらしい事を言っているが一つ間違えれば遅刻を認めているという事実に……。そりゃ先生も呆れるだろ。
俺が呆れてそう思っていると生徒指導の先生はおもむろに切り出した。
生徒指導「まぁとりあえず生徒指導室まで来い。遅刻とさっきの学園内での飛び込みの件でこってり事情聴取と説教してやる。」
先生は俺と凛音の腕を片方ずつ掴むと学園の校内にあると思われる生徒指導室まで連行し始めた。
夏輝「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!。これから入学式でしょ。出なきゃ俺たち入学が認められないじゃないですか!。」
俺が慌てて抗議すると
生徒指導「入学式ならもう始まっている。お前たちがそこの校門を飛び越えて来る5分前からな。」
先生は俺たちを連れて行きながらしかめっ面で説明した。
凛音「な、なんだと・・・。じゃあ今まで俺たちの行動は全部無駄だったと言うのか・・・。」
隣で凛音が俯きながらブツブツ言ってるが特に気にする事はないと思う。
そうこうしてる内に校内に入る為の職員用玄関にまで連れて来られてしまった。
生徒指導「さぁ、中に入れ。ここまで連れて来てやったんだありがたく思えよ。あと言っとくが、今から逃げようなんて考えるなよ。」
先生は玄関に入る前に俺たちに忠告したくれるみたいだ。
……全然ありがたくねー……
どうしよう絶対入りたくないんだけど。
俺がそう考えていると隣いる凛音が俺の耳元で、
凛音「なー、どうする夏輝?。ここまで来て何だけどここから一歩でも中に入ったら俺たちもう終わりな気がするんだけど・・・」
なんて事を言い出した。
どうやら凛音も俺と同じような事を考えていたらしい。
どうしようか、逃げようかなー、なんて考えていると、
生徒指導「・・・おい、お前らまさか本当に逃げようと思ってるんじゃ無いだろうな?言っておくが伊達に生徒指導してないんだ、お前ら2人程度で逃げられるなんて思わない事だ。」
するとこちらを向いた先生雰囲気が変わり、
生徒指導「まぁしかし、逃げるなら止めないがな。そん代わりタダで逃げられるとは思うなよ。」
次の瞬間、先生の体内から膨大の神威が溢れ出した。
夏輝「ちょ、ちょっと待って下さいよ!。俺たち入学出来ないのに説教されそうになってるし、その上何されんすか!?」
俺がそう言うと先生は、
生徒指導「なに気にするな。入学の手続きならあとで1人分でも2人分でもしといてやろう。ただここから逃げるなら容赦はしないて言う意味だ。まぁ私を倒して学園長の所に自分達で入学手続きに行くてのもあるが、私を倒したと言えば学園長も納得するだろう。あとで私は口添えしといてやろう、この2人は将来有望ですよーてな。ただし私を倒せたらだがな。」
どうやらこの人は口より拳で語る主義の人らしい……。
そうこうしてると隣からも神威を発する感覚する。
凛音「お、イイね。そう言うの。口で言うより分かりやすい!。」
そう言えば口よりも拳で語りたがる奴がもう一人いたわ……。
凛音は自身も神威を発し、やる気満々に先生と向き合った。
生徒指導「どうやら片方はやる気のようだな。何なら2人同時でも構わないぞ。」
どうやら神威を発し闘う気十分の凛音の姿が先生の闘志に火をつけたらしい。
凛音「やろーぜ、相棒!」
凛音は楽しそうにこっちに声をかけてくる。
生徒指導「どうする?“相棒”くん。まぁやらないて言っても結局やるしか無くなるど思うが」
どうやら闘う事は確定らしい
・・・ハァー、まったくしょうがないなー。やりたくなかったんだけどなー。
夏輝「まったく、凛音はしょうがないな。じゃあ先生、ふたりでやらせて貰いますわ。悪く思わないでね。」
どうやら俺も割と戦闘狂らしい。嫌よ嫌よも好きの内てか。
俺自身も神威を発すると拳を構え先生と向き合った。
生徒指導「それじゃあ始めるか。よーい、始め!」
気の抜けた掛け声と共に先生が飛び出して来た。予想以上の速さで迫る先生を迎え撃とうと俺と凛音も飛び出そうとした瞬間、
学園長「はい、そこまでです。」
いきなり知らない子が俺たちと先生の間に現れた。
・・・誰?・・・
学園長「全く、講堂に来ないので様子を見に来れば何をしてるのですかあなたは?………」
突然現れた女の子は先生を方を向くと喋り始めた。
生徒指導「これは、学園長。わざわざ探しに来て下さったのですか?」
先生の雰囲気が変わった。・・・ん、・・・待って・・・この小さい子が学園長⁉︎
生徒指導「ほら、お前ら挨拶しろ。この人はこれでも学園長だぞー。こんな小さくても学園長なんだぞー。」
先生は間延びした敬意も何にもない声で紹介してくれてる。
夏輝「こんな小学生みたいな女の子が学園長⁉︎」
俺が驚いていると先生が、
生徒指導「おいおい、小さくても捨てたもんじゃねーぜ。なんせ世界トップクラスのバケモンだからなー。ねぇー小学生じゃなかった学園長ー?。分かったらしっかり敬意を持てよ。」
その前にあんたが敬意を持とうよ・・・。
ほら、学園長涙目じゃん。
学園長「・・・月見先生、人が折角探して来てあげれば会って早々馬鹿にするとはいい度胸ですねー。」
あ、生徒指導の先生、月見て名前なんだ。今知った。だって自己紹介しないだもん、あの先生。あと学園長、笑顔が怖い。割と身長のことを気にしてるらしい。
月見「おー怖い、怖い」
月見先生はニヤニヤしながら怖いとか言ってる。絶対嘘だろ。
学園長「まぁ月見先生へのお話はあとにして、そこのお二方、新入生なのですね?歓迎しますよ。」
学園長はこちらに振り向き笑顔で話しかけて来た。ちなみに今の笑顔は怖くない。
夏輝「えっとー、はい、俺たち2人共新入生です。まぁ遅刻してしまったんですけど、俺たち入学出来ますか?」
とりあえず応えておく。沈黙は感じ悪いしな。
学園長「まぁまぁ、それは大変。でも大丈夫です、入学出来ますよ。でも今頃はもうクラス分け終わってるかも」
学園長は笑顔で応えてくれる。
夏輝「マジですか?」
学園長「えぇ、マジです。でも貴方達2人のクラスはもう決まってるから大丈夫ですよ。」
学園長は頬に手をあて俺の質問に応えてくれる。
でもあれ、俺たちクラス決まってるのか?入学式出てないのに?
夏輝「あのー、ちなみに俺たちのクラスはー?」
学園長「“Eクラス”です。」
夏輝「え?」
学園長「だから、Eクラスですよ。」
学園長は笑顔で言った。
説明しよう、星音学園は生徒の神威の総量や恩恵の強さによってクラスを分ける制度、クラスカースト制度を取り入れており神威の総量や恩恵の強さによってクラスが分けられるのである。ちなみに分け方は上からA、B、C、D、EとなっておりA組が最も強いクラスでE組が最も弱いクラスである。
神威や恩恵の話はおいおいな。
夏輝「え、マジですか?」
学園長「マジです。」
夏輝「一応、理由をお聞かせできますか?」
俺が問うと学園長は、
学園長「遅刻しましたよね」
笑顔で答えた。
………どうやら例外もあるらしく遅刻者は問答無用でE組行きらしい。
・・・笑顔が怖いよー学園長。
「 渾身の
笑顔が怖い
学園長 」
夏輝、心の一句。
こうして俺の高校生活が幕を開けた。