転生者で世界を救ったけどヒロインとか要りませんから 作:メンヘラのかけソバ
今回はエンディングその1「バットエンド」です。
ちなみに超駄文。
もっかい言う、駄文!
次回はちょっと時間を戻してグッドとかトゥルーのルートにする……つもり。
鉄扉の鍵が開く音がした。
重たいソレは金属特有の軋む音を立てながら、ゆっくりと開く。
扉の向こうにはノワールがいた。
「ノ、ノワール……」
俯いている彼女の顔は前髪に隠れ、伺い知ることは出来ない。
ノワールは覚束ないゆっくりとした動作でこちらに歩み寄ってくる。
トレードマークであるツインテールがゆらゆらと揺れた。
まるで亡霊の様、薄ら寒い何かを感じた。
なんでお前が?
どうしてこんな事を?
疑問は尽きない。しかし、それらは言葉になる事なく消えていく。
ノワールの様子がおかしい。普段の凛々しさが欠片も感じられない。
それどころかドロドロとした狂気の様な………俺が度々感じた視線と同質のものだ。
ならノワールは何者かに操られている?女神だからそんな事が出来るのかは謎だが。
しかし、そんな淡い希望はすぐに砕かれる。
「……とうとう気付いちゃった?私が貴方を監禁している事に」
声音は普段と変わらない。けれど、どこか狂気を孕んだソレに背筋が凍りつく。
自白。犯人は私だとノワールは言ったのだ。
「気づかなければ良かったのに……残念だわ」
ノワールは顔を上げた。
隠れていた顔があらわになる。
少しだけやつれた様にも見えるが、そんな変化は些細なものだろう。
ノワールの真紅の瞳は黒く濁っていた。
無論、比喩だ。
実際は変わらずルビーの様に煌めいているのだろう。しかし、俺には粘着質な泥のように見える。
「分からないって顔ね。でも全部貴方が悪いのよ?」
俺が悪い?俺が何をしたんだ?
それ以前に明らかに普通じゃない、ノワールの言う事が信じられるのか?
「私はこんなに、こんなに………。なのに貴方は私の事なんて気にも留めずにネプテューヌ達ばかり!」
己の胸を掻き毟るノワール。まるでのたうち回る獣のようだ。
そんな姿に戦慄を覚えながら、様子を伺う。
「そうよ、全部貴方が悪いの。貴方が私にこんな事をさせるのよ」
訳がわからない。
「俺の…何が悪いんだよ?言わなきゃわからないだろ」
声が上擦ってしまう。
俺は今のノワールを怖れてしまっている。
「………何がって…貴方のそういう所よ!何でもかんでも言葉にしなきゃ分かってくれないッ!」
興奮した様子で怒鳴り散らすノワール。
もはや俺の知る彼女ではない。
そう思ってしまったが最後。彼女に対する恐怖が一気に膨れ上がる。
自然と一歩後ろに下がってしまう。
「………そう。結局、私の事なんてどうでもいいのね?」
思わず引いた足を一瞥し、ノワールは表情を消す。
俺が下がった分、ノワールは近づいてくる。一歩また一歩と。
「どうして逃げるの?ねぇ?」
口を三日月の様に歪める。光を失った瞳と相まって人とは思えない。笑っているはずだ。なのにどうしてこんなにも無感動な顔をしているんだ。
不味い。鎖のおかげでもう下がれない。
このままではいけない。何がいけないかなんて分からない。
だが、俺の生物としての本能が警鐘を鳴らして止まない。
やがて、ノワールは俺の肩に触れた。
気味の悪い感覚が全身を駆ける。
体を内側から犯される様な悪寒。
力任せに押し倒される。
逆らえない。俺のスペックから見て抗うのは不可能ではない。しかし俺の四肢には力が入らない。
あまりにも急展開すぎてついて行けてないのだ。
せめてもの抵抗として、もがく。
けれど、俺に覆い被さる形になったノワールに抑さえつけられてしまう。
「暴れんなよ……暴れんなよ」
鬼気迫る表情でノワールは言った。
腕を握る手に入る力が強くなり、握り潰さん程だ。
もう理解が不能だ。
怖い、恐い。
この目の前のノワールであったナニカが途轍もなく怖ろしい。
しかし、ノワールは予想外の行動に出る。
一転して、頬を朱に染め、告げた。
「…好きぃ。大好き。鏡夜ぁ」
……………………はぇ?
好き?俺を?
は?いや、好きなのは良い。俺としては嬉しくはあるがホモだから関係ない。
何でこんな事になっている?
え?だってネプテューヌに告白された時は、こんなバイオレンスじゃなかったぞ?!
「どうして何も言ってくれないの?」
その言葉と共に握られた腕の痛みが増す。
「ッ…は、離してくれノワール」
「いや。絶対に離さない」
「私じゃダメなの?……それとも私の他に好きな娘がいるの?」
痛い。ノワールの爪が腕に刺さってる。腕に生暖かい流動体を感じる。
「ネプテューヌ?ベール?ブランかしら?アイエフとかコンパ?」
涙が出てくる。流れてはいないが、俺の目は溢れんばかりの涙を溜めているだろう。
「ふふふ、泣いちゃう?………可愛い」
ノワールは俺の腕を離し、溢れそうな涙を掬った。
彼女の指は紅く染まっている。涙と血が混じり合い、雫となりさらに指を染める。
そしてノワールはそれを舐めとった。
「……ノワール……俺はホモなんだ。女は恋愛対象として見れない」
恐怖を下し、どうにか告げる。
これで諦めてくれるはず……。
「そう?なら仕方ないわね。アレを使わないと」
あれ?あまりにもアッサリしている。もっと暴れるかと思ったけど。
ていうか、アレって何?
そんな事を思うとノワールは何かの錠剤を取り出した。
「これはね、人形を作る薬」
人形を作る?
「大丈夫。もう何度か使ったから」
………。
もしかして俺の食事の時に使っていたのか?!
「ふふ、あなたにご飯を食べさせる時に使ったわ」
「本当ならあなたのままで欲しかったけれど、贅沢は言えないわよね」
ノワールは袋から錠剤を取り出し、俺の口に入れた。
「安心して。私があなたのお世話してあげるから。大事に……大切にしてあげるから」
薬を無理矢理奥へと押し込められる。
「や、やめ……」
俺の喉を異物が通過した。
意識が薄れ始める。
同時に自分が失われていくのを感じる。
お…れは………
やがて鏡夜は人形と化した。
そしてノワールは意識を無くした鏡夜を抱きしめる。
「私の……私だけの鏡夜」
「ふふふ、もう一生離さない」
愛おしそうに鏡夜を見つめ、そっと口付けをした。
〜Fin〜
駄文過ぎる。
今度しっかり書き直そう。