転生者で世界を救ったけどヒロインとか要りませんから 作:メンヘラのかけソバ
お久しぶりでございます。
皆さんはこの厳しい猛暑の中いかがお過ごしでしょうか。
まだ暑い日が続きますがお体に気をつけて下さい。
「いいですか、ブラン様。これはチャンスです」
本を読んでいたブランにフィナンシェが語りかける。
周りに人はおらず、2人だけだ。
「…チャンス?」
「はい。それはもうサッカーでゴール前にいたらボールが転がってくるぐらいです!もしくは好きな人がフられて傷心になっているぐらいチャンスです!!」
「前者は良いとして、後者はチャンスなの?」
ごくごく平凡な疑問を挟む。
「当然です。傷心状態のその人を慰めて自分に惚れさせるんですよ」
得意げな表情で話すフィナンシェに少々引かざるを得ない。
「まぁ、そんな事はどうでも良いんです」
閑話休題。
ズレた話を元に戻す。
「鏡夜さんがルウィーにいます。これは紛れもなくチャンスです。このタイミングにアプローチせずにいつするのですか?」
「ぅう、それは………でも、具体的に何をどうすれば良いか分からないもの」
「選択肢は2つです。1つは白の女神らしく
指を二本立てブランに突きつける。
「ぴゅ、ピュア……」
「例えば、ルウィーは夏でも冷えますから『少し冷えるわね』なんて言って手を繋いだりです」
「…手を…繋ぐ……」
ブランは本で顔を覆い隠し、少々妄想の世界へと入り込む。
…………………。
やがて本から見え隠れしている顔が朱に染まった。
「はぁ……ブラン様、想像して照れるのは良いですが、この程度では鏡夜さんは何の反応もしませんよ?」
呆れたと言った様にため息をつく。
「な?!て、照れてなんかねェよッ!」
「照れ隠しにキレないで下さい」
ごもっともである。
「もう1つですが、それは真っ黒にです。その内容ですがここに魔法薬があります」
フィナンシェは懐から2つの試験管を取り出した。
鮮やかな青と赤の液体。どちらも見る分には綺麗だが飲むとなると激物に違いない。
「それは?」
「簡潔に言えばすんごい薬です。この薬の名称は
怪しい。途轍もなく怪し過ぎる。
「これは私が改良に改良を重ねた傑作です。使い方は簡単。対象にこの青い薬を飲ませ、自分は赤い薬を飲みます。するとあら不思議、青い薬を飲んだ人は赤い薬を飲んだ人に依存し始めます」
「…………」
「少し前までは飲んだ人の意識を奪って人形にする程度でしたが、臨床試験の甲斐もあり大幅な改良が出来ました。人の意識に干渉するのは思いの外難しいんです」
「依存の進行は少しずつですが最終的にはその人が居なければ生きていけないくらいになりますよ!」
フィナンシェの力説が終わり、辺りを静けさが包んだ。
「……フィナンシェ…」
「どうですか?私、ブラン様の為に頑張りました!」
「どうって……ドン引きよ…」
顔を青くし、口元を引き攣らせたブランがフィナンシェに答える。
すると、そんなバカなと言いたげなフィナンシェ。
「ドン引きッ?!は?だって私はブラン様に喜んで欲しくて頑張ったんですよ!?」
「その気持ちは嬉しいけれど、方法が外道過ぎるのよ……」
「そ、そんなぁ〜〜」
フィナンシェは膝をついた。
臨床試験(笑)の実験体に覚えがあるのは私だけだろうかw