転生者で世界を救ったけどヒロインとか要りませんから 作:メンヘラのかけソバ
私は今でも時々夢に見る。あの悪夢を……。
星の綺麗な夜。
最後の戦いを終えたキョーヤが天界から帰ってきた日。みんなで騒いでいたあの時。
私からすればほんの少しの時間。けれど彼の顔が見れなくて、彼の声が聞けなくて、それがどうしようもなく寂しくて、私は漸く気付いた。
違う、本当は分かっていた。だから正確に言えば確信に変わった。
私は彼が好きなのだ。
いつも筋トレばっかりして、プロレス雑誌を愛読している。いつも優しくて、とてもお人好しで、他人の為に平気で自分を犠牲にする。そんな彼が好きなのだ。
いつからだろう?私の頭を撫でる彼の手がとても気持ち良く感じたのは。
最初は良い人、その程度の認識。でも一緒に過ごすうちに彼の優しさに甘える様になってしまった。
私だって女の子、思いっきり優しくされたら惚れちゃうくらい簡単な女の子なのだ。
彼は誰にでも優しい、私にだけ優しいわけじゃない。
いつの間にか、それがどうしても嫌だと思い始めた。
私だけを見て欲しい、私だけにその優しさを向けて欲しい。
そして私を貴方の特別にして欲しい。
そう思って私は勇気を出して一歩踏み出した。
満点の星空、手を伸ばせば届く様な気さえする。
少し冷たい風はこれからの事を考え、上気した頬には心地が良かった。
「おい、ネプテューヌ?」
声が聞こえる。私の耳朶を打つ声は愛しい彼のもの。
「いやー、ごめんね。キョーヤ、パーティの途中で連れ出して」
薄暗いのはありがたい。これなら私の顔はハッキリとは彼に見えないだろう。羞恥に染まっているであろう顔はあまり見られたくない。
「いや、構わねぇけど、どうしたんだ?わざわざ外に連れ出すなんて」
分かってはいたがやっぱり鈍感だ。普通なら少しくらいこの後の展開を予想出来ても良い気がする。
「ちょっとキョーヤに話があるんだ。………大事な話…」
やはり口に出すのは難しい。どうしてもこの続きをなかなか言い出せない。
「大事な話?なんだよ、ソレ?」
朴念仁め。今はその鈍感さが恨めしい。
「えぇと、あの……その、ね?」
覚悟を決めろ、ネプテューヌ。私は不可能を可能にする女神なんだ。
為せば成る、当たって砕けろ、だ。砕けて欲しくないけど。
「その……私ね…」
「…キョーヤの事が…好きなの…」
言ってしまった。もう後戻りは出来ない。
「……………?」
キョーヤはポカンとした顔をした。
なんで、首を傾げるのさ?
「…………えぇと、これって告白?」
そして第一声がこれか。この男を殺しても良いだろうか、それ以外に何があるというんだ。
「…うん」
私は呆れながらも小さく首肯した。
彼は戸惑った様子で私を見ている。何かしらのアクションを起こすまで待ったほうが良いのだろうか?
「…ネプテューヌ、お前の気持ちは素直に嬉しい」
「っ!本当?!な、なら!」
嬉しい、そう言ってくれた。なら・・・
「けど、ごめん」
「お前の気持ちにはこたえられない」
………時間が止まった様な気がした。全てが凍りつき、動きを止める。
「俺さ………実は、男が好きなんだ!」
え?訳がわからない。告白にNOと答えられて、は?え?男が好き?
「俺はホモなんだ。女は恋愛対象としてみれない」
その言葉を最後に私の意識は暗転した。
私だったらこんな断り方されたら死にたいですね。まぁ、私は男ですけど。
ホモ成分がほぼゼロだ。これではこの作品の趣旨が・・・
自分で書いといてアレですが、誰だこれ?ネプテューヌじゃねぇ。
ちなみに主人公の名前は『