転生者で世界を救ったけどヒロインとか要りませんから 作:メンヘラのかけソバ
活動報告で書いたようにあまりの酷さにノーマルエンドを書き直しました。内容は別物と言って良いものとなっていますのでよろしければお読みください。
剣と呼ぶには不恰好なナニカの塊。目にも止まらない星々の輝きと共に大地を這うように疾走する。避けることは叶わず、また守ることも能わず。ただ、なされるがまま。頑丈な身体のおかげもあり、それらは僅かな裂傷を与えるだけだが、確実に己の肉体に刃を突き立て、引き裂いている。刻一刻と流れる赤は増し、着実に俺を蝕んでいる。刃が触れる度に知覚する負の感情。それは耐え難いもので頭の中で反響し、消えることがない。憤怒の罵声が、悲嘆の叫びが、憎悪の怨嗟が身体の中に流れ込んでくるのだ。今すぐにでも膝をつきたくなるほどの狂的な衝動が全身を駆け巡る。
しかし折れぬ。しかし潰えぬ。
俺には為さねばならないことがある。どれだけ闇にこの身が穢されようと諦めるわけにはいかないのだ。この混沌の渦の中、独り戦い続けなければならない。
クロの奴が全員を連れて行った。
既に恩人たる彼女もここを離れた。
残った俺がやれることは目の前の『コレ』をどうにかすること。勝つことは出来なくとも時間を稼ぐくらいは出来る。もはや生きる理由に乏しいこの身が役に立てるのであれば喜んで
しかし、やられてばかりというのは些か気に食わない。一矢は報いてやろう。聞けば『アレ』は神霊の類だそうだ。ならば俺の力が通じる。だが地力の差は歴然。差が明確ならば追いつくまで強くなれば良いだけのことだ。
文字通りに
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「死にたいならば死ぬと良い」
「所詮は小さな人間の生命だ。どうなろうと一向に構わないよ」
「しかしだ、まだ望みを持ちたいと言うのならもう少し生きてみてはどうか」
「君の心はあまりにも脆いんだ」
「少しは打たれ強くなるべきだと、僕は思う」
「君が偽物だと断じた絆は本当に偽物なのかい?」
「僕には答えを与えることはできないが、よく考えてみると良い」
「何が真に大切で、何を真に慈しみべきなのかを」
「君は本質を見極める眼を持つべきだ」
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「苦しいんだよ」
「自分が生まれて、自分が異質だと自覚したその時から」
「他人にとって俺は理解し難く、近寄り難い存在」
「時には疎まれ、蔑まれた」
「人は嘲笑いながら俺の愛を踏み付ける」
「誰もが俺を理解したように、俺の全てを知ったかのように振る舞う」
「何を分かっているというんだ」
「どれだけ俺が想ってもお前たちは否定する。拒絶する」
「もう疲れたんだよ」
「ようやく見つけたと思った絆さえも仕組まれた運命だったんだから」
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僕の所為かい?余計なことをしたと、そういうのかい?けれど、言っただろ。彼女たちとの出逢いこそ作為的なものだったが、想いは別だと。君は信じられないのか?今まで過ごした時間をどうして簡単に否定してしまうんだ。
否定はしたくない。俺だって信じていたい。だけど、どうしようもなく不安なんだよ。全てが偽りで、総てがまやかしなんじゃないかって。お前が出逢い以降の関与を否定しても、もしかしたらその出逢いで現在が型作られているのかもしれないじゃないか。
君は弱いね。力はあれど、それを振るうに値しない弱い心の持ち主だ。アンバランス。よくもここまでやってこれたよ。肉体の苦痛に精神がついてこないだろうに。なら休むかい?永遠の眠りは案外近い場所にある。
それ以外に俺がこの苦しみから解放される手段があるのか?もはや何も信じることが出来ない俺が出来ることがあるのか?
まだ取り返しはつくだろう?無数の辛さと悲しみと苦しみを味わったというのならばもう少し味わうといい。もしかすれば君はもう一度信じられるのかもしれない。
無理だ。もう俺にはもう。
無理だ。出来ない。疲れた。便利な言葉だね。君はそうやって逃げているだけだろう。世界の終焉に立ち向かった勇気はどこへ消えた?
あれは………、偶然だ。色んな偶然が重なり合って俺みたいな奴にも出来たんだ。
僕はね、これでも後悔をしているんだよ。良かれと思った事とは言え、却って君を悪い方へと導いてしまった。だから全力を尽くして君を良い方へと連れたい。
……………。
生命とは尊くあるべきだ。死とは尊厳あるものでなければならない。絶望の果ての自殺など哀れだ。あまりにも無様と言わざるをえない。ゆえにもう一度で良い、魂の輝きを見せて欲しい。そうしてその輝きと共に散って欲しい。
なら俺は……どうすればいいんだ?
言っただろう、全力を尽くすと。僕に出来る全てで君を生かそう。旅に出るのはどうだい?失ってしまった色々なモノを探す旅。旅は道連れ、世は情けなどとも言う。都合良く、君がまだ信じることが出来るハズの彼女がいる。
俺が信じることが出来る?
次元の旅人を自称する彼女だ。彼女は君が生きた次元の者ではない。だから僕は一切干渉していない。彼女との交友を疑う理由はないはずだ。
大きいネプテューヌのことか。
どうだい?今僕達はより高次空間での対話をしているが、普段僕らが会話をする特異空間に、これまた都合良く彼女がいる。タイミングが良い。この選択こそが至高と信じるよ。
…………。
まぁ、君次第だ。好きにしたまえ。
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目の前の『闇』が蠢き、口を開いた。
「お前は何故、刃向かう?」
何故だと?全てはあいつの為だ。色々と世話になったからな。その義理を忘れるほど俺は薄情じゃない。
「我が闇は救い。報われぬ者の魂の叫びがお前にも聞こえるだろう?彼らの望みを叶えるのが俺の役目だ」
「魂の叫び?この耳障りなノイズのことか?」
その魂の叫びとやらは、さっきからウザいんだよ。望みを叶える?この何某はどれだけ曲解しているんだ?お前は苦しみの声しか聞こえないのかよ?
「苦しいからこそ、幸せを願うんだろ?お前がやってる事はそいつらにとっての幸せなのか?」
もしそうならば消えるべきだ。自分の不幸だけを嘆いて他を傷つける、そんな悲しい存在は生まれた事さえも間違いだ。
『闇』がどれだけ栄えようと抗う者が絶える事はないだろうよ。もしいなくなったのであれば、それはお前だけが残った無残な世界だ。
正義だなんて言うつもりは毛頭ない。だが反する者の覚悟を証明しよう。
『紙様、俺の中の何でも。とにかく代償として小さいものからレベル上げに使ってくれ』
これから先が本番だ、『
〜normal end〜
世界観は割と共有してる自作です。
改稿前設定は変わらず、鏡夜のレベルは私換算で51。
突貫工事だったので誤字脱字とうあればご指摘ください。
いつも通り感想、評価、お気に入りは大募集でございます。