転生者で世界を救ったけどヒロインとか要りませんから   作:メンヘラのかけソバ

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ついに最終話でございます。
色々無理やりかつ、杜撰な部分も多いですがご了承いただければと。
最後にも関わらず拙いもので申し訳ございません。
それではどうぞ。




ラストホモ

 

ああ、もう面倒だ。

ごちゃごちゃ考えるのは俺のガラじゃない。

なんだかんだ最後は暴力で解決してきたのが俺だ。なら今回だって暴力で解決すればいい。

 

壊れるならそれまで。

壊れないなら壊れるまで。

 

無価値に成り下がったあいつらを潰せばいい。

そう自分に言い聞かせる。

 

それで少なくとも俺を悩ませる靄は消える。

 

 

 

プラネテューヌ。

やはりネプテューヌだ、あいつだけは潰さなければならない。その後に他の三人も蹴散らせばいい。

 

 

 

▲▽▲▽▲▽▲▽

 

 

 

どうしてこんな事になっているのだろうか。

 

気づけば自分はキョーヤと対峙していた。人間を遥かに超え、物理法則を何処かへ放り捨てた猛攻をなんとか受けながら考える。

 

突如としてプラネテューヌの教会に現れたキョーヤは私の胸ぐらを掴み、窓ガラスへと投げつけた。もちろん、それなり以上の衝撃が身体を襲って、砕けたガラスに皮膚が裂かれる痛みもあった。なんとか変身し、宙を飛べば砕け散った窓から飛び出したキョーヤに地へと叩き落される。

 

理解が出来なかった。

なぜ自分はキョーヤに攻撃されているのだろうか。模擬戦だとか手合わせとかそんなレベルじゃない。キョーヤは私を殺しに来ている。

愛想はないが優しかったハズの彼の目は諦観の色を帯び、冷たい刃のようだった。

 

「キョーヤ、一体どうしたのよ…?どうしてこんな…」

 

「もはや言葉に意味なんてない。話したところで理解なんて出来ない。何時まで守るつもりだ?死にたくないなら俺を殺しに来いよ」

 

会話が成立しない。

先ほどからずっと彼は戦えと告げる。

 

ジリ貧なのは明白。

もう数分の間でも打ち合えば自分の太刀は砕けてしまうだろう。そうなれば本気でキョーヤは私を殺す。そんな確信があった。

 

音を置き去りにした巨岩を砕く拳。真正面から太刀をぶつければ切り裂くことなく壊れてしまう。ゆえに僅かにズラし、逸らすように弾く。神経をすり減らす細かな技術は絶え間なく振るわれる四肢を相手にするには分が悪すぎる。

 

空へ飛び上ろうにも下手な高度ではキョーヤに隙を与えるだけ。ほんの一瞬でキョーヤの届かない高さまでの飛翔は不可能だった。

 

 

 

 

そして長くはない拮抗を終え、限界を迎えた。

 

回し蹴り。

太刀の側面を振るわれた右脚が叩きつけ、ついに折れてしまった。

 

「しまっーー!?」

 

すかさず放たれる拳。

鳩尾を抉るように打ち付けられる。

 

「ーーーッ!!?」

 

呼吸が止まる。

身体の中をかき回すような衝撃。

本当に口から臓器が出るのではないかと思うほどだった。

 

膝をつき、身体が地に伏せる。

 

「……ァぐゥ……ケホッ…」

 

「だから言ったんだ。真面目に戦えってな」

 

変わらず冷たく見下ろすキョーヤ。

 

しかし、私はそこに少なくない動揺を見た気がした。

 

「お前に俺を理解出来るか?」

 

「俺が何を思って今までやってきたのかを」

 

何を言っているのだろうか。首を傾げざるを得ない。

 

「全てがまやかしだった。幻想だった。そこにあると信じていたのに、そこにはなかった。作為的な出会いに、決定づけられた好感度。俺が自分の力で手に入れたのではなく、与えられたものだった。ああ、何を言ってるか分からないだろう。分かるわけがない」

 

諦観の色が濃くなる。

どうして裏切られたかのように私の顔を見るのだろうか。そんなにも苦しそうにしているのにどうして何も話してくれないのだろうか。

 

「何を語ろうと無駄だったな。もうお前らは切り捨てるって決めたんだ。余計なことをせずに終わらせようか」

 

未だ立ち上がれない私の首にキョーヤの手が当てられる。そして徐々にその締め付けが強くなっていった。

 

「悪いな、俺は武器とか持ってねぇから殺すとなると少し辛いんだわ。我慢してくれ」

 

気道が塞がれ、肺に酸素の供給が途絶える。

思考が纏まらなくなる。欠乏を訴えているのだろうか。

 

 

 

それでも彼の変調を私は見逃さなかった。

 

 

 

「…キョ…ヤ、どうして…泣、いて…ぃるの?」

 

「なに?」

 

キョーヤは涙を流していた。

冷たい表情のまま雫が頬を伝っていた。

 

手が首から離れる。

 

気づいてなかったのだろうか、確認するように目尻を拭った。

 

解放され、一気に空気を体内に取り込んだ。

咳き込みながらもキョーヤに向き直る。

 

「何が悲しいの?何がそんなに苦しいの?私では力になれないの?」

 

きっとキョーヤは話してくれないのだろう。マジェコンヌとの戦いのときもそうだった。普段は愉快犯、人に迷惑をかけてばかりのくせして重要な時は1人で背負い込もうとする。そのくせ都合が悪くなると人に責任をなすりつけるクズでもあるけれど。

 

「黙れよ」

 

「私には分からない。あなたが何を思ってきたのかなんて。でも私はあなたに沢山助けてもらったわ。あなたがいなければきっと私は潰れてしまった」

 

「黙れっての!」

 

ここで退けばキョーヤには二度と触れられない。今だけがこの人に近づくことが出来る、最初で最期のチャンス。今までそこにいるのにいないような、曖昧な雰囲気を醸すこともあった彼の本当の姿をようやく捉えた気がした。

 

「私が悪いの?何かしてしまったかしら?」

 

切り捨てるなんて言っていたが、そんなこと出来ていないのだろう。甘い性格がゆえか。絶えず涙を溢す瞳が揺れる。

 

静かな時が流れる。

 

 

逡巡、キョーヤはゆっくりと口を開いた。

 

「…違う。悪いのは全部俺だ」

 

「クソ神が言ってた。過程こそ人為的なものだけど、結果は俺が作ったと。でも俺は臆病者で信じることが出来なかった。全部、逃げた俺が悪いんだ」

 

先ほどから分からない部分があるが、それは今は置いておく。なんとなく分かった。割とチキンな彼は何かを怖れている。

 

私は手を伸ばす。

あなたの力にならせて欲しいと。

 

しかし彼はその手を振り払う。

涙を流したまま、決別の時なのだと。

 

「お願い、キョーヤ。あなたのそんな苦しそうな顔は見たくないわ」

 

一歩、彼へと歩みよる。

今度は拳が襲った。

 

再び、歩を進める。

次は脚が振るわれた。

 

腹を殴られたダメージも抜けてないなか、首まで締められていたのだ。まともにそれらを受けてしまう。

威力はある。私を地へと沈めるのには十分過ぎるほどに。なのに何故だろう、とても軽かった。中身がない。乗せられるべき殺意が欠如していた。

 

「もう、……斃れろよ」

 

懇願だった。頼むから斃れてくれ、そうキョーヤが告げていた。

 

「いやよ、今回は退かないわ」

 

膝をついたなら立ち上がり、倒れたならば起き上がる。意地でもキョーヤに私の助けを認めさせてみせる。

 

 

 

 

 

 

 

何度倒れてしまっただろう。

キョーヤの抵抗は終わりを告げた。

 

変わらず涙しながら、彼は震えていた。

 

「…手が……手が痛いんだよ、拳を握れないほどに。もう脚だって上がらない」

 

あり得ない。彼は傷を受けていないからだ。それに拳が砕けるような事にもなっていないはずだ。

 

むしろ身体中の骨が折れているんじゃないかと思うほどに動けないのは私の方だ。

 

 

 

ああ、でもようやく理解出来た気がする。

 

 

砕けてしまったガラスのようなソレは触れることすら許さず、抱きしめようものならズタズタに引き裂く。

けれど構わない。傷つく事を恐れていて真に理解など出来るわけがないのだから。どれだけ血が流れようと凍りついてしまった貴方の心に私はもう一度だけ触れたい。

 

 

「キョーヤ、私はあなたが好きよ。傷つくのは怖くない、だからあなたの力にならせて」

 

 

 

▲▽▲▽▲▽▲▽

 

 

 

 

 

 

 

 

今現在の俺はT○TAYAの帰りだ。

 

 

 

さて、状況を理解出来る奴が何人いるかな。

 

端的に言おう、今までごちゃごちゃやってきたが時間軸的に最も後ろなのが1話だ。つまり2話からは全部回想。で、今回想が終わったので1話の時間に帰ってきたわけですよ。

 

はぁ?とか思ったやつ。仕様だ、諦めろ。

 

 

 

話を戻すとAVを返却してきた。(1話参照)

正直、なんで俺がこんな事してるんだろうなぁとか思ったけどさ、イストワールさんに怒られるのも嫌だし。

 

既に日も暮れかかり、黄昏がプラネテューヌの街を鮮やかに染めている。街路をいく人々もにわかに活気付き、夜を待ち切れないとばかりに喧騒が生まれていた。

 

 

 

ホモビは借りなかった。

なんというか、気分じゃない。

 

思えばネプテューヌがあそこまでの強硬策に出るのは珍しかった。羞恥からか半泣きだったし。変身前なら適当に誤魔化すんだろうが、変身した所為で無駄に気負ったからだな。

 

きっと最近は構ってやらなかったからだろう。

拗ねた結果かな。教会出る時にアイエフにも言われたし。

 

なんでか玄関の扉に背中を預けて、俺を待ってた。その姿には思わず目を見開いたわ。正直、痛かったです。

 

あとキメ顔っぽく、「少しはネプ子とも遊んであげなさい」とか言われた時はその格好良さに惚れそうになった。流石は中二病。流石はゲイムギョウ界に咲く一陣の風(白目。

 

 

とまぁ、そんな事があったので今日くらいはあいつのゲームにでも付き合ってやろうと思ったわけですよ、俺ってば優しいね。

 

 

 

▲▽▲▽▲▽▲▽

 

 

 

さて教会に戻ってまいりました。

入って直ぐにイストワールさんに会った。

どうやら俺が何をされてたか知っているようで気の毒そうな顔をされた。

 

知ってたなら助けてくれよ、なんて青い顔をして胃薬を飲んでたイストワールさんには言えるわけがない。ご愁傷さまです。

ところでイストワールさんは壊れたら何処行けば良いのか、普通に病院か、それとも電気屋か。

 

しかし相変わらずこの教会は居心地が悪い。

だって教会職員の皆さんが親の仇かのように呪詛をブチまけてくるんだもん。針のむしろ。ロリコンはルウィーだけで十分だろ、と思ってたがロリコンではなくネプテューヌと色々やってる俺が憎いらしい。意外と好かれてるよねって話だ。

 

 

 

 

背中に沢山の呪いを受けて、ようやく辿り着いたネプテューヌの私室。

例のごとく、ノックもせずに少し覗き込んでみる。これは中にいる人の行動をからかう為だが、稀に見られて困る事をやっているから、やる時は気をつけろよ(戒め。

 

 

 

 

ふむ、一言で言おう。

 

紫の女神様は不貞腐れている。現在進行形でだ。

 

「キョーヤのバカ」

 

突然、バカにするな。バカって言う方がバカなんだぞ(小並感。

 

「キョーヤのアホ」

 

「キョーヤのホモ」

 

最後のは合ってる。

 

「折角私が遊んであげようと思っても、いっつも忙しいとか、疲れたとかそんなのばっかりじゃん」

 

実際、疲れるんだよ。あとはバイトとか忙しいし。

 

「私がゆーわくしたって無反応だし。少しくらいはキョドったりするよ、普通!」

 

たとえホモじゃなくても子供のゆーわくとやらに欲情はしねぇだろ。ここの教会職員はしそうだがな。

 

「私が男になったらキョーヤも遊んでくれるかな……」

 

血迷うな。

 

 

血迷うな。

お前は女神様。女の神様だから成立しなくなるよ。

 

「女神の仕事はネプギアに押し付ければ良いしね」

 

お前はネプギアちゃんとイストワールさんを殺す気か?イストワールさん本当に限界そうだぞ。

 

「逆にキョーヤを女の子にしたら、ホモからレズに変わったりしないかな」

 

しない………と信じたい。

多分だが、俺が女になったら男が好きな普通の女の子だから。というか、性転換の話やめようぜ。背筋が冷えるよ、お前の顔を見てると。

 

そろそろ声をかけるか。

人には知られたくない一面くらいある、それを見たら後戻り出来ないんだぞ。ソースはノワールに絡まれた俺。

 

「ネプテューヌ、暇ならゲームでもしねぇか?」

 

調子に乗ってデートとか言われる前にゲームに限定しておこう。

 

「キョーヤ、不法侵入っていうんだよ、そういうの」

 

あんまり驚かないのな。

 

「ああ、人のアパートにいつの間にか忍び込んでるだけあって詳しいな」

 

ガサゴソしてるネプテューヌ。

 

「ふふふ、そんなことはどうだって良いじゃん!ゲームしに来たんでしょ?しょうがないなぁー、私が付き合ってあげるよ!」

 

良くねぇよ。

そして彼女はガサゴソして見つけたであろうコントローラをこちらに手渡す。

 

「まぁ、いいか。お願いするよ、女神様」

 

「まっかせて!私が一から教え込んであげるよ!」

 

やはり言われた通り俺は甘いのだろう。

でも、そんな満面の笑みを向けられたらどうしようもないじゃないか。

 

この後、一晩中付き合わされたのは言うまでもない。

 

 

 




以上で、「転生者で世界を救ったけどヒロインとか要りませんから」の本編は取り敢えず終了となります。
約半年と少し、多くの皆様に支えられここまでやってくることが出来ました。本当にありがとうございました。
今後は季節ネタで番外編などをあげることがあるかもしれません。その時はどうかお読みいただければと思います。
もしくはアンケートを活動報告で実施。面白い案を元に番外編を書くなどやろうかと思っております。活動報告は既に作ったので何かあればお気軽にどうぞ。

あとは今更感ありますが、評価とか投げていただければ。
感想もなにかあればお待ちしております。

最後にもう一度
皆様、本当にお付き合いいただきましてありがとうございました。

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