Preghiera di duo~月に祈りを星に願いを~ 作:紅 奈々
この作品のタグを募集しています!!
タグの応募は、コメント欄に「タグ「~~」」とコメント下さい!
あまりに応募者が多い場合は、作者の気紛れで採用させて頂きますw
採用された方にはトマト100年分贈呈しますので、どうぞ、ご応募下さい!!w
*トマト100年分は流石に冗談です←
応募、お待ちしておりま~すww
2018/4/21
手直し完了。
†標的1
朝日が窓から差し込んで、瞼の裏を明るく照らす。
自然的に意識はゆっくりと浮上し、小鳥の
朝の6時。
彼の目覚めは順調だった。
ゆっくりと瞼が開かれ、そこには、木漏れ日の差す森林のような綺麗な翠の瞳が現れている。
左目は長く綺麗に整えられている
彼はゆっくり起き上がると今まで窮屈に布団に埋もれていた上半身を伸ばして、ベッドから出た。
立ち上がった彼は1メートル70センチはあるだろう、長身のスタイルに太腿くらい長い髪が特徴的と言えばいいだろうか。
目鼻筋が通った顔は紛れもなく、彼が日本人ではないことを物語っており、その目つきの悪い三白眼の目尻には、雫の先を十字に並べた白いタトゥーがある。
彼は、
日本人の名前ではあるが、これは日本に国籍を一応置いている為に名前を日本名にしているのだ。
彼はクローゼットを開けると、白いシャツと黒い学生ズボンとベストを取り出し、着替え始めた。
その様子を不思議そうな顔でじーっと見つめる視線があった。
それに気付いた弥王は、着替え終わった所でしゃがんで、手を差し出す。
「今日から学校なんだよ。
ララァも途中まで一緒に来るか?」
ふわり、と優しく微笑んだ声は柔らかなアルトの声で、まだこの少年が声変わりをしていないことが窺える。
若しくは、声変わりは終わったが、そこまで声の変化がなかったのだろうか。
優しく声を掛けてきた主人に嬉しそうに「なーん」と鳴いて、黒い子猫は主人の手を伝い、肩に上る。
肩に上った子猫――ララァは、弥王の頬に顔を擦り寄せた。
その開けられた喉を指で擽るように撫でれば、嬉しそうにゴロゴロと喉を鳴らしている。
ララァを撫でながら、弥王はキッチンへ向かった。
―― ――
「あ、おはようございます、
キッチンに入るなり、可憐な声が弥王に飛んできた。
キッチンには10代後半くらいのメイドが居て、朝食でも作っているようだった。
水色の肩までの髪をツインテールにしている彼女は、メリア・クライ。
優しげな紫の瞳がとても印象的な少女だ。
彼女は、弥王の両親の友人の子で、幼い時から姉弟のように仲が良かった。
朝からメリアの顔が見られるなんて、なんて良い日だろうか、今日は。
「あぁ、おはよう、メリア」
頬を綻ばせて、弥王は挨拶を返す。
メリアが朝食を作っている隣で、弥王は弁当とクッキーを作りだす。
これは毎朝の習慣で、メリアは特に何も言わない。
何でも他人任せにするのが嫌いな弥王は、最低限のことは自分でしていた。
他愛ない話をしながら、弥王は鞄に弁当とお菓子を詰めていく。
勿論、鞄の中には教科書も入っているが、帝王学で大体、高校生修了までの頭脳はある。
特に一から中学に態々通わなくても良いだろう、と思った所で弥王は思考を遮った。
何かが近付いてくる気配がしたからだ。
弥王は食卓より数歩離れた扉に目をやった。
そして、その気配の主は数秒後には扉を壊れんばかりにバァァァアン!!と開け放つ。
「ご主人様ぁぁぁああ!!」
朝から馬鹿でかい声を張り上げ、頭から爪先まで全身が黒に覆われた黒縁眼鏡の男性が弥王に近付く。
唯一、シャツの色と肌が白く、ぱっと見は某推理アニメの全身黒タイツの犯人の様な風貌だ。
弥王は馴れているのか、耳を塞ぐことはなかった。
「うるっせぇ!」
不快を表す様に言いながら、弥王は男性に回し蹴りを食らわせた。
長い足は綺麗な半孤を描いて、男性の腹にクリーンヒットする。
容赦のない弥王の蹴りを食らった男性の呻き声など気にも留めずに、弥王は鞄の準備に勤しんだ。
――こいつに構ってる時間はない。
弥王の態度がそう言っているかのようだ。
男性はめげることなく立ち上がると、弥王に声を掛けた。
「ご主人様!! ご登校されるなら、この私が……」
「だが断る」
「ご主人様ぁぁぁぁああ!?」
「っるっせぇ!!」
「ご登校されるなら、この私がお送り致します!」という男性の申し出が解ったらしい弥王は、男性の言葉を冷静に遮った。
すると、遮られた本人は遮られるなんて、しかも断られるなんて夢にも思っていなかったのか、断られて絶望したとでも言いたげにムンクの「叫び」の様な顔で声を上げて、弥王に今度は膝を入れられた。
弥王の膝は、綺麗に寸分の違いもなく、彼の鳩尾に入る。
「ご主人様ぁぁ……」
蹴られた痛みに男性は顔を蒼白にし、腹を抱えて蹲る。
着痩せして解らないが、鍛えられた体にはダメージは少ないモノの、それでも弥王の蹴りは一般の男子のそれよりも重いので、お腹を押さえて蹲り、呻くほどには痛かったらしい。
その一部始終を呆れた様な顔で砕かれたクッキーを食べながら、ララァは見ていた。
そんな不憫な扱いを受けたのは、メテーオラ。
黒髪に黒縁眼鏡が
弥王曰く、ダメダメ執事とのこと。
メテーオラへの制裁が終わり、鞄の準備が出来ると、丁度餌を食べ終わって満足そうな顔のララァに手を差し出した。
「行くぞ、ララァ」
「なーん」
哀れなメタ―オラを一瞥して、ララァは嬉しそうな声と共に弥王の手を伝って肩に乗った。
それを確認すると、弥王は食堂を出て、エントランスの右にある扉から、外に出た。
直射日光が目に染みて、思わず弥王は目を細める。
10月だと言うのに、まだ夏の暑さが尾を引いている為、秋らしく温かい気温とは言い難い。
それにうんざりしながら、弥王は街に続く小道を歩いて行った。