Preghiera di duo~月に祈りを星に願いを~   作:紅 奈々

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今回は京子&京子の母親SIDE。

京子の母親SIDE→京子SIDE


標的3

あの後、京子と母親は弥王の家を出て、帰路についていた。

京子の母親は家から出た後、ずっと考えていた。

まさか、京子が虐められている原因が京子が木吉を虐めているからその自業自得ではなくて、木吉に嵌められた上で虐められていたなんて思わなくて、京子に今まで酷い事を言っていた。

何故、自分の娘の言う事を信じられなかったのか、と京子の母親は自責の念に押しつぶされそうだった。

 

 

「京子」

 

 

何を言えばいいか解らないまま、京子の母親は京子に声を掛けた。

京子はまたきつい事を言われるのかと思った様で、「はっ、はいっ」と上擦った声で返事をした。

それに胸が痛くなる、母親。

ここまで自分たちは京子を追い詰めて苦しめていたのか。

母親は京子の頭を撫でた。

突然の母親の態度に京子は目を見開いた。

 

 

「あの、神南・・・・・・弥王君、だっけ?

あの子はどんな子なの?」

 

 

京子が驚いている事を気にせず、母親は京子に問い掛ける。

すると、京子は更に驚いたように目を見開いていた。

たっぷり5秒はその顔で母親を見上げていたが、京子は軈て微笑んで弥王について語り始めた。

 

 

「弥王君はね、頭が良くて運動神経抜群で強くて優しい、夜空みたいな神秘さを持った不思議な人だよ。

そして、とても暖かいんだ」

 

 

母親は、はにかみながら白い頬をピンク色に染めて言った京子の顔を見て、京子が弥王を好きである事が容易に解った。

最近、京子の笑った顔を見ていなかった気がする。

こんなに嬉しそうな京子の顔は初めて見たかも知れない、と京子の母親は思った。

 

 

「私ね、弥王君が来てくれたから・・・・・・助けてくれたから、あの学校でも頑張れるって思ったの。

弥王君が来なかったら、私は・・・・・・」

 

 

憂い気な暗い京子の顔を見た時、京子の母親の中では答えが決まっていた。

 

 

「京子、あのね――――――――」

 

 

京子の母親の次の言葉に、京子は目を見開いた。

 

 

 

「きゃっ!!」

 

 

食器が割れる音がリビングに響いた。

リビングには京子の母親と父親、兄である笹川了平、そして、京子が居た。

京子は兄である了平に殴り飛ばされて、食器棚に背中を強打した。

強く打った背中も痛いが、殴られた顔も痛い。

何より、どんなに説明しても、了平は「そんな筈はない」と京子の言葉と母親の言葉を聞かないのだ。

京子は了平を睨み上げた。

そんな京子の態度が気に入らなかったのか、了平が「何だ、その目は」と不快を露わに冷たい目で京子を見下ろす。

 

 

「お前が自分で招いた結果だろう!

それに他人を巻き込むなど、可笑しいではないか!!」

 

 

もっともらしく聞こえるが、そもそもこんな事になったのは、了平や両親が自分を信じてくれなかったからだ。

京子はいつでも訴えていたのに、それを信じてくれなかったから、こんな事になったんじゃないのか。

そう捲し立てる京子に向かい、了平の拳が振り上げられた。

殴られる――――!!

京子は目を固く閉じた。

いつまで経っても痛みが来ない。

それを不審に思い、目を開けようとした時だった。

 

 

「男の癖に自分よりも小さく、弱い者にしか手ぇ上げられねぇのか?

――――それも、こんな天使の様に可愛く、弱くて小さな女に、だ。

情けねぇな、ボクシング部の主将さんよぉ?」

 

 

この声は・・・・・・?

突然、耳に入った声に自分の耳を疑う。

まさか、ここに彼が居るわけがない。

京子は恐る恐る目を開けて、見上げた。

すると、視界に入ったのは紫の長髪と、驚きに見開かれた兄の顔、振り上げられたまま掴まれた兄の腕。

 

 

「み・・・・・・お、く・・・・・・ん?」

 

 

呆然と京子は目を見開く。

その乾いた唇からは、ポツリと小さな呟きが漏れた。

弥王君が、何で・・・・・・?

呟きが聞こえたらしく、弥王は了平の腕を掴んだまま顔を京子の方に向け、微笑んだ。

 

 

「迎えに来たぜ、アンドロメダ?」

 

 

「な・・・・・・っ、何だね、君は!?」

 

 

突然の乱入者に狼狽した声を上げる、京子の父親。

その声を辿って目を向けると、その父親の後ろで母親がほっと息を吐いているのが京子の目に映った。

その京子の母親の手には、弥王から貰ったらしい、白い紙が握られていた。どうやら、母親が弥王を呼んでくれたらしい。

 

 

「・・・・・・鎖に繋がれたアンドロメダを迎えに来た、天馬に乗ったペルセウス・・・・・・とか、ベタすぎますかね?

まぁ、その様なモノなので、京子さんを預かっていきますね」

 

 

不敵に笑い、そんな言葉をさらっと言った弥王の言葉に京子は顔が紅くなるのが解った。

ふわっと、浮遊感を感じて直ぐに、温もりが体を覆った。

京子は弥王に抱き上げられて、京子の家から出て行く。

その時に母親と目が合い、弥王は母親に頭を下げる。

母親も同じく頭を下げると、京子に頷いて、微笑んでいた。

 






弥王がキザいキャラに;;
まぁ、これはこれでありなのか;;
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