Preghiera di duo~月に祈りを星に願いを~   作:紅 奈々

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京子がまさかの――――!?


標的2

長く感じた屋敷への道のりを無事に帰り着き、弥王は自室のユニットバスでシャワーを浴びていた。

温かい湯を浴びて、やっと生き返った弥王は取り敢えず、誰が相手だろうと叩きのめして自分がリングを勝ち取ればいい、と開き直る。

考えても仕方ない事だ。

殺してしまえば関係無い。弥王はそう思う事にした。

そんな事を思っていたら、不意に右肩に視線が止まる。

 

・・・・・・いつ見ても、汚らしいな。

弥王が見ている右肩には、少し大きめの傷痕がある。

この傷痕を見る度に弥王はあの忌々しい過去を思い出す。

エストラーネオファミリー。

ルーン家を襲撃して、弥王に非道な人体実験を繰り返していたマフィアだ。

その他にも、孤児を拉致したりして非道な人体実験を繰り返していた。

それは、幼い日の骸がそのファミリーを壊した事により、そのファミリーは終わった。

もう、遠い過去の事だ、と割り切って忘れたいが、どうしても忘れられない。

自分の声を聞く度にそのことを思い出す。

この声も、実験の末に変わってしまったのだ。

何もかも、忘れたいのに忘れられない理由はそれだった。

 

弥王は湯気で曇った鏡に湯を掛けて、鏡面をクリアにした。

すると、自分の顔が鏡に映る。

右目に流れる前髪を掻き上げてれば、蒼い目が見返してきた。

そう、弥王はオッドアイだった。

いつ見ても、不気味な色だ。

弥王は自嘲した。弥王の自嘲癖は今に始まった事ではない。

鏡に映る自分を見ていたら、今度は首にうっすらと蚯蚓腫(みみずば)れの様な痕があるのが見えた。

その傷痕に触れると、首に爪を立てて掻き毟った。

 

この低い声も、この傷痕も・・・・・・全て、あの時の人体実験が原因だ。

弥王の声には特殊な声質が混ざっていて、それに着目したエストラーネオは弥王の声帯を弄くりまくった。

そして、弥王は声が低くなってしまったのだ。

それは、その能力で殺戮させる為だった。

首の傷痕を見ると、その実検の時の屈辱を思い出す為、弥王はいつしか首筋を傷付ける癖を持っていた。

今現在は引っ掻くだけに収まっていたが、ヴァリアーに保護されて暫くは剃刀だのカッターだの、最悪な時には包丁やナイフで傷つけていた時期もあった。

それ程にその傷痕を他の傷痕でも良いから消し去りたかったのだ。

所が、その過去は呪いのように纏わり付いてきた。

この争奪戦でその過去も一緒に清算できるだろうか。

 

どのくらいの時間首を掻き毟っていたのか、不意に掻き毟っていた首筋に沁みるような痛みが走った。

よく見てみると、首筋と指先は真っ赤になっていて、腕に血が伝っていた。

痛みに気付かないくらい自分は考え事をしていたのだろうか。

鏡を見てみれば、首筋から血が流れ出ていた。

風呂場の・・・・・・それも、熱い湯を流しっぱなしにしている熱気の籠もった浴室にいれば当然、血の巡りが良くなるわけで、その所為か血が次々に出てくる。

弥王は首筋の血を洗い流して、ユニットバスから出た。

 

 

弥王が風呂から上がると同時にノックの音が聞こえて、弥王は部屋の扉を開けた。

扉を開けたそこに居たのは、ミルクティーとホットミルクを持っている京子だった。

ちょ・・・・・・っ、え、何で京子がオレの部屋の前に!?

やっば、京子可愛すぎるんだが、パジャマ姿の京子可愛い!!

え、これって逆夜這いとかそう言う・・・・・・。

弥王がそこまで考え出した為、弥王の脳内公開はここで強制的に終了させてもらうとして、京子は自分を見つめたまま動かない弥王に声を掛ける。

弥王は我に返ると、京子に部屋に入るように促した。

京子は弥王の部屋に入る。京子の警戒力の無さが少し気になったが、弥王はそれを気にしない振りをして、京子から差し出されたミルクティーを受け取った。

弥王と京子は向かい合う形で椅子に座る。

暫く、何を言おうか迷っているのか京子は無言だった。

軈て、口を開くと京子はとんでもない事を訊いてきた。

京子の口から問われた問いに弥王は愕然とする事になる、その問いというのは、京子の運命を180度変えてしまう様な質問だった。

 

 

「ボンゴレ、ヴァリアー、ルーン家って何?

弥王君は何を隠しているの・・・・・・?」

 

 

弥王は愕然とするしかなかった。

まさか、京子からそんな事を訊かれるとは思ってもみなかったのだ。

京子は口を開く。

 

 

「あの後、私・・・・・・弥王君の後を追いかけたの。

そしたら、ツナ君達とピンクの髪の女の人と黒服の人達と・・・・・・弥王君を見つけた。

何か話してたよね?

リングとか、ボンゴレとか、ヴァリアーとか、ボスとか、ザンザスとか、ルーン家とか、ヴァルフォアとか・・・・…後継者、とか。

あれは何?

弥王君も関係在るの?」

 

 

京子の矢継ぎ早の問いに弥王は押し黙るしかなかった。

弥王は京子をこちらの世界に引き込もうとは思わなかったのだ。

まさか、京子が捻くれて自分の後を追ってくるとか、弥王も思っていなかったのだ。

バッチリと会話も聞かれているようだし、誤魔化せそうにない。

弥王が黙っていると、京子は言葉を紡いだ。

 

 

「あの雲雀さんの行動を封じたり・・・・・・弥王君は解らない事が多すぎるよ。

弥王君は一体、何なの・・・・・・?」

 

 

京子の質問の雨に弥王は黙るしか選択がなかった。

京子を巻き込むわけには行かない。

エゴだとは解っていても、そうホイホイと言えるような事でもない。

そう思った時、京子は言い募るように言った。

 

 

「あの場には、お兄ちゃんもツナ君も弥王君も居たし・・・・・・

これから、何が起きるの?

弥王君達は何をしようとしてるの?」

 

 

京子の言葉で弥王は理解した。

そして、弥王は思った。

嗚呼、京子は兄に酷い事をされているのに、兄を心配しているんだ。

そう思った途端に弥王の口からは言葉が出ていた。

 

 

「・・・・・・この話を聞けば、京子・・・・・・お前は戻れなくなる。

それでも、聞きたいか?」







あー・・・・・・、眠い。
もう少し起きて後2、3話くらい更新しようと思ってたけど、寝ます~zzzz

明日、早く起きれたら更新しようと思ってます。
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