Preghiera di duo~月に祈りを星に願いを~   作:紅 奈々

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初期設定の都合上、璃王の設定を少し弄りました。
挿絵うp完了。(10/22)




†標的2

ハルを送った後、屋敷に戻った弥王は目の前の現実を逃避するかのように視線をあらぬ方へやっていた。

そう、帰ってきた弥王達を出迎えたのは、メテーオラでもメリアでもクローム、犬、千種でもなかった。

弥王は何か居る、と思いながら目を擦って隻眼のその目を見開き、そしてまた、別の所に視線を泳がせる。

まるで、見えていない、とでも言いたげに。

 

 

「なーん!」

 

 

(おせ)ぇんだよ」

 

 

弥王を出迎えたのは、ララァと遊んでいる、メランコリックな表情の青年だった。

腰まで長い蒼い髪は風に揺れ、前髪で右半分を覆っている。

右目に眼帯をしているらしく、左側の額に黒い紐が見えている。

藍色の三白眼が印象的な青年だった。

弥王は彼の姿を見ると、いきなり現実逃避を始めたのだ。

そう、今日は彼が来る事を弥王は忘れていた。

ぶっきらぼうな青年の言葉が耳に突き刺さろうとも、弥王は現実逃避する。

 

 

「弥王さー・・・・・・オレが来る事、忘れてたろ?」

 

 

忘れてました、はい。とは流石に言えない。

何故なら、青年がその問いかけをしてきた時に、ものっそい怒気を静か~にゆっくり、まるで獲物をいたぶるように放出していたから。

この青年を怒らせると後が怖い事を弥王は知っている。伊達に生来の相棒を語っているわけではない。

弥王は視線を泳がせながら、冷や汗を大量に流して言った。

 

 

「・・・・・・別に・・・・・・忘れてはいない、忘れては・・・・・・」

 

 

弥王が遠くを見る目で言うと、青年は片目の三白眼でものっそい弥王を睨む。

弥王は内心、KOWAIYO!!と壊れていた。

 

 

「目が余所を旅しているぞ。

ったく・・・・・・こンの大変な時に女とデートとは・・・・・・かなり余裕そうだな、この暇人め」

 

 

青年は呆れた様に言うと立ち上がって、ララァを抱き上げると、肩に乗せた。

ララァは少年に懐いているらしく、大人しくその肩に乗る。

 

 

「まぁ、いい。

取り敢えず、入ろや」

 

 

青年は我が物顔で普通に屋敷へ入っていく。

その様子から、弥王とこの青年はとても親密な関係である事が窺えるだろう。

ここ、オレの屋敷なのだが、と弥王が思った事は誰も知らない。

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

弥王、京子、青年が食堂へ行くと、既にメリア、メテーオラ、クローム、犬、千種が揃っていた。

青年の姿を見て、メリア以外の面子が頭にクエスチョンマークを飛ばす。

唯一、メリアだけが嬉しそうに声を上げた。

 

 

「まぁ、リオン!!」

 

 

嬉しそうに璃王に駆け寄る。

メリアから見れば、この青年―――神谷(こうや)璃王(りお)は兄みたいなモノだ。

久しぶりに会えた喜びが全身から出ているメリアに璃王は「久しぶりだな」と返す。

 

 

「そう言えば、メリア以外は“初めまして”だな。

コイツは神谷璃王。

生来のオレの相棒だ。

今回のリング争奪戦の同行者になる。

外見こそは悪人面だが、実はかなりの乙女・・・・・・」

 

 

「変な事を吹き込むな。

つか、オレは小学か中学の転校生かよ。まぁ、良い。

神谷璃王だ」

 

 

璃王は弥王の紹介を遮ると、弥王を睨んだ。

弥王が「そんな怖い顔してると、美人が台無しだぞ」と璃王を宥めた所為か、璃王に殺気を投げられて、弥王は黙る。

その後の言葉は弥王とメリア以外に言った言葉だ。

自己紹介をして璃王が椅子に座ると、それを見て全員が定位置とかしている椅子に座る。

それをみて、弥王が京子達のことを紹介するが、璃王は全く興味がないと言いたげに「ふーん」「へーえ」「そーなんだー」をリピートしていた。

その三語しか言っていない上に、更に棒読みだ。弥王は苦笑を浮かべる。

相変わらずの相棒の態度に何処か安堵していたりする。

 

 

 

それから弥王は、白いブラウスに黒いズボン、その上にフード付きのマントを羽織って、目と口が細長く笑っている白い不気味なデザインの面を着用し、その上にフードを被った。

フードを被ったのは、正体を隠す為だ。

弥王が部屋を出れば、京子が弥王の部屋の前に居た。

京子は並中の制服を着ている。

 

 

「・・・・・・本当に付いてくるのか?」

 

 

弥王は今一度、京子に問うた。

今なら、引き返せるぞ、という意味を込めての問いかけだった。

京子は神妙に頷く。

それを見て弥王は、京子を説得できないな、と思い、京子の肩にマントを羽織らせ、フードを被せた。

争奪戦で仲間割れになっても面倒だ、という弥王の考えだ。

 

 

「本当は大人しく留守番しててもらいたかったんだが・・・・・・。

行くなら、仕方ない。

但し、取り乱すな。

それだけだ」

 

 

弥王が念を押すように言うと、京子はしっかりと頷く。

そして、弥王と京子は璃王と合流して、屋敷を出た。

 

 

 

並中に着くと、弥王と璃王は幻覚で自分たちの姿を眩ませた。

京子は弥王の幻覚領域に入っている。

 

 

「みんな!」

 

 

「よぉ!」

 

 

「オス」

 

 

「10代目!」

 

 

学校に着いて少しした後で沢田と男子3人の声が聞こえた。

声のした方に目を向ければ、そこには今着いたばかりの沢田と沢田に抱えられている牛柄のタイツにアフロの子供、それと、黒いスーツにボルサリーノを被ったスタイリッシュな男と、獄寺、山本、笹川が居た。

その光景を見た璃王が世界の終わりを告げられた貴族のように絶望した表情でスタイリッシュな男以外を見ている。

弥王は璃王の反応に笑いを堪えた。

 

 

「まさかの・・・・・・中学生?」

 

 

璃王が小さく呟くのが聞こえた。

まさか、次期ボンゴレ守護者候補が全員中学生だなんて思いもしなかったのだろう。

そして、璃王は思う。こいつらに自分の半身とも言えるべき主を任せられるのだろうか、と。

弥王はその後で気になった人物に目を向ける。

視線の先には、この場に似つかわしくない子供が居た。

 

 

「ランボ君!?」

 

 

弥王の隣にいる京子が声を上げた。

京子の視線は、弥王が見ている牛柄のタイツの子供に向いていた。

どうやら、あのポン・●・ライオンみたいな子供はランボ、と言うらしい。

まさか、子供まで守護者にするとは思っていなかった為、弥王は沢田に尚、不信感を抱く。

 

 

「遅くなってごめん。

ランボがかくれんぼ始めちゃって」

 

 

沢田が山本、獄寺、笹川に謝る。

獄寺が透かさず「10代目の手を煩わせやがって!」とランボに怒鳴った。

当のランボはと言うと、変な顔で鼻を弄ってまるで獄寺の言葉なんか効いていない様子。

そんな沢田に気にするなよ、と言いたげに山本は言った。

 

 

「つっても、まだ来てない奴も居るけどな」

 

 

「相変わらず、霧と月と星と夜と風の奴は姿を見せん」

 

 

山本の後で、笹川が言った。

その言葉に弥王は腹を抱えて笑いたい衝動を抑える。

ちょ、おま・・・・・・、普通に夜空、なんだが!しかも、その夜空と風の守護者はお前らの目の前にいて、その会話を聞いてんだが!!

京子と共に!!内心、笑いながらそんな事を思う、弥王。

そうしている内にチェルベッロとヴァリアーが来た。

ヴァリアーの方を見て、弥王はXANXUSが居ない事に気付く。

まぁ、彼の事だ。どうせ、他人の戦いに興味がないから欠席しているのだろう。

弥王はそんな事を考える。

今日の対戦は晴の守護者らしく、ヴァリアーのオカマ――――ルッスーリアが「あの坊やね~」と笹川を上から下まで舐め回すように見る。

対する笹川は「彼奴か~」とルッスーリアを睨むように見ていた。

弥王は、京子には悪いが、この勝負はルッスーリアが勝つ、と信じて疑わなかった。

いや、弥王はそう思っていたかったのだ。

ルッスーリアが負けるはずがない・・・・・・。弥王はリングに上がっていくルッスーリアを見て、そう思っていた。




遂に晴の守護者戦、開幕!!
次回、弥王が凄く呆けてくれる・・・・・・かも!?
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