Preghiera di duo~月に祈りを星に願いを~ 作:紅 奈々
今回は珍しく、京子と璃王の絡みを京子SIDEでお届けですww
先程の弥王の顔が頭から離れない。
勝負が終わって弥王が先に帰った後、京子は璃王と歩いて帰っていた。
あまり人と馴れ合おうとしない璃王だが、弥王が居ないからと言ってさっさと京子を置いて帰る事も出来ず、京子と帰っていたのだ。
京子はさっきから、弥王の泣いていた顔ばかりが頭にちらついて、俯いていた。
弥王のあんな顔を見るのは初めてで、戸惑っていたのだ。
「弥王君・・・・・・どうしたんだろう・・・・・・」
何気なく京子はポツリと言った。
隣で璃王が紙パックのミルクティーを吸い上げて、暫くすると口を開いた。
「今日のあの芝生頭の対戦相手・・・・・・ルッスーリアと言うんだが、そいつは弥王からしたら親であり、姉のような存在だ。
彼奴は昔から、オーバーに心配性なんだよな、本人は全くの無自覚だが」
いつもの表情で言うと、璃王はミルクティーを吸い上げた。
京子は璃王の言葉に驚いて、璃王の顔を見る。
璃王の言葉から、弥王とあのルッスーリアという人は、相当親密な仲だったに違いない。
璃王は今は黒猫の面を外していて、弥王と似たような顔で京子に視線を向けた。
「何で、弥王君は・・・・・・」
京子のその続きの言葉は璃王に「さぁな」と遮られた。
璃王でも、弥王がそんな親しい間柄の人を裏切って何故、沢田側に居るのか解らないらしい。
「まぁ、彼奴の考える事だ、複雑な理由があるんだろ」
璃王は紙パックのミルクティーを飲み干すと、紙パックをぐしゃりと潰して近くの屑籠に投げた。
璃王も何故、弥王がヴァリアーを去っていったのか解っていないのだ。
誰に訊いても、固く口を閉ざすだけで何も教えてはくれなかったのだ。
弥王に訊いても、躱されるばかりだった。
「それに・・・・・・彼奴にはこの戦いで潰してもらわないといけない奴が居るからな」
低く言った璃王の顔には、何とも言い表しがたい憎悪のようでも憤怒にも似た表情が浮かんでいたが、ライトのない暗闇に遮られて、京子には璃王の表情が解らなかった。
その後は互いに無言で屋敷へ着いて、「じゃあね」と京子が別れを言って京子と璃王はそれぞれの部屋に戻っていった。
京子は部屋に戻った後はずっと、弥王の事が気になって眠れなかった。
相当ショックを受けていたんじゃないのだろうか。
そんな事を延々と考えている内に、外が明るくなってきた。
京子は結局、眠れずに朝を迎える事となる。
眠れなかった、と京子は寝不足の目を擦って、眠れなかったなら仕方ない、と洗面台に向かった。
弥王と璃王は似ています←