Preghiera di duo~月に祈りを星に願いを~   作:紅 奈々

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さて、雷戦開幕!!
ここで、弥王の意外な弱点が・・・・・・!?


第12楽章 FURUMINE―雷―
標的1


夕方頃になり、解散しようと言う事で、弥王と了平は電話番号とメールアドレスを交換して、別れた。

京子を家に帰した方が良いか了平に訊けば、了平は「いや、京子の事は親には極限に上手く言っておくから、京子の虐めがなくなるまで、置いてやってくれ」と言われたので、京子は今まで通りに弥王の屋敷で寝食共にする事に。

そうは言っていたが、今回、弥王や京子達と遊んだ事で、あの鈍感な了平は珍しく京子が弥王を好きだと言う事に気が付いた。

京子を置いてやってくれ、というのは、それに気付いた了平のささやかな気遣いのつもりであった。

 

 

屋敷に戻った後で、雨が降り出した。

今日は夕方から雨が降る、と神谷璃王と言う名の気象レーダーが言っていたので、慌てて帰ってきたのだ。

自然に対する勘の良い璃王は弥王によく、天気レーダー代わりにされていた。

 

 

「弥王、大丈夫なのか?」

 

 

雨が降り出してから、弥王の様子を気に掛けてくる、璃王。

その顔は心配している、と言うよりもからかっているに近い。

 

 

「何がだ」

 

 

璃王の表情を見なくても何となく何が言いたいのか手に取るように解る弥王は、平気だ、とでも言いたげに言う。

ルーン家次期当主であるこのオレがこんな事も平気じゃないなど、末代までの恥だ!

大丈夫だ大丈夫だ大丈夫だ大丈夫だ・・・・・・。

そんな呪文のような言葉を延々と脳内で繰り返す弥王の顔は青ざめていて、誰が見ても平気な顔じゃない。

 

 

「惚けるな。

何なら、今日はこのまま帰って寝たら良いだろ」

 

 

平常心を装っている事は生来の相棒である璃王にはバレバレのようで、璃王は呆れた様に溜息を吐いて言う。

そんなやり取りを弥王と璃王がしていた所為か、京子も参戦してきた。

京子は心配そうに弥王の顔を覗き込む。

 

 

「どうしたの、弥王君?具合悪いの?」

 

 

「いや、体調は良い筈だぞ、コイツ。

ただ・・・・・・」

 

 

京子の問いを璃王が否定する。

何でお前が否定するんだよ、と思った、弥王。

璃王の言葉の意味が解らないらしい、京子は小首を傾げた。

それに璃王は答える。

 

 

「こいつ、雷だけは昔から駄目なんだよ・・・・・・」

 

 

そう、弥王はこの世で最も、雷だけは駄目だった。

璃王の言葉に京子は驚く。

まさか、オレに怖いモノなど何も無い!と言うかの如く何でもこなしていた弥王にまさかの弱点があるとは知らなかった京子は、クスッと笑った。

 

 

「中学生にもなって雷が駄目で悪かったな」

 

 

唯一の弱点をバラされて、弥王は拗ねた様にそっぽを向いた。

さっきから遠雷がなる度に固く握り締めている弥王の手を包み込む様に握る、京子。

 

 

「弥王君にも怖いモノがあって良かった、って思っただけだよ。

ほら、こうして手を繋いでいたら、怖くないでしょ?」

 

 

京子を見ると、京子はふわりと笑って言った。

京子の天使のような微笑みに弥王は不覚にもきゅんと来るのを感じる。

これなら、雷が鳴っても良いや。弥王はこの時ばかりは人生で初めて、雷に感謝した。

そんな事を思っていたら、沢田達が屋上にやってきた。

そう、弥王達は学校の屋上に居たのだ。

 

 

「お・・・・・・屋上が!!」

 

 

「んだこりゃ!?」

 

 

沢田と獄寺が騒ぐのを目の前で見ている、弥王。

折角の良い雰囲気を壊しやがって・・・・・・。しかも、んだこりゃ!?はお前の髪型だ。

何だ、その髪型は?オクトパスか?

やべ、「たこ焼き」ってヤツ、食いたくなってきた。

弥王は獄寺の髪型に突っ込むと、そんな事を思いだした。

明日、メリアか璃王に作ってもらおうかな、たこ焼き。

 

 

「今宵の戦闘エリアは雷の守護者に相応しい、避雷針のエリア」

 

 

「名付けて、“エレットゥリコ・サーキット”」

 

 

弥王がたこ焼き食べたい、と余計な事を考えている間に、チェルベッロは淡々と説明をする。

フィールドの名前って、チェルベッロが即席で決めてんの?と弥王が今、一番謎に思っている事を思っている間に雷が落ちてきて、避雷針を駆け巡った。

あまりの眩しさとピシャァァァァアア!!という雷が落ちる時の放電音に吃驚して、弥王は思わずしゃがみ込んで目を閉じる。

京子の目の前で無様だ、と思うが仕方ない。怖いのだから。

弥王は泣きたくなった。もう嫌だ、帰りたい。

その間に避雷針を通った雷が床の導体を巡って床が光って沢田達が騒いでいたが、弥王はそれを知らない。

そんな場合ではないからだ。

 

 

「弥王君、大丈夫?」

 

 

しゃがみ込んだ弥王を心配して、京子が話し掛けてくる。

京子の声が耳元で聞こえて、天国だと思う反面、雷が鳴りまくってて最悪、地獄だと思っていて、その板挟みだった。

弥王は目を開けて京子に微笑むと、頷いて立ち上がった。

 

 

「大丈夫だ」

 

 

「ランボさん、あれやるー!!」

 

 

この雷雨の中だというのに、ランボは元気に走り回っていた。

璃王が「あの餓鬼を見倣え」と弥王を突きながら言ってくる。無理なモンは無理に決まってるだろ―!?

走り回るランボを追いかけながら、沢田がわたわたとランボを宥めようとする。

弥王は沢田を眼中に入れず、ランボさん可愛い・・・・・・とランボを見てほのぼのとしていた。

 

 

「餓鬼のごっこ遊びかよ」

 

 

隣で璃王の呟きが聞こえた。

確かに生まれた時から裏の世界で生きていた璃王達にとっては、沢田達の取り組みは餓鬼のごっこ遊びのようにしか見えないのだろう。

その証拠に、ランボは何も解っていない。

弥王や璃王があの年の頃には既にヴァリアーと関わっていて、殺しの技術なんかも既に身に付けていた。

それと比べると、如何に沢田の築きつつあるボンゴレという組織が甘ちゃん集団なのかが窺える。

落ち着きなく走るランボが角の飾りを落とすと、獄寺がランボの角に「アホ牛」と書いて、その文字を見せる。

その騒ぎを見ていた璃王が一言、言った。

 

 

「羊の家畜にも劣る・・・・・・」

 

 

沢田達のやり取りはどうやら、璃王にとっては羊の家畜よりも面白くないらしい。

璃王がそんな事を呟いている間に、チェルベッロから声が掛けられた。

チェルベッロ曰く、対戦相手は二時間も前から待っていたらしい。

弥王はその言葉に今日の対戦相手が誰か思い出そうとしていた。

 

 

「えーと、今日は誰だっけ・・・・・・」

 

 

「ア・タンだな」

 

 

弥王の呟きに璃王が答えた。

そして、弥王の顔は引き攣る。

 

 

「げっ。

今日の対戦相手はあの顔面凶器じゃねぇか!!」

 

 

「でた~~~っ!!」

 

 

弥王の声と沢田の絶叫に被さって、稲光が対戦相手を照らした。

照らされた黒髪のムッツリ顔面凶器――――レヴィ・ア・タンの顔を見て、京子は固まってしまった。





レヴィ・ア・タンの顔を見て固まってしまった京子。
何故、固まったの?
その真相は次回に!!


次回、京子がキャラ崩壊する・・・・・・!?
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