Preghiera di duo~月に祈りを星に願いを~ 作:紅 奈々
京子が何気に酷い件←
円陣を組み始めた沢田達から目を逸らすように京子を見ると、京子はレヴィ・ア・タンの顔を見たまま、固まっていた。
弥王は「京子・・・・・・?」と呼びかける。が、無反応な京子の反応を見て、弥王ははっとした。
レヴィが怖くて固まったのか?ならば、今すぐ彼奴にモザイクを掛けなければ!!
だが、そんな弥王の心配は、京子の次の言葉により、杞憂に終わった。
「タコスを擬人化した様な顔のスッゴク弱そうな30代くらいの変質者が睨んでる!!」
「ぶふぉっ!?」
目を見開いて京子がそんな事を言ったから、弥王は盛大に吹いた。
ちょ、タコスを擬人化って!
弥王はタコスの擬人化を真剣に想像していた。あのグロい食べ物を擬人化すると、レヴィになるのか。
・・・・・・絶対にタコス食べない。弥王は固く思った。
「ほう・・・・・・お前、よく彼奴が弱い事を見破れたな」
腹筋を崩壊させている弥王の隣で璃王が珍しく京子を褒めた。
璃王が他人を褒めるなんて、滅多にないと言うか皆無に等しい事を知っている弥王は驚く。
そして、「この世の終わりだ・・・・・・」とぼそっと呟いた言葉は璃王の耳に届いたようで、璃王に項を掴まれる。
そんなやり取りをしていたら、沢田がランボの頭を持って、自分の顔を見るようにランボの顔を向け、ランボに真剣な声で言った。
「嫌なら、行かなくて良いんだぞ」
沢田の言い分はこうだ。
自分の父親がどんなつもりで決めたかは知らないけど、お前みたいな子供が戦うのは可笑しい。ランボもまだ、死にたくないだろ?
それを聞いた璃王は「何を甘い事を・・・・・・」と沢田を面越しに睨み付ける。
幼い頃から平和な場所で育った沢田とは違い、弥王も璃王も常に戦場で育ってきた。
戦う両親の背中を見て育ってきた2人からすれば、沢田の言い分は甘い戯れ言にしか聞こえない。
ランボくらいの歳の子供でも、既に武器を振るっている人間も居る。ランボだって、ファミリーの一角を担うなら、幼いとか甘い事は言ってられないだろう。
「うわぁぁあ!!
いだいぃ~~~~!!」
何があったのか、思考に耽っていた弥王がランボの泣き声に目を向けると、ランボは泣きじゃくっていた。
所々が焦げている事を踏まえると、どうやら感電したらしい。
感電しても生きているランボを見て、弥王は感心していた。
「幼少の頃、繰り返し電撃を受ける事で稀に起こる体質変異、
リボーンが説明する。
首を傾げる沢田にリボーンは長ったらしく説明して、沢田が驚愕しているそのやや後ろで、璃王は何やらブツブツ言っていた。
「電気を通しやすい皮膚で、電撃を食らっても体の表面を通過して地面へ抜け、脳や内臓へのダメージが殆どない体質・・・・・・か・・・・・・。
あるとは聞いていたが、まさか、身近に居たとはな」
「雷撃となるだけでなく、ファミリーへのダメージを一手に引き受け消し去る避雷針。
それが雷の守護者の使命だ」
リボーンの説明の合間に璃王の呟きがぼそぼそと聞こえる。
これは何か企んでやがるな、と彼の生来の相棒、弥王は思った。
「興味深いな、あの餓鬼」
そんな事を言った璃王の面の下は、酷く恐ろしいほどに何かを企んだような、獰猛な笑みが浮かんでいた。
それが雰囲気で解ったらしい、弥王は璃王の肩を揺さぶった。
「璃王さん、璃王さん?
君、顔が怖いよ?
まさか、良からぬ事を考えているんじゃないだろうね?」
「別に?
ただ、あの餓鬼を拉致って色々と実験しようとか、黒魔術に使おうとかそんな事は思っても口に出さねぇからな」
弥王に肩を揺すられた璃王は「いや、オレ何も企んでませんよ?」と言いたげにあらぬ方へ視線を投げている。
だが、手に持っていた捕獲用だろうか網を隠している辺り、思い切り何かを企んでいることは明白だった。
「何しようとしてんだよ!?」と弥王は突っ込む。
そんなやり取りをしていたら爆音が聞こえて、煙の中から10代くらいの癖毛の如何にもチャラそうな男が姿を現した。
その右手には、箸で掴んでいる餃子があり、夜食でも食べていたのか、「やれやれ、餃子が最後の晩餐になるとは・・・・・・」と溜息を吐いていた。
それを見たスクアーロが「部外者が居るぜぇ!!」と騒ぎ出す。
チェルベッロ曰く、彼はランボの10年の姿なので、彼を候補者として認め、勝負を続ける、だそうだ。
その傍らで沢田は10年後のランボに「やっぱ、子供の君じゃ駄目だったんだ!!」と謝る。
弥王はそのやや後ろでショックを受けていた。
えぇー!?あの如何にも女振り回してます的なチャラ男があの可愛い可愛いランボさん?
あのポン・○・ライオンみたいな可愛い子供が10年経つとあんな伊達っぽい少年になるの?
あの円らな大きな目に小さな柔らかそうな鼻、頭の飾りとか、牛柄の服とか、二等身とか可愛かったのに。
「・・・・・・解せぬ」
大人ランボに不満を持ったらしい、弥王が呟いた瞬間に、雷が落ちた。
どうやら、その雷はランボが呼んだらしい、雷は避雷針を無視して、ランボの角に向かって落ちていく。
フードを被った性別の分からない人物――マーモンが「ちょっと驚いたね」と感心して言った言葉が聞こえた。
マーモンの言葉に弥王も璃王も同感だ、と頷く。
だが、と弥王はその反面でランボの技の致命的な弱点に気付いた。
ランボの戦いを食い入るように弥王と璃王は見入っていた。
レヴィが傘の様な武器―――パラボラを展開させる。
それを見た璃王が「終わったな、あの牛柄」と呟いた。
その呟きに弥王は頷く。
「あぁ・・・・・・レヴィ・ボルタは全方位を囲み、パラボラが受けた電流を一気に放出する、一撃必殺の技・・・・・・あれを回避する事は、普通に考えると不可能だろうな。
この技で奴は幹部の8人に引き上げられたんだったな、たしか」
弥王は、自分が幹部として迎えられたその日を思い出しながら、呟いた。
適正テストの時に試験管であるレヴィを挑発しまくって、フルボッコにした事を懐かしい、と思いながら、あの牛柄はどう出るのか、と弥王は好奇の目でランボとレヴィの戦いを見る。
ランボはレヴィ・ボルタをまともに受け、床に倒れた。
「・・・・・・うっ、が・・・・・・ま・・・・・・うわぁぁぁぁぁあああ!いたいよぉ・・・・・・!!」
起き上がったランボは、大人げなく泣きじゃくる。
「10年経っても餓鬼のままじゃぇえかよ・・・・・・」と璃王は呆れていた。
それにオレも同感だ、と弥王は頷く。
レヴィは何も反撃してこないランボにサーベル状にしたパラボラを投げつける。
それは、鋭利な刃物となり、ランボの肩を貫いた。
ランボの肩から、紅い鮮血が流れ出る。
「お前は徹底的に殺す。
切り刻んで焼き肉にしてやる」
レヴィの憎悪に似た嫉妬に弥王は呆れる他ない。
これが自分の元先輩だと思うと、後輩として恥ずかしくなってくる。
そこまでしてXANXUSに認められたいようだが、そんな事でXANXUSが認めるとは到底思えない。
と、真面目な事を思っている傍らで弥王は人肉焼きを想像してしまった。
おぇ、気持ち悪。レヴィの所為で焼き肉が食べられなくなったじゃないか、と弥王はレヴィに恨みの視線を送る。
まぁ、焼き肉なんか食べないが。
そんな事を思っていたら、ランボは落ちていたバズーカに手を伸ばした。
お、戦うのか?と弥王は少し期待してそれを見守る。
だが、ランボは弥王の期待を知らずに裏切って、バズーカを自分に向けた。
「え、ちょ、あいつ、とうとう勝てないと知ってまさかの自殺!?」
弥王の声とバズーカの爆音が雷雨の中に響く。
そして、煙の中から、ただならぬ威圧感を感じて、全員が息を呑んで見守った。
「あ・・・・・・あれはまさか・・・・…20年後のランボ!?」
全員が固唾を呑んで見守る中、沢田の声が遠雷の音と共に消え去った。
書いてて気付いたんですが、まさか、この小説って内容を理解しにくかったりしますか?
説明が足りてない、とかそういう。