Preghiera di duo~月に祈りを星に願いを~   作:紅 奈々

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標的3

「あ・・・・・・あれはまさか・・・・・・20年後のランボ!?」

 

 

煙が晴れて、沢田が驚愕に声を上げた。

煙が晴れた先にいたのは、さっきのランボよりも幾らか強そうなランボが居た。

弥王はさっきよりもショックを受ける。

は・・・・…?あれが20年後のランボ?

認めねぇ!断じて認めんぞ!!ランボさんは何年経っても可愛い仔牛なんだぞ!!

弥王は心の中で叫んだ。

うっかり弥王の心を読んでしまった璃王は呆れて溜息を吐く。

こいつ、頭大丈夫かな、と。

 

 

「やれやれ、この現象・・・・・・夢でないとすれば、随分久しぶりに10年バズーカで過去へ来たようだ」

 

 

低い声が聞こえて、沢田と獄寺が驚嘆する。

「なんだかランボ・・・・・・頼もしいよ・・・・・・」と沢田が呟いた。

その呟きが聞こえたらしい、ランボは振り向いて感傷的な顔で言った。

 

 

「貴方達に会えるとは、懐かしい・・・・・・なんて懐かしい面々・・・・・・」

 

 

そこまで言うと、ランボは不意に言葉を切って誰かの姿を探すかのように辺りを見回す。

そして、手を顎に当てる仕草をした。

 

 

「おや・・・・・・我が恩師、ミオンさんが居ない様だが・・・・・・話している暇もなさそうだな」

 

 

ランボの言葉に弥王含む全員が頭に疑問符を浮かべた。

ボンゴレの中から、「ミオンって誰だ?」という声がちらほら聞こえる。

それを気にせずにランボは、レヴィに向き直った。

 

 

「昔のオレは相当手こずった様だが・・・・・・オレはそうはいかないぜ」

 

 

殺人鬼のような顔でレヴィに睨まれても尚、ランボは余裕そうな顔でリングを拾う。

「ミオンさんにオレの勇姿を見て貰えないのは残念だが・・・・・・」とランボは拾ったリングに口付けて、「見守っていて下さい、ミオンさん・・・・・・」と願を掛ける様に首に掛けた。

その瞬間、レヴィはパラボラを展開させる。

それを見た沢田が「やばい、あの技だ!!」と声を上げる。

その声に金髪の前髪で目が隠れていて、ティアラを乗せている少年―――ベルフェゴールが口を開く。

 

 

「傘を開かせちゃったら、もう決まりだな」

 

 

ベルフェゴールの言葉にマーモンは頷く。

レヴィ・ボルタを防ぐ事は不可能、全周囲を死角なく囲んで電撃が当たれば、7つのパラボラが各々に受けた電気を一気にたたき込む事。

レヴィはこの技でヴァリアーの幹部に引き上げられたのだから、とマーモンは無情に語る。

 

 

「まぁ、回避できるとしたら、彼女しか居ないけどね」

 

 

「あぁ、あン時の彼奴、格好良かったよな、子供だった癖に」

 

 

マーモンがポツリと漏らした言葉にベルフェゴールは賛同する。

「もう一度、戻ってきてくれないかな」と呟いたマーモンの言葉は、次の激しい電流に遮られた。

レヴィ・ボルタの電流とエレットゥリコ・サーキットに増幅された雷の眩い電光でランボの姿が見えなくなる。

あれでは、流石に生きては居られないだろう、と誰もが思った。

だが、弥王は少し違った。

ランボの体質が未完成ならば、死んでいるだろう、と弥王と璃王は凄まじい雷電を見つめる。

 

 

「奴は焦げ死んだ。この電光、ボスに見せたかった」

 

 

ランボに背を向け、レヴィは言った。

いや、まだだ、と弥王は電光の中を目を凝らして見る。

うっすらと人影が直立不動のまま、倒れる事もなく立っていた。

ランボが生きている事が信じられないのか、ランボが声を掛けるとレヴィは鋭くランボを睨んだ。

 

 

「エレットゥリコ・リバース!!」

 

 

電気を纏ったランボはコンクリートに手を付けて床に電流を放電する。

屋上から校舎へ向かって電流が駆け抜け、電流に耐えきれなかった教室の窓が音を立て、割れた。

 

 

「ほう・・・・・・驚いたな。

あんな技を使える様になるとは。

あの泣き虫な餓鬼が」

 

 

璃王は感心したように口を開いた。

弥王もまさか、ランボがここまで成長しているとは思わず、「おぉ・・・・・・」と感嘆の声を漏らす。

 

 

「雷撃となるだけではなく、ファミリーへの攻撃を一手に引き受け、消し去る避雷針――――だな」

 

 

雷の守護者なら、ランボの方が欲しい、と弥王は思った。

ランボほど、雷の守護者に相応しい人間は居ないだろう。

 

 

「電気はオレにとっちゃあ、仔猫ちゃんみたいなモンだ。

解るかい?オレは完璧な電撃皮膚(エレットゥリコ・クオイオ)を完成させている。

まぁ、それは我が恩師が居てこそ完成したモノだけどな」

 

 

ランボは言い聞かせるように語る。

そんなランボを見て、弥王はこの先、ランボを教育・訓練させてみたいと思った。

そうだ、この問題が解決して、ランボが物事が解る様になったら、オレがランボの家庭教師(カテキョー)をしよう。

沢田達では到底、雷の守護者の特性を引き出す事はできないかも知れないが、オレならやれる筈だ。

弥王はランボを見ながら、そう思った。

これからのランボの成長に期待しよう。

弥王がそう思っている間にも、沢田や獄寺や了平が歓声を上げている。

そんな彼らにランボは笑みを浮かべて、沢田達を横目に見た。

 

 

「貴方達に喜ばれるのは嬉しい事だが・・・・・・ミオンさんに見てもらいたかった」

 

 

ランボの話には必ず、「ミオンさん」が出てくるな。コイツ、レヴィと良い具合に分かち合えるんじゃないか?と弥王はランボの言葉を聞いてそんな事をふと思った。

うわ、マジで?やめてよ~、ランボさんが毒されちゃう。

そんな事を思っていたら、ランボの甲高い叫び声が聞こえた。

 

 

「ぐぴゃぁぁぁぁぁああ!!」

 

 

叫び声にフィールドを見れば、今まで自分が浴びせていた電撃を食らって、子供に戻ったランボが感電していた。

雷撃が収まると同時にランボは床に倒れる。

それを見た京子が「ランボ君!!」と叫んでいた。

倒れたきり、ランボは動かない。

弥王は嫌な予感がして、京子の鳩尾(みぞおち)を殴った。

 

 

「み・・・・・・お、く・・・・・・」

 

 

「・・・・・・すまない」

 

 

いきなり来た腹への衝撃に京子は目を見開いて、弥王を見る。

京子が気絶するその瞬間、弥王は京子に囁くように言った。

気絶して崩れ落ちていく京子を抱き止めると、そのまま抱き上げて、弥王は璃王に京子を預けた。

 

 

「璃王、京子を連れて先に帰ってくれ」

 

 

弥王の行動を予想していた璃王は特に驚いた様子も無く頷くと、屋上から飛び降りて、一足先に帰って行った。

その間にもレヴィはランボをいたぶって、蓄電したサーベルを振り下ろす。

これはまずい!と思った弥王が幻覚領域から出て、ランボを助けようとした、その刹那の事。

大きなモノが倒れる音が辺りに響いた。

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