Preghiera di duo~月に祈りを星に願いを~ 作:紅 奈々
ここで、弥王と****の思わぬ関係が――――――!?
2016年4月12日
誤字と文章を少しだけ手直ししました。
それから夜になり、弥王は白い面にマントを羽織って、璃王と京子とメテーオラとメリアと並中へ向かう。
今回は、ルーン家争奪戦の意味もあり、メテーオラとメリアも同行しているのだ。
クローム達黒曜メンバーは「用事が終われば行く」との事で、今は別行動をしている。
並中に着くと、沢田達が一足先に来ていた。
弥王は京子だけに幻覚を纏わせ、璃王の幻覚領域に入るとそっと沢田達に近付く。
距離が縮むにつれて、弥王は歌い出した。
少し怖がらせてやろう、という、弥王の悪戯心だ。
「Humpty Dumpty sat on awall, Humpty Dumpty had a great fall......」
マザーグースのハンプティ・ダンプティを歌いながら、弥王はゆっくり近付いていく。
その隣で璃王は「悪趣味だな・・・・・・」とは思いつつ、沢田達の反応を楽しむように見ていた。
突然に聞こえてきた歌声に、沢田達はざわめく。
「歌声・・・・・・!?」
「一体、何処から・・・・・・!?」
辺りを見回しても、誰も居ない。
それもそうだ、弥王達は隠れているのだから。
その中で、リボーンだけが冷静に状況分析して、低く「来てんだろ」と問い掛けた。
リボーンの問いかけが解らず、沢田達は困惑する。
それを特に気にした様子も無く、リボーンはただただ、弥王が幻覚で隠れている一点をじっと見つめた。
「流石だな、リボーン」
幻術を解くと、弥王は晴れていく霧の中から言った。
リボーンはボルサリーノの下で微かに笑う。
一年ぶりに見るリボーンの顔に弥王は面の下の口元を綻ばせた。
「当たり前だ。
こんな不気味で悪趣味な登場するのは、お前しか有り得ないからな、
ボルサリーノの影で笑うリボーンは、何処となく嬉しそうな声で言った。
このやり取りからも、リボーンと弥王が親しい関係である事が窺える。
最近は冷たく、必要な事以外は喋らなかったリボーンがこうして話しているのを見て、沢田は珍しくリボーンが喋った、と呟いた。
「あ・・・・・・貴方が伝説の殺し屋・・・・・・
それに、
沢田の呟きは、獄寺の興奮した声に遮られた。
獄寺はまるで、ハリウッドの映画スターに会った時の大ファンのようなキラキラした表情で弥王と璃王を見ている。面の下が誰だかも気付かないままで。
獄寺の目に見えて解る興奮状態に、弥王は盛大に引いてしまった。
「な・・・・・・っ、ナイトメア・カウント・・・・・・?」
獄寺の興奮状態に引きつつ、話が解らない沢田は誰に問うでもなく、問い掛ける。
リボーンは深く溜息を吐くと、呆れた様な口調で言った。
「何だ、ダメツナ。
自分のファミリーの事も調べてねぇとは、とんだボケボスだな。
いいか?
奴は、悪夢を見せる不吉な殺し屋でな。奴が現れたファミリーは壊滅し、生き残った人間はほぼ居ない。
運良く生き残ったとしても、見せられる悪夢に精神的に追い詰められ、自殺する。
まぁ、奴の姿を見た奴は殺された方が幸せ、と言われている殺し屋だ」
リボーンはさっきと打って変わって、淡々と説明する。
長年、リボーンと組んでいた弥王からすれば、リボーンの感情の変化を読み取る事は造作もない事で、リボーンですら、沢田を良く思ってない事を窺い知れた。
「壊滅させてたのはお前だろ、リボーン。
オレは精神的にしかいたぶっていない。
あの時の依頼も1人でさっさと片付けて・・・・・・結局、オレがしたのは残りを纏めて堕としただけだろうが」
リボーンの解説に納得いかなかった弥王は、それを訂正する。
だが、どちらにしろ、怖い事は確かだ。
そして、沢田は弥王とリボーンの説明に疑問を持ったのか、2人に問う。
「リボーンと
「ベストパートナーだ」
「元パートナーだ」
沢田の言葉を引き取って、リボーンと弥王が言った。
温度差がある2人の言葉に「言ってる事が違うーーーー!?」と沢田が突っ込む。
唯単に、リボーンが一方的に弥王を気に入っているようだ。
弥王は沢田の言葉に「気にしたらおしまいだ」と涼しげに言った。
「沢田氏側の次期当主兼守護者は校舎内へ。
対戦相手がお待ちです」
リボーンと少し話していたら、チェルベッロから声が掛かった。
弥王はやっとお出ましか、と余裕すら態度に出ている様子で屋上の上にいるチェルベッロに目をやる。
降りてきたチェルベッロに弥王は頷くと、沢田達を一瞥して、短く言った。
「オレはリング取得後、お前らの敵に回る。
オレを味方だと思っているなら、今の内にその甘い幻想を捨てる事だな」
低く言われた言葉に、沢田達は困惑する。
味方である筈の彼が敵に回る?考えられなかった。
その戸惑いを背中に感じて、弥王はこいつらは甘いな、と深い溜息を吐いた。
校舎に入ると、白い猫の面に白いマントを羽織っている人物が立っていた。
弥王は一瞬で、戦意喪失する。
恐怖による戦意喪失ではない。相手が如何にも「私、最強の殺し屋です」アピールをしているからだ。
弥王はその白い人間に「バッタモン璃王」と命名した。
「何、そのお面。
だっさーい」
面の下から、女の声が聞こえた。
その声は余裕綽々、と言った様に弥王を嘲笑っている。
勿論、そんな挑発に乗る弥王ではない。・・・・・・と思いたかったのだが。
弥王は声に出さず、コイツ、絶対に襤褸ぞうきんにしてやる、と内心で燃えていた。
自分を馬鹿にされたからじゃない。面を馬鹿にされたからである。
何気に弥王は、自分の面を気に入っていた。
「今宵のフィールドは屋上を含む校舎全体。
時間制限は無しです。
但し、フィールド内は
チェルベッロの説明に弥王は口元を歪める。
これは多少なり、楽しめそうじゃないか。
その反対に、沢田達は騒いだ。
「そんなに!?
暗くしたら、相手が見えないんじゃ・・・・・・!?」
「そりゃ、超大型台風じゃねぇか!?」
沢田達の声にチェルベッロは冷たく「使命だからです」と続けた。
その言葉に戦慄が走る。
「
チェルベッロの言葉に弥王は呟いた。
その呟きを拾い、チェルベッロは「流石ですね、
「その通り、夜空の守護者には、夜を含む三つの使命と」
「風の使命があります」
「使命については、私たちは詳しくは知りませんので、
こいつら、説明を放棄しやがった、と弥王は思った。
その間にも、チェルベッロは説明を続ける。
「尚、フィールド内には特殊なカメラを設置し、観覧者側には守護者の動きが見えるようになっています」
「では、次にこの勝負の目的を説明します」
チェルベッロの1人が話し終わると、もう1人のチェルベッロが次の説明に移行する。
「今回の勝負は特殊な目的があります。
それは、守護者戦はもちろんの事、この勝負でルーン家の次期当主が決まります」
チェルベッロの延々と続く解りきった説明を弥王は聞き流す。
リングを取得して、次期当主になれればそれで良い弥王にとって、その説明はどうでもいい話だ。
「それでは、夜空と風のリング、ミオン・ルーンVSレオナ・ルーン、
長ったらしい説明の後、チェルベッロの逞しい声と共に長い夜の戦いが始まった。
遂にルーン家次期当主争奪戦が幕を開けた――――。
相見える両守護者の勝負の行方は――――!?