Preghiera di duo~月に祈りを星に願いを~   作:紅 奈々

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ヴァリアー側の守護者の正体は――――!?


標的3

チェルベッロの逞しい声が月明かりの夜に響く。

天上から射す月の僅かな明かりだけの暗い校舎に2人の守護者が静かに相見える。

ヴァリアー側の守護者――レオナ・ルーンは、マントの下から黒光りする物を取り出す。

月の明かりを反射して黒光りするそれは、銃だった。

弥王は、ナイフを取り出すと、月明かりを反射しててらてらと光る白刃をレオナに向けた。

 

 

悪夢の伯爵(ナイトメア・カウント)だか何だか知らないけど、あたしに楯突いた事、後悔させてやる!!」

 

 

声を荒げて銃口を弥王に向けると、レオナは引き金を引いて、銃弾を放った。

銃口から上がった火花でレオナの位置を特定すると、弥王は彼女に斬りかかる。

捉えた――――!!いや、掠っただけか。

弥王は感じない手応えにレオナが自分の攻撃を避けたのだと思った。

実際には、レオナの仮面を落としただけで、顔には擦り傷しか付いていない。

レオナの面の下から出てきた顔に、観覧席で見ていた沢田達や弥王は絶句する。

白い面の下から出てきた顔は、沢田達のよく知る顔だった。

 

 

「っ・・・・・・き・・・・・・木吉レーナ・・・・・・!?」

 

 

弥王は驚愕を露わに声を出す。

まさか、対戦相手が木吉レーナだったなんて、想像もしていなかったのだ。

月明かりを背に、木吉は不敵に笑う。

 

 

「あらぁ、私の事知っているのね?

関心、関心。

でも、貴方には消えて貰うわ」

 

 

暗く妖しい笑みを携え、木吉は銃口を弥王に向ける。

弥王は様子見の為、木吉と距離を置いた。

距離を少し詰めて、木吉は銃を乱射しまくる。

弥王は無茶苦茶な弾道を少しの動きで避けていく。

 

 

「闇夜と同化し、深淵に潜んで全てを誘い、落とす悪夢の夜」

 

 

「それが夜の使命だ」と弥王は木吉に背後から近付いて、耳元に囁くように言った。

勢いよく振り返ると、木吉は弥王にナイフを薙ぐ。

 

 

「あぁ、危ないっ!!」

 

 

観覧者には守護者の動きが解るので、木吉が弥王にナイフを薙いだのを見て、沢田が声を上げる。

その後ろ、リボーンの隣で「ミオン、遊んでいるな・・・・・・」と呆れた様に璃王が呟いた。

リボーンは「まぁ、彼奴だからな」と弥王に目を向けたまま、言った。

木吉のナイフは弥王のマントを切り裂いて、面を捉える。

弥王がマントと面を犠牲にマントを脱ぎ捨てると、そのマントが視界を遮って、風に飛ばされる。

カランカラン・・・・・・と廊下にプラスチックの面が虚しく落ちた。

そのシーンがスローモーションを掛けられたかのように動いたのを感じて、遅疑の瞬間には視界が開けた。

マントの先でそのマントの持ち主が丁度、着地する。

その主が顔を上げて、沢田は声を上げた。

 

 

「こ・・・・・・っ、神南弥王!?」

 

 

沢田は―――否、その場に居た、璃王とリボーン、京子とメリア、メテーオラ、黒曜組除くボンゴレは目を見開いた。

弥王は優雅に爪先から着地し、余裕綽々の笑みを湛えている、

いや、正確には人を小馬鹿にした様な笑み、の方が正しいであろう。

実際に弥王は内心では、ボンゴレを馬鹿にしているのだから。

 

 

こんばんは、ご機嫌如何(Buona sera,Come va)

脳天気なボンゴレの皆さん(Caposcarico Vobgole)

 

 

まるで、マジシャンがマジックをお披露目する時の様にスラッと礼をして、皮肉めいた冷笑を浮かべている顔を上げる。

イタリア語での挨拶とその雰囲気がマッチしていて、余計に獄寺の苛々を煽ったらしい。

獄寺は、憧れの悪夢の伯爵(ナイトメア・カウント)が弥王だった事の驚愕よりも、「あいつ・・・・・・!!」と怒りの表情を出していた。

当然、弥王が何て言ったのかは、イタリアからの帰国子女である獄寺には解った。

沢田は訳が解らず、怒りに震える獄寺を見る。

すると、璃王が説明した。

 

 

「こんばんは、ご機嫌如何?脳天気なボンゴレ、と言ったんだ」

 

 

璃王の翻訳に沢田は獄寺が噛み付いた理由を察して、自身も不快を露わにした。

そんな中、弥王はカメラに向かって、手を振って見せた。

 

 

「驚いたか?

オレがルーン家次期当主、ミオン・ルーンさ」

 

 

今、カメラに映って不敵に微笑んでいる人間は、紛れもない、神南弥王であった。

沢田と山本、了平はワケが解らない、と言いたげな顔でモニターを見上げている。

その中、獄寺だけが弥王に突っ掛かっていた。

 

 

「嘘言え!!俺は知ってんだからな!!

ルーン本家当主候補、ミオン・ルーンは女だ!!

お前は男じゃねぇか!!」

 

 

まるで、詐欺師を罵るかのように獄寺はモニターに向かって喚くが、そもそも弥王には聞こえていない。

弥王は「その顔は信じてないな?」とまるで、外の声が聞こえているかの如く、話を進める。

その顔は何処か、楽しんでいるようでもあった。

そして、自分の姿に目をやると、あぁ、と納得したような声を出す。

 

 

「オレがこの格好だからか。

でも、元の姿って戦いにくいんだよなー。

つか、見えている物でその物の本質を知ったような気で居るんじゃ、到底、オレのボスなんか名乗れないぜ・・・・・・っと!!」

 

 

弥王はネクタイを緩めて第2ボタンまで外すと、幻術を解いて、前髪を掻き上げた。

霧が晴れた時、沢田達は驚愕に目を見開いて、絶句する。

白い頬には黒い逆二等辺三角形の痣が付いており、晒された右目は蒼穹を思わせる様な綺麗な蒼。

左目尻には、黒子が付いているのが見える。

そして、何より驚いたのは、その全体のシルエットだ。

男には決してある筈のない膨らみが、シャツの上の辺りにある。

髪は緩くウェーブが掛かっていて、月明かりに照らされ、滑らかに輝いている。

その姿は何処をどう見ても“女性”であった。

まるで、天から舞い降りてきた月の女神(セレネ)の様に、凛々しく堂々とした出で立ち。

それは、正に今宵の主役、ミオン・ルーンその人であった。

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