Preghiera di duo~月に祈りを星に願いを~   作:紅 奈々

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最近、「LOOP THE LOOP」というアプリにはまっていますw
今日、漸く第二章の「錯綜の渦」をプレイし始めました。
いやぁ、まさか、飽食の館があんなエンドを迎えるとは思わずww
個人的にはタクトが好きですww


標的2

記憶の片隅で、まだ幼い2人の幼女が楽しそうに歌いながら、遊んでいた。

1人はブロンドのロングヘアーの女の子。もう1人は紫のセミロングの髪の女の子。

その子は紛れもなく今、モニターの向こうにいる少女だった。

何故、今まで思い出せなかったのだろうか。

京子はそんな事を思って、首を振る。

いや、“思い出せなかった”んじゃない。“思い出そうとしなかった”のだ。

もっと的確に言うのなら、無意識のうちに記憶から抹消していた。

その光景を思い出すと、今まで封じ込んできた記憶が蘇ってきて、京子は目に涙を浮かべる。

 

 

「・・・・・・ミオンちゃん・・・・・・」

 

 

無意識に、京子の口から言葉が零れ落ちた。

その声はミオンには聞こえていないはずなのに、恰もミオンには聞こえたかのような口ぶりでミオンは微笑んだ。

 

 

「良かった、思い出してくれたみたいだね?

そう、オレが京子を守る理由、それは、オレと京子が――――――」

 

 

「従姉妹だから・・・・・・」

 

 

京子はミオンの言葉を引き取った。

そう、京子とミオンは父親同士が兄弟なのだ。

了平も京子につられて、思いだしたかのように言った。

 

 

「ミオン、生きていたのか!」

 

 

驚いている了平にミオンは「久しぶり、了平兄さん」と微笑んだ。

 

 

「さ・・・・・・笹川とお兄さんと神南が・・・・・・従兄弟~~~~!?」

 

 

沢田が驚愕に声を上げる。

驚いたのは山本も同じく、相応の表情をしている。

ただ、獄寺は何かを考えるように顎に手を当てて、軈て、顔を上げた。

 

 

「十代目!

これで辻褄が合います!」

 

 

「え・・・・・・?」

 

 

今まで黙って考え込んでいた獄寺がいきなり前触れもなく言った言葉に、沢田は疑問符を浮かべて、小さく首を傾げる。

獄寺は沢田に質問した。

 

 

「十代目。

木吉がルーンさんに襲われそうになったとか言って来た時、ルーンさんが言った言葉、覚えてますか?」

 

 

獄寺の質問に沢田はあの日の事を思い出す。

そう、木吉がミオンに襲われそうになったと言っていた、あの日の事だ。

沢田は獄寺の初めの言葉の意味が解って、「あぁ!?」と声を上げる。

獄寺は、沢田が自分と同じ事に思い至ったと解釈した上で、頷いた。

沢田は続ける。

 

 

「普通、唯の友達なんかに自分の権力は・・・・・・」

 

 

「まず、使いません」

 

 

沢田の言葉を引き取って、獄寺は頷いた。

ミオンはあの時、京子は勿論、自分に手を出したら、沢田達を社会的にも生物学的にも抹消する、と言っていた。

更に、虚像を信じている教師もどうなるかな、と見下したように言っていた気がする。

 

 

「そう言えば・・・・・・神南って女だったんだよな?

じゃあ、あの木吉が言ってた、神南に告白されてどうのって・・・・・・」

 

 

「あれは嘘だよ。木吉レーナのね」

 

 

山本も、現状とあの時の出来事との矛盾に気付いたのか、呟いた。

その呟きは、低い声に拾われる。

その声に沢田達が振り返ってみれば、その視線の先に雲雀が居た。

沢田が上擦った声で雲雀の名前を言う。

それに目もくれず、雲雀はモニターを見た。

 

 

「ちゃーお、恭弥。

こっちに来るなら、初めから屋上に居ないでそこに居れば良かったのに」

 

 

ミオンは、雲雀の気配を感じたからなのか、外の様子など見えても居ないのに、恰もそれが解っているかのような口ぶりで話した。

雲雀はむすっとして、モニターの向こうのミオンに言う。

 

 

「僕は群れるのが嫌いだ。知ってるでしょ?

それと弥王、やっぱり君、女子だったんじゃない。

君は昔から、嘘や隠し事が多いから、嫌いだよ」

 

 

拗ねた様な雲雀の口調にミオンは声を出して無邪気に笑い飛ばした。

 

 

「あっはっはっはっはっはっはっはっは!!

細かい事は気にすんなよ!オレと恭弥の仲だろ?」

 

 

「何が僕と君の仲、なの、調子が良いね。

君は後で咬み殺すから、そこの草食動物に負けたら許さないよ」

 

 

「オレが負けるかよ」とミオンは尚も笑っている。

その無邪気な笑顔は確かに、京子と似通っていて、沢田は京子とミオンが本当に従姉妹なのだと、思う。

 

 

「ちょっと・・・・・・私を無視してんじゃ・・・・・・ないわよ!!」

 

 

今まで、完全に空気にされていたレオナは怒りも露わに仰向けの体勢でミオンにナイフを投げた。

ナイフは真っ直ぐの軌道でミオンの顔に向かって来ていたが、ミオンはそれをあっさりと躱す。

「こんなんでよく、ヴァリアーで生きていけたな」とミオンはそのゴキブリ並の・・・・・・否、逞しい生命力に舌を巻く。

次の瞬間、ミオンの耳に信じられない言葉が飛び込んできた。

 

 

悪魔の猫(ディアーヴォロ・ガット)の前で余裕ぶっこくなんて、命知らずにも程があるんじゃない?

今から殺してあげるから、平伏して命乞いでもしなさい!!」

 

 

レオナはミオンに銃を向け、引鉄を引く。

ミオンはお前の頭に学習能力はないのか、と溜息を吐きつつ、弾丸を避けると、盛大に笑った。

 

 

「あーっはっはっはっはっはっはっは!!

何だって?今、悪魔の猫(ディアーヴォロ・ガット)つった?

おい、璃王!お前、何自分の異名を乗っ取られてんだよ、クッソウケる!!

傑作じゃーないか!あーっはっはっはっはっはっはっは!!」

 

 

ミオンは文字通りにお腹を捩れさせて、酸欠になるんじゃないか、と言うくらいに爆笑している。

そんなミオンに流石の璃王も「後で彼奴、絞める!!」と密かに怒りをミオンに向けていた。

そう、後半の言葉は璃王に向けられた物だった。

沢田は「あの人、何処で笑ってんのーーーーー!?」とミオンの笑いのツボが解らずに突っ込んでいる。

それには獄寺も同感のようだ。

一頻り笑って落ち着いたミオンは、それでもたまに吹き出しながら、笑いすぎて出てきた涙を拭く。

 

 

「くくっ、悪ぃけど・・・・・・オレの相棒は昔からぶっきらぼうでメランコリックで愛想無くて滅多に笑わない人間嫌い(ベルフェゴール)なんだけど。

そのくせ、手先は器用でハイスペックで女々しい一面を持っている深海の姫(アンドロメダ)なんだよ」

 

 

ミオンの言葉は一部の人間には誰の事かは通じたが、沢田達には通じていない。

更に言うと、それを聞いていた璃王は爆発寸前なのが何となく解る。

殺気を滲ませて、あンの野郎・・・・・・とモニターを睨むように見ていた。

璃王の態度で、ミオンが言っているのは璃王の事だ、と京子は何となく察する。

19にもなって、女扱いされるのは心外だ。もう、昔の自分とは違う。

いい加減に女扱いはやめて貰いたい。

そんな璃王を余所にミオンは、冷ややかな視線をレオナに向ける。

その双眼は赤く、黒く沈んでいく闇のように深い冷たさを孕んでいた。

その目は正に、“闇夜と同化し深淵に潜んで、すべてを誘い堕とす悪夢の夜”――――――

 

 

「オレの相棒の名を騙った事・・・・・・オレの従妹を陥れた事・・・・・・後悔しろよ」

 

 

真剣な顔付きになると、ミオンは漆黒のヴァイオリン(ネーロ・ヴィオリーノ)を構えた。

悪夢の夜が今、始まる――――――






補足として・・・・・・

璃王は歴とした男性です。
ミオンが璃王を「アンドロメダ」と称していたのは、ただ、璃王が外見に反して少し乙女な所がある為、そう言ってからかっているだけなんですね。
ちなみに、裏話で璃王は小さい頃にミオンや母親に女装をさせられたりしていましたw
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