Preghiera di duo~月に祈りを星に願いを~ 作:紅 奈々
今回、璃王がくっそイケメン・・・・・・←
「攻撃でもない防御でもない 真ん中の気持ち
煌めきと絶望の間の 真ん中の気持ち」
歌いながら、ミオンはレオナに近付いていく。
爆発に巻き込まれた所為か、レオナは目も当てられないような惨状になっていた。
皮膚は捲れ、骨が剥き出しになっている所もある。
それにも関わらず、レオナは虫の息を保っていた。
どうやら、辛うじて残っている気力で延命しているようだった。
辺りは血塗れで、まるで激戦区のような様相を呈している。
それを暫く見下ろして、ミオンはレオナの傍に膝を付くと、レオナの額に触れて歌い続ける。
「未來は羽根 そして鉛
私は水 そして炎」
レオナの負った傷が癒やされていく。
皮膚も再生して、それは傷痕として残っているが、レオナは一命を取り留めた。
何だかんだでこうなる事は、XANXUSもスクアーロもマーモンも想定していたのだ。
そして勿論、リボーンも想定していた事で、さして驚いている様子はない。
「ずっと傍に居た 愛よりも近かった
全てが一つに暖かだった日
ずっと傍に居たかった 音楽も聞こえない
貴方から遠ざかる・・・・・・
蒼い 蒼い 蒼い旅路・・・・・・」
モニターの向こうのミオンは先程の恐怖の影もなく、ただ、癒しを与えるセレネのようであった。
モニター越しにも、暖かい空気を醸し出している。
レオナは苦痛に歪めていた顔から一転、今は安らかな寝息を湛えていた。
幼子のような寝顔はミオンの知っている、幼い日のあのレオナと同じモノだった。
画面越しに歌を聴いていた人間も、負傷者は全て敵味方に拘わらず傷が癒やされていた。
ルッスーリアにフルボッコにされた笹川了平、ランボとの戦いで軽傷を負ったレヴィ・ア・タン、昨日の嵐の守護者戦でボロぞうきんになっていたベルへゴールと獄寺隼人。
この場にいる全員の怪我が治る。
“壊れたモノに光を注ぎ、蘇らせる金襴の
「蒼い 蒼い 蒼い旅路・・・・・・」
歌い終わると暫くの間、沈黙が続いた。
「“常に優雅に吹き、時に嵐となり、雨と同化し雪となる気紛れな風”・・・・・・それが、風の守護者の使命だ。
レオナ・ルーン・・・・・・いや、木吉レーナには罪を償う義務がある。こんなトコで殺すかよ。
そんな楽はさせない。
そして、誰が選んだかは知らないが、コイツはルーンの次期当主になる資格はない筈だ。
項にティア・クロスがあったとして、コイツはルーンの氏族の人間。
氏族は掟により、当主の資格を剥奪されている。
それに、ティア・クォーツはオレの手の中にあるしな。
オレ以外に、ルーン家の当主は有り得なかったんだ、最初から」
沈黙を破って、ミオンは語り始めた。
ミオンの言ったとおり、ルーン家の当主候補になれるのは、ルーン家の本家、分家、御三家の少女の中で体の一部にミオンの左目尻にあるタトゥーと同じ模様――ティア・クロスのある者だけだ。
そして、ミオンは既に次期当主として認められていた。
それは、ミオンの持つティア・クォーツの原石から作られたイヤリングが証明している。
ミオンの持つティア・クォーツはルーン家の次期当主だけが持つ事を許される特別な水晶だ。
イヤリングは幼い頃、その原石を渡されたミオンがそれを持て余していた時に、スクアーロが加工してくれた物だった。
「チェルベッロ。
元から、ルーン家の当主兼夜空と風の守護者はオレしか居なかった。
この争奪戦はカウント外だ。
XANXUSもそれを解っててこんな茶番させるんだもん、もう、腹筋崩壊ってレベルじゃないんだけど?」
チェルベッロに結果を言うと、ミオンはXANXUSに向けて、「プクク」と苦笑しながら言った。
話を振られたXANXUSは、眉を少し寄せただけで、それ以上は何も言わなかった。
「まぁ、いーよ。何を企んでいるかなんて興味もないし、その事に関してはオレからは何も言わないけど・・・・・・とにかく、ボンゴレに沢田のような弱者は要らない。
それも、真実と虚実すら見抜けない様な半端な
さっさと勝って、オレをそっちに戻してよ」
ミオンの言葉は勿論、XANXUSだけでなく、リボーンの耳にも入っていて、リボーンは沢田に「どういう事だ」と詰め寄っていた。
沢田は顔を蒼くして、何も言わない。
今にも、殺されそうだ。
そのリボーンの問いに答えるように、ミオンは言った。
「そう言えば、リボーン。お前は沢田の
なら、これはお前の管理不届きだ、教えといてやる。
沢田は去年から、笹川京子を虐めていた。そこの獄寺隼人、山本武もな。
理由は、木吉レーナが笹川京子に虐められたから。
でも、実は木吉レーナが自分可愛さに笹川京子を陥れて、自分は被害者です、と沢田達に焚き付けて、京子を虐めるように誘導、な――んにも知らない沢田達は真相も見抜けず、笹川京子を虐めていたってワケさ!
ついでに、オレにも手を出してきたから、多少は返り討ちにさせて貰ったぞ」
ミオンの報告に今までリボーンに隠していた沢田の悪事が露見して、リボーンはその顔に影を落とし、沢田は顔を真っ青にしていた。
まさか、自分の生徒が知らない所で虐めをしていた所か、一番手を出したらいけない人間にまで手を出していたなんて知らなかった。
とはいえ、「知りませんでした」じゃ済まないのは、リボーンも承知の上だ。
リボーンは沢田に「帰ったら、詳しく吐いて貰うからな」と低い声で言った。
沢田は何も言えなかった。
「チェルベッロ、結果発表してくれないか?話が進まない」
「はい。
それでは、勝負の結果を発表します」
ミオンの言葉により、チェルベッロは畏まった様に返事をすると、結果発表に移った。
「今回の対戦は、レオナ・ルーンの反則として、ミオン・ルーンの勝利。
よって、ボンゴレ夜空と風の守護者兼ルーン家次期当主はミオン・ルーンとし、ミオン・ルーンにはこの争奪戦後、勝利した側の守護者になる義務が発生します」
「明日の争奪戦の対戦カードを発表します。
明日の対戦は、雨の守護者同士の対戦です」
チェルベッロが勝負の結果を発表すると、もう1人のチェルベッロが次の対戦の発表をした。
それを聞くと、ミオンはレオナを抱き上げて校舎を出て行く。
フィールドから出て観覧席に行くと、誰よりも早くに璃王が前に出てきた。
璃王が声を掛けてくる前に近くにいたメテーオラにレオナを預けると、ミオンは璃王と向き合った。
璃王はミオンの前に跪いて、猫の面を取る。
「オレは、こうなる事が解っていた。
やっと叶ったな、
この日が来る事をずっと、オレは・・・・・・っ」
ミオンを敬愛の眼差しで見る璃王の目尻には、涙が浮かんでいた。
誰よりも近くでずっと守ってくれていた璃王が、自分の勝利をこんなに喜んでくれている事実がミオンにとっては溜まらなく嬉しい。
それと同じように、自分がずっと守ってきた
璃王の言葉に頬が綻んで、ミオンは微笑んだ。
「おいおい、
まだ先代はご存命で、引退もしていないんだが」
「オレの中で、
どれだけ、ミオンが女王になる事を夢に見たか・・・・・・お前に仕えてこそ、存在価値が初めて派生する。
璃王の気の早さに苦笑すると、璃王は当たり前のように周りが聞けば歯が浮くような言葉を連ねる。
それは皮肉などではなく、本心か璃王が思っている言葉だ。
それを言った後、まるで自然な運びでミオンの手を取ると、璃王は人目を憚らずにミオンの指先に唇を落とした。
その場に居た全員が璃王の行動に目を見張る。
それもそうだ。こんな人が居る目の前で、堂々と跪いて指先だが、キスをしているのだ。それで驚かない人間は居ない。
しかも、それが様になっているので、その様子に目を奪われる。
ミオンも特に気にしている素振りがないので、尚自然に見えた。
@夜の守護者の使命
闇夜と同化し、深淵に潜んで全てを誘い堕とす、悪夢の夜
@星の守護者の使命
真実を映し出し、虚実を払う超新星爆発
@月の守護者の使命
壊れたモノに光を注ぎ、蘇らせる輪廻転生の月光(ツキアカリ)
静かに佇み、全てを見通す審判の月影
@風の守護者の使命
常に優雅に吹き、時に嵐となり、雨と同化し雪となる気紛れな風