Preghiera di duo~月に祈りを星に願いを~ 作:紅 奈々
金曜日から四日間、充実してたなぁ・・・・・・。
まぁ、そのお陰で小説が全く進まなかったわけですがww←
「じゃあ・・・・・・」
重たい沈黙を裂く様に、京子は立ち上がって、言葉を発した。
その次の京子の行動に、ミオンとリオンは驚かされる。
京子がレオナに歩み寄ると、鈍い音が部屋に響いた。
レオナの頬は赤くなり、京子は握っている拳を左手で包んでレオナを見下ろしている。
そう、京子はレオナの横っ面を思いっきり渾身の力を込めて殴ったのだ。しかも、グーで。
レオナはジンと痛む頬を抑えて、京子を見上げる。
「これで手打ちにする。
別に復讐なんかするつもりはないし、それは意味無いもん。
それに、どうせなら、今までの事はすべてなかった事にして、初めからやり直したい。
私は貴女を知らなかった。今、ここで初めて会った」
京子の言葉にレオナは目を見開く。
驚いたのはミオンも同じで、まさか、今までの事を無かった事にしようなんて思わなかった。
顔を上げた京子は微笑んでレオナに手を差し出した。
「初めまして、笹川京子です、よろしくね、レオナちゃん」
レオナは乾いた目からまた、涙を流すと京子の手を取って「うん・・・・・・」と何度も頷いた。
これで、この二人は一件落着だ、とミオンは安堵した。
そこに水を刺す様に言葉を挟んだのは、リオンだった。
「この二人は良いとして・・・・・・クラスの連中はどうするんだ?
彼奴ら、絶対に復讐合戦とか言ってレオナに手を挙げてきそうな予感がするんだが」
リオンの言うとおり、この二人が和解してもクラスの人間が今度はレオナを標的にしない保証はない。
ミオンは唸る。
今までと状況が違った為、何も考えていなかったのだ。
取り敢えず、とミオンはレオナを見た。
レオナはきょとん、とミオンを見上げる。
「木吉レーナは転校した事にしてもらって、レオナが留学してきた、で良いんじゃないか?
恭弥なら、そのくらいの偽装はできるだろ。
何たって、並中の支配者、らしいしな」
まるで、悪い事を企んでいるかの様に口角を上げて、ミオンは言った。
こう言う、悪い事にも頭が回ってしまうミオンに呆れつつも、リオンは何も言わなかった。
いつも突拍子もないのは、昔からの性格だ。
今更、何を言っても無駄である事は他の誰でもない、リオンが1番良く知っている。
それから、レオナはそのまま、ミオンの部屋でミオンと休む事になり、リオンと京子はそれぞれの部屋へ戻っていった。
翌日、ミオンと京子とリオンは学校へ向かっていた。
レオナも、木吉レーナとして登校する。勿論、クラスメートへの謝罪の為だ。
学校に着くと視聴覚室に向かい、プロジェクターを用意する。
全ての準備が整った所で、クラスメート達が視聴覚室に入ってきた。
「さて、揃ったかな」
全体を見渡して、ミオンは欠席が居ない事を確認すると満足そうに頷いた。
これから何が始まるんだと思うと、クラス中の心境はあまり穏やかではない。ミオンが何をするのか、見当も付かない。
不意に、ミオンの隣に居るレオナに気が付いたクラスメートが声を上げた。
「レーナちゃん!!」
その声につられる様に、罵声が降りかかってくる。
「レーナちゃんに何をするつもりだ!」だの「レーナちゃんから離れろ」だの、レオナが被害に遭う前提の言葉が浴びせられる。
それに構わずにミオンは微笑んだ。
「その事なんだけどさー。
木吉さんから、今までの事について、話があるそうだよ?」
ミオンの言葉に投げられていた罵声が止む。
そして、今度は困惑の表情を見せていた。
ざわつく室内に構わず、レオナは手を握ると、意を決した様にミオンの前に出てきた。
「ごめんなさい!!」
取り敢えず、レオナの口から出てきた言葉はそれだった。
言いたい事は沢山あるが、何から言えばいいのか全く見当も付かない。
取り敢えず、口から出てくる限りの言葉を吐き出そうと、レオナは思ったのだ。
突然のレオナの謝罪に、一同は困惑する。
それに構わずにレオナは続けた。
「えっと・・・・・・みんなに謝らないといけない事があるの!
私は、みんなを騙してた。
本当は、京子ちゃんが私を虐めてたんじゃなくて、私が京子ちゃんを陥れてたの!」
いきなりのレオナのカミングアウトにその場に居た沢田、山本、獄寺以外はポカンと口を開けている。
生来からあまり喋るのが得意ではないレオナは、話す順序もめちゃくちゃに取り敢えず、何かを言わなきゃいけない、と思った事を整理せずにそのまま喋る。
そんなだから、クラスメイトは呆然とするしかない。
「それと、弥王君の事も、本当は・・・・・・」
そこまでレオナが言った時だった。
はっと我に返った男子がレオナの言葉を遮る様に声を出した。
「う、嘘だ!
レーナちゃんは何もしてない、そう言われる様に脅されているんだろ!?」
男子の言葉を皮切りに、あちこちから声が飛んでくる。
それは、ミオンや京子を非難する声だった。
それを止める術を知らないレオナはミオンに目を移す。
ミオンは細く溜息を吐くと、最終手段だと言う様に前に出てきた。
「お前ら、見た目で判断するなよ・・・・・・そもそも、オレは女だ」
ミオンのカミングアウトにまたもや、教室はざわめいた。
リング戦の時の沢田、獄寺、山本と同じ反応をする、クラスメイトにミオンは笑いを堪える。
「信じられないなら、脱いでやっても良いが?」
勿論、これは冗談だ。
意地悪く笑っているミオンの顔にリオンは額を抑える。
そんな冗談、こんな思春期真っ只中の男子には相当きついであろう。それを解っていて楽しんで言っているのか、それとも、何も考えずに言っているのか。
どちらにせよ、今後の為にも注意しておかないとな。
まだまだ、ミオンからは目を離せそうにない、とリオンは内心、溜息を吐いた。
「神南さん、冗談きつすぎるよ―――――!?」
思わず突っ込んだ沢田。
その言葉をミオンは笑って「冗談だよー」と流す。
やめてくれ、唯でさえもミオンの姿は情操の面でかなり強烈なんだから。冗談にならない。
ミオンの本当の姿を知る沢田、獄寺は顔を紅く染めた。山本は「神南って面白いのな―」と笑っているだけだ。
「つか、沢田まだ生きてたんだな~?
とっくに恭弥に咬み殺されてんのかと思ったよ」
「あはは」とミオンは笑う。
そのタイミングで扉が開いて、雲雀が入室してきた。
その場が一気に緊張に包まれる。
その視線を気にも留めず、雲雀はミオンに歩み寄った。
「まだ、咬み殺さないよ。
そこの草食動物にも真実を知る権利はあるからね。
それと、ミオン。
君、ここを使って良いと誰の許可を得たの?」
チャキッ、と金属音を立てて、何処からともなく雲雀はトンファーを取り出した。
冷ややかな視線を送る雲雀にミオンは「あ、まずはオレから、ってか・・・・・・」と頬に冷や汗を流す。
実を言うと、視聴覚室を使う許可は誰からも取っていなかった。
「ま・・・・・・まぁまぁ、今、許可を取った、っつー事でいいだろ?
そうだ、この集会が終わったら、沢田をフルボッコにして良いからさ!
何なら、獄寺も付けるぞ!」
沢田と獄寺を生け贄にミオンはこの場を切り抜けようとした。
その意思がありありと解ったのか、「何で俺達だよ!!」と獄寺がミオンに噛み付く。
それもそうだ。この場を用意したのはミオンであって、沢田達じゃない。とんだとばっちりだ。
だが、昨日の一件で分かった事だが雲雀は咬み殺せれば誰でも良いので、その標的を沢田と獄寺に切り替え、目を爛々と光らせた。
レオナ・ルーン(14)
ルーン家第2氏族の一人娘。
ミオンとは友好的な関係にあったが、ルーン家襲撃以降、別の人格に体を乗っ取られてしまう。
ミオンのO.C.波により、元の人格を取り戻した。
性格はややおっとりしていて、天然気質。