Preghiera di duo~月に祈りを星に願いを~   作:紅 奈々

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山本を黒くしようか只今、考え中・・・・・・。
姑息でも、スクアーロに勝とうとする山本・・・・・・どうだろう?




標的3

夜の闇が色濃く世界を包んだその時、戦いの合図は鳴った。

今宵も命を懸けた戦いが繰り広げられる。

今宵、戦いに命を懸けるは、傲慢な鮫の名を冠する剣豪と、不意にマフィアの世界に入ってしまった中学生。

勝敗は明らかの様に思われるが―――――、その行方は、天のみぞ知るだろう。

 

 

「う゛ぉ゛ぉ゛い、来ないなら、俺から行くぜぇ!」

 

 

細く長い白銀の髪が揺れ、漆黒のブーツが床に敷かれた水面を蹴る。

スクアーロの声は、水が落ちる空間に響いて消えた。

ばしゃばしゃと、水を蹴る音が山本に迫る。

その刹那、白銀の牙が襲いかかってきた。

スクアーロの剣が迫ってきて、山本は咄嗟に刀を前に防衛に出る。

すると、刀の間から、小さな火薬が山本の至近距離で発射された。

 

 

「!!」

 

 

「山本ぉ!!」

 

 

モニターに映る光景に沢田が戦慄し、叫ぶ。

爆煙が山本を包んで見えない。一瞬、沢田の――――いや、全員の心の中に山本の被爆死体が描き出された。

至近距離から被爆すれば、山本は無事では済まないだろう。

刀を振るう前に落ちるなんて、何ともあっけない最期だろうか――――――これが、最期であれば。

誰もが山本の最期を悟った時、ミオンが「生きている・・・・・・」と呟いた。

一同は、その言葉を聞いてモニターに視線を向ける。

爆煙が晴れて、視界がはっきりしたその中心に人影が見えた。

それに、沢田は安堵する。

 

 

「山本ぉ!!」

 

 

沢田の安堵の声を皮切りに、その場に安堵の空気が流れる。

そう、山本は生きていた。彼が継承した流派―――時雨蒼燕流の守式の型、繁吹き雨によって、スクアーロの爆撃を逃れたのだ。

煙が渦を巻いて消えると、スクアーロは背後の気配に目を剥く。

山本には直に攻撃を当てた筈であった。それなのに山本は生きている。

それで驚かない事はまず無いであろう。

 

 

「あのロン毛の爆風を躱した!」

 

 

沢田の声には、歓喜の色が滲んでいた。

それがミオンの心を掻き乱す。

スクアーロには是が非でも勝ってもらわなければ困る。

でないと、ミオンは沢田の守護者にされてしまう。それだけは嫌だ。

そこまで考えて、現状との矛盾にミオンは苦笑した。

沢田側に居たくはないのに、今、居るのは沢田のチームだ。こんな矛盾があるだろうか。

矛盾している状況に、ミオンは内心、穏やかじゃなくなってきていた。

 

 

「まだ、荒削りな所があるが・・・・・・だが、時間的に考えればここまでやれるなんてたいした物だな」

 

 

ミオンの隣の金髪の男が感心した様に言った。

彼は、跳ね馬と呼ばれるキャバッローネファミリー10代目、ディーノだ。

リボーンとは昔なじみで、沢田の兄貴分だと称している。

ディーノの言葉にリボーンは頷いた。

 

 

「あぁ、カタギの人間が臆することなくいきなり実戦で戦えるってのは、余程何も感知していない馬鹿かそれか、生まれながらの殺し屋だな」

 

 

「それか、死ぬ可能性を顧みない唯のおめでた頭だろ」

 

 

リボーンの言葉にミオンが付け加える。

沢田は「物騒な事言うなよ、リボーン!!」と突っ込んでいるが、リボーンは素知らぬ顔をしている。

リボーンの言うとおり、いきなり一般人がその手に武器を持って、実戦でそれを練習通りに扱える筈がない。

新兵だって、最初はまず、「人を傷付ける」事に臆する。そして次は、「死ぬ」事に怖じ気付く。だから、敵前逃亡なんてあり得るし、恐怖と罪悪感に揺れて自殺する事だってある。

軍人でそれならば、戦闘シミュレーションすらない一般人がいきなり臆する事もなく戦えるとしたら、それは「生まれながらの殺し屋」以外に有り得ない。若しくは、雲雀の様な戦闘狂か。

どちらにせよ、山本には素質の様なモノが在ると見て間違いはないだろう。

ミオンの目に狂いがなければ、将来、スクアーロと並ぶ剣豪になれる可能性がある。

山本とスクアーロの戦いを見て、ミオンは直感した。

 

 

「まぁ、どのみち・・・・・・

山本に目を着けた俺が1番すげぇな」

 

 

「結局、自慢かよ。

つーか・・・・・・」

 

 

リボーンの言葉にミオンは突っ込んだ。

そして、言葉を切るとミオンはモニターを睨む様に見る。

ポツリと呟かれた言葉に沢田は驚くのだった。

 

 

「彼奴、あの戦い方してたら、死ぬぞ・・・・・・」

 

 

「え・・・・・・?」

 

 

真剣にモニターを睨むミオンの目は山本を捉えていたらしく、未だに攻勢に出ない山本に向けられた呟きの様だった。

ミオンの言葉に沢田はミオンを凝視した。

一見、山本は上手くスクアーロの攻撃をいなして、躱している様に見えるが、ミオンの目にはそれしか太刀打ちできる術を持って居ない様に見えていた。

そして、ミオンが山本の死を見たのは、スクアーロの笑みを見たからだ。

スクアーロは、何かを確信しかのような、獰猛な笑みを湛えている。

それは、唯単純に勝利を確信したから出ている笑みの様にミオンの目には映った。

 

 

「う゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛い、てめぇ!!

これじゃあ、遊びにもならねぇぞぉ!!」

 

 

水の壁を創ってスクアーロの攻撃を回避した山本に、スクアーロは言った。

「遊びにもならない」それは、山本との勝負を遊び感覚でしか―――否、それ以下のお遊戯感覚にしか感じていない台詞だった。

その言葉に山本は焦りを感じる。

このまま、攻勢に出られなかったとしたら、確実に殺されるであろう。

そうなれば、何の為に自分が雨の守護者になり、修行をしたのかが解らなくなる。

その時、山本に僅かな隙ができた。

それをスクアーロは逃さず、山本に怒濤の斬撃を浴びせた。

 

 

「ぐ・・・・・・っ!?」

 

 

スクアーロの怒濤の攻撃に山本は圧され始める。

山本は必然的に守勢に回らざるを得ない状況に陥ってしまっていた。

何とか、スクアーロの隙を突く事はできないモノか―――山本は、スクアーロに隙ができて攻撃できる機会を狙っていた。

勿論、殺しのプロたるスクアーロに隙ができるとは思えないが・・・・・・。

それでも、スクアーロに隙ができる事を祈りながら、山本はその時まで耐える事にした。

剣を始めて日が浅い自分とは違い、幼い頃から剣技を磨いて来たスクアーロの剣は、何処か重みを感じる。

これが、「剣帝」と恐れられている者の剣であろうか――――。

距離を取ろうと後ずさる膝が笑っている事に気付く。初めて、心の底から「怖い」と感じた。

このまま、自分はここで殺されるのだろうか。手も足も出ないままに――――。

そんな事を思っていた時だった。

山本の目に一瞬、紫に燦めく光が見えた気がした。






笹川京子(14)


木吉レーナによって嵌められ、クラス全体から虐められていた、笹川了平の妹。
優しい天使だった筈が、ミオンと出会う事で「笑顔毒舌ヒットマン京子」と化する。
笑顔で毒舌を吐いたり、躊躇いなく人を殴れたり、レヴィを激弱だと称したり、実は殺し屋になるべき人物じゃないのか、とリオンに評されている。
ミオンに出会って、性格が180度ひっくり返されちゃった、ある意味被害者その2。
ちなみに、被害者その1は言うまでもなく雲雀である。
今では、レオナとハルとメリアとクロームと仲良くショッピングを楽しんだり、リオンと仲が良かったり、沢田達と和解してたり、と虐められる前よりも逞しくなり、新しい人生をEnjoy中。
雲雀とも多少は仲が良くなっていたりしている。
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