Preghiera di duo~月に祈りを星に願いを~   作:紅 奈々

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山本は少し、原作よりもやや弱めです、メンタル面が。
原作はちょっとチートっぽいかな、と思ったので。
普通の中学生が臆することなく戦いなんかできる筈がない!!と思ったんですね、作者が。




第21楽章 PRIDE―矜恃―
標的1


スクアーロの銀色の髪の間に、紫の光が見えた気がした。

あのイヤリングは神南の・・・・・・と、山本は昨日の争奪戦でミオンがイヤリングを付けていたのを思い出した。

確か、“ティア・クォーツ”とか言ってたっけな・・・・・・。神南の家系が後継者に選んだ人間に渡す家宝だとか話していた様な・・・・・・。

何で、スクアーロがそれを持って居るんだ?

そこまで考えて、山本はこの争奪戦の前にミオンとスクアーロが会っていた事に感づく。

思い返せば、スクアーロはミオンの事にも目を掛けていた気がする。

その証拠が、この争奪戦の前のあの台詞だ。

スクアーロがミオンを気に掛けているのと同じように、ミオンもまた、スクアーロを気に掛けているのか。

山本は、スクアーロの隙を創るには、それを利用するしかない、とふと思った。だが、と思いとどまる。

スクアーロの心を掻き乱して、揺らして取った勝利に意味があるだろうか。

それを思った時、山本は粘る事を選んだ。

姑息な手を使うのは、剣士としてどうだろうか。だが、現状は良くないわけだが。

 

 

「う゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛い、やる気あるのか、てめぇ!!」

 

 

さっきから、スクアーロが弱い者虐めしているようにしか見えないくらいに優勢になっている。

それに不満を持ったスクアーロは、山本に怒鳴った。

山本からはやる気が感じられない。むしろ、尻込みしている様にも思う。

それが、スクアーロを苛つかせた。

一体、真剣勝負を何だと思ってやがる!?

 

 

「てめぇがその剣に懸けてんのは、余程ちゃっちいモノらしいなぁ!

それで、ミオンを引き入れようなんざ、よく思えるなぁ、小僧!!

まぁ、てめぇはここで終わりだぁ!!」

 

 

「ぐぁっ!!」

 

 

スクアーロが雄叫びの様に叫ぶと、山本に切り掛かっていく。

山本は、スクアーロの言葉に硬直して、動けなくなる。

自分が今、この場にいるのは、ちゃちな理由なんかじゃない。

視界が暗くなっていく山本の目に、不意に紅い色が映り込んだ。

その後に、右肩に焼ける様な熱さを感じて、山本は自分が斬られたのだと理解する。

肩から、夥しい量の血が飛沫を上げながら噴き出して、そこから止め処なく血が流れていく。

死―――――そんな言葉が山本の脳裏に過ぎった。

これじゃあ、自分は何の役にも立ってねぇじゃねぇか・・・・・・。二勝三敗で、もう後がない。

これで負けたら――――そう思った時、山本は戦慄に似た感情を覚えた。

自分だけじゃなく、仲間も殺される・・・・・・。

折角、和解してこれから、みんなで楽しく過ごせると思ってた矢先に、全滅なんて有り得ないだろ・・・・・・。

そこまで思って、自分の気持ちを奮い立たせた時だった。

山本の耳に、残酷な言葉が突き刺さる。

 

 

「殺す前に、最期に絶望的なバッドニュースを教えてやる。

貴様が使っている時雨蒼燕流は、俺には効かねぇ。

何たって、その流派は昔捻り潰した流派だからなぁ!!」

 

 

スクアーロの言葉に山本だけでなく、沢田側の人間は驚きに目を見開く。

ミオンとリオンはその話を知っていたので、特に驚いている様子はない。

終わりだ・・・・・・。山本は最期を見てしまった。

と、その時、スクアーロから聞き慣れない単語が出てきたのを、山本は聞き逃さなかった。

 

 

「最後に足掻くかぁ?

それも良いぜぇ。他の継承者は最後まで技を見せてくれたからなぁ!

まぁ、最後に八の型、秋雨を放ったと同時に無残に散っていったがなぁ!!」

 

 

八の型、秋雨?

聞いた事のない型に、山本は頭を捻る。

何だ、その型は。聞いた事ねーぞ・・・・・・。

そして、山本は自らの匠である父の言葉を思い出す。

“時雨蒼燕流は、完全無欠最強無敵よぉ!!”

その言葉が頭に響いて、そして、その意味を理解する。

そうか、そう言う事か。

山本の目に、絶望ではなく淡い希望の光が宿っていく。

もしかしたら、少しだけでも勝算はあるかも知れない。

山本は、刀を低位置に構えた。

 

 

「時雨蒼燕流・・・・・・」

 

 

「てめぇの脳味噌は豆腐かぁ!

その構えは知っているぞぉ、さぁ、打てぇ、秋雨を!!」

 

 

スクアーロは山本が構えると勝利を確信した。

互いが水を蹴る音が空間に響いて、両者がぶつかり合う。

次の瞬間には、立場が逆転していた。

 

 

「時雨蒼燕流攻式八の型―――篠突く雨」

 

 

「な・・・・・・にぃ!!」

 

 

山本の刀の峰がスクアーロの体を強く打ち付ける。

胃から血が逆流して、スクアーロの口から血反吐が流れた。

そのまま、スクアーロは水浸しの床に倒れ込んだ。

山本の口元には笑みが浮かんでいて、その唇から「やっぱりな・・・・・・」と声が漏れる。

 

 

【神様に恋をしてた頃は】

 

 

「う゛ぉ゛ぉ゛い、貴様ぁ!!

時雨蒼燕流以外の型が使えるのかぁ!?」

 

 

口から血を撒き散らしながら、スクアーロは山本に問う。

山本は、一か八かの賭をしたのだ。

スクアーロが篠突く雨を知らない、と言う事に賭けた。

その賭は当たっていて、スクアーロは篠突く雨を知らなかったのだ。

だから、対処ができずに山本の型を食らってしまった。

山本は読みが当たった事で口角を上げた。

 

 

「いんや、今の()時雨蒼燕流だぜ。

八の型、篠突く雨はオヤジが作った型だ。

あんたが知らなくて、当然だろうな」

 

 

【こんな別れが来るとは思ってなかったよ・・・・・・】

 

 

山本の言葉に、スクアーロは目を見開いた。

どういう事だ?

そして、直ぐに悟った。時雨蒼燕流は継承者がそれぞれに技を生み出して、それを弟子に教えていたのだ、と。

そして、自分が倒した継承者と山本に型を継承させた師は同じ師匠から同じ型を習い、そこから独自に型を作ったのか。

その事に気付いたから、山本は無駄だという言葉を聞かずに型を打ってきた、と言う事か。

その事に気付くとスクアーロは、口元の血を拭い、山本に声を掛けた。

 

 

「正直、ここまでやるとは思っていなかったぜぇ・・・・・・。

だから、その峰打ちは解せねぇ。真剣勝負を舐めやがって」

 

 

【もう二度と触れられないなら せめて最後にもう一度抱き締めて欲しかったよ・・・・・・】

 

 

そう、山本は峰打ちでスクアーロに攻撃していた。

スクアーロは、苛立たしげに吐き捨てる様に言った。

山本としては、“勝負する”為にスクアーロと戦っているのであって、“殺す”為ではない。

だから、スクアーロに刃で打ち込まなかったのだ。

それをスクアーロは、勝負への冒涜だ、と言った。

 

 

【It’s long long good-bye......】

 

 

 






雲雀恭弥(15)


昔は病弱で優しかった少年。
ミオンにより、性格を180度変えられてしまったある意味被害者その1。
きっと、ミオンが戦闘技術なんか教えなかったら、あのまま優しい少年で成長していただろうに。ご愁傷様。
ミオンに想いを寄せているが、ミオンに婚約者(仮)が居る事を知って、大きくショックを受ける。
幼馴染みに、塚下ラクスという美少女が居る。
今では、笹川京子に学校面でパシられている、不憫な風紀委員長。
最近、ヒバードが思春期なのか反抗してきて、もう泣きたい。
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