Preghiera di duo~月に祈りを星に願いを~ 作:紅 奈々
引っ越しも落ち着いて、後は出産を目前にマターリするだけ・・・・・・と思っていたのに、まさかの風邪ですよorz
執筆は滞るし(自業自得だろ)、風邪は引くし(自業自得ry)、もう、散々すぎるorz
さて、そんな与太話は終わりにして、大空の守護者戦、開幕です!
夜の帳が降りて、満月が南の空に差し掛かってきた夜も深い時刻。
ミオン達が来た時には、ランボ以外の沢田側の守護者が集まっていた。
神妙な面持ちで、争奪戦が始まるのを待っている沢田達の目の前にXANXUS達が到着した。
「来たか、ドカス・・・・・・」
「XANXUS・・・・・・」
嘲笑うかの様に言葉を放ったXANXUSに、沢田は呟いた。
負ける訳にはいかない。
XANXUSに勝って、今までの日常を取り戻すんだ。
そう固く決心して、沢田はXANXUSを見据えた。
「ヴァリアー側の守護者が揃いました」
「沢田氏側の守護者も揃いました」
チェルベッロの言葉に振り返ると、チェルベッロに抱えられたランボと、ベッドに固定され、身動きの取れないルッスーリアが居た。
沢田は「ランボを離せ!」とチェルベッロに食って掛かる。
まだ、怪我が治ってないんだぞ!と沢田が抗議すれば、それはヴァリアーも同じです、と、チェルベッロにぴしゃりと返された。
「今宵の対戦は、命ある全ての守護者に招集を掛けました。
怪我をしていようが、ボスの大事な招集の時に参加するのは、守護者として当然の使命です」
チェルベッロの言葉に納得できないが、ルッスーリアの状況も同じなので、それ以上は食って掛かる事をやめた。
すると、山本が「スクアーロは?」と、スクアーロの姿が見えない事を指摘した。
ミオンははっとして、その姿を探そうとする。
すると、チェルベッロの無機質な声が冷たく響いた。
「雨の争奪戦の結末をご存知の筈です。
スクアーロ氏の生存は否定されました」
チェルベッロの言葉にミオンは俯いた。
スクアーロは死んだ。解っていた事じゃないか。
それを再認識させるようなことを訊くなんて、どれだけ無神経なんだ?
若しくは、彼もスクアーロの死を受け入れられないから、訊いたのか?
考えても仕方がないが、あまりにも山本は神経がないと、ミオンは思った。
チェルベッロの言葉に、その場に何とも言えない、居たたまれない空気が流れる。
「命ある全ての守護者を招集したのは、他でもありません。
もう一度、リングを奪い合ってもらう為です」
チェルベッロの言葉に、沢田側の守護者は今度は騒然とする。
了平が「命がけで勝ち取ったリングを手放せと言うのか!」と抗議する。
それさえも、チェルベッロの一言で黙らされた。
「真の守護者なら、不安に思う事もないでしょう。
最後にリングは守護者に相応しいと思われる人物の元に行くのですから」
チェルベッロの言う事は尤もだ。
最後にリングはその力の持ち主に相応しい人間を選ぶ。
その手からリングが離れればそれは、リングの守護者に相応しくないと言う事だ。
それを言われれば、黙り込むしかない。
了平が口を噤むと、ベルフェゴールが白い歯を剥き出して笑った。
「つーことは、俺達も戦えちゃうわけ?」
ベルフェゴールが問えば、チェルベッロは沢田達とヴァリアー全員にリストバンドを渡しながら、このリストバンドは小型モニターが付いており、各守護者の状況をリアルタイムで観られること、対戦中はこのリストバンドを付けていてもらいます、と説明した。
「各守護者はそれぞれ、かつてのリング争奪戦のフィールドへ、ミオン様に関しては、旧校舎の屋上へ移動してください」
「無論、この対戦で守護者同士が戦う事もできます。
但し・・・・・・
チェルベッロの指示通り、守護者は過去の対戦フィールドとなったエリア、ミオンは旧校舎の屋上に移動した。
その間にも、チェルベッロの説明は続いた。
マスクで表情が見えないチェルベッロの無機質な声がやけに冷たく聞こえた瞬間、沢田とXANXUS、そしてミオン以外の守護者の手首に激痛が走った。
それは即効性のようで、身体中に走る激痛に全員が倒れた。
じわりじわりと身体を蝕んでいく熱を帯びている痛みは、徐々に強くなっていく。
「只今、沢田氏、XANXUS様、ミオン様以外のすべての守護者にリストバンドより強力な猛毒、デスヒーターが注入されました」
「何だって!?」
驚愕する沢田を尻目に、チェルベッロは淡々と説明していく。
「身体を蝕む焼けるような痛みが快感・・・・・・失礼、麻痺を引き起こし、野生の巨象でさえも歩行不能にします。
そして、30分後には死に至るでしょう」
「解毒方法は、リストバンドに備え付けられている窪みにそれぞれの守護者のリングを嵌める事です。
そうすれば、デスヒーターの解毒剤が注入され、徐々に回復していきます」
え、さっきのチェルベッロ、何か言おうとして言い直さなかったか?と、その場に居た、誰もが思った。
たまに無意識に他人の意識を盗み見てしまえるリオンに至っては、何も見なかったことにしよう、と、チェルベッロの意識をシャットダウンした。
さっきの変なことを言いかけたチェルベッロは、そんなリオンに気付いていながら、からかうようにほくそ笑む。
こんな性格のヤツ、何処かであった覚えがある・・・・・・!と、苛立ちを隠しながら、リオンはまさかな・・・・・・と、チェルベッロの存在自体をないものとすることにした。
その間にも、チェルベッロの説明は続く。
「リングは、それぞれの守護者が戦った戦闘フィールドに立っているポールの上です。
取れるものなら、取ってみてください。
ミオン様に関しては、O.C.波以外での干渉は厳禁です。」
「その代わり、ミオン様には、ヴァリアーを生かすも殺すも自由、逆に沢田氏側の守護者を生かすも殺すも自由の権利があります。
ミオン様の干渉次第で、どちらが死んでも、その責任は問われないものとします」
「要するに、オレはアイドルみたいに歌ってろって事かい。随分楽な戦いだな。」
皮肉を込めてミオンが確認すれば、チェルベッロは「そうです」と頷いた。
「そして、最後の説明になりますが、特殊弾での干渉は、今の内にしておいてください。
バトルが始まれば、外野からの全ての干渉を禁止します。
戦闘は、範囲が広域になる為、モニターを通じて観覧者側に中継します。」
チェルベッロの言葉とともに、何もなかった筈の空中にモニターが現れた。
恐らく幻覚である事は間違いないだろう。
「リボーン」
「あぁ」
沢田がリボーンに声を掛けると、それを合図にリボーンは、沢田に死ぬ気弾を撃ち込んだ。
夜中の並中に銃声が響くと、沢田の額にオレンジの炎が灯る。
無表情ながら、沢田の目には、静かな闘志が宿っていた。
それを皮切りに、チェルベッロが逞しい声を張った。
「それでは、大空の守護者、XANXUSV.S.沢田綱吉、
チェルベッロの声が月明かりの夜空の下に響いて、誰にとっても長い夜が始まった。
XANXUSと沢田、それぞれの思惑と想いがぶつかる、ボス同士の対戦。
最後に笑うのは、すべてを支配する暗黒の大空か、すべてを包み込む抱擁の大空か。
戦いの行方は、神のみぞ知る―――――。