Preghiera di duo~月に祈りを星に願いを~   作:紅 奈々

75 / 84
この小説のリボキャラは、原作?何それおいしいの?と言うくらいにキャラ崩壊している事があります。
作者の趣味ですので、悪しからず。

それと、原作にはない設定が組み込まれているので、注意が必要です。


標的2

【嘆キノ壁ハ積ミ上ゲラレテ

愚カノ神ハ奉ラレル】

 

 

「どうなったんだ・・・・・・?」

 

 

黒煙で画面が見えず、沢田の安否を気にするシャマルの声が落とされた。

京子、レオナ、バジルは画面を食い入る様に見つめ、何とか沢田の状態を確認しようとする。

黒煙が晴れてきて、沢田の手が最初に見えた時、その場に戦慄が起こった。

見えた沢田の手は、グローブでなくミトンに変わっており、そればかりか死ぬ気の炎が灯ってなかった。

「これまでか・・・・・・」と、リオンは声を落とす。

煙が晴れた先には、無傷のXANXUSが立っており、沢田は満身創痍でその身を地面に横たえていた。

 

 

「ふっ、バカめ。

くだらねぇ猿真似でテメェの死期を早めやがって。

どのみち、テメェにミオンは相応しくない、と言う事だ。

カスが。

テメェがあの技を使おうなんざ、千年早ぇ。

カスはカスらしく、消し炭になってろ」

 

 

満身創痍の沢田の顔を見ながら、XANXUSは沢田を嘲笑う。

その言葉は勿論、観覧席の京子にも聞こえていた。

 

 

「こんな所で・・・・・・。

こんな所で死んだら、許さないから・・・・・・」

 

 

京子は、睨む様にモニターを見上る。

こんな所で死んでもらっては困る。つい最近、和解したばかりじゃない。

京子は、目に溜めた涙を零さない様に、モニターを睨んだ。

すると、京子の声が届いたかの様に、沢田の額にオレンジの炎が灯って、沢田が目を開けた。

大きな炎がグローブに灯り、沢田は起き上がった。

その光景に、XANXUSは目を見開く。

 

 

「あぁ、リボーンさん!!」

 

 

「ツナ君!!」

 

 

「成功だな」

 

 

バジル、京子が歓喜の声を上げ、リボーンがその口元に笑みを零す。

 

 

「そうか、沢田の奴、XANXUSの憤怒の炎を中和したのか」

 

 

「どういう事?」

 

 

リオンの推測に、レオナが説明を求める。

 

 

「死ぬ気の零地点突破っつーのは、普段のニュートラルな状態を零地点、死ぬ気の炎が出ている状態をプラスとした場合、その逆のマイナス状態になる境地のことだ」

 

 

「つまり、何もしていない時よりも死ぬ気が空っぽの・・・・・・廃人状態、って事?」

 

 

リオンの説明に、レオナが京子にも解りやすい様に例えた。

言い方は酷いが、つまりは廃人である。

京子の頭に、廃人と化した沢田が連想された。

 

 

「そうだぞ。

廃人になった分、敵の炎を受けてもその炎を吸収してダメージをなくしてしまえるんだ」

 

 

リオンの説明の続きをリボーンが引き取れば、京子は「それ、何てチート?」と呟いた。

「それは気にしたらお仕舞いだ」とは、京子の呟きを拾ったリオンの言葉だ。

誰も「廃人」と言う言葉に突っ込まないのは、敢えてスルーで。

そんな話をしている間に、XANXUSは沢田を嗤った。

 

 

「誰に吹き込まれたかは知らんが、零地点突破はそんなちゃちな技ではない!!」

 

 

XANXUSの言葉に、沢田、コロネロ、レオナ、バジルが反応した。

XANXUSは、「ホンモノとは似ても似付かねぇな」と続ける。

XANXUSの言葉に眉を顰める、リオン。その微量な表情の変化に気付いたのは、リボーンだけだった。

 

 

「考えても見ろ。腐ってもボンゴレの奥義だ。

使い手がそんな満身創痍になる様なちゃちな技なわけがあるか!」

 

 

XANXUSは、沢田を嘲笑う様に言った。

バジルが「知った様なことを!!」と腹立たしげに吐き捨てるが、リオンに「お前は知っているのかよ?」と問われ、口を噤む。

バジルが知っているのは、沢田が修行してきた「技」だ。初代がどんな技を編み出したのかは誰も知らない。

―――そう、少なくとも、ある人間以外の人間は。

 

 

 

 

 

「生きるは毒杯 杞憂の苦しみを飲み干す術を誰が授けよう

太陽に棲むと言う賢者の鷲 羽ばたきだけが谺する」

 

 

歌いながら、ミオンは沢田が零地点突破を繰り出すのを見ていた。

確かに、沢田の零地点突破は初代とは似ても似付かない。

だが、沢田には沢田の零地点突破がある様にも思える。

または、新しく生み出そうとしているのか。

どちらにせよ、彼が生まれ変わりならば、出来るかも知れない。

ミオンにも受け継がれている超直感(・・・)がそれを予感した。

 

 

「この(ふた)つの目に宿った 闇夜(やみ)月光(ひかり)そのどっちで 僕は未來(あした)を見つめるべきなのだろう?

渇ききった瓦礫の街 点と線を繋ぎ合わせ

意味などない事ばかり 溢れてゆく」

 

 

 

 

【焔の如き孤独 抱く(からだ)鎮めては

暗渠へと滴っていく雫】

 

 

【掲げる毒杯 この生は満ちても焦がれる死の夢は流れ着く

砦に喰い込む爪孤高の鷲 羽ばたきだけが舞い上がる

あの蒼穹に磔刑(たっけい)にしてくれたまえ

天と地が結ぶ場所に僕は立つ】

 

 

 

 

「終わりだ、カス。

灰すら残らねぇ様に消してやる」

 

 

XANXUSは言いながら、銃に炎を貯めて行く。

その様子に臆するどころか、沢田は微笑んだ。

 

 

「しっかり狙えよ」

 

 

沢田の微笑みは、何かを確信したかの様な妖しいそれで居て綺麗な笑みをしていた。

それが気に食わない様で、XANXUSは不快を露わに眉を顰める。

そんなXANXUSに「次は上手くやってみせる」と、グローブを構えた。

その構えは、さっきの両手の人差し指と親指を合わせて三角形を作る構えではなく、人差し指の側面に親指を付けて、四角形を作る構えだ。

 

 

「零地点突破 改」

 

 

沢田はXANXUSを見据え、言った。

 

 

 

花実(かじつ)の様な記憶達は 焼かれ爛れ抜け殻だけ あの日の霊魂(たましい)は何処へ逝ったのだろう

冷たい(はだ)寄せて触れて 胸の傷と傷を縫合(あわ)

再び辿るべき地図 ここに刻む】

 

 

 

「零地点突破・・・・・・改?

彼奴、いきなり無茶だろ・・・・・・」

 

 

リオンは呆れた様にモニターを見た。

幾ら、彼奴が覚醒したからと言って、まさか、いきなり自分の奥義を改良するなよ。無茶な所は相変わらずだな・・・・・・。

リオンは頭を抱えたくなった。

まさか、自分たちの先祖(・・・・・・・)が戻ってくるなんて思わないだろ。しかも、戻ってきた途端に無茶をかましてくれやがる。

本当に困った奴だ。死んでも知らねぇぞ。

 

 

 

「世界は視えぬ翼 その月影(かげ)に隠された

純白のひと羽 射止めよ」

 

 

やっと、目覚めたか。

ミオンは、不意に懐かしい気配を感じた。

沢田に会った時から、沢田がボンゴレⅠ世(ジョット)の生まれ変わりであることは解っていた。

だが、その時はまだ、彼は目覚めていなかった。

ボンゴレの血(ブラッド・オブ・ボンゴレ)が覚醒して初めて、沢田は目覚める。

このまま、永遠に眠っててもらった方が良かったのに。そしたら、大嫌いな父親の顔を見なくて済んだのに。

まぁ、最も・・・・・・沢田にジョットの時の記憶(・・・・・・・・・)があれば、の話だが。

沢田にジョットの時の記憶がないことを願いたいが・・・・・・。どうも、無理そうだ。

その証拠に、沢田は零地点突破を改造しようとしてる。

そんな無茶、あの親父ならやりかねない。

ミオンは頭を抱えた。

「十代先まであんたを許さない」喧嘩別れした後から、それっきりだった気がする。

死に目にも会ってない、そればかりか、自分はイタリアへ渡って、国の頂点に君臨した。

それから、ジョットには会うことがなかったのだ。いつ死んだのかも解らない、死亡通知すら来なかった辺り、母と共に共倒れでもしたのだろうと思っていた。

それから、ジョットが生まれ変わってくることはなかった。先祖返りなら居たが。

そんな事を無意識に考え、ミオンは頭を振る。

関係無い事を考える暇があるなら、XANXUSを勝たせないとな。

オレが就きたいのは、最強のボンゴレだ。沢田のボンゴレなんかに就きたいと思わない。

 

 

「生きるは祝杯 口移しの快楽(けらく) 渇く嗤いも息も絶え絶えに

まぐわい合う慰みの掌に 虚しさだけが膨らんで

ああ玉砕と美しく散り逝くならば

恍惚の先にはまだ君が居る」

 

 

 

 

「何度もはったりに引っ掛かると思うなよ。

本物の零地点突破にそんな構えはねぇ!」

 

 

「ほう・・・・・・?

お前が零地点突破の何を知っている?」

 

 

XANXUSの言葉に沢田は、微笑んで挑発めいた言葉を投げかける。

その様子をモニターで見ていたリオンは頭を抱えたくなった。

この争奪戦の後、ミオンと沢田は会わせない方が良いな。流石に生まれ変わってまで親子喧嘩なんざ見たくねぇよ・・・・・・。

それ、何て拷問?

 

 

「ドカスが・・・・・・。

二度とその名を口に出来ねぇ様、かっ消してやる!!」

 

 

「やれるモンならやってみろ」

 

 

XANXUSの言葉に沢田は余裕の笑みすら浮かべて、言った。

それが余計にXANXUSの癇に障る。

XANXUSは高速移動で沢田に迫ると、そのまま、沢田を蹴り飛ばして、吹っ飛んだ沢田に弾丸を放つ。

そのまま、XANXUSは沢田を嬲り殺す様に沢田に銃弾を放った。

銃弾は沢田に被弾していく。

観覧席に戦慄が走った。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。